香港競馬史上でも指折りの名馬となったGolden Sixtyがその最後を飾るレースである。Voyage Bubbleでもどこまで対抗できるかというレベルで、日本とイギリスから4歳馬が遠征してきたものの相手が強すぎる。香港の今後のマイル路線と考えると4歳のGalaxy Patchに注目しておきたい。
Golden Sixty: Medaglia D'Oro - Gaudeamus by Distorted Humor
香港Francis Lui厩舎の8歳馬。レートは126。
香港のSha Tinのみで30戦26勝というとんでもない戦歴を誇る。去年のChampions Mileを勝った後は、12月のHong Kong Mileのみ出走だが、ベストパフォーマンスを出してVoyage Bubble以下を切り捨てた化け物である。去年のHong Kong Mileの直線で抜け出すときの迫力はとんでもない。初見の時はCalifornia Spangleが内で詰まって死んでると思ったら一瞬で前に行っていた印象である。
実戦こそ絞っているが、バリアトライアルを含めて調整は万全なようである。
Voyage Bubble: Deep Field - Raheights by Rahy
香港Ricky Yu厩舎の5歳馬。レートは119。
香港現5歳世代のエースで1月にはStewards’ Cupを勝って待望のG1タイトルを手に入れた。とはいえ、Hong Kong MileではGolden Sixtyに、Hong Kong Gold CupではRomantic Warriorに及ばずどちらも2着となっており、大物感に欠けている。前走はMeydanのDubai Turfに遠征したものの良いところなく13着に終わっている。
Beauty Eternal: Starspangledbanner - Ithacan Queen by Savabeel
香港John Size厩舎の5歳馬。レートは116。
今シーズンから重賞路線に出てきてG2 Jocky Club Mileを勝ったが、トップレベルではやや苦戦している。前走のG2 Chairman's Trophyでは1400mとはいえBeauty Joyに遅れを取る始末である。
Beauty Joy: Sebring - Impressive Jeuney by Jeune
香港Tony Cruz厩舎の7歳馬。レートは116。
1400mから1600mを主な舞台にしており、去年のChampions Mileで2着に入っている。今シーズンも重賞戦線で上位に来ており、前走ではBeauty Eternalを下してG2 Chairman's Trophyを勝った。
Obamburumai: Discreet Cat - Pink Gerbera by Deep Impact
日本吉村厩舎の4歳馬。レートは116。
去年のNHKマイルカップで3着に入ると秋はRosehillの高額賞金戦Golden Eagleに出走してこれを勝った。今年もまたオーストラリアに遠征し、Doncaster Mileに出走したがこれは13着で、香港に転戦してきた。
三代母のアジアンミーティアがUnbridled's Songの全妹で、近親にエントシャイデンという血統馬。
Brave Emperor: Sioux Nation - Roman Gal by Holy Roman Empror
イギリスArchie Watson厩舎の4歳馬。レートは115。
イギリス調教馬だが、実績は大陸側で残している。去年のEuropean Road to the Kentucky Derbyでは、終盤のCondition Raceを勝ち、Cardinal Sで2着となってポイントレースの勝者だったがアメリカには遠征せずドイツに向かった。KrefeldでG3 Dr. Busch-Memorialを勝ち、夏にDeauvilleのG3 Prix Daphnis、秋にはDusseldorfでG3 Grosser Preis der Landeshauptstadt Dusseldorf、San SiroでG2 Vittorio Di Capuaを勝った。この他にG2 Oettingen Rennenで2着等の実績を持つ。
今年はDohaに出てきてG2 Irish Thoroughbred Marketing CupでCairoを下している。
マイル近辺のレースを狙ってあちこちに遠征しているといったところであり、G1は今回が初挑戦となる。
Champagne Color: Duramente - Memorial Life by Reckless Abandon
日本田中厩舎の4歳馬。レートは115。
去年のNHKマイルカップの勝ち馬で、その直後に安田記念に向かったことで話題になった。秋シーズンは出走せず、今年になってダートのフェブラリーSに出走してまたも話題となり、更に高松宮記念にも出走した。NHKマイルカップで3着だったオオバンブルマイとともにレース選択の癖が強いが、シャンパンカラーの場合は安田記念以降が二桁着順ばかりで功を奏しているとは言えない。
Elton Barows: Deep Brillante - Shonan Carat by Brian's Time
日本杉山厩舎の4歳馬。レートは116。
去年は4月に勝ち上がると4連勝で毎日王冠を勝つところまで行ったが、その後はマイルチャンピオンシップを4着、今年になって中山記念で7着という結果に落ち着いている。
Galaxy Patch: Wandjina - Voltara by More Than Ready
香港Pierre Ng厩舎の4歳馬。レートは114。
4歳になって香港でデビューしたオーストラリア産馬。スプリントのハンデキャップ戦で4勝を挙げており、3月に出走したQueen's Silver Jubilee CupでG1に挑戦すると、直線で外から追い込んでCalifornia Spangleには届かなかったが、接戦の2着争いを制した。更に距離が2000mのHong Kong Derbyに出走し、直線では勝ったMassive Sovereignとともに追い込んできて追い詰めたものの2着だった。
単なる短距離馬ではないということもあってかマイル戦を選んできた。もっとも香港馬は4歳の三冠戦が終わってから各馬の得意距離に分かれていくような印象で、Galaxy Patchの今後のレース選択の面からも結果には注目。
Red Lion: Belardo - Crystal Idea by Namid
香港John Size厩舎の5歳馬。レートは114。
1400m戦をメインに出走しているが、前走のG2 Chairman's Trophyでは3着に入り、マイル戦に対応してきた。
Taj Dragon: Mehmas - Next Trail by Hard Spun
香港Pierre Ng厩舎の5歳馬。レートは110。
G3 Chinese Club Challenge Cupの勝ち馬。1600mでの実績はない。