Breeders' Cup Classic: G1 Del Mar Dirt 10F

稀に見る好メンバーのBC Classicだと期待を高めていたらSovereigntyが熱発により回避することが発表された。以下の内容はSovereigntyの出走を前提に書いたものだが、記録を残しておきたいという側面があるのでそのままにしておく。出走回避は残念だが、Sovereigntyを欠いてもなお充実した出走メンバーであることに変わりはない。

去年のBCは1着がSierra Leone、2着がFierceness、3着がForever Youngと3歳馬で上位を占めたこともあり、今年この上位3頭が再びBC Classicでぶつかるという珍しい展開となった。この3頭は近年のトレンドもあって出走レース数は少ないが、それぞれに古馬での実績を積み上げての参戦である。また、北米の4歳勢では今年になって重要なコンテンダーとして台頭したMindframeも出走の構えである。ここに3歳馬からは三冠路線から夏の3歳G1を独占したSovereigntyとJournalismに加えて三番手の評価を固めているBaezaも出走してくるとあって4歳と3歳のレベルの高さは過去のBC Classicを見てもなかなかないのではないか。

BC Classicの有力馬は間隔を空けてくるトレンドがあり、Fierceness、Sierra Leone、Soverignty、Journalismらは8月末以来2ヶ月ぶりのレースとなるのに対してForever Youngは休養から1戦叩いての遠征という臨戦過程の違いがポイントではないだろうか。

モーニングラインではSovereingtyがやや抜け出している評価となるが、3歳の2頭と4歳の4頭でハイレベルな混戦が期待される。

古馬の前哨戦では、Jockey Club Gold Cupでスタート直後に混乱が起こり、Mindframeが落馬しSierra Leoneにも大きく影響しているため注意が必要である。

Fierceness: City Of Light - Nonna Bella by Stay Thirsty

Todd A. Pletcher厩舎、John R. Velazquez騎乗。

13戦7勝の4歳馬。

2歳から活躍し、BC Juvenile勝ち。3歳になるとKentucky Derby路線の最有力馬となったものの本番は15着に惨敗した。その後は立て直し、G1 Travers Sを勝ってBC Classicを2着。今年になってもその実力は変わらず、前走のG1 Pacific Classicでは3歳の有力馬Journalismを寄せ付けずに完勝した。

今年もG1 Whitney Sで5着になっているように、時々飛ぶので信用はできない。Kentucky Derbyは特殊だとしても、2歳のG1 Champagne Sでも前科があるので注意が必要である。

Baeza: McKinzie - Puca by Big Brown

John A. Shirreffs厩舎、Hector Isaac Berrios騎乗。

8戦2勝でMageとDornochの半弟にあたる3歳馬。

デビューが遅れたもののG1 Santa Anita Derbyで2着となって以降世代の上位として活躍した。しかし、出走するレースにはJournalismやSovereigntyがいてG1タイトルに恵まれず、彼らのいないPennsylvania Derbyに出走してようやくG1馬となった。BCのステップレースとなる古馬混合戦はどこもハイレベルな出走馬だったのでペンシルヴァニアにG1のタイトルを取りに行ったのは良い選択だったように思われる。一方で古馬の強いところとあたっていないし、そもそもJournalismやSovereigntyに勝つ目がないのがつらいところ。

Nevada Beach: Omaha Beach - Morrow Cove by Yes It's True

Bob Baffert厩舎、Mike E. Smith騎乗。

4戦3勝の3歳馬。

今年の4月にデビューし、ListedのLos Alamitos Derbyの勝ち馬。前走はSanta Anitaの前哨戦で今年からかつての名称に戻されたG1 Goodwood Sを勝っている。有力馬がBC前に間隔を取るようになっているため1ヶ月前のG1はメンバーが薄くなっており、Goodwood SでもFull Serranoが人気という状況となって相手関係はいまいち。底を見せてはいないが一線級相手のレースがそのGoodwood Sしかなく未知の魅力より疑問が先に来るような立場である。

Contrary Thinking: Into Mischief - Valadorna by Curlin

Chad C. Brown厩舎、Florent Geroux騎乗。

7戦2勝の5歳馬。

4歳の去年になってデビューしたが2戦にとどまり、本格的にレースに使われたのは今年が初めてとなっている。Allowanceを勝ち上がるとG1 Whitney Sを9着、G1 Jockey Club Gold Cupではスタート直後の混乱の被害をまともに受けてレースにならず最下位入線だった。上級戦での実績はない。

Forever Young: Real Steel - Forever Darling by Congrats

Yoshito Yahagi厩舎、Ryusei Sakai騎乗。

12戦9勝、日本調教の4歳馬。

去年のKentucky DerbyとBC Classicで3着。今年は中東遠征を行い、G1 Saudi Cupを勝ってG1 Dubai World Cupが3着。Dubai World Cupはさすがに去年のBC Classicから東京大賞典を挟んでサウジアラビア、ドバイと遠征を続けた疲労の影響もあったように思われ、帰国後は秋まで休養に充てられた。日本で日本TV盃を勝って準備を整えて再度BCに挑戦となった。

去年戦ったSierra LeoneとFiercenessは中東に遠征せず、今年序盤は休養して夏前から本格的に出走し、それぞれ4戦をこなした状態で出走してくるのに対して、Forever Youngは夏に休養し、復帰後2戦目がBCとなる。遠征の影響もあるだろうが、状態は良いのではないか。

Sovereignty: Into Mischief - Crowned by Bernardini

William I. Mott厩舎、Junior Alvarado騎乗。

9戦6勝の3歳馬。Godolphinに待望のKentucky Derbyタイトルをもたらした。

今年はフロリダからKentucky Derby路線を進み、G1 Florida Derbyを2着からKentucky Derbyを勝った。その後Preakness SをスキップしてBelmont Sも勝利。どちらも2着はJournalismであった。Belmont SのあとはG2 Jim Dandy SからG1 Travers Sを制して4連勝。JournalismのみならずBaezaやHill Roadなどにも完勝で勝負付けが済んでおり、彼らが不在のTravers Sは10馬身差で圧勝して見せた。

経歴から3歳馬最強は疑いようもなく、古馬との力関係がポイントとなる。JournalismはFierceness相手に敗れたが、SovereigntyはJournalismとの差を考えるといい勝負に持ち込めそうなところにいる。

Sovereigntyは枠順発表後に発熱のため出走を回避することが発表された。

Sierra Leone: Gun Runner - Heavenly Love by Malibu Moon

Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

13戦5勝の4歳馬。去年の勝ち馬が連覇を狙って出走してくる。BC Classicの連覇となればTiznow以来の快挙である。

去年はG1 Blue Grass S勝ちからKentucky Derbyに出走して2着。その後G1 Belmont Sを3着、G1 Travers Sを3着と追い込んで勝ちきれなかったが、BC Classicでは早めに仕掛けて先行勢を薙ぎ払った。今年になってもG1 Stephen Foster SではMindframeを捕えられず2着と甘いがG1 Whitney SはFiercenessが凡走したとはいえ、道中最後方から一気に伸びて差し切った。前走のG1 Jockey Club Gold Cupは落馬したMindframeの影響を受けて不利があり、最後に追い上げたが2着。状況を考えればまずまずといったところだろう。

Forever Youngとは従兄弟の関係で、Kentucky DerbyとBC Classicで先着している最大のライバルともいうべき存在となっている。

Mindframe: Constitution - Walk Of Stars by Street Sense

Todd A. Pletcher厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

8戦5勝の4歳馬。メリーランド産馬として登録されている。

3歳の去年はキャリア3戦目で出走したBelmont Sを2着、続くG1 Haskell SもDornochの2着と世代上位の能力があることを示していた。今年になるとG2 Gulfstream Park Mileを快勝し、一時はドバイ遠征も取りざたされたが、遠征は見送ってChurchill Downs SとStephen Foster SとChurchill DownsのG1を連勝した。前走はJockey Club Gold Cupに出走したが、スタート後の混乱で鞍上のIrad Ortiz Jr.が落馬し、競走中止となった。

北米の4歳馬としてはFiercenessとSierra Leoneに次ぐ三番手である。7F戦では後ろからのレースになったが、基本的には前目で勝負するタイプでStephen Foster SではSierra Leoneの追撃を余裕をもって交わしている。

Journalism: Curlin - Mopotism by Uncle Mo

Michael W. McCarthy厩舎、Jose L. Otriz騎乗。

10戦6勝の3歳馬。今年は7戦4勝で2着が3回と安定している。

西海岸のKentucky Derby路線ではG2 San Felipe S、G1 Santa Anita Derbyと連勝し、一番人気でKentucky Derbyni出走したがSovereigntyの2着に終わった。その後Preakness S、Belmont Sと三冠戦を皆勤し、Sovereignty不在のPreakness Sを勝ったが、Belmont SではまたもやSovereigntyの前に2着に敗れた。Belmont S後は早くもG1 Haskell Sに現れて勝利すると、西海岸に戻って古馬相手のG1 Pacific Classicに出走するとFiercenessの2着となった。

キャリアではっきりしている通りSovereigntyが最大のライバルになるが、Kentucky DerbyとBelmont Sの内容からややSovereigntyが上回るという評価になるだろう。前走のPacific Classicではゲートを出た直後に他馬と接触したとはいえFierceness相手に歯が立たない結果でやや残念である。

San Felipe Sから毎月出走して三冠に皆勤というかなり詰まったローテーションを取った。Pacific Classic後に2ヶ月空けたが、今年の出走数は他馬より多く気に掛かる。

Antiquarian: Preservationist - Lifetime Memory by Istan

Todd A. Pletcher厩舎、Luis Saez騎乗。

4歳馬。通算9戦4勝で今年は4戦2勝。

3歳の去年はG3 Peter Pan S勝ちからG1 Belmont Sに挑んだが5着。今年はAllowanceの復帰戦を勝利したあと、G3 Blame SとG2 Suburban Sをともに2着として、前走のG1 Jockey Club Gold Cupを勝った。

Jockey Club Gold CupはPhileas Foggがスタート直後に内に切れ込んで隣枠のContrary Thinking、White Abarrioを押し込んだ挙句MindframeのIrad Ortiz Jr.が落馬するという影響が出ている。Antiquarianはその外に居たため影響を受けなかったが、Mindframeの内にいたSierra Leoneは落馬したIrad Ortiz Jr.と空馬になったMindframeを避けなければならず少なからず影響を受けた。このため、このレースの結果をそのまま受け取ることはできず、Antiquarianについては大外枠から混乱の影響なく前に付けることができた利点が大きい。

父PreservationistはArch産駒でG1 Woodward Sの勝ち馬。2020年からAirdrie Studにて種牡馬入りしていたが、今年韓国に売却された。

Breeders' Cup Turf: G1 Del Mar Turf 12F

このレース3勝目を狙うRebel's Romanceは7歳になっても衰えを見せない。このところはドイツで前哨戦をこなしてから直接BC Turfに遠征していたが、今回は北米で1戦をこなしての参戦となった。このJoe Hirsch Turf Classicからの転戦パターンも過去に経験しており特に問題はないだろう。

今年も欧州馬の優位は疑いなく、Coolmoreは3歳牝馬Minnie Haukを出走させる予定である。また、GoliathがドイツのBadenで勝って遠征しており、こちらも軽視できない。この3強のレースになると思われるが、前走のIrish St. Legerで2着だったAmilocも12F戦を主戦場としており注目である。

劣勢の北米勢では東西の芝G2路線からGold PhoenixとTawny Portが出走する。3歳馬では三冠路線から芝に戻った形になるHill Roadが控えており、このHill RoadをNashville Derbyで下したWimbledon Hawkeyeも出走する。

Rebel's Romance: Dubawi - Minidress by Street Cry

Charlie Appleby厩舎、William Buick騎乗。

29戦20勝の7歳馬。Godolphinのエースを務めるクラシックディスタンスランナーで、各地に遠征している。

BC Turfは2勝。去年はドイツのG1 Preis Von Europaをステップとして出走したが、今年は一つ早くG1 Grosser Preis Von Berlin勝ちの後にアメリカに入り、前走はJoe Hirsch Turf Classic勝ち。この馬の出走体制としては万全といったところ。

BCで3勝ならGoldikovaとBeholderに次ぐ快挙。同一レースならGoldikovaのBC Mile3連覇があるのみである。

Goliath: Adlerflug - Gouache by Shamardal

Francis-Henri Graffard厩舎、Mickael Barzalona騎乗。

16戦8勝の5歳馬。去年はKing Georgeを勝って名が知られ、ジャパンカップにも出走した。

今年は香港のG1 Queen Elizabeth II Cupから始動し、前走でドイツのG1 Grosser Preis Von Badenを勝っている。今年もジャパンカップに出走する意向が伝えられているが、BC Turfにも登録してきた。

Amiloc: Postponed - Colima by Authorized

Ralph M. Beckett厩舎、Rossa Ryan騎乗。

6戦5勝、イギリスの3歳馬。

小規模なオーナーブリーダーのAykroid夫妻の生産だが、この世代ではDerbyに出走したPride Of Arrasも彼らの生産馬である。

Amilocは2歳で2勝。今年はDerby路線に乗らずデビューからの連勝を4に伸ばしてRoyal AscotのG2 Kingedward VII Sを勝って5連勝。続けてG1 Irish St. Legerで2着と着実に結果を残している。

Redistricting: Kingman - Cascata by Montjeu

Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

11戦4勝の5歳馬。

G2 United Nations Sを勝ち、前走はG1 Joe Hirsch Turf Classicで2着と上り調子の5歳馬だが、Rebel's Romanceには軽くあしらわれている。

Rebel Red: Frankel - Without You Babe by Lemon Drop Kid

Cherie DeVaux厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

15戦4勝の5歳馬。

今年重賞戦線で活躍しており、G1 Sword Dancer Sで2着に入っている。前走のG1 Joe Hirsch Turf Classicは5着で最下位に終わった。

Wimbledon Hawkeye: Kameko - Eva Maria by Sea The Stars

James Owen厩舎、Lanfranco Dettori騎乗。

12戦3勝の3歳馬。

イギリス調教馬で2歳から活躍し、G1 Futurity Sで3着。今年は2000 Guineasに出走して5着だった。そこから距離を延ばし、G2 Dante Sを3着、G2 King Edward Sを4着、G2 Princess Of Wales's Sを2着としている。GoodwoodのG3 Gordon Sを2着の後、アメリカに遠征してKentucky DownsのG3 Nashville Derbyを勝った。

Silawi: Dubawi - Silasol by Monsun

Hamad Al Jehani厩舎、James Doyle騎乗。

26戦4勝の5歳馬。

Wertheimerのオーナーブリードだったが、3歳のシーズンが終わるとWathnan Racingにトレードされた。その後はカタールやドバイでも出走したが、結果は出ずフランスでは南部の競馬場にも出向く状況だった。今年になってWindsorのG3 Winter Hill Sを勝つとカナダに遠征してCanadian InternationalでNations Prideなどを下す勝利。隔年開催担っているCanadian Internationalのレベルは疑問で、Nations Prideも同陣営のRebel's Romanceとは対照的に年々成績を落としているのが実情である。

Minnie Hauk: Frankel - Multilingual by Dansili

Aidan P. O'Brien厩舎、Christophe Soumillon騎乗。

Coolmoreの3歳牝馬で7戦5勝。

今年Cheshire OaksをステップにOaks、Irish Oaks、Yorkshire OaksとG1を3連勝。前走の凱旋門賞でも惜しい2着となり、欧州12F路線の最強クラス。

12F特化というキャリアで、レースの格を考えても今更FM Turfもなかろうしといった最強のチャレンジャー。Coolmoreの牝馬はFoundが勝って、Magicalが2着になっているようにBC Turfとは相性が良い。

Gold Phoenix: Belardo - Magnifica by Mizzen Mast

Philip D'Amato厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

28戦10勝の7歳馬。

アイルランドでは3歳のデビュー戦勝ちのみで北米に移籍し、4歳から北米芝路線のプレイヤーとして活躍している。西海岸で出走し、マイルから12Fまでの距離をこなす。G1は5歳時のFrank E. Kilroe Mileのみだが、西海岸の10Fから12Fの芝G2を制圧していて、G2 Del Mar Hを4連覇している。BC Turfには2022年から出走しており、Keenelandでは10着に終わったが、Santa AnitaとDel Marでは4着と西海岸を得意としている様子が見て取れる。

7歳になったが11FのDel Mar Hをトップハンデで勝利し、前走の12FのG2 John Henry Turf Classicでも別定戦で1頭だけ126ポンドを背負ったが快勝しており、西海岸芝路線のトップホースである。

El Cordobes: Frankel - Bold Lass by Sea The Stars

Charlie Appleby厩舎、Billy Lounghnane騎乗。

11戦4勝、Godolphinの4歳馬。

3歳ではほぼ実績がなく、今年から重賞に出走し始めた。NewmarketのG2 Princess Of Wales's Sを勝つと北米に渡り、G1 Sword Dancer Sを勝っている。前走はJoe Hirsch Turf Classicを3着。Rebel'S Romanceには敵わないがGodolphinの二番手として出走する。

Rashabar: Holy Roman Emperor - Amazonka by Camelot

Brian Meehan厩舎、Joe Leavy騎乗。

11戦1勝の3歳馬。

2歳のG2 Coventry Sが唯一の勝ち鞍で、その後は上位入着しているが勝てない。Irish 2000 GuineasとSt. James Palace Sで4着。距離を延ばしてG2 Prix Guillaume D'Ornanoを2着で前走のG2 Prix Dollarは4着。

Tawny Port: Pioneerof The Nile - Livi Makenzie by Macho Uno

Miguel Clement厩舎、Manuel Franco騎乗。

29戦5勝の6歳馬。

東海岸ケンタッキー州で活躍する芝馬。3歳ではダートのG3 Lexington SやG3 Ohio Derbyを勝っているが4歳からは芝に出走している。勝ちきれず芝での重賞勝ちはないものの、G2 McDiamida SやG2 Kentucky Turf Cupなどでの2着があり、前走はG2 Canadian Internationalを2着。

Hill Road: Quality Road - Exotic Notion by Lemon Drop Kid

Chad C. Brown厩舎、David Egan騎乗。

9戦2勝の3歳馬。

アイルランドでデビューし、Maiden勝ちとCurraghのG1 National Sで7着の結果がある。その後アメリカに戻ってBC Juvenileに出走して3着に入り、ダートへの適性を見せた。Kentucky Derby路線ではG3 Tampa Bay Derbyで3着になるが、間隔を空けてG3 Peter Pan SからBelmont Sという路線を歩んだ。Peter Pan Sは勝ったものの、Belmont Sでは5着。G2 Jim Dandy Sで3着になると、芝に替わってG3 Nashville Derby3着からG2 Jockey Club Derbyを3着。芝とダートの両方をこなし、ダートでG3になっているとはいえ重要なレースであるPeter Pan Sを勝てる能力がある。

City Of Lightの甥になる血統で父がQuality Roadのため、かなり近い構成となっている。

Ethical Diamond: Awtaad - Pearl Diamond by Areion

Willie Mullins厩舎、Dylan Browne McMonagle騎乗。

14戦4勝の5歳馬。重賞への出走実績はなく、ハンデキャップ戦がメイン。平地競馬のシーズンオフにはハードル戦にも出走している。

Breeders' Cup Distaff: G1 Del Mar Dirt 9F

Thorpedo AnnaがSpinster S後に骨挫傷が発見され引退したことで一番人気が不在となったイメージのレース。3歳のKentucky Oaks馬Good Cheerも出走せず大物不在の混戦模様である。

古馬では西海岸で連勝中のSeismic BeautyとDorth Vader、3歳馬はダート転向してきたNitrogenが有力であろう。

日本から参戦する去年の4着馬Alice Verite、アルゼンチンのBC ChallengeであるGP Criadoresを勝ったSarawak Rimにもチャンスがありそう。

Nitrogen: Medaglia D'Oro - Tiffany Case by Uncle Mo

Mark E. Casse厩舎、Jose L. Otriz騎乗。

11戦6勝の3歳馬。

去年カナダの芝G1 Natalma Sを勝ってBC Juvenile Fillies Turfで3着。今年はG3 Florida Oaks、G3 Appalachian S、G2 Edgewood Sと3歳芝牝馬路線の重賞を総なめにする勢いでWonder Again Sにエントリーし、ダート変更で3頭のみが出走となったこのG3で圧勝した。続いてG1 Belmont Oaksにも圧倒的な人気で出走したがFionnに差されて2着に終わる。

Wonder Again Sでダートへの手応えを得たためか、G1 Alabama Sに出走してくるとGood Cheerを下して勝利。にわかにダート路線の有力馬となり、G1 Spinster Sの2着からBC Distaffへの出走となった。

Sarawak Rim: Remote - Sarawak Top by Giant's Causeway

Ignacio Correas IV厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

アルゼンチン産の4歳馬で5戦4勝。

アルゼンチンのG1 Gran Premio Criadoresを勝ってBC Distaffの出走権を手に入れると、アルゼンチン人調教師のIgnacio Correas IV厩舎に移籍しBC Distaff一本で調整して来た。

Ignacio Correas IVはこれまでにもアルゼンチン産馬を多く担当し、BC Distaff勝ちのBlue PrizeやDidiaを管理した。今年で引退してアルゼンチンに戻ることが報じられており、Sarawak Rimが最後のBC出走となる。

Clicquot: Quality Road - Royal Obsession by Tapit

Brendan P. Walsh厩舎、Flavien Prat騎乗。

5戦4勝の3歳馬。

台頭が遅く、今年4月に初勝利を挙げると4連勝でG3 Indiana Oaks、G1 Cotillion Sを勝ってきた。連勝中で勢いのある上り馬だが古馬戦の経験がなく、ここが大一番である。

Scylla: Tapit - Close Hatches by First Defence

William I. Mott厩舎、Junior Alvarado騎乗。

15戦5勝の5歳馬。

去年から重賞で上位だが勝ちきれず、G1 Ballerina Sを2着、G1 Spinster Sを3着からの参戦となった。安定感はあるものの、そこまでである。

Scottish Lassie: McKinzie - Bodebabe by Bodemeister

Jorge R. Abreu厩舎、Joel Rosario騎乗。

7戦2勝の3歳馬。

2歳のG1 Frizette Sと今年G1 Coaching Club American Oaksを勝ってG1を2勝。Good Cheer不在の3歳牝馬ではトップ級だが、前走のG1 Cotillion Sでは4着に終わっている。

Alice Verite: Kizuna - Lumiere Verite by Cozzene

Kazuya Nakatake厩舎、Kyle Frey騎乗。

25戦4勝、日本調教の5歳馬。

去年もBC Distaffに出走して4着。北米のダート牝馬路線は去年の出走馬がAlice Verite以外誰も出走してこないという入れ替わりの激しい路線となった。

日本では芝のレースに出走しており、今年はG1 ヴィクトリアマイルの5着やG3 福島牝馬Sでの4着が目につく程度で、去年と違い重賞路線になっているとはいえ戦績は見劣りする。Del Marのダートコースは去年走ったので問題にはしないだろう。

Gin Gin: Hightail - Before You Know It by Hard Spun

Brendan P. Walsh厩舎、Luis Saez騎乗。

13戦4勝の4歳馬。

Calumetのオーナーブリード。去年はKentucky Oaksで12着の後出走せず。今年KeenelandのG3 Doubledogdaire Sを勝ち、前走のG1 Spinster Sは人気薄ながらThorpedo Annaが伸びを欠く中でNitrogenとの競り合いを粘り切って勝利。

Seismic Beauty: Uncle Mo - Knarsdale by Medaglia D'Oro

Bob Baffert厩舎、Juan J. Hernandez騎乗。

7戦4勝の4歳馬。メリーランド産馬である。

去年は2戦して勝ち上がりのみ。今年も当初はアローワンス戦だったが、2勝目を挙げるとそこからG2 Santa Margarita S、G1 Clement L. Hirsh Sを連勝して一躍西海岸のダート路線を制しての参戦となった。

Majestic Oops: Majestic Harbor - Miss Oops by Olmodavor

Dan Ward厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

32戦7勝の5歳馬。カリフォルニア産馬。

カリフォルニアでデビューし、サンフランシスコエリアでGolden Gate Fieldsをメインにアローワンスやクレーミング競走に出走していた。Golden Gate Fieldsが閉鎖された去年はカナダのアルバータ州にあるCentury Downsで出走していた。

今年になってDan Ward厩舎の所属となるとOaklawnで出走するようになり、ブラックタイプ戦とリステッド戦を連勝して重賞挑戦となる。重賞勝ちはないものの、G3 Molly Pitcher Sで2着に入るとG1 Ballerina Sでも3着と結果を残し、前走のG3 Delaware Hを4着からBCに挑むことになった。

Gun Song: Gun Runner - Nicole H by Mr. Greeley

Mark A. Hennig厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

18戦5勝の4歳馬。

東海岸の前哨戦であるG2 Beldame Sの勝ち馬。

Dry Powder: Gun Runner - Tell All by Broken Vow

Chad Summers厩舎、Antonio Fresu騎乗。

6戦2勝の3歳馬。

G1 Coaching Club American Oaksを3着、G1 Cotillion Sを2着と3歳G1戦で実績を残している。

Dorth Vader: Girvin - Hardcore Candy by Yonaguska

George Weaver厩舎、John R. Velazquez騎乗。

17戦5勝の5歳馬。フロリダ産馬である。

3歳でKentucky Oaksを4着、G1 Acorn Sで2着などの実績を残していたが、去年はG1 La Troienne Sで4着の1戦のみだった。今年復帰するとG1 Ogden Phipps Sを勝ち、前走ではG1 Personal Ensign Sで2着。Thorpedo Annaにハナ差まで迫る接戦を演じ期待を抱かせた。

Regaled: Mohaymen - Ascot Walk by Daaher

D.Whitworth Beckman厩舎、Joseph D. Ramos騎乗。

17戦4勝の4歳馬。

出走はメリーランド州のLaurel Parkが多く、上級戦に出走するために近隣に遠征しているというキャリア。今年、G2 Locust Grove Sで3着から、G3 Delaware Hを勝って重賞馬に出世した。

Breeders' Cup Sprint: Del Mar Dirt 6F

今年もCygamesがスポンサーについている。レースの序列からすると上位のClassic、Turf、DistaffがLongineなので、SprintのスポンサーであるCygamesはBCシリーズのスポンサーとして2番目に名前が載ることになる。

去年の勝ち馬Straight No Chaserは中東遠征を行い、サウジアラビアでは勝ったものの、ドバイで大きく崩れている。帰国後の復帰戦も期待された結果ではなく、連覇を狙うものの人気を落とすことになった。

去年2着だったBentornatoはBC後長いブランクがあり、9月にListedで復帰したばかり。相手が軽いとはいえ5馬身離した快勝で期待を持たせる結果となって一番人気に押し出された。

Kopion: Omaha Beach - Galloping Ami by Victory Gallop

Ricahrd E. Mandella厩舎、Mike E. Smith騎乗。

9戦5勝の4歳牝馬。G1 La Brea Sを勝つとダート7F路線でG2 Santa Monica S、G1 Derby City Distaffを連勝。その後G2 Great Lady M SとG2 Clement L. Hirsh Sを2着。7Fがベストに見える戦歴だが、距離の幅には対応できる。

Banishing: Ghostzapper - Dowager by A.P. Indy

David Jacobson厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

24戦9勝の5歳馬。

重賞勝ちはG3 Oaklawn Mile、G2 Charles Town Classicとマイルでの活躍が目立つが、6.5FのG3 Razorback Hを2着などの実績を持ち、スプリント戦にも対応可能である。

Lovesick Blues: Grazen - Queenofhercastle by Minister's Wild Cat

Librado Barocio厩舎、Geovanni Franco騎乗。

42戦9勝の7歳馬。カリフォルニア産馬。

去年までほとんどアローワンスへの出走だったが、今年はブラックタイプに出走するようになった。重賞でも結果を残し、同条件のG1 Bing Crosby Sを勝った。前走はListedの芝6.5F戦California Flag Hで2着。

Patriot Spirit: Constitution - Mistical Plan by Game Plan

Michael B. Campbell厩舎、Javier Castellano騎乗。

15戦6勝の4歳馬。前走はG3 Vosburgh S勝ち。

Big City Lights: Mr. Big - Champagne Exchange by Exchange Rate

Richard E. Mandella厩舎、Kazushi Kimura騎乗。

13戦7勝の6歳馬。

西海岸のスプリンター。今年1月のBT戦 California Cup Sprint S1着以来の出走となる。G3 Palos Verdes S勝ちの実績を持つ。

Dr. Venkman: Ghostzapper - Theory Of Change by Archarcharch

Mark Glatt厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

11戦4勝の5歳馬。

西海岸のスプリンター。G2 Pat O'Brien Hを勝ち、前走のG2 Santa Anita Sprint Championshipは2着。

Imagination: Into Mischief - Magical Feeling by Empire Maker

Bob Baffert厩舎、Juan J. Hernandez騎乗。

13戦3勝の4歳馬。

去年G2 San Felipe S勝ちからG1 Santa Anita Derby2着。Baffert厩舎所属のためKentucky Derbyへの出走ができないためPreakness Sに直行して7着に終わると、短距離路線に向かった。G1 Malibu Sで3着、G2 San Pasqual Sを4着の後休養し、前走のG2 Santa Anita Sprint Championshipで復帰して勝利。

Nakatomi: Firing Line - Applelicious by Flatter

Wesley A. Ward厩舎、Jose L. Otriz騎乗。

24戦7勝の6歳馬。

北米ダート路線の古豪でBC Sprintは一昨年が3着、去年は6着。今年はG1 Dubai Golden Shaheenで2着に入り、G3 True North Sで5着、G2 Alfred G. Vanderbilt Sで3着から前走のG2 Phoenix S勝ち。まだやれそうなところを見せている。

American Stage: Into Mischief - Bonita Mia by Warrior's Reward

Yoshito Yahagi厩舎、Ryusei Sakai騎乗。

9戦3勝の3歳馬。日本調教馬。

2歳のダートで2勝し、芝のオープン競走 中京2歳Sを勝ったスプリンター。今年は中東遠征を敢行し、ドバイでG3 Mahab Al Shimaalの2着からG1 Dubai Golden Shaheenに出走して6着だった。レース後に骨折が判明し休養に入ったが10月に京都のオープン競走 藤森Sに出走して2着。レース後にBC Sprintに出走することが陣営から表明された。

Bentornato: Valiant Minister - Her Special Way by Put It Back

Jose Francisco D'Angelo厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

10戦6勝の4歳馬。フロリダ産馬。

2歳ではフロリダサイアーシリーズで活躍し、3歳になるとG3 Saudi Derbyで3着。G2 Gallant Bob S勝ちから挑戦したBC Sprintで2着に入った。今年は9月にChurchill DownsのListed Louisville Thoroughbred Society Sで復帰し、快勝した。

Mullikin: Violence - Tulira's Star by Congrats

Rodolphe Brisset厩舎、Flavien Prat騎乗。

15戦5勝の5歳馬。

去年G1 Forego S勝ちからBC Sprintで3着。今年はG3 True North Sで2着、G2 Alfred G. Vanderbilt Sでは2着だったが、前走のForego Sは7着。

Straight No Chaser:Speightster - Margarita Friday by Johannesburg

Dan Blacker厩舎、John R. Velazquez騎乗。

13戦7勝の6歳馬。

去年のBC Sprint勝ち馬。今年中東遠征でG2 Riyadh Dirt Sprintを勝ったが、G1 Dubai Golden Shaheenは8着に終わった。帰国後は9月のG2 Santa Anita Sprint Championshipで復帰して3着。復帰戦とはいえちょっと物足りないレースとなった。

Mad House: Vekoma - Stifled Heiress by Munnings

David Van Winkle厩舎、Luis Saez騎乗。

9戦4勝の3歳馬。4連勝中のフロリダ産馬。

ミネソタのCanterbury Parkで敵なしの3連勝とすると、前走は重賞初挑戦のG2 Gallant Bob S勝ち。

Whatchatalkinabout: Dialed In - Super Savvy by Super Saver

Wesley A. Ward厩舎、Emisael Jaramillo騎乗。

10戦4勝の4歳馬。ニューヨーク産馬。

G3 John A. Nerud Sの勝ち馬で、前走のG3 Phoenix Sは3着。

Valiant Force: Malibu Moon - Vigui's Heart by Quality Road

Adrian Murray厩舎、David Egan騎乗。

21戦4勝の5歳馬。

アイルランド調教馬で2歳でBC Juvenile Turf Sprintに出走して2着に入っている。3歳になると北米でKentucky Derby路線を狙ったが合わずに欧州に戻るとスプリント路線に挑戦している。DundalkのAW定量戦で勝っており、BCで久しぶりのダート挑戦となった。

Breeders' Cup Mile: G1 Del Mar Turf 8F

アメリカの芝マイルは去年中心的な存在となったCarl Spacklerが移籍で抜けてしまい、その分を古馬になったFormidable Manで埋めた形になった。去年調子が良かったJohannesも健在で西海岸の芝路線は充実しているといえる。出走馬のレベルは今年も欧州からの遠征馬が優位と見られているが、今年のレベルであれば北米芝マイルでも十分に対抗可能であろう。Godolphinで北米実績もあるNotable Speechが人気だが、その他の欧州馬は前走G1勝ちのSahlanとマイルで光明が見えたThe Lion In Winterといったところ。一方の北米馬は西海岸の重賞路線の2頭に加えて連勝でG1を取ったRhetoricalが出てくる。南半球の実績馬は南アフリカのG1を2勝したOne StripeとチリのG1馬Gran Orienteが出走予定。

One Stripe: One World - Silver  Stripe by Silvano

H.Graham Motion厩舎、Juan J. Hernandez騎乗。

10戦6勝の4歳馬。南アフリカ産馬でG1 Cape Guineas後に古馬相手のG1 King's Plateを勝った。Kenilworthのオープン競走で6着の後、Graham Motion厩舎に移籍して前走はG1 Woodbine Mileで5着。

Notable Speech: Dubawi - Swift Rose by Invincible Spirit

Charlie Appleby厩舎、Wiliam Buick騎乗。

13戦6勝の4歳馬。

去年のBC Mile3着馬。今年はG1で上位に来るものの勝てないレースを続けていたが、前走のG1 Woodbine Mileで1年ぶりの勝利を手にした。

Sahlan: Wootton Bassett - Wasmya by Toronado

Francis-Henri Graffard厩舎、Mickael Barzalona騎乗。

6戦3勝の3歳馬。

フランス2000ギニーでは9着だったが、G3 Prix Daphnis勝ちから前走G1 Moulin De Longchampを勝った。

The Lion In Winter: Sea The Stars - What A Home by Lope De Vega

Aidan P. O'Brien厩舎、Christophe Soumillon騎乗。

8戦2勝。クールモアの3歳馬。

2歳の活躍馬でダービー路線で期待されたが、今年の前半は良いところがないまま終わった。

G1 Moulin De Longchampで3着に入ってマイル戦で復活の兆しを見せ、British Champions開催ではChampions Sにも登録していたがマイル戦のQueen Elizabeth II Sに出走して2着。これなら何とかと思わせるところには持ってきた。

この世代のCoolmoreの牡馬勢はフランスでHenri MatisseとCamille Pissarroがクラシックを勝ち、英愛のダービーはLambournでとって非常に好調と思われたが、シーズン終盤でまともに残ったのはDelacroixという状況になった。The Lion In Winterは当初もっとも期待されたが、距離延長に対応できずマイルでなんとかというレベルに落ち着いてしまった。

Program Trading: Lope De Vega - Dreamlike by Oasis Dream

Chad C. Brown厩舎、Fravien Prat騎乗。

9戦5勝の5歳馬。

G1 Hollywood Derbyの勝ち馬で去年はG1 Turf Classicを勝ったが、G1 Manhattan Sで5着の後出走せず、今年復帰すると前走のG1 Coolmore Turf Mileで2着。

Gran Oriente: Classic Empire - Oresteia by Verrazano

Jose M. Alvarez厩舎、Hector Isaac Berrios騎乗。

11戦3勝の4歳馬。チリ産馬。

チリのG1 Premio Club Hipico De Santiagoの勝ち馬。

Johannes: Nyquist - Cuyathy by Congrats

Tim Yakteen厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

15戦9勝の5歳馬。

去年は西海岸の芝重賞を4連勝してBC Mileを2着。今年もG2 City Of Hope Mileを勝っての参戦。遠征は苦手で今年はG1 Fourstardave Sに出走したが9着に終わっている。同じ西海岸のFormidable ManがDel Mar Mileからの直行となったため直接対決がないままBC Mileとなった。

Formidable Man: City Of Light - Fanticola by Silent Name

Michael W. McCarthy厩舎、John R. Velazquez騎乗。

15戦8勝の4歳馬。

北米芝の路線を進み去年はG2 American Turf Sで2着、その後G2 Del Mar Derby、G1 Hollywood Derbyを勝ち、今年のPegasus Worldcup Turfで12着。今年の西海岸ではG1 Frank E. Kilroe Mile、G2 Eddie Read S、G2 Del Mar Mileを勝っている芝マイルの強豪。

Argine: Lord Kanaloa - Quatre Feuilles by Deep Impact

Mitsumasa Nakauchida厩舎、Lanfranco Dettori騎乗。

14戦7勝、日本調教の5歳馬。

G1 ヴィクトリアマイルを4着、前走はG3 クイーンS勝ち。

Jonquil: Lope De Vega - Jovial by Dubawi

Andrew Balding厩舎、Colin T. Keane騎乗。

8戦3勝の3歳馬。

今年NewburyのG3 Greenham Sを勝ってフランス2000ギニーに出走し2着。その後G2 Celebration Mile勝ちがあり、前走はKeenelandのG1 Coolmore Turf Mileで4着。

Rhetorical: Not This Time - Sheet Humor by Distorted Humor

William Walden厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

6戦5勝の4歳馬。ニューヨーク産馬。

今年ニューヨークで3連勝すると前走でG1 Coolmore Turf Mileに出走して勝利。

Gas Me Up: Hard Spun - Chic Thrill by Smart Strike

Kevin Attard厩舎、Jose L. Otriz騎乗。

9戦4勝の5歳馬。オンタリオ産馬でカナダのKevin Attard厩舎に所属している。

今年の出走はWoodbineの4戦で、G2 King Edward Sを勝ってG1 Woodbine Mileでは3着だった。

Qirat: Showcasing - Emulous by Dansili

Ralph M. Beckett厩舎、Rossa Ryan騎乗。

14戦4勝の4歳馬。

今年のSussex Sでは、それまでハンデキャップ戦への出走で同陣営のField Of Goldのペースメイカーとしての出走ながら逃げ切り勝ちで大金星を挙げた。その後はG1 City Of York Sを5着、G2 Prix Daniel Wildensteinを7着と重賞で通用していない。

Breeders' Cup Filly And Mare Turf: G1 Del Mar Turf 11F

Gezora、See The Fire、Cinderella's Dream、Diamond Rainという強力な遠征馬をShe Feels Prettyが迎え撃つレース。She Feels Prettyにとっては11Fの距離も気になるところでGezoraとCinderella's Dreamがとにかく強敵だろう。

Mission Of Joy: Kitten's Joy - Smart Mission by Smart Strike

Philip D'Amato厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

21戦6勝、5歳のオンタリオ産馬。

3歳でG3 Florida Oaks、G3 Regret Sを勝った活躍馬だがその後不振に陥っていた。前走のG2 Rodeo Drive Sで久しぶりの重賞勝利となっている。

Stellify: Justify - Savvy Star by Medaglia D'Oro

Brad Cox厩舎、Florent Geroux騎乗。

6戦4勝の4歳馬。今年になってFair Groundsでデビューし、3戦目にChurchill DownsのMaidenで勝ち上がった。そこからは負けなしで前走は10.5FのG3 Ladies Marathon Invitational Sで重賞勝ち。勝ち距離は9Fから12Fで北米では長距離向きといえる。

Atsila: Phoenix Of Spain - Scala Romana by Holy Roman Emperor

Donnacha O'Brien厩舎、Gavin Ryan騎乗。

7戦2勝の3歳馬。

今年デビューし、G3 Athasi Sを勝った。その後はIrish 1000 GuineasからG1を転戦するがMatron Sの3着が最上位。芝のマイラーといったところなので11Fをこなせるかもポイント。

Village Voice: Zarak - Sensible Way by Street Sense

Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

13戦5勝の5歳馬。

去年British Champions Fillies and Maresで4着となっている。今年になって北米に移籍してChad C. Brown厩舎に所属し、10月のG3 Waya Sを勝った。

Gezora: Almanzor - Germance by Silver Hawk

Francis-Henri Graffard厩舎、Mickael Barzalona騎乗。

9戦4勝の3歳馬。

フランス調教馬で2歳でG3 Prix Des Reservoirsを勝っている。今年はG2 Prix Saint-Alary勝ちからPrix De Dianeを勝った。秋になるとG1 Prix Vermeilleに出走して2着になるが、凱旋門賞は13着に終わった。

牝馬限定戦なら十分な戦歴で今年の欧州馬のトップである。

Diamond Rain: Shamardal - Dancing Rain by Danehill Dancer

Charlie Appleby厩舎、Billy Loughnane騎乗。

7戦4勝の4歳馬。G3 Hoppings Sの勝ち馬。前走はWoodbineでG1 E.P. Taylor Sに出走して2着。She Feels Prettyを追い詰め、3着以下には10馬身以上の差をつけるレースで、BC FMTの有力馬に名乗りを上げた。陣営の二番手となるが、カナダを使ってBCというのはGodolphinの王道ともいえる臨戦過程。

Be Your Best: Muhaarar - Kamakura by Medaglia D'Oro

Saffie Joseph Jr.厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

22戦6勝の5歳馬。

アイルランド産馬だが北米でデビューし、2歳から芝路線を歩んだ。BC Juvenile Fillies Turfは9着。3歳になるとG2 Wonder Again Sで2着、G1 Del Mar Oaksでも2着、年末のG1 American Oaksも2着と勝てないものの上位戦で結果を出した。4歳になって成績を落としたが、G3 Long Island SとG3 Suwannee River Sを連勝する。今年の初めにG2 Pegasus World Cup Filly And Mare Turfに勝って、その後Gamely SでG1を勝つまでに至った。前走はSaratogaのG2 Flower Bowl Sを3着。

Cathedral: Too Darn Hot - War And Peace

Kevin Philippart De Foy厩舎、David Egan騎乗。

7戦1勝の3歳馬。

イギリス調教馬で前走はG1 Sun Chariot Sで5着のマイラー

Cinderella's Dream: Shamardal - Espadrille by Dubawi

Charlie Appleby厩舎、William Buick騎乗。

14戦8勝の4歳馬。

アメリカ芝では去年G1 Belmont OaksとG2 Saratoga Oaksに勝ち、BC FM Turfにも出走して2着。今年、G1 Falmouth Sを勝ったGodolphinのエース牝馬。前走はG1 Sun Chariot Sを3着。

La Kika: Badge Of Silver - Azarenka by Street Hero

Doug F. O'Neill厩舎、Mirco Demuro騎乗。

12戦6勝、4歳のペルー産馬。

今年ペルーでG1 Clasico Pamplonaを勝って本レースへの出走権を確保した。北米初戦としてG2 Zenyatta Sに出走したものの、ダート戦で全く合わずに大きく離れた最下位に終わった。ちょっと評価のしようがない。

Bedtime Story: Frankel - Mecca's Angel by Dark Angel

Aidan P. O'Brien厩舎、Christophe Soumillon騎乗。

13戦4勝の3歳馬。

Coolmoreの期待馬だったが、2歳のG1 Moyglare Stud Sで5着になって以来勝ちがなく苦しんでいる。Prix De Dianeで2着が最高の結果で、2000~2400m辺りが向いていそうな結果にはなっている。前走はBritish Champions Fillies and Maresを4着。5月のフランス1000ギニーから間隔を詰めて使われており、臨戦がきつい。

Bellezza: Siyouni - Terrific by Galileo

Miguel Clement厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

11戦4勝の4歳馬。

3歳までアイルランドで目立った実績はなかったが、今年は北米で出走し、G3 Sheepshead Bay SとG2 Flower Bowl  Sをかち、G1 New York Sで3着。

She Feels Pretty: Karakontie - Summer Sweet by More Than Ready

Cherie DeVaux厩舎、John R. Velazquez騎乗。

12戦8勝の4歳馬。

北米芝牝馬のエース。2歳からG1 Natalma Sを勝ち、BC Juvenile Fillies Turfで3着。3歳ではG1 Belmont Oaksは3着だったが、G1 Queen Elizabeth II Challenge Cupを勝った。その後BCには向かわずG1 American Oaksを勝った。今年も好調を維持し、G1 New York SとG1 E.P. Taylor Sを勝っている。G1 Diana SはExcellent Truthとアタマ差の2着だったが、4ポンド差の斤量が響いた形。

See The Fire: Sea The Stars - Arabian Queen by Dubawi

Andrew Balding厩舎、Oisin Murphy騎乗。

16戦3勝の4歳馬。

2歳からの活躍馬。牡馬相手にもEclipse Sで4着、Champion Sで5着、International Sで3着とG1で結果を出しているが、勝ち味が遠くG1はまだ未勝利。前走はG1 Prix De L'Operaで待望のG1となるはずだったが、Barnavaraに不覚を取って2着。

Breeders' Cup Filly And Mare Sprint: G1 Del Mar Dirt 7F

良血の期待馬Tamaraは怪我を繰り返して満足にレースをこなしていないが、前走で復帰戦をこなしたことでここでも期待を集めることになった。対する実績馬ではSweet AztecaとHope Roadが有力で、チリから移籍しているRichiも重賞実績なら十分だが7Fでの実績はない。

Zeitlos: Curlin - Thyme For Roses by Redoute's Choice

Steven M. Asmussen厩舎、Joel Rosario騎乗。

22戦9勝の5歳馬。

去年G2 Thoroughbred Club Of America S勝ちからBC FM Sprintに参戦して7着。今年は同じくThoroughbred Club Of America Sをステップにして来たが3着からの参戦となった。

Splendora: Audible - Miss Freeze by Frost Giant

Bob Baffert厩舎、Flavien Prat騎乗。

9戦4勝の4歳馬。

G1 La Brea Sの2着馬で、今年はG2 Santa Maria S、G2 Santa Margarita Sでいずれも2着。前走はBT線のTranquility Lake S勝ち。マイル以下の距離なら大体こなす。

Vahva: Gun Runner - Holiday Soiree by Harlan's Holiday

Cherie DeVaux厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

19戦7勝の5歳馬。

去年G1 Derby City Distaffを勝って、G1 Ballerina Sを3着からBC FM Sprintに出走して7着。今年はG2 Thoroughbred Club Of America Sの2着からの参戦となった。

Tamara: Bolt D'Oro - Beholder by Henny Hughes

Richard E. Mandella厩舎、Mike E. Smith騎乗。

5戦3勝の4歳馬。

名牝Beholderの娘として注目され、2歳では2戦2勝でBC Juvenile Filliesに出走したが7着に終わる。レース後に骨折が明らかとなり、1年のブランクを経てアローワンスで復帰するが、これも熱発でG1 La Brea Sから予定が変わるような有様だった。レース後に再び手術を受けるため長期のブランクとなり、前走のG3 Chillingworth Sは相手関係が薄かったが快勝してようやく本格的な復帰となった。

Fee Blanche: Real Steel - Mighty Slew by Kurofune

Terunobu Fujita厩舎、Hiroto Yoshihara騎乗。

16戦6勝、日本調教の5歳馬。

大井所属でダート1800mの出走が多いが、1400mと1600mで勝っているためか7F戦に出走となっている。

Sweet Azteca: Sharp Azteca - So Sweetitiz by Grand Slam

Richard Baltas厩舎、Juan J. Hernandez騎乗。

9戦7勝の5歳馬。

去年のG1 Beholder Mile Sを勝っていて、その後G2 Great Lady M S、G3 Rancho Bernardo Hを勝ったが、G3 Chillingworth Sで4着となってBCには出走していない。今年もGreat Lady M SとRancho Bernardo Hを勝っていて、そこから直行での出走となった。近走は6.5F戦だが、過去にはマイルG1も勝っているので7Fは範囲内だろう。

Haulin Ice: Coal Front - She's Smoke by Half Ours

Saffie Joseph Jr.厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

17戦10勝、4歳のアーカンソー産馬。

今年G3 Vagrancy SとG3 Princess Rooney Sを勝って重賞を2勝。

Hope Road: Quality Road - Marley's Freedom by Blame

Bob Baffert厩舎、Jose L. Ortiz騎乗。

12戦5勝の4歳馬。

G1 Ballerina Sの勝ち馬。牝馬限定の7FではG1 Derby City Distaffでも2着しており、距離に問題はない。

Richi: Practical Joke - Rich Baby by Scat Daddy

Bob Baffert厩舎、Luis Saez騎乗。

16戦8勝、チリ産の5歳馬。チリではG1を2勝。去年から北米で出走しているが本格的には今年から。G3 Las Flores SとG2 Santa Maria Sを勝っており、前走はG2 Zenyatta Sで2着。チリでのG1勝ちは1500mと2000mで、アメリカでの結果も合わせて距離だけならDistaffの方が向いている。

Praying: Vekoma - Pray For Leslie by Bernardini

Robert Medina厩舎、John R. Velazquez騎乗。

9戦3勝の3歳馬。

G3 Prioress S、G2 Thoroughbred Club Of America Sと連勝してきたスプリンター。