Hong Kong Cup: Sha Tin Group 1 Turf 2000m

香港期待のRomantic Warriorはオーストラリア遠征を敢行し、Cox Plate勝ちという大きな成果を手に入れた。香港調教馬が域外の中距離G1を勝つのはVengeance Of RainのDubai Sheema Classic以来であろうか。

本戦の中心はやはりこのRomantic Warriorなのだが、O'Brien厩舎が送り込んできたLuxembourgは並大抵の相手ではなく、春のQueen Elizabeth II Cupで2着のPrognosisが再び挑んでくるなど楽なレースではなさそうである。

Luxembourg: Camelot - Attire by Danehill Dancer

アイルランド産馬、4歳、レーティング123、12戦6勝。

2歳でFuturity Trophy、3歳でIrish Champion S、4歳でTattersalls Gold Cupを勝つ安定した中距離ランナー。今年はPrince Of Wales's SとIrish Champion Sで2着に入っており、10F戦がとにかく得意である。ここ2戦はAuguste Rodinと同じレースに出走していたため、主戦のR. Mooreを持っていかれJ.A. Heffernanの手綱になっていたが、香港ではR. Mooreに戻る。

多数の有力ファミリーが属する8-f族でAd Altioraの分岐に位置する。Aquarellisteらが近親に出るようにWildenstein由来の牝系であり、祖母AsnieresをSangster家が手に入れて以降はSangster家の所有の一門である。

スピード不足になりがちなMontjeuにはMr. Prospectorが有効で、KingmamboならNureyevも持ち込めるというのが父Camelot。そこにシンプルにDanehillをクロスさせている形で、Danehillとの相性が良い母系には十分だろう。

Romantic Warrior: Acclamation - Folk Melody by Street Cry

アイルランド産馬、5歳、レーティング123、16戦11勝。

地元香港の中距離エース。去年の勝ち馬で、今年はQueen Elizabeth II Cupを完勝した。今シーズン初めからオーストラリア遠征を敢行し、Turnbull S4着から臨んだCox Plateで見事勝利。その能力は香港内にとどまるものではないことを証明した。

祖母がカナダのG1 E. P. Taylor Sを勝ったFolk Opera。12Fの方に実績があり、そのスタミナを産駒たちに伝え、Romantic WarriorのいとこにあたるMr. Bailettiはペルーで2600mのG1 Gran Premio Nacional August .B Leguiaを勝っている。

Horizon Dore: Dabirsim - Sweet Alabama by Enrique

フランス産馬、3歳、レーティング120、8戦6勝。

フランス調教で、夏場に台頭して中距離の重賞を3連勝し、シーズン最後にイギリスのChampion Sに出走して3着となった。

父Dabirsimはハットトリック産駒でフランスで2歳G1を2勝し、欧州の最優秀2歳牡馬とフランス年度代表馬に選出された活躍馬である。3歳以降は活躍できなかったが、引退後にドイツで種牡馬入りし、現在はフランスに移っている。産駒は欧州の重賞で散見し、G2を勝っているHorizon Doreが筆頭馬である。

母系はフランスの土着牝系で二線級といったところ。母Sweet Alabamaもパリではなく南部がメインでスペインへの遠征もあるといった様子。

Prognosis: Deep Impact - Velda by Obserbatory

プログノーシス、日本産馬、5歳、レーティング119、11戦6勝。

今年G2の金鯱賞勝ちからQueen Elizabeth II Cupに遠征して2着。戻ってきて札幌記念を勝ち、秋の天皇賞で3着と日本の中距離路線の上位馬である。天皇賞については馬のふりをした何かが走っていたのである程度は仕方ない。とはいえ春にRomantic Warriorに2馬身負けた分を詰め切れるかは難しいのではないか。

半姉にCheveley Park Sを勝ったVordaが出ている。三代母のVal D'Ericaはイタリアの牝馬二冠でフランスオークスにも出走して2着という実績を残した。

Rousham Park: Harbinger - Reinette Groove by King Kamehameha

ローシャムパーク、日本産馬、4歳、レーティング116、10戦6勝。

3連勝で函館記念オールカマーと重賞連勝していよいよG1挑戦が香港となった。天皇賞よりはましとはいえ、相手関係はかなりきつい。

HarbingerはDansiliの後継種牡馬ではトップの実績なんだが、どうにも日本だとそういうイメージが持たれていなさそうでもったいない。

Hishi Iguazu: Heart's Cry - La Liz by Bernstein

ヒシイグアス、日本産馬、7歳、レーティング115、19戦7勝。

2021年にHong Kong Cupで2着に入り、翌年には宝塚記念でも2着と一線級にのし上がったが、今年はやや不振。

Money Catcher: Ferlax - Warren's Sister by Savabeel

ニュージーランド産馬、6歳、レーティング114、28戦3勝。

ニュージーランドでデビューして香港に移籍した。香港ではG3を2勝し、去年のHong Kong Cupで3着。今年Hong Kong Gold Cupでも3着だが、Golden SixtyやRomantic Warriorとは差がある。

Straight Arron: Fastnet Rock - Imperial Lass by Tavistock

オーストラリア産馬、5歳、レーティング113、16戦6勝。

オーストラリアでG3勝ちがあり、今年から香港で出走している。前走は香港の前哨戦G2 Jockey Club Cupを勝ってきた。

Sword Point: American Pharoah - Jazz Song

オーストラリア産馬、5歳、レーティング110、20戦4勝。

前走のJockey Club Cupで2着。

Nimble Nimbus: Sacred Falls - Marahau by Pins

ニュージーランド産馬、6歳、レーティング109、24戦5勝。

重賞に姿を見せたのは今シーズンになってから。前走Jockey Club Cupは4着。

Champion Dragon: Starspangledbanner - Via Lattea by Teofilo

アイルランド産馬、5歳、レーティング100、21戦3勝。

前走でClass 2戦を勝っての参戦。G3 Ladies' Purseで2着の実績がある。

Melbourne Cup: Flemington Group 1 Turf 3200m

フランス産馬とアイルランド産馬がそれぞれ8頭で最多の出走頭数である。アイルランド産馬ではClevelandが取り消しており出走が8頭である。後はオーストラリア産が2頭、イギリス産が2頭、ニュージーランド産は2頭で、日本産が1頭との23頭の出走である。
斤量が重いのはフランス産馬が多く、長距離の欧州産馬ならフランス産が強いと言えるだろう。その中でもドイツ由来の血統が重視されているのがここしばらくの状況。アイルランド産馬はイギリスやアイルランドで行き場をなくした血統馬が流れてきているというところか。
展開によっては中距離の持続性の様相を呈し、必ずしもスタミナ勝負を要求されるわけではなく、2400m程度で走っている上級馬が持っていくレースになる場合がある。
では出走馬。馬番=斤量順。

Gold Trip: Outstrip - Sarvana by Dubai Destination

フランス産馬。Ciaron Maher & David Eustace厩舎。2番枠、斤量58.5kg。
24戦3勝で去年の勝ち馬。去年は57.5kgを背負って勝ちきっている。今年は同じく3200mのG1 Sydney Cupを15着と大負けしている。G1 Turnbull S勝ち。フランス時代にはG1 Prix Ganayで2着や凱旋門賞4着の実績もある。
Aga Khanの牝系出身で、Sのイニシャルだが12-c族でSarafinaらとは異なる。先代から受け継がれていて、そのファミリーにはKalanisiが出ている。
父Outstripは北米芝路線の活躍馬Asi Siempreの仔でBC Juvenile Turfの勝ち馬。Gold Tripはその初年度産駒である。

Alenquer: Adlerflug - Wildblossom by Areion

フランス産馬。Michael Moroney厩舎。9番枠、斤量56.5kg。
18戦5勝で、イギリス時代はG1 Tattersalls Gold Cupを勝ち、G1 International Sで2着の実績もある。今年からオーストラリアに舞台を移しているが、結果は芳しくなく、3000m級の距離も今回が初めてとなる。
Gestut Romerhofがフランスで生産したドイツ血統のように見せかけて、実のところAdlerflugの母系である9-h Aライン以外でドイツ要素は薄い。

Without A Fight: Teofilo - Khor Sheed by Dubawi

アイルランド産馬。Anthony & Sam Freedman厩舎。16番枠、56.5kg。
22戦10勝。Sheik Mohammed Obaid Al Maktoumオーナーブリードでイギリスでデビュー後、今年になってオーストラリアに移籍した。イギリス時代からステイヤーで16FのG3 Silver Cup勝ちが最大の実績。オーストラリア移籍後は中距離で実績を積んで、前走は2400mのG1 Caulfield Cupを勝った。
去年はCrisford厩舎名義のままMelbourne Cupに出走して13着。今年は最重要のCaulfield CupでGold Tripらを下しての参戦となる。

Breakup: Novellist - Little Jun by Kurofune

日本産馬。ブレークアップ。吉岡辰弥厩舎。18番枠、斤量55kg。
22戦5勝。G2アルゼンチン共和国杯勝ちがあり、今年G2阪神大賞典3着から、春の天皇賞4着の実績を残した日本のステイヤー。前走のCaulfield Cupでは8着だった。
父がNovellistで祖母の父にKing's Bestが入る血統はAlenquerなどよりよほど五代前でのGERが多い。
日本からの遠征は2019年のMer De Glace以来であり、その時と同様に前哨戦にCaulfield Cupを選んだ。Caulfield CupMelbourne Cup最大の前哨戦ではあるが、結果は連動しないことも多いので8着という結果はあまり気にしなくてもよいだろう。かつてはDelta BluesとPop Rockもこのレースを使って本番で好走しているが、Pop RockのCaulfield Cupは7着であった。

Vauban: Galiway - Waldfest by Hurricane Run

フランス産馬。Willie Mullins厩舎。3番枠、斤量55kg。
14戦7勝でアイルランドからの遠征馬。
フランスでデビュー後にアイルランドに移籍してハードル戦を走っていた。ハードルレースではG1 Spring Juvenile Hurdle、G1 Triumph Hurdleを勝ってPunchestownのChampion Hurdleで2着もある実績馬。フラットレースの勝ち鞍は2400mまで、ハードルレースでは16Fを中心に出走していたようである。前走はフラットでNaasのG3 Ballyroan Sを勝っている。
Gestut Ravensbergの5-h牝系でWのイニシャルを持っていたところ。すなわち三代母がWaldmarkであり、Waldgeistの近親である。

Soulcombe: Frankel - Ribbons by Manduro

イギリス産馬。Chris Waller厩舎。4番枠、斤量53.5kg。
15戦5勝。イギリス時代はYorkのハンデキャップ戦で14Fを勝っていた。オーストラリアでは2600mのG3 Queen's Cupを勝っている。近走はG1 Turnbull S3着からG1 Caulfield Cupを7着。
近親にSoviet Songが出ている20-aで祖母はその全妹Sister Actである。

Absurde: Fastnet Rock - Incroyable by Singspiel

フランス産馬。Willie Mullins厩舎。8番枠、斤量53.5kg。
15戦4勝。Wertheimerのオーナーブリードでフランスでデビュー後、アイルランドのWillie Mullins厩舎に移籍した。
キャリアの特徴はVaubanに似ていて、こちらも移籍した今年からハードルレースに使われている。前走はYorkのEbor H勝ちで長距離戦の走力はある。

Right You Are: So You Think - Leica Ding by Redding

オーストラリア産馬。Ciaron Maher & David Eustace厩舎。15番枠、斤量53kg。
26戦10勝。普段は中距離で走っているが条件戦からG3くらいまでのイメージ。近走でG1に出走しているが、G1 Underwood Sで5着、G1 Turnbull Sで11着、G1 Caulfield Cupで5着といずれも足りていない。
母系はニュージーランドLeica Ladyで要するにNothin Leica Daneの近親となる8-k族。母Leica Dingは2400mのG3 Geelong Cup勝ち馬。

Vow And Declare: Declaration Of War - Beblitzt by Testa Rossa

オーストラリア産馬。Danny O'Brien厩舎。19番枠、斤量53kg。
37戦5勝。4年前の勝ち馬で現在8歳。去年のMelbourne Cupは54kgを背負って10着だった。今年はさらに1kg軽くなり53kgでの出走。一定の力は保っており、今シーズンは2000mのG1 Caulfield Sで2着、2500mのG2 Moonee Valley Cup2着から参戦となった。
9-c Tessa Gillianの牝系でイギリスに残っていたLoraの分岐だったが、結局オーストラリアに買われてきている。同分岐にはCracksmanやタイトルホルダーが属している。

Cleveland: Camelot - Venus De Milo by Duke Of Marmalade

アイルランド産馬。Kris Lees厩舎。23番枠、斤量52kg。出走取消。
15戦3勝。クールモアの生産馬で2歳で勝ち上がるも3歳シーズンを全休し、4歳になって復帰した。Joseph O'Brien厩舎に移ったものの大成せず今年になってオーストラリアに遠征し、そのままKris Lees厩舎に移籍した。G1 Sydney Cupは16着であったが、Randwickの高額賞金戦2600mのSt. Legerで2着するとG2 Moonee Valley Cupを勝った。
Poet's WordやHarbour Lawが近親にいる7-a族で距離には自信があるだろう。

Ashrun: Authorized - Ashantee by Areion

フランス産馬。Ciaron Maher & David Eustace厩舎。11番枠、51.5kg。
17戦4勝。2020年のMelbourne CupにAndreas Wohler厩舎から出走して10着。その後の動向がよくわからないが、今年になってCiaron Maher & David Eustace厩舎からバリアトライアルに現れ、今シーズンからオーストラリアで出走している。前走はG3 Geeleong Cupで2着となっていてなんだろうな感がすごい。2020年にすでにオーストラリアのシンジケートに売却されていたようではある。

Daqiansweet Junior: Sweet Orange - Paulette by Keeper

ニュージーランド産馬。Phillip Stokes厩舎。12番枠、斤量51.5kg。
27戦7勝。3200mのG2 Adelaide Cupを勝ち、G1 Sydney Cupで3着と距離に自信がある。今年になって長い距離を使っていないがちょっと戦績を落としている。

Okita Soushi: Galileo - Amicus by Fastnet Rock

アイルランド産馬。Joseph O'Brien厩舎。20番枠、斤量51.5kg。
13戦4勝。Coolmoreの生産馬で日本人馬主だからこの馬名なのか。
Joseph O'Brien厩舎からのデビュー戦でO'Brien厩舎の良血馬を喰っている。その後はDundalkのオールウェザーで連勝しているのが目立つくらい。そこで16Fをこなしている。Caulfield Cupからの遠征で、前走は12着。
ニュージーランドOlympic Aimから広がる22-b族で母AmicusはCaulfieldのG1 Thousand Guineas勝ち。近親にStarspanngledbanner。また、Elvstroem、Haradasun、Highland Reelなども同じ一門である。

Sheraz: Sea The Stars - Shemiyla by Dalakhani

フランス産馬。Chris Waller厩舎。22番枠、斤量51.5kg。
Aga Khanの生産馬で23戦4勝。G1 Sydney Cupで2着の実績がある。
こちらのSは3-o族でBay Bridgeが出ているところ。

Lastotchka: Myboycharlie - Muthla by Muhtathir

フランス産馬。Mick Price & Michael Kent厩舎。21番枠、斤量51kg。
12戦4勝。前走はLongchamp 3100mのG3 Prix Gladiateurを勝っている。また去年はSaint-Cloudで2800mのG3 Prix Belle De Nuit勝ちがあり、距離は問題なさそう。このレースからオーストラリアに移籍となっている。

Magical Lagoon: Galileo - Night Lagoon by Lagunas

アイルランド産馬。Chris Waller厩舎。7番枠、斤量51kg。
13戦3勝。去年エリザベス女王杯に出走したお馴染みMagical Lagoon。オーナーのYulongはオーストラリアで大規模な生産拠点を構えており、その関係もあってか今年はオーストラリアに移籍して出走している。
ドイツの4-r族Nixeの一族で活躍馬多数。Novellistの半妹である。

Military Mission: Mastercraftsman - Atlantic Isle by Tamayuz

アイルランド産馬。Gai Waterhouse & Adrian Bott厩舎。5番枠、斤量51kg
27戦7勝。2400mを得意とする。前走はCaulfieldのG2 Herbert Power S勝ち。

Serpentine: Galileo - Remember When by Danehill Dancer

アイルランド産馬。Gai Waterhouse & Adrian Bott厩舎。1番枠、斤量51kg。
21戦3勝。Coolmoreには母方にDanehillを抱えたGalileo産駒なんて対して重要でもないのだろうが、2020年のDerby Sを5馬身半差で勝ったほどの馬が去勢されてオーストラリアで6歳の現役生活を送っているというのは悲しみが強い。確かにDerbyの後は勝てず、4歳になってから長距離路線にシフトしたというのは間違いなくあるのですが。去年はG3 Archer Sの2着からMelbourne Cupに臨むも20着に終わっている。
今年になって復調しており、G3 Premier's Cupで2着。前走はG3 Bart Cummings Sを3着。
9-c族で祖母Lagrionの産駒にDylan ThomasやHomecoming Queen、従兄がShaleである。種牡馬としての期待が低いのは仕方ないか。

Virtuous Circle: Almanzor - She Is Stryking by Stryker

ニュージーランド産馬。Liam Howley厩舎。    6番枠、斤量51kg。
13戦2勝。Australian Derbyの2着馬だがその後はさっぱりである。

More Felons: Churchill - Pivotalia by Pivotal

アイルランド産馬。Chris Waller厩舎。24番枠、斤量50.5kg。
14戦4勝。Geelong Cup 5着からの参戦。

Future History: Showcasing - Likelihood by Mizzen Mast

イギリス産馬。Ciaron Maher & David Eustace厩舎。13番枠、斤量50kg。
16戦6勝。G3 Bart Cummings Sを勝ち、前走のMoonee Valley Cupは3着
祖母はYellow Ribbon S勝ちのLight Jigでその産駒にSeek Againが出ている。

Interpretation: Galileo - Daldiyna by Dansili

アイルランド産馬。Ciaron Maher & David Eustace厩舎。17番枠、斤量50kg。
16戦4勝。前走はBendigoのG3 Bendigo Cup勝ち。
DaylamiDalakhani兄弟がでたAga Khanの9-e族で三代母がDaltawaである。

Kalapour: War Command - Kaladena by Daylami

アイルランド産馬。Kris Lees厩舎。14番枠、斤量50kg。
19戦5勝。G3 Chairman's Hの価値があり、近走でもG1級で好走し、Metropolitan Hを3着、G3 Archer S勝ちから参戦する。
Aga Khanの12-c族でGold Tripの同族。こちらはKalanisiが近くKのイニシャルを維持している。

True Marvel: Masked Marvel - Anecdotique by Enrique

フランス産馬。Matthew Smith厩舎。10番枠、斤量50kg。
53戦8勝。G1 Sydney Cupの2着馬。その後G2のBrisbane Cupでは3着と長距離戦の実績はある。
8-f Ad Altioraの牝系で母の半弟にTrueshanが出る。

BC Sprint: Santa Anita Grade 1 Dirt 6F

7FならGuniteにロマンを乗せても良いのだが、6FではElite Powerをどうにかできる気がしない。

Nakatomi: Firing Line - Appleicious by Flatter

アメリカ産馬。Wesley Ward厩舎。

4歳馬。重賞勝ちはなく、前走はG2 Phoenix Sで2着。

Dr. Schivel: Violence - Lil Nugget by Mining For Money

アメリカ産馬。Mark Glatt厩舎。

3歳では5連勝でBC Sprintに参戦したが、最後にAloha Westの強襲に屈して2着。古馬になってからはDubai Golden Shaheenで3着になるが、その後は1年の休養を余儀なくされ5歳の今年になって復活した。前走はG2 Santa Anita Sprint Championshipを勝った。

American Theorem: American Pharoah - Mighty Renee by Maria's Mon

アメリカ産馬。George Papaprodromou厩舎。

6歳馬。去年はG1 Bing Crosby Sを勝ったが、BC Sprintでは8着。今年はパッとせず、前走のG2 Santa Anita Sprint Championshipは5着。

Hoist The Gold: Mineshaft - Tacit Approval by Tapit

アメリカ産馬。Dallas Stewart厩舎。

前走G2 Phoenix S勝ちの4歳馬。

Three Technique: Mr Speaker - Nite In Rome by Harlan's Holiday

アメリカ産馬。Jason G. Cook厩舎。

G2 John A. Nerud S勝ちの6歳馬。

The Chosen Vron: Vronsky - Tiz Molly by Tiz Wonderful

アメリカ産馬。J. Eric Kruljac厩舎。

下級条件でよく走り17戦13勝というキャリアのカリフォルニア産馬。3歳でG3を2勝しているほどだったが、5歳となった今年はSanta Anitaのブラックタイプレースをメインに出走していた。前走でG1 Bing Crosby Sを勝ってその能力がG1級であることを証明した。8連勝中。

Speed Boat Beach: Bayern - Sophia Mia by Pioneerof The Nile

アメリカ産馬。Baffert厩舎。

2歳で4戦して3勝。BC Juvenile Turf Sprintは9着だったが、G3 Cecil B. DeMille Sを勝った。芝のスプリンターだったが、3歳の今年はダートに転じ、G2 Santa Anita Sprint Championshipの1戦のみで2着であった。

Elite Power: Curlin - Broadway's Alibi by Vindication

アメリカ産馬。William Mott厩舎。

去年の勝ち馬。初勝利から5連勝でBC Sprintを制した。今年はG3 Riyadh Dirt Sprint、G2 True North S、G1 Alfred G. Vanderbilt Sと連勝を8まで伸ばしたが、前走のG1 Forego Sでは7F得意のGuniteの2着で連勝が止まった。負けたとはいえ他馬に6ポンド与える条件だったこともあり、この路線で最強は揺るがないか。

Gunite: Gun Runner - Simple Surprise by Cowboy Cal

アメリカ産馬。Steven Asmussen厩舎。

7Fが得意のGun Runner産駒。去年はBC Dirt Mileに出走して4着。今年はRiyadh Dirt SprintでElite Powerに負け、Dubai Golden ShaheenではSibeliusとSwitzerlandにも負けた。いずれも1200m戦である。

北米に戻るとChurchill Downsのリステッドを快勝して復帰。その後6FのG1 Alfred G. VanderbiltではElite Powerに負け、7FのG1 Forego Sは6ポンド差があったとはいえElite Powerを下しており、大変分かりやすい。前走はParxのリステッドParx Dirt Mileに出走し2着だった。

マイルは長いという印象があり、Sprintを選んだのは正解だろう。ただ1頭、手の打ちようがない相手がいるだけだ。

BC Turf Sprint: Santa Anita Grade 1 Turf 5F

日本からスプリンターズS、BC Turf Sprint、Hong Kong Sprintというルートは面白そうではある。

Big Invasion: Declaration Of War - Curls In Place by Curlin

アメリカ産馬。Christophe Clement厩舎。

北米芝のスプリンターで前走はカナダのG2 Nearctic S勝ち。Royal AscotのQueen Elizabeth II Jubilee Sに遠征していたが13着に終わっている。

Bradsell: Tasleet - Russian Punch by Archipenko

イギリス産馬。Archie Watson厩舎。

Royal AscotのG1 Kings Stand Sを勝った3歳馬。G1 Nunthorpe Sは3着、Flying Five Sは7着とその後はよくない。

母系はNureyevとSadler's Wellsの近親クロスを有する祖母に、Specialの近親クロスを組んでいるArchipenkoを入れたSpecial4本の強烈な配合。ここにBeat Hollowを見てOasis Dreamをぶつけてくる怪配合だが、血統の見た目はクロス馬が5代前に後退していてシンプルにすら見える。

クラッチすることが発表された。

Caravel: Mizzen Mast - Zeezee Zoomzoom by Congrats

アメリカ産馬。Brad Cox厩舎。

ペンシルバニア産の6歳牝馬。北米芝スプリントの上位馬で去年の勝ち馬。今年もG1 Jaipur S、G2 Shakertown Sを勝っていて意気軒高である。前走はG2 Franklin SでTony Annの出し抜けを食らいクビ差負けだが、勝負の綾程度の差だろう。

Tony Ann: Cairo Prince - Never Ever by In Excess

アメリカ産馬。Philip D'Amato厩舎。

前走のG2 Franklin SでCaravelを下してブラックタイプウィナーとなった5歳馬。

牝系はBrookfieldのイニシャルIの11号族に由来し、Harris Farmsがカリフォルニアに持ち込んだもの。母の半弟にCost Of Freedomが出ている。

Live In The Dream: Prince Of Lir - Approaching Autumn by New Approach

アイルランド産馬。Adam West厩舎。

今年ハンデキャップ戦を連勝して台頭し、G1 Nunthorpe Sを勝った。徹底した5Fランナーである。前走はKeenelandのG2 Woodford Sに出走し、先行したが始終競られてオーバーペースで4着に終わっている。

Gear Jockey: Twirling Candy - Switching Gears by Tapit

アメリカ産馬。George Arnold II厩舎。

前走はKentucky DownsのG2 Ainsworth Turf Sprintでゴール前の大接戦を制した。G1レベルとなると厳しい。

Nobals: Noble Mission - Pearly Blue by Empire Maker

アメリカ産馬。Larry Rivelli厩舎。

G2 Twin Spires Turf Sprintの勝ち馬。

Aesop's Fables: No Nay Never - How's She Cuttin' by Shinko Forest

アイルランド産馬。O'Brien厩舎。

3歳馬。デビュー2戦目でG2 Futurity Sを勝ったが、それ以降未勝利。前走はPrix De L'Abbaye De Longchampで3着。

Roses For Debra: Liam's Map - Essential Rose by Bernardini

アメリカ産馬。Christophe Clement厩舎。

ペンシルバニア産の4歳馬。G3 Caress S勝ち。前走はG3 Turf Monster Sで3着。

Motorious: Muhaarar - Squash by Pastoral Pursuits

イギリス産馬。Philip D'Amato厩舎。

イギリスでデビューし、去年から北米に移籍。G3 San Simeon S、G2 Green Flash Hと重賞を2勝した。

Jasper Krone: Frosted - Fancy Kitten by Kitten's Joy

アメリカ産馬。森厩舎、ジャスパークローネ。

前走はスプリンターズSで4着。G3を2勝している。

Miswakiを出した16-g Hopespringseternalの直系でStorm CatA.P. IndyGhostzapper、Kitten's JoyときてForstedとなる構成である。

Arzak: Not This Time - Delightful Melody by Tapit

アメリカ産馬。Michael Trombetta厩舎。

前哨戦の一つG2 Woodford S勝ち馬。

BC Classic: Santa Anita Grade 1 Dirt 10F

枠順が出る前からGeaux Rocket RideとMageが消え、枠順が発表された後にArcangeloがスクラッチとレース前から3歳馬が悲惨な状態にある。Preakness S馬National Treasureは健在だがDirt Mileに行ってしまった。そもそもForteはエントリーまでたどり着かずに引退しているわけで、春頃の上位馬が全く不在。古馬は去年の上位馬がことごとく引退していて明け4歳の層が薄いところにTaibaが中東で行方不明になっており、Country Grammerも北米復帰戦で惨敗して引退、その他春先の上位馬も皆消えて行ってしまいこちらの核もないままの一年だったと言える。DefundedやStilleto Boyがトップを張れるかといわれればそりゃ無理でしょうよ。

サウジとドバイの中東2戦はSaudi CupがPanthalassa、Dubai World CupがUshba Tesoroとどちらも日本の手に落ちた。BC ClassicにはUshba Tesoroが参戦し、3歳馬でUAE Derby勝ちからKentucky Derbyに出走したDerma Sotogakeもエントリーしている。

Arcangelo: Arrogate - Modeling by Tapit

アメリカ産馬。Jena Antonucci厩舎。

勝ち上がりからG1 Belmont S、G1 Travers Sを含む4連勝としており、最有力と目されていたが、調教に出てこずそのまま引退が発表された。夭折したArrogateの最良の後継種牡馬という役回りがあるので、無理はできないのは理解できるが。

Zandon: Upstart - Memories Preval by Creative Cause

アメリカ産馬。Chad Brown厩舎。

4歳馬で上位で安定した戦績を残す。とはいえ勝ちが遠く、G1はBlue Grass Sのみ。前走のG2 Woodward Sはそれ以来の勝利となった。

White Abarrio: Race Day - Catching Diamonds by Into Mischief

アメリカ産馬。Richard Dutrow Jr.厩舎。

4歳馬。G1 Florida Derbyの勝ち馬で、今年はG1 Whitney Sを圧勝した。追い上げてきたZandonを直線でぶっちぎったのは出色で、今年の古馬中距離では一番のレースだった。

Missed The Cut: Quality Road - Beauly by Sea The Stars

アメリカ産馬。John Sadler厩舎。

4歳馬。今年北米に移籍して前走でG3 Tokyo City Cupを勝った。ダート12Fで圧勝となったが、母父にSea The Starsいるしまあ距離は行けたということだろう。

Derma Sotogake: Mind Your Biscuits - Amour Poesie by Neo Universe

日本産馬。音無厩舎、デルマソトガケ。

日本の2歳ダートチャンプで今年はG3 Saudi Derbyを3着からG2 UAE Derbyを勝ってKentucky Derbyに参戦して6着。それ以来出走していないので判断に困る。今年の3歳馬が壊滅状態となっているため、Kentucky Derby出走馬からは唯一のBC Classic出走となった。

Saudi Crown: Always Dreaming - New Narration by Tapit

アメリカ産馬。Brad Cox厩舎。

三冠戦には間に合わず、G3 Dwyer S、G2 Jim Dandy Sを2着として、G1 Pennsylvania Derbyを勝った。北米三歳馬の最後の砦である。

Clapton: Brethren - Alexandra Rylee by Afleet Alex

アメリカ産馬。Chad Summers厩舎。

フロリダ産の4歳馬。G1 Jockey Club Gold Cupを4着、その後G2 Lukas Classicを勝って参戦してきた。

Ushba Tesoro: Orfevre - Millefeui Attach by King Kamehameha

日本産馬。高木厩舎、ウシュバテソーロ。

Dubai World Cupを勝った6歳馬。6連勝中でドバイから戻った後は十分に休養を取って船橋日本テレビ盃で復帰戦を快勝した。

BC ClassicはDubai World Cupと全く連動しないし、そもそも6歳馬には分の悪いレースだが、今年ほど層が薄いことは無かったわけで、ダートの2000mなら下手なレースにはならないだろうし。そもそもOrfevre産駒はわけわからないので考えるのをやめよう。

9-f BayouのファミリーでSeptieme Cielも入る母系は北米向き。BCでClassicとDistaffの両方を勝たせている種牡馬はそう多くないので、Orfevreがそこに加わるなら面白いしぜひどうぞ。

Senor Buscador: Mineshaft - Rose's Desert by Desert God

アメリカ産馬。Todd W. Fincher厩舎。

5歳馬でG2 San Diego Hの勝ち馬。

Dreamlike: Gun Runner - Time To Tap by Tapit

アメリカ産馬。Pletcher厩舎。

G1 Pennsylvania Derbyの2着馬。8-d Carol's ChristmasのファミリーでGun Runner×Tapitという典型的なWinchellの生産馬。

Bright Future: Curlin - Sophia's Song by Bellamy Road

アメリカ産馬。Pletcher厩舎。

4歳馬で7戦4勝。前走のG1 Jockey Club Gold Cupを勝ってBC参戦となった。

Arabian Knight: Uncle Mo - Borealis Night by Astrology

アメリカ産馬。Baffert厩舎。

3歳馬。G1 Haskell Sを3着のあとG1 Pacific Classicを勝った。古馬混合のG1を逃げ切り勝ちで評価されているが、直線で脚が完全に鈍ってGeaux Rocket Rideに迫られており、そこまで良いレースだったようには思えない。現在一番人気である。

Proxy: Tapit - Panty Raid by Include

アメリカ産馬。Michael Stidham厩舎。

G1 Jockey Club Gold Cupを2着の5歳馬。G1 Clark S勝ちがある。

BC Turf: Santa Anita Grade 1 Turf 12F

完全に欧州馬優勢のレースになっており、過去10年で北米産馬で勝ったのはMain SequenceとBricks And Mortarのみ。Main SequenceはFlaxman Holdingsのオーナーブリードでイギリスデビューからの移籍馬であったため、純粋な北米馬はBricks And Mortarのみともいえる。

今年も人気を集めているのは欧州馬で、北米では距離不安のUp To The Markか牝馬War Like Goddessかという様相。

Shahryar: Deep Impact - Dubai Majesty by Essence Of Dubai

日本産馬。藤原厩舎。2021年の日本ダービー馬シャフリヤール。

今年は連覇を狙ったDubai Sheema Classicを5着、帰国後に出走した札幌記念が11着という戦績。札幌記念のあとに喉の手術を受けており、そこからぶっつけでBC Turfとなった。それでも下手に国内のレースに出るより勝算がありそう。この後は香港に転戦予定で、国内出走はないまま引退しそうだが、天皇賞のアレを見てしまってはそれが幸せなんじゃないかと納得するレベル。

流石に札幌記念の敗戦とその後の手術という事情からかなり人気が落ちている。

Onesto: Frankel - Onshore by Sea The Stars

アイルランド産馬。Fabrice Chappet厩舎。

去年のG1 Grand Prix De Parisの勝ち馬で、ジャパンカップに出走したので名前は知られていると思う。

今年はG1を3戦して勝ちがないものの凱旋門賞で3着になっている。

Gold Phoenix: Belardo - Magnifica by Mizzen Mast

アイルランド産馬。Philip D'Amato厩舎。

3歳ではDundalkで1戦しただけで、4歳になって北米に移籍した。今年G1 Frank E. Kilroe Mileを勝ち、G2 Eddie Read S、G2 Del Mar Hも勝っている。前走のG2 John Henry Turf Championshipでは5着。

Bolishoi Ballet: Galileo - Alta Anna by Anabaa

アイルランド産馬。O'Brien厩舎。

北米で良績を持つ5歳馬。3歳ではG1 Belmont Derby Invitationalを勝っており、今年はG1 Sword Dancer Sを勝った。12Fの能力は証明しているが、頂点のレースでは足りない。

Auguste Rodin: Deep Impact - Rhododendron by Galileo

アイルランド産馬。O'Brien厩舎。

愛ダービーにIrish Champion Sなら3歳馬として十分な実績だが、今年の3歳はAce Impactのインパクトが強すぎて少しかすんでしまう印象。勝つレースは強いが、2000 Guineasにキングジョージと負けたレースがイメージ悪く、せめてBC Turfくらいは勝っておきたいという見方はできる。

ダメなときは全くレースをしないので当てにしづらいのは間違いなく、モーニングラインとはいえ一番人気をMostahdafに譲ってしまった。

Get Smokin: Get Stormy - Hookah Lady by Smoke Glacken

アメリカ産馬。Mark Casse厩舎。

北米の芝馬。6歳になっているが、去年はAl Quoz Sprintに出走しているほどに路線が迷子。前走で芝12FのG2 Kentucky Turf Cupを勝って12Fで行けることを示した。

クラッチとなることが発表された。

Broome: Australia - Sweepstake by Acclamation

アイルランド産馬。O'Brien厩舎。

おなじみBroome。2年前はBC Turfで2着だったが、ここでYibirの末脚に屈して勝てなかったことで上りきれず現役を続ける羽目になっている。今年は長距離路線に進みG2 Dubai Gold Cupを勝った。

気が付けばあのとき勝ったYibirも長距離戦に出てきているので、まあ救いようがない感じ。あちらは騙馬で現役を続けるしかないとはいえ。

Up To The Mark: Not This Time - Belle's Finale by Ghostzapper

アメリカ産馬。Pletcher厩舎。

北米の芝馬トップの立ち位置となっている。G1 Maker's Mark Mileで3着になったあと、G1 Turf Classic、G1 Manhattan S、G1 Coolmore Turf Mileを3連勝してBC Turfに出走する。見ての通りで12F戦の経験がなく、どちらかというとBC Mileの方が向いていそうではあるが、あっちは相手が強すぎるという判断だろうか。どっちにしても無理ゲー感は変わらないだろうが。

Mostahdaf: Frankel - Handassa by Dubawi

アイルランド産馬。John Gosden厩舎。

去年は凱旋門賞を惨敗してシーズンを終えた。今年はサウジアラビアからドバイへの遠征で始動し、G2 Neom Turf Cupを勝ち、G1 Sheema Classicでは4着に健闘した。イギリスにもどるとRoyal AscotのG1 Prince Of Wales's Sを勝ってその能力が一級のものであることを示すと、G1 International SではPaddingtonとNashwaを下した。

10Fの方が得意だろうが12Fもこなす。Sheema ClassicではShahryarに先着している。あのレースは勝ち馬がおかしすぎた。

Frankelに母父Dubawiというのは相性の良い組み合わせで、AdayarやMcKulickが出ていて距離への対応力がある。

Adhamo: Intello - Foreign Tune by Invincible Spirit

アイルランド産馬。Chad Brown厩舎。

Wertheimerの生産馬でフランスでデビューし、G3 La Forceを勝っている。その後は成績が付いてこず、古馬になった去年に北米に移籍し、G1 United Nations Sを勝った。今年はG1 Arlington MillionとG1 Canadian Internationalで3着。

King Of Steel: Wootton Bassett - Eldacar by Verglas

アメリカ産馬。Roger Varian厩舎。

Derbyの2着馬でその後もキングジョージ3着、Irish Champion Sが4着とトップクラスのG1で結果を残し、とうとうAscotのChampion SでG1勝ちとなった。2歳のFuturity Trophyも含めてAuguste Rodinとの直接対決では分が悪く、相手にまともに走られると勝てない感じである。

British Championsからの転戦は中2週でちょっとレース間隔の面できついところはあるか。

Balladeer: Distorted Humor - Golden Ballad by Galileo

アメリカ産馬。George Papaprodromou厩舎。

4歳馬で前走G2 John Henry Turf Championshipを勝った。

War Like Goddess: English Channel - Misty North by North Light

アメリカ産馬。William Mott厩舎。

芝12Fガチ勢の6歳牝馬。登録段階からFilly And Mare TurfへのダブルエントリーはせずにTurf一本に絞り込んでいる。

古馬になってから本格化した北米の芝重賞戦線のトップホース。Loves Only Youが勝った2021年のFilly And Mare Turfで一番人気を背負ったほどだったが、年を経るにつれて10F級への対応力を失っており、今年はG1 New York Sで6着と不本意な結果も味わった。得意とするG2 Glens Falls Sの三連覇を逃したときは少し不安を感じたが、前哨戦のG1 Joe Hirsch Turf Classicは連覇を決めており仕上がりは問題ないだろう。

去年もBC Turfに出走し、GodolphinのRebel’s Romance、O'BrienのStone Ageに次ぐ3着だった。今年も警戒すべきは強力な遠征勢だろう。北米の芝馬として12F実績は一番だが、すでに上限が見切られている感じはあって人気は薄い。Onesto、Mostahdaf、Auguste Rodin、King Of Steelをまとめて倒す絵が見えないので仕方ないか。

BC Distaff: Santa Anita Grade 1 Dirt 9F

北米競馬のメインストリームは壊滅的な状態だが、牝馬戦は古馬が踏みとどまってくれているのでまだまし。2021年のような充実度は望めないにしても、あれから戦い続けているClairiereは偉大。

Hoosier Philly: Into Mischief - Tapella by Tapit

アメリカ産馬。Thomas Amoss厩舎。

3歳馬。G2 Black-Eyed Susan Sでの2着が目立つ程度。

A Mo Reay: Uncle Mo - Margaret Reay by Pioneerof The Nile

アメリカ産馬。Brad Cox厩舎。

G1 Beholder Mile Sの勝ち馬で、前走はG2 Beldame Sで2着。

Pretty Mischievous: Into Mischief - Pretty City Dancer by Tapit

アメリカ産馬。Brendan Walsh厩舎。

3歳のトップ。G1 Kentucky Oaks、G1 Acorn S、G1 Test Sと3連勝したが、前走のG1 Cotillion SはCeiling Crusherをとらえられずに2着。僅差勝ちばかりでいまいち評価が上がっていない中でCotillion Sを負けてしまい3歳牝馬のレベルが疑問視されている。

Idiomatic: Curlin - Lockdown by First Defence

アメリカ産馬。Brad Cox厩舎。

今年から重賞戦線に乗り込んできた4歳馬。現在4連勝中で、G1 Personal Ensign S、G1 Spinster Sを勝った。Nestを立て続けに下して現路線のトップに立っている。

Monroe分岐のBest In Show牝系に父Curlinで信用して良いだろう。

Adare Manor: Uncle Mo - Brooklynsway by Giant Gizmo

アメリカ産馬。Baffert厩舎。

5連勝中の4歳馬。西海岸のトップでG1 Clement L. Hirsch S、G2 Zenyatta Sを勝っている。Desert Dawnなどとの勝負付けは済んでいるが、今年は東の馬の方が強い。

Search Results: Flatter - Co Cola by Candy Ride

アメリカ産馬。Chad Brown厩舎。

皆様お分かりでしょうか。これがKlaravichっぽい命名の一類型です。

3歳から活躍し、3連勝で挑んだG1 Kentucky Oaksで2着、その後G1 Acorn Sを勝って君臨するかと思われたが、その後はG1を勝てないまま牝馬路線の上位馬で定着して5歳になってしまった。今年はG1 La Troienne Sを3着、Ogden Phipps Sを2着と相変わらず上位にいることは変わらない。

大きく負けたのが去年のBC Distaffだが、その時の上位馬がかなり抜けて結局今年もそれなりの人気で本番となりそうである。

Wet Paint: Blame - Sky Painter by Street Cry

アメリカ産馬。Brad Cox厩舎。

G1 CCA Oaksを勝った3歳馬。その後のAlabama SではRandomizedに負けて2着。

Randomized: Nyquist - French Passport by Elusive Quality

アメリカ産馬。Chad Brown厩舎。

Chad Brownでこういう馬名だとKlaravichの持ち馬です。知っていると通ぶれるので憶えておきましょう。

G1 Alabama S、G2 Beldame Sを連勝して挑んできた。Beldame SではA Mo Reayを下している。

Clairiere: Curlin - Cavorting by Bernardini

アメリカ産馬。Steven Asmussen厩舎。

2年前の4着馬。牝馬路線の上位で安定しており、去年のBC Distaffは3着だった。今年もG1 Apple Blossom HとG1 Ogden Phipps Sを勝ったものの、前走のPersonal Ensign Sでは後方待機から全く伸びず5着だった。

Desert Dawn: Cupid - Ashley's Glory by Honour And Glory

アメリカ産馬。Philip D'Amato厩舎。

アリゾナ産の4歳馬で16戦2勝。G2 Santa Anita Oaks勝ちでG1 Kentucky Oaksは3着だった。今年は勝ちがないもののG1 Clement L Hirsch Sで2着、前走はG2 Zenyatta Sでも2着。

産地こそアリゾナ州だが、ケンタッキーに送って種付けされており、血統面はケンタッキー産と遜色ない。

Le Da Vida: Gemologist - Viene Cantando by Gstaad

チリ産馬。Ignacio Correas厩舎。

去年の後半にチリから移籍し、今年になって北米の重賞に出てくるようになった。チリ時代も含めて重賞勝ちはなく、前走のG1 Spinster Sで2着などがあるのみ。