2024年のSunday Silence直系G1勝ち馬

2024年のサンデーサイレンス直系のG1勝ちは16頭で18勝となりました。2勝したのはドウデュースとフォーエバーヤングで他は1勝のみの成績です。エリアは日本の他にアグネスゴールドがブラジルで4勝、ディープインパクト系が進出しているヨーロッパで3勝しましたが、これまで多くのG1タイトルを獲得しているオセアニアはBrave Smash産駒のKimochiで1勝にとどまりました。

Sunday Silence 1986
|Agnes Gold 1998>ORLA DE IPANEMA, RESULTANTE, CHAMPAGNE ROSE, LONDON MOON
|Gold Allure 1999
||Smart Falcon 2005>SHAMAL
|Neo Universe 2000
||Tosen Phantom 2007
|||Brave Smash 2013>KIMOCHI
|Black Tide 2001
||Kitasan Black 2012>WILSON TESORO, CORIX DU NORD
|Daiwa Major 2001>DOUBLE MAJOR
|Heart's Cry 2001>DO DEUCE
||Suave Richard 2014>URBAN CHIC, REGALEIRA
|Deep Impact 2002>AUGUSTE RODIN
||Kizuna 2010>JUSTIN MILANO
||Real Steel 2012>FOREVER YOUNG
||Study Of Man 2015>KALPANA

2023/24シーズンの3歳がアグネスゴールドの最終世代になるので。ブラジルではこれが最後の活躍となってきています。産駒がG1を4勝しましたが、前半のシーズンに集中しています。

サンデーサイレンス直仔種牡馬の産駒がかなり減っていて、アグネスゴールド産駒以外のG1勝ちはダイワメジャー産駒のDouble Major、ディープインパクト産駒のAuguste Rodinにハーツクライ産駒のドウデュースです。

2023年にはサンデーサイレンス直系のG1勝ちが37ありましたから半減という状態なんですが、直系のG1勝利数をしばらく引っ張っていたディープインパクトアグネスゴールドの産駒が減ってきたのでそりゃ減るよというところ。

これから2010年代生まれの種牡馬が主流になっていくので、やや先行しているキズナに加えてキタサンブラック、スワーヴリチャードへの期待がかかる状態かなと思っていますし、もちろんこれから産駒デビューを控えている大物がいるので、この先やや方向性が変わりつつまだまだ楽しみは尽きない。

HKIRの勝ち馬だけでも

今年の香港国際競走は事前に時間が取れなかったので出走馬の紹介ができませんでした。記録として勝ち馬だけでも並べておきます。

Hong Kong Vase: Giavellotto

Giavellotto career profile (Racing Post)

ステイヤー路線から台頭してきた5歳のアイルランド産馬。3歳のG1 St. Legerは3着。これまでの主な実績は2マイルのG2 Yorkshire Cupを連覇していることが挙げられる。今年のYorkshire Cupを勝った後は12Fに転じて、Royal AscotのG2 Princess Wales'sを勝っている。エクステンドの距離から完全に引いたわけではなく前走はG1 Irish St. Legerに出走して3着であった。ただし、ステイヤーとはいえ2マイルが限度で少し短めを主戦場にしており、12Fもカバーしていたという戦歴である。

父のMastercraftsmanDanehill Dancer後年の代表産駒で2歳で5戦4勝し、欧州2歳チャンピオンとなった。早熟なスプリンタータイプという見立てもあったが、3歳ではマイルから中距離で活躍し、Irish 2000 GuineasとSt. James Palace Sを勝ち、International Sで2着の実績を残した。これは同世代にSea The Starsがおり、International SはCoolmore総出でかかったものの及ばなかったともいえるのだが。

Mastercraftsman種牡馬としてもすぐれ、多くの活躍馬に恵まれた。その代表産駒としてはThe Grey GatsbyAlpha Centauriが挙げられる。スプリンターよりマイルを得意とするタイプをよく出していた。初年度産駒からSt. Leger勝ちのKingston Hillのようにステイヤータイプも出せる種牡馬であるが、4000m級のレースはカバーしない。そういった意味ではGiavellottoは距離をこなすMastercraftsman産駒の典型例といえる。

Gerikaはフランス産馬だがイタリアのLa Tesa Spaのオーナーブリードで、イタリアコネクションである。なのでGiavellottoもMarco Botti厩舎に所属している。母系そのものは3-h族でPenny Forfeitの分岐に属し、イタリアに導入されてから約50年といったところである。

母父はGalileo、祖母の父がMiswaki Ternとなっており、ここにMastercraftsmanの母父Black Tie Affairを合わせてMiswakiが3本という特徴的な血統となっている。Galileoを使った血統においてMiswakiをクロスさせるというのは時折ハマるパターン。よく見かけるのはHernandoDalakhaniを使う構成で、その代表的なケースはAlpinistaである。Giavellottoはイタリアに縁があるファミリーということでMiswaki Ternが出てきている。また、MastercraftsmanBlack Tie Affairもそれほど意識する部分ではないため特異な血統構成という印象を強めている。

Miswakiミスプロ系らしくないと評されることが多いが、母父にはMr. Prospectorに好相性のBuckpasserが入り、その前がPrincequilloNasrullahBull Leaと隙のない構成であり、Mr. Prospectorの母方のNashuaCount FleetBull Dogをよく受けるといえる。このMiswakiを継続的にクロスしてGiavellottoを生み出したのはさすがイタリアといったところ。

Hong Kong Sprint: Ka Ying Rising

Ka Ying Rising career profile (HKJC)

香港の4歳馬。ニュージーランド産馬でオーストラリアではMr Expressとして登録されるが、バリアトライアルに一度出ただけで香港に輸出された。香港でKa Ying Risingと名を変えて去年の12月にデビューして現役キャリアが約1年となるが、Sha Tinの1200m戦で10戦8勝2着2回。7連勝で前哨戦のG2 Jockey Club Sprintを圧勝し、今シーズン不調となっていたCalifornia Spangleに替わるスプリントスターとしてレース前から注目を集めていた。

父はShamexpressLast TycoonからO'Reillyを通るニュージーランドの父系である。オーストラリアで現役生活を送り、スプリントG1の常連となってG1 Newmarket Hを勝ったが、それほど注目を集める結果ではなかったため血統的に縁が深いニュージーランド種牡馬入りした。初年度産駒がデビューした2018年にファーストシーズンサイアーリーディングを獲得し、さらにその初年度産駒から古馬になって大成したCoventina Bayが現れて代表産駒となった。産駒にはスプリンターやマイラーが多いがConventina Bayは2000mまでこなしている。

母系は7-d族のConceitに遡るニュージーランドの名門で4代前のTaionaからはMr. BrightsidePurpleが出ている。母Missy Mooニュージーランドで5勝、中距離までのレースで活躍した。Ka Ying Risingが初仔で、翌年には父Turn Me Looseの牡馬を生んだ。Missy Mooは同年中に死亡し、Turn Me Looseの牡馬は馬名登録がされていないようだ

母父Per Incanto、祖母の父がRhythm

Per IncantoはイタリアのG3勝ちでニュージーランド種牡馬入りするとスプリンターのRoch 'N’ Horseなどを出して成功した。香港でもDuke Waiなどを出してなじみのある種牡馬となっている。

Rhythmはその母がDance Number、母の半兄にPrivate Account、従弟にWoodmanがおり、自身の全妹のGet Luckyからも多数のG1馬を輩出しているLa Troienne牝系きっての名門で、Rhythm自身もBC Juvenileなどを勝っている。引退後は日本のアロースタッド種牡馬入りしたが、のちにアメリカに戻っている。日本での活躍馬は障害重賞を勝ったレガシーロックしかいないがオセアニアへのシャトルでは一定の成功を収めており、その筆頭となるのが21世紀初頭のオーストラリア競馬で幅を利かせたニュージーランド産馬の一角でMelbourne Cupを含むG1 4勝のEtherealである。

Ka Ying Risingの配合としてはNasrullahPrincequilloが土台になっていて、5代血統表で見えるところだけでもMill ReefTellSecretariatがあり、Street Cryの母Helen StreetRivermanを抱えていますからさらに追加。また、同じ方向性を有するSir IvorSir Tristramなどから豊富に持ち込まれている。加えてMachiavellianからはHaloTom Rolfeが入り、これも方向性は共通したものとなる。

Hong Kong Mile: Voyage Bubble

Voyage Bubble career profile (HKJC)

オーストラリア産の6歳馬。香港競馬は競走馬供給の最大手がオセアニアであることにより、シーズンが南半球に合わせられている。Voyage Bubbleは1歳のときにシドニーで開催されたInglisのClassic Yearling Saleに上場され、香港のR. Yiuに38万オーストラリアドルで落札された。これはDeep Field産駒のみならず、4日間にわたって開催された同セール全体でもトップの落札額であった。R. YiuのRはRickeyであり、P.F. YiuのイングリッシュネームがRickeyである。つまりはこの落札者はVoyage Bubbleの調教師その人である。古くはFairy King Prawn、その後Sacred KingdomUltra Fantasyといった名スプリンターを育てた調教師に見いだされたのがVoyage Bubbleであると言える。

Voyage Bubbleは2歳の秋までオーストラリアで育成され、2021年5月に香港に輸入された。3歳の2022年1月にデビュー戦を迎えると3歳のうちに2勝した。4歳の後半は香港の4歳三冠に向かい、初戦のHong Kong Classic Mileと三戦目のHong Kong Derbyを勝利し、Hong Kong Classic Cupは6着だった。この三冠戦は前年のRomantic Warriorと近似した結果であり、Voyage Bubbleの先のキャリアにも大きな期待が寄せられた。三冠戦後はG1 Champions Mileに出走し、Golden SixtyCalifornia Spangleに次ぐ3番人気に支持され4着の結果を残した。

5歳となった昨シーズンはG1路線に定着し、G1 Hong Kong MileでGolden Sixtyの2着になると年明けのG1 Stewards’ CupではCalifornia Spangleを下して待望のG1勝利を手にした。さらに2000mのG1 Hong Kong Gold CupではRomantic Warriorと直線の叩き合いの末クビ差の2着。ドバイに遠征したG1 Dubai Turfは13着に大敗したが、香港に戻ってChampions Mileの3着で立て直した。シーズンの終わりにG1 安田記念に遠征するが、Romantic Warriorが注目と期待に応えるなか直線の伸びがなかったVoyage Bubbleは17着に終わっている。今シーズンは早くも10月のG2 Sha Tin Trophyで始動して2着とすると、Hong Kong Mileの前哨戦G2 Jockey Club Mileを快勝し、香港馬のエースとしてHong Kong Mileに臨んだ。

父はDeep Field、Encosta De Lagoの直系で早世したNorthern Meteorの後継種牡馬となっている。自身はG2勝ちのスプリンターで、全弟にはShooting To Winがでる。オセアニアで一大勢力を築いているEight Caratのファミリーであり、Cotehele Houseの一門に属し、近親にはVerry Elleegantなど多数の活躍馬が出ている。香港ではHong Kong Sprint勝ちのSky Fieldが出て人気の種牡馬である。

Raheightsオーストラリアで4勝。9-f族Rose Leavesの大分岐でGay Rigの流れに属している。近親にはカナダの年度代表馬Never Retreatや今年G1 Santa Anita Derbyを勝ったStrongholdが出ている。

父Deep FieldはEncosta De Lagoの直系でEight CaratのファミリーとなればやはりSir Ivorの存在が浮かび上がってくる。母のListen HereSir Ivorクロスが存在する。母Raheightsの血統はRahyRed RansomということでHail To Reasonクロスになるが、ここではSir Ivorに対するHaloがポイントとなる。Sir IvorとHaloはTurn-ToMahmoudPharamondSir Gallahadを共有する相性の良い組み合わせでDeep Impactにもその要素が見えるが、最も顕著なのは直接父Haloに母父Sir Ivorの組み合わせとなるGoodbye Haloだろう。またJolie's Haloもこのパターンである。

ドバイと東京への遠征こそ結果を得られなかったが香港では安定した成績を残している。Golden Sixtyが引退したマイル路線に名乗りを上げることになったのはめぐり合わせの良さもあったとはいえ、その立場にふさわしい能力を備えている。

Hong Kong Cup: Romantic Warrior

Romantic Warrior career profile (HKJC)

アイルランド産の6歳馬。香港の競馬シーズンの関係上、Voyage Bubbleより一世代上となる。Tattersalls October Yearlingの出身であるがBook 2への収載であり、事前の評価はそれほど高くない。30万ギニーでHong Kong Jockey Clubが落札し、これはBook 2としては高額だが、セール全体としてはほどほどの金額と言える。ただし、Acclamation産駒としてはBook 1を含めてもトップの落札額であった。

香港に輸入されて3歳の秋にデビューすると無傷の4連勝で4歳三冠に挑むことになった。北半球産馬となるため、香港の馬齢では半年分不利になるものの4歳を迎えているところならもう大きなファクターにはならないだろう。三冠戦ではHong Kong Classic MileHong Kong DerbyCalifornia Spangleを2着に下して勝利したが、Hong Kong Classic CupではCalifornia Spangleの前に4着に終わっている。三冠戦後はQueen Elizabeth II Cupに向かい、Russian Emperorを下して香港中距離路線のトップホースとなった。2022/23シーズンはG2 Jockey Club Cupを勝ってG1 Hong Kong Cupに進むと、Danon The Kid以下に圧勝してその名を轟かせた。

本馬は中距離に向かい、三冠戦のライバルCalifornia Spangleは短距離に志向したため、その路線が交わったのは2023年のG1 Stewards' Cupただ一度である。この時期の香港競馬にとってGolden Sixtyの存在はあまりにも大きかったが、前走のHong Kong MileでCalifornia Spangleに敗れて衰えも語られる時期となっていた。その香港国際競走でRomantic WarriorとCalifornia Spangleが勝利したことは新世代の台頭を感じさせるものであり、その前走の内容が評価されてStewards’ CupではGolden Sixtyを抑えてRomantic Warriorが一番人気に支持される状況にもなっていた。しかしレースではGolden Sixtyに差し切られ、Romantic Warriorは2着、California Spangleが3着という結果となっている。

さらにG1 Hong Kong Gold CupでもGolden Sixtyに差されて2着。この辺りはRomantic Warriorを当たり前に差せるGolden Sixtyがおかしいと言える。続くQueen Elizabeth II Cupで連覇を決めるとシーズン最終戦となったG1 Champions And Chater Cupは2400mの距離が堪えてこの距離を得意とするRussian Emperorの2着となった。

2023/24シーズンは海外遠征を敢行し、G1 Turnbull Sの4着をステップとしてG1 Cox Plateに出走して勝利し、中距離のビッグタイトルを手に入れた。香港に戻るとHong Kong Cupを連覇。最早香港にRomantic Warriorの敵はなくHong Kong Gold CupQueen Elizabeth II Cupをスイープすると、シーズンの締めくくりとしてG1 安田記念に遠征してこれも勝利した。今シーズンはG2 Jockey Club CupからG1 Hong Kong Cupと危なげなく勝利。Queen Elizabeth II CupとHong Kong Cupを三連覇、さらにHong Kong Gold Cupに加えてCox Plate安田記念でG1は9勝。これまで香港調教馬はスプリントやマイル路線で強豪を輩出してきたが、Romantic Warriorは彼らとは少し違って海外でも実績を挙げる中距離の活躍馬として香港競馬の歴史に刻み込まれる一頭となっている。

父Acclamationは欧州のスプリント界で大きな勢力となっている父系の祖である。Royal ApplauseAhonooraFloribundaTudor Minstrelという風に短距離馬で代を重ねており、自身もその血統に忠実に産駒を出すイメージである。

母はFolk Melody。10-a族の重厚な母系で、Romantic Warriorに中距離で活躍できるだけのスタミナを与えたのはこの母系である。祖母Folk OperaはG1 E.P. Taylor Sを勝っている他、イギリスで12Fや14Fでも結果を出した。Godolphin持ちの牝系でFolk Operaは直仔に活躍馬を得ることは叶っていないものの、Street Cryを父としたFolk MelodyとOpera LilyはG1馬の母となった。Opera LilyはアルゼンチンでMr. Bailettiを産み、ペルーで2600mのG1 Gran Premio Nacional August B. Leguiaを勝った。

Romantic Warriorは先行して抜け出す抜群のレースセンスと追いすがられても抜かせない驚異の勝負根性を持ち、22戦17勝としている。5度の敗戦は、逃げたCalifornia Spangleを捕まえられなかったHong Kong Classic Cup、Golden Sixtyに差されたStewards' CupとHong Kong Gold Cup、2400mで最後足りなくなってRussian Emperorに差されたChampions And Chater Cup、遠征初戦でCox Plateに向けた調整戦として出走し直線でのキレを欠き大外を回ったGold Tripに一気に持っていかれたTurnbull Sである。真っ向から負けたのはCalifornia SpangleとGolden Sixty相手の3戦でやはりRomantic Warriorを差しているGolden Sixtyの異様さが際立つものとなっている。

May Day Readyと海外馬情報の調べ方(アメリカ編)

今年の阪神ジュベナイルフィリーズにはレース史上で初めてとなる海外調教馬の出走が予定されています。アメリカのJoseph R. Lee厩舎に所属するMay Day Readyで前走のG1 Breeders' Cup Juvenile Fillies Turfで2着、これを含めたキャリア通算が4戦3勝と非常に強力なプロフィールとなっています。

ちょっとこのMay Day Readyを対象として海外馬の調べ方を紹介します。

基本情報: EQUIBASE

まず北米調教馬を調べる場合はEQUIBASE(https://www.equibase.com/)です。北米で出走実績がある競走馬に加えて、ドバイや最近ではサウジアラビアでの国際重賞に出走していれば対象となっています。Resultsには北米に限らず基本的に現役の全キャリアがフォローされます。

EQUIBASE自体には様々な使い方がありますが、データベースとして使う場合は右上にある検索ボックスを使用すれば問題ありません。Horses以外にも検索対象の項目があり、よく使うのはGr. Stakesで重賞レースを検索することができます。

さて、May Day Readyを検索して表示してみましょう。

Horse Profile for May Day Ready(https://www.equibase.com/profiles/Results.cfm?type=Horse&refno=11135756&registry=T)

最初に、生誕日や性別、毛色、父、母及び母父といった基本的な情報が表示されます。そして直近の出走時の騎手、調教師、馬主と生産者、加えて最新の競りでの落札者とコンサイナーが分かります。また右側には今年の成績と通算の成績も表示されています。騎手は参考程度としてもWhite Birch Farmが生産し、競りで落札したKatieRich StablesがオーナーとなってJoseph R. Lee厩舎に所属していることが読み取れます。

下部にあるタブの情報で重要なのはAuction HistoryとResultsで、レース前にはWorkoutsを参考とすることができます。

順番に見ていくとまずAuction Historyでこれまでの市場取引経歴が分かり、上にあるほど最近の履歴です。May Day ReadyはFTKOCTとOBSAPRに上場されていました。競り名は略号で表示されていますが、カーソルを持っていくと詳細がポップアップします。まあFTK=Fasig-Tipton KentuckyとかOBS=Ocala Breeders’ Saleの他に、KEE=Keenelandあたりがメジャー、欧州だとAR=Arqana、TAT=Tattersallsとかそんな感じ。ここで分かるのは時期と落札者、落札金額でこれ以上の情報が必要ならば各競り会社のサイトで競り結果を検索することになります。同父産駒の取引実績との比較なんかはよく見ています。また、競りに上場したときのカタログを確認できるので、こちらは血統情報、特に近親の活躍状況を確認するのに役立ちます。

Resultsではこれまでの戦績を確認できます。競馬場、開催日、レース名、着順の情報が一覧できるのでとても便利です。北米での開催ならスピード指数やレースの詳細となるChartとレース映像へのリンクが用意されています。ChartはPDFで提供されていますが、レース映像は別途課金が必要なコンテンツとなっています。スピード指数は参考程度で100を超えるかどうかが一つの基準。また、キャリアの中で高い指数のレースを確認するという使い方。

May Day Readyは8月4日にSaratogaの未勝利戦でデビュー勝ちを収めています。距離や馬場はChartを開いて確認しなければなりません。この時は2歳牝馬限定の芝8.5F戦、良馬場で実施されています。道中の通過順位や公式のオッズや短評が一行にまとまっており、また最後にはもう少し詳しいレース状況も記載されているのでかなりの情報を得ることができます。デビュー戦では10頭中の9番人気という評価で、道中9番手からまくって直線では早めに先頭に立つと遅れて追い上げてきた一番人気のLove Tempoにハナ差で押し切ったことが読み取れます。ラップタイムは2Fが25秒台を続けており、2歳の未勝利戦とはいえかなりゆっくりとしたレースになっています。2戦目は9月8日のKentucky Downsで行われたListed Kentucky Downs Juvenile Fillies Sで芝の8F戦。これを1馬身3/4差で勝利しています。3戦目が10月4日にKeenelandで行われたG2 Jessamine Sで芝の8.5F戦です。ここも勝って3戦全勝でBC Juvenile Fillis Turfに向かいました。

BC Juvenile Fillies Turfには4戦無敗の欧州G1馬Lake Victoriaが参戦してきたこともあって人気が集中したのですが、北米路線の人気は西海岸のThought Processが集める状態でした。May Day Readyは北米芝の路線で主流ではないKentuckyでキャリアを積んでいることやJessamine Sまでのキャリアで速い時計がないということで人気を集める存在ではなく、上位2頭に次ぐオッズとはいえ10倍を超えるような人気状況に甘んじました。スピード指数もJessamine Sの85が最高でしたから仕方なしといったところ。実際にレースではそれまでの3戦で経験していないようなペースが展開されますが、先行勢がLake Victoriaに一掃される中で追い込んで2着を確保しています。14頭立てのアメリカの芝戦で追い込みを決めているのだから良いレースだったといってよいでしょう。ここまでが競走キャリアとなります。

WorkoutsではWorkout Historyを表示することで調教の時計が2年分確認できます。May Day Readyで見るとBCまではBelmontのダートで時計を出していて、BC後はそのままDel Marにとどまっていたのか一度だけDel Marの芝で時計を出した後に日本に輸送されていることが読み取れます。11月17日に計時されていて日本には11月20日到着なので、出発前に一度時計を出したということでしょうが、芝で時計を出すなんて普通はないので全く参考になりません。

レース映像: Blood-Horse(https://www.bloodhorse.com/horse-racing/)

レース映像は課金をすればEQUIBASEで見ることができますが、2年以内ならBlood-Horseで映像が提供されています。Blood-HorseのヘッダメニューからRacingを展開するとRace Results & Replaysがあります。このページを開くと右側に検索ボックスがあるので、EQUIBASEで調べたレースの開催日や競馬場を指定して検索し、該当するレース番号を引き当てるだけです。View Detailsを開くと結果のページになり、そこでリプレイを再生できます。2年で無くなってしまうけど、下級戦を含めてリプレイを見ることができるのはとても有用です。

血統情報の調べ方: 競りのカタログ

血統情報は競りのカタログを確認したり、Pedigreequeryで血統表を眺めることで把握できます。ほとんどの場合Pedigreequeryで確認していますが、近親の活躍馬などの情報はセリのカタログを見る方が確実です。

まず競りのカタログから確認してみましょう。May Day Readyは最新の競り結果が4月のOBS 2yoなので、OBS Sale(https://obssales.com/)のサイトでSales Resultsを開いて今年のトレーニングセール結果を探します。EQUIBASEでApril Spring Sale of Two-Year-Olds in Training 2024とあるのでその結果を表示しHIP番号で引き当てます。

競りのカタログに記載される情報は決まっていて、どの競りのカタログを開いても基本的に同じように扱えます。パート1だパート2だといっていたり重賞の格がどうのというのも本来はこのカタログのためではありますし。

さて、父のTapitについては今更ですね。本人の現役時代の実績と種牡馬実績の概略が記載されています。17世代が競走年齢に達しており、3回のリーディングサイアーを獲得。1755頭の産駒のうち、1420頭が出走し1056頭が勝ち上がってそのうち163頭がブラックタイプ勝ちです。9頭のチャンピオンが出ており、例としてUntapable、Stardom Bound、Essential Quality、Flightlineの名前が出ています。

母のNemoraliaは2歳から3歳で8戦4勝。イギリスのG3 City Of York Sを勝っていて、G1 Coronation Sで2着の実績があります。他に2歳ではアメリカでG1 Frizette Sを3着し、G1 Breeders' Cup Juvenile Fillies Turfが3着。Frizette Sで2着があるとはいえ芝での活躍馬だったことが分かります。産駒は他に5頭が登録され、4頭は競走年齢に達しています。勝ち上がりはBosque Redondoの1頭のみですが、Tampa Bayの11Fでコースレコードを出したようです。

祖母のAlinaは2歳から4歳まで走って4勝。Listed勝ちまでですが、3歳のG2 Fantasy Sで2着やG3 Iowa Oaksで3着という実績があるようです。

同じように三代母、四代母まで情報が記載されていますが、四代母のところになってようやくいろいろ出てくるといったところで、ごく近い近親の活躍馬と言えばG1で2着の実績がある母Nemoraliaくらいとなります。

四代母であるLady Caveatはその姉妹にAmerican RoyaleとTo The Huntがいる他、自身の産駒にブラックタイプのThe Cynicなどが出ているようです。末裔のブラックタイプも確認できますが、このカタログを見る限りブラックタイプといってもリステッドレベルまでという印象になります。

血統表: Pedigreequery(https://www.pedigreequery.com/)

ここでTo The Huntの名前はちょっと詳しければピンとくる部分です。なのでもうちょっと詳しく血統を見るためにPedigreequeryを使いましょう。もっともわざわざ競り名簿を確認しに行くより、最初からPedigreequeryを見に行く方が楽ですから、普段の確認はもっぱらこちらからとなります。課金なしでも5代血統表が表示できるので通常は十分かと思います。ただ、基本的に馬の名前が並んでいるだけなので、インブリードの確認はできますが、それ以上のカタログにあったような情報は分かりません。自身の血統構成しか出ませんからMay Day Readyの血統を表示してもそのままではTo The Huntは出てきません。私は5代前にRoayl Advocatorが見えているので気付くのですが、マネしなくていいです。この先は経験値というかデータ量で殴る部分になりますが、To The HuntはStellar JayneStarrerと2頭のG1馬を産んだほか、孫にStar Billing、曽孫にJust F Y IとG1馬がでる活発なファミリーを形成し、これらの中ではStar Billingが芝の活躍馬という情報を付記できます。Pedigreequeryに課金するとFemale Familyを参照して同じことができます。

血統論というほど大層なものでなくとも、血統表の見方は各々違いますし、何らかの正解があるわけでもないので、それぞれのやり方で良いと思います。私のやり方の一例は次の通りということになるでしょうか。ただし、毎回こういう読みかたをしているわけではありません。全体の印象を掴んで、今回はこうという感じですかね。

Royal Advocatorの血統を開いてみると、あーHarry Isaacsですねえと思う部分がありますが、そこまでさかのぼる必要はないでしょう。

May Day Readyに至るファミリーラインはCaveat、Sea Hero、Came Home、More Than ReadyでTapitという種牡馬になっていて、More Than ReadyとTapitはともかく他は若干格落ちには見えます。なので、Alinaが重賞で入着する程度に活躍した結果、上級種牡馬を使えるようになってMore Than ReadyでNemoraliaを出した。NemoraliaはG1で連対するレベルまで上がったのでリーディングレベルにまで届いてTapitでMay Day Readyを出してきたという感じに読み取っています。Tapitに合わせるのなら母側にIn Realityがあるとよかったのかなというイメージ。むしろ繁殖入りしたらJustify使いたいですねまである。

総評

BC Juvenile Fillies Turfに出走したときにもMay Day Readyのキャリアと血統はチェックしていましたが、特にいいというイメージはありませんでした。まあ、BCなので確認しなければいけない馬が多すぎて事細かに見る余裕がなかったのも確かですが、目を引く情報はありませんでした。3戦無敗とはいえ勝った重賞は平凡で、血統もBCに出てくる馬としてはちょっと弱い方といった印象でした。BC Juvenile Fillies Turfで2着に入ったので改めてレース映像を観たり、セリのカタログ情報を拾って確認したということになります。

これまでの4戦を見る限り、特にペースに関係なく差してくるというタイプで、Jessamine Sで3頭並んだ接戦を制していたようなところはDettoriの腕による部分もありそうと思っています。

だから阪神ジュベナイルフィリーズにもDettoriを呼べて外枠に入ったという点は良かったでしょうか。もっとも阪神ジュヴェナイルフィリーズの時計はBC Juvenile Fillies Turfよりさらに一段速いでしょうからそこまで対応するかは未知数。Tapitだしいけそうかなとは思いますが。

Japan Cup Runners from Europe

今年のジャパンカップには欧州から4歳馬が3頭遠征してきた。そしてレース前からGoliathの主なオーナーであるJohn Stewartの言動が話題を集めているし、レース後にはJRAがAuguste Rodinの引退式を開催すると発表してこちらも話題となっている。近年のジャパンカップとしてはかなりの注目を集めるレースとなった。

ジャパンカップに出走する外国調教馬3頭はもう今更といった面々ではあるのだけど、改めて基本的な情報をまとめておこう。言うまでもないがメインストリームの現代欧州血統はGalileoの影から逃れられない。この3頭もGalileoを直接母父に持つAuguste Rodin、同系のトップラインとボトムラインからなるAdlerflugを父とするGoliath、半弟Sea The Starsの直系となるFantastic Moonといった状況である。

Auguste Rodin: Deep Impact - Rhododendron by Galileo

アイルランド産4歳馬。Aidan P. O'Brien厩舎。

ディープインパクトのラストクロップの数少ない一員でここまで15戦8勝。

2歳からG1 Futurity Trophyを勝つと、3歳シーズンはG1 Epsom Derby、G1 Irish Derbyを連勝して世代のトップに立った。シーズン後半の古馬との競走ではG1 Irish Champion SとG1 Breeders' Cup Turfを勝っている。一方で3歳初戦のG1 2000 Guineasは12着、Irish Derby後のG1 King George VI and Queen Elizabeth Sが10着と負けるレースはとことん負けるという特徴も有している。

今年はO'Brien厩舎の古馬エースを勤めていて、ドバイから始動したもののG1 Dubai Sheema Classicで12着と悪い方の目を引いた。欧州に戻るとG1 Tattersalls Gold CupではWhite Birchに不覚を取って2着、Royal AscotのG1 Prince Of Wales's Sこそ勝っているが、King George VI and Queen Elizabeth Sはまたしても惨敗となる5着で、前走のIrish Champion Sは3歳馬Economicsをとらえきれず2着とここまでG1は1勝のみにとどまっている。Irish Champion Sは悪い内容ではなかったが、今シーズンはAuguste Rodinにかけられた期待の大きさに答えたとは言い難い。

シャフリヤールとは去年のSanta Anita、今年のMeydanで顔を合わせており、Sheema Classicは参考になる結果と言えないが、BC Turfでは勝ったAuguste Rodinに対してシャフリヤールが3着だった。道中はAuguste Rodinがシャフリヤールの後ろに付け、最終コーナーで内を掬ったAuguste Rodinが直線向いたところで先頭に立ち、シャフリヤールとUp To The Markを抑えきったレースである。もうすでに一年前のレースではあるが、シャフリヤールは海外でも安定した能力を発揮するので一つの参考となるだろう。

すでにジャパンカップを最後に引退し、アイルランドのCoolmore Studでの種牡馬入りが発表されており、その初年度の種付け料は30000ユーロである。この種付け料は現在のCoolmore Studの面々を見るに妥当なところか。JRAジャパンカップ後にセレモニーを行うことを発表しているが、Auguste Rodinが日本で出走するのはこのジャパンカップのみであるし、本馬の実績があるとはいえJRAがいかにディープインパクトを特別視しているかということではあるだろう。

キャリアでG1を6勝。最後にジャパンカップを勝って上積みできるかということになる。2歳では重要なマイルのG1 Futurity Trophyを勝ち、クラシックシーズンでは英愛のDerbyを制してこの部門の頂点を極めた。さらには3歳のうちに10Fでは最も重要なIrish Champion Sとアメリカ西海岸のトラックでBC Turfを勝ったことでスピードも示し、4歳でもRoyal AscotでPrince Of Wales's Sを勝つことでその能力の継続性も見せている。

このように勝ったレースだけを並べるなら文句のつけようがないキャリアである。その最後のレースにジャパンカップを選んだのは、BC Turfを去年勝っているからということがあるにしても、陣営がディープインパクトのラストクロップということを意識しているようであり、入れ込みようがうかがえる。

ディープインパクトはAuguste Rodinによってその産駒の全世代からクラシックウィナーを輩出することになった。今更説明不要なレベルで日本の馬産を引き上げる役割を担った種牡馬である。その最終世代にして最高傑作となりうるAuguste Rodinの最後の舞台を見届けるのが今年のジャパンカップである。JRAがセレモニーを用意していることもあり、今年のジャパンカップディープインパクトに捧げられたレースであるということができるのではないか。

クールモアにはすでにSaxon Warriorが種牡馬入りしているが、2歳の実績は同等、3歳以降で上回るAuguste Rodinにかかる期待は大きい。サンデーサイレンスの偉業を継承しさらに深化させたディープインパクトであるが、Auguste Rodinは最後にして極めて重要なマイルストーンだろう。

母RhododendronはHalfway To Heavenの娘で自身G1を3勝した名牝である。2歳から4歳まで活躍し、3歳時はG1 Prix De L'Operaを勝ったほかに、G1 1000 Guineas、G1 Epsom Oaks、G1 BC Filly and Mare Turfで2着と安定した成績を残した。4歳は牡馬相手にG1 Lockinge Sを勝ったがこれが最後の輝きとなり、シーズン後半は不本意な成績に甘んじた。引退後に日本に送られてDeep Impactの最終年度の種付けに間に合った結果、Auguste Rodinを得た。

母方は3-d族の名門Beaver Streetのファミリーに属し、アメリカでDr. FagerとMr. Prospectorからスピードを得たFager's Gloryの分岐である。三代母Cassandra GoはTrever C. Stewartが所有し、Halfway To Heavenを出して名を上げた。Halfway To HeavenやTheannはCoolmoreの手に渡っているが、Tickled PinkからVictoria Roadを出すなど現在でもTrever C. Stewartの基幹牝系である。Halfway To HeavenはAuguste Rodinの祖母であり、自身がG1を3勝した名マイラーであった。繁殖入り後はRhododendoronとその全妹Magicalを出した。MagicalはIrish Champion Sを連覇するなどG1を7勝、繁殖入り後すると初仔Ballet SlippersがG1 Fillies' Mileで3着となり、母としてもすぐれた能力を見せている。

今回、Aidan O'Brien自身が週中の調教から立ち合いに来日しているのに加えて、息子のJosephとDonnacha、CoolmoreからはトップのMagnierとPaul Smithが現地観戦し、レース後のセレモニーにも出席すると報じられている。

Goliath: Adlerflug - Gouache by Shamardal

ドイツ産の4歳馬。フランスのFrancis H. Graffard厩舎。Schlenderhan牧場の生産でUllmann男爵をオーナーとしてデビューした。

3歳になってフランスSaint-Cloudの未勝利戦をデビュー勝ちすると、Clairefontaineで条件戦、Listedと連勝し、Longchampで重賞初挑戦となるG3 Prix Du Prince D'Orangeに出走しHorizon Doreの4着となってシーズンを終えた。4歳になった今年はLongchampでG3 Prix D'Hedouvilleを勝ったが、ChantillyのG2 Grand Prix De ChantillyはJunkoの4着とこの段階ではそこそこ重賞レベルの古馬という立場であった。ところがイギリスに遠征し、Royal AscotのG2 Hardwicke Sで2着となると、続けてG1初出走となったKing George VI and Queen Elizabeth Sでは直線突き抜けて2着Bluestockingに2馬身差をつけて快勝した。人気薄での勝利ではあるもののその勝ち方が鮮やかであったことで一躍古馬12F路線の有力馬となったが、去勢されているため凱旋門賞路線には向かわず、オーナーにJohn StewartのResolute Bloodstockが加わった陣営はジャパンカップを年内の目標に掲げた。ドイツでG1 Preis Von Europaへの出走を企図していたがこれをスキップし、LongchampのG2 Prix Du Conseil de Parisを勝利して遠征してきた。中間の調教で問題があったようだが、Longchampで走っており特に問題はないだろう。

父AdlerflugはドイツにおけるSadler's Wells直系の最大勢力であるIn The Wingsの子であり、その母系はGalileoと同系の9-h族で三代母Anatevkaが共通牝祖となる。In The Wingsに対して母父Last Tycoonが入ることでSadler's Wellsにとって重要なMill Reefが2枚入る構成の血統で、その産駒にはTorquator Tasso、Alenquer、Iquitos、In Swoopなどが出ている。

牝系はSchlenderhan牧場にとっては新参となる22-d族Guernicaのラインである。もとはGlamourを起点とするWertheimerの名牝系でGlaneuseから出たGold Riverの分岐にはGoldikovaが出るし、Guernicaと同系のGraciousの分岐にもAlexander Goldrunを得ている。GuernicaからGetawayとGuadalupeが出て、Guadalupeは繁殖馬としてGuilianiとGuignolを産んだ。Goliathはこの直系でGuadalupeの曽孫となる。GoliathにはShamardalやDynaformerを使っており、典型的なドイツ血統の重々しさはなく、むしろドイツ的な血統が強いのはGuadalupeの父Monsunくらいではなかろうか。AdlerflugにしたところでIn The WingsLast Tycoonを乗せてドイツっぽさは少々薄い。

Fantastic Moon: Sea The Moon - Frangipani by Jukebox Jury

ドイツ産の4歳馬。Sarah Steinberg厩舎。Stauffenberg伯爵夫妻の生産馬で、Lars-Wilhelm BaumgartenのLiberty Racingが所有する。

ドイツでデビューし2歳時はG3 Preis Des Winterfavoritenを勝って2戦2勝。3歳シーズンはMunchenのG3 Bavarian Classicを3着からBadenのG3 Derby Trialを勝ってHamburgのG1 Deutsches Derbyに出走した。Derby Trialで3着だった後にG2 Union-Rennenを勝ってきたStraightが人気を集めていたが、直線で外から一気に抜け出してMr. Hollywoodに2馬身の差をつけて勝利した。その後古馬相手の2000m戦G1 Grosser Dallmayr-Preisに出走し、遠征馬Nations Prideには敵わなかったが2着に入ってダービー馬の力を示した。凱旋門賞を目標にG2 Prix Nielに出走するとFeed The Flame以下を下してその実力がドイツにとどまるものではないことを見せたが、凱旋門賞では11着に終わった。

4歳の今年はドイツでG2 Grosser Preis Der Badischen WirtschaftとG1 Grosser Preis Von Badenを勝ち、Grosser Dallmayr-Preisは去年同様に2着だった。BadenではDubai Honourを下している。一方フランスではよいところがなくG1 Prix Ganayは最下位の9着に終わり、馬場の悪化で回避に傾いたが間に合わず出走となった凱旋門賞は9着だった。

大外に持ち出して伸びる競馬をしており、時には外埒いっぱいまで回してくる。それだけ馬場の良いところを好むのだろうし、今年の凱旋門賞で一悶着があったように馬場が重くなることは歓迎しない。もっとも東京競馬場の馬場が彼らの基準で重いというほどに悪化することはないだろうし、天気予報からは良馬場が見込まれ、道中のペースについていけるかの心配が大きいのではないか。

今年限りで種牡馬入りが決まっており、ジャパンカップのあとはHong Kong Vaseに遠征する可能性がある。複数の種牡馬オファーを受けていたがLiberty Racing自身が所有したまま種牡馬入りさせ、ドイツのGestut Ebbeslohで初年度の種付け料が9000ユーロと発表された。

父Sea The MoonはSea The Starsの初年度産駒で無敗のままドイツダービーを11馬身差で圧勝し、近年のドイツの3歳馬として最強の能力を見せていた。しかしGrosser Preis Von Badenで2着に終わるとレース中に故障していたことが分かり、引退してイギリスのLanwades Studで種牡馬入りとなった。種牡馬としてはAlpine Starを出してSea The Stars後継種牡馬としての地位を固めている。近親には今年G1 Grand Prix De Parisを勝ったSosieがおり、こちらはSea The Starsの前にShamardalを入れてスピードを確保したイメージ。

母系は1-e族でStauffenberg伯爵夫妻がFraulein Tobinを手に入れて以来、三代にわたり所有する牝系である。Fraulein Tobinの産駒に日本で6勝をあげたイングランドシチーがいる。Fraulein Tobinの半妹FruhlingshochzeitはJuddmonteの生産馬でその末裔にStreet BossやJack Christopherを出している。もとはBoussacの手が入ったフランスのファミリーでDarjinaやAlmanzorと同族である。

血統背景で言うとSadler's Wellsの持ち方がOld VicMontjeuでどちらもスタミナが勝ったタイプであるし、Galileoと比べるとステイヤー寄りなSea The Starsが祖父だし、母父Jukebox Juryもステイヤーというあたりで重めな印象となる。一方で快速のスプリンターJ. O. Tobinを抱えていたり、Never Bendがもう一本追加だったり、Niniskiがいるから遠いところにRidanクロスが見えるあたりにスピードを引き出す手は持っていそうである。

Charyn on Mile Championship

一時期マイルチャンピオンシップにはコンスタントに外国調教馬が参戦していたけれども、3度目のSahpresaとImmortal Verseが出走した2011年を最後に途絶えていた。13年振りの外国調教馬の出走となるCharynの実績は4歳にしてかつてのCourt Masterpieceをも凌ぐ最強のエントラントであろう。

Background

CharynはアイルランドのGrangemore Sutdが生産し、TattersallsのOctober YearlingでNurlan Bizakovに25万ギニーで落札された。Book 2への収載であったもののBook 1を含めてもDark Angel産駒としては5番目の高額での落札であった。そしてそのままNurlan Bizakovの所有馬としてRoger Varian厩舎からデビューすることとなった。

Owner

Nurlan Bizakovはカザフスタン出身で、アジア系の顔つきである。資源関連企業に関わるビジネスマンとして成功した。競馬には2010年にイギリスのHesmonds Studを購入して深く関与することになった。2019年にはフランスのHaras De Montfort et  PréauxとHaras Du Mézerayを立て続けに買収するとフランスに軸を移し、統合してSumbe SASとして運営している。Sumbeとなってからは2022年にBelbekがJean-Luc Lagardereを勝ってG1初勝利を挙げ、今年から種牡馬入りを果たしている。現在他に種牡馬としてMishriff、Golden Horde、Angel Bleuを繫養しており、Charynは来年からこのラインナップに加わる予定である。

Trainer

Roger VarianはNewmarketに厩舎を構える調教師である。開業前はMichael Jarvis厩舎で調教助手をしており、その時期にマイルチャンピオンシップにも遠征したRaktiを担当している。2011年にJarvis厩舎が廃業するとこれを引き継いで開業し、1年目からNahrainを出している。その後もコンスタントにG1を勝っており、去年はKing Of SteelやAl Husnで勝ち、今年はCharynの他に1000 Guineasを勝ったElmalkaがいる。ElmalkaはNahrainの娘であり厩舎にとって縁の深い牝馬である。Charynのマイルチャンピオンシップへの遠征はVarian調教師が強く推して実現したということである。

Racing Career

Charynは2歳の8月にHaydockの6F戦でデビュー勝ちした。続いてNewmarketのNovice Sは2着、さらにNewburyのG2 Mill Reef Sが3着だった。ここまで全て6F戦で、上位にはAcclamationの直系が目立つ典型的なイギリスの2歳短距離戦であった。2歳シーズンの最後はフランスに渡ってChantillyの1200m G2 Criterium De Maisons-Laffitteを勝った。オーナーがフランスに生産拠点を持つため、フランスの生産界に対するアピールは常にレース選択に影響することになる。

3歳になるとイギリスに戻りNewburyのG3 Greenham Sで2着から2000 Guineasに出走するものの8着に終わった。立て直してさらにIrish 2000 Guineasにも出走するが4着、Royal AscotのSt. James's Palace Sは3着だった。この世代はPaddingtonがIrish 2000 Guineas以降台頭し、CharynはPaddingtonに敵わないままだった。フランスでDeauville開催が始まると1400mのJean Pratに出走、Chaldeanをマークしていたが勝負所で両馬ともに伸びを欠いた。これで短距離に見切りをつけたのか以後の出走はマイル戦のみとなる。Goodwood開催に戻ってきてSussex Sに出走したがまたもPaddingtonの前に3着、さらにG2 Celebration Mileも3着として、好走こそあるものの勝てないまま早めに3歳シーズンを終えた。

4歳の戦績は圧巻で、DoncasterのListed Doncaster Mileを快勝すると、G2 Sandown Mileを勝利して古馬マイル路線への名乗りを上げた。Lockinge Sではうまく立ち回ったAudienceの2着となるが、Charynも3着以下を引き離して評価を上げている。Queen Anne SではAudienceに加えてFacteur ChevalやBig Rockが出走してきたがものともせず完勝し、初めてのG1タイトルを手にするとともに欧州マイルの第一人者となった。

その後フランスに向かうとJacques Le Maroisを勝ってMoulin De Longchampが2着。Jacques Le Maroisは3馬身差であるが圧勝と言っても良い内容であった。Longchampでは逃げたTribalistを捕まえ損ねており、Lockinge SのAudienceと言い、逃げ馬に出し抜けを食らうとちょっとしくじる傾向にある。欧州シーズンの最後はBritish ChampionシリーズのQueen Elizabeth II Sで、持ったまま先頭に立つと競りかけてきたFacteur Chevalを返り討ちにして最後は2馬身差をつけてG1 3勝目を挙げた。

CharynはQueen Elizabeth II Sの前にはシーズン限りでの引退が発表されていたが、その発表と同時にBC Mileかマイルチャンピオンシップに遠征する可能性に触れられていた。レース後にもRoger Varian調教師からあと1戦走ることが示唆され、陣営が以前にBC Mileには消極的なコメントしていたこともあって俄然注目を集めることとなった。

3歳はDavid Eganが主戦で、4歳のレースはこれまで全てSilvestre De Sousaが手綱を取ってきたが、マイルチャンピオンシップでは短期免許で来日中のRyan Mooreが騎乗することになる。

Sire: Dark Angel

父のDark Angelは欧州の短距離路線に強い勢力を築いたAcclamationの初年度産駒にして代表産駒。後継種牡馬としても成功し、父とともに多くのスプリンターを輩出している。

Dark Angelの現役実績は2歳のみで9戦して4勝。いずれも6FのG1 Middle Park SとG2 Mill Reef Sを勝った。当時からすると特筆すべきところがない短距離馬Acclamationの初年度産駒で母系もそこそこ程度となれば、2歳のうちから使えるだけ使う風になったのは理解できなくもない。最後のレースとなったのは7FのG1 Dewhurst Sで、前半を飛ばして先行したが最後はまったく力を失いNew Approachの前に9着という結果に終わった。これによりオーナーサイドは、Dark Angelが6Fに特化した競走馬で3歳以降でG1を勝つ望みがほぼないと判断し、種牡馬としての購入オファーに応じたため、2歳シーズンでの引退と3歳からの種牡馬入りが決定した。この判断は結果的に当たりで、Dark Angelは初年度産駒からスプリントG1を2勝したLethal Forceを出して種牡馬として軌道に乗った。その後もMecca's Angel、Harry Angel、Bataash、Art Powerなどのスプリンターを出す一方、Raging BullやAlthiqaの様にアメリカの芝マイルをこなす産駒も出している。自身は2歳戦しか経験していないが、古馬になっても持つ産駒は多い。今年高松宮記念を勝ったマッドクールは典型的なスプリンタータイプのDark Angel産駒である。また、完全に白くなった芦毛の馬体と相まってDark Angelは厨二病馬名としても一部で著名である。つまりは †Dark Angel† ってこと。

Acclamationは今では香港のRomantic Warriorが代表産駒となるが、中距離で活躍する彼は例外的な存在である。5Fのレースをかっ飛ばす産駒が主で、Expert EyeがBC Mileを勝ったときには8FでG1を勝って驚いたようなレベルであった。Dark Angelはそこまで極端ではなく、マイルをこなす産駒もそれなりに見られ、アメリカの軽い芝で中距離の活躍馬を出している。

Dam: Futoon

母FutoonはKodiac産駒のスプリンターでListedで2着までの実績。Charynの全兄Wings Of WarはG2勝ちである。母系は代々スプリンターで、母父Kodiac、祖母父Mujadilもその前のStatoblestも皆スプリント種牡馬である。これら累代の種牡馬を見て判断できる通り母系のランクは高くない。祖母Vermilliannの全弟GaleotaがGolden Jubileeで2着の2歳G2勝ち馬というのが近親で最高の実績である。

Breeders' Cup Dirt Mile: G1 Del Mar Dirt 8F

National Treasureが脚に異常があり回避することになったため混戦模様。Muthが少し期待に応えられていない。

Saudi Crown: Always Dreaming - New Narration by Tapit

アメリカ産馬、Brad Cox厩舎、Florent Geroux騎乗。

去年G1 Pennsylvania Derbyを勝って、今年はG1 Saudi Cupを3着。Meydanの開催ではG2のGodolphin Mileに回ったが12着に大敗した。9Fも若干長い印象はあり、8Fがベスト。Ellis Parkで8Fのブラックタイプを勝って参戦となる。

T O Saint Denis: Kitasan Black - Pole Position by Pivotal

日本産馬、Daisuke Takayanagi厩舎、Ryusei Sakai騎乗。

今年はChurchill DownsのG2 Alysheba Sで2着したのがハイライト。アメリカのダート戦で実績があるということだけは利点。

Full Serrano: Full Mast - Serra Do Mar by Jump Start

アルゼンチン産馬、John Sadler厩舎、Joel Rosario騎乗。

アルゼンチンからの移籍馬で重賞勝ちはない。前走のG1 Pacific Classicで2着に入り出走にこぎつけたイメージ。

Katonah: Klimt - Ctimene by Consolidator

アメリカ産馬、Doug F. O'Neill厩舎、Lanfranco Dettori騎乗。

Pacific Classicが7着、California Crownが4着ではClassicを走れるレベルになくDirt Mileでも上位は望めないだろう。

Three Technique: Mr. Speaker - Nite In Rome by Harlan's Holiday

アメリカ産馬、Jason Cook厩舎、Rafael Bejarano騎乗。

去年はBC Sprintに出走して8着、一昨年はBC Dirt Mileに出走して6着。今年はローテーションがマイル向き。

Seize The Grey: Arrogate - Smart Shopping by Smart Strike

アメリカ産馬、D. Wayne Lukas厩舎、Jaime Torres騎乗。

G1 Preakness Sを勝った3歳馬。Belmont Sにも出走したが7着で、その後はG2 Jim Dandy Sが4着、G1 Pennsylvania Derbyを勝った。世代限定戦でごまかしがきいているような結果ではあり、もともとはマイルが主戦場でG2 Pat Day Mile勝ちもある。BC Dirt Mileは適条件といえるのではないか。

Tumbarumba: Oscar Performance - Native Enough by Street Sense

アメリカ産馬、Brian Lynch厩舎、Luis Saez騎乗。

G3 Fred W. Hooper Sの勝ち馬。マイル戦は得意で、前走はG3 Ack Ack HでThree Tecniqueの2着。

Post Time: Frosted - Vielsalm by Fairbanks

アメリカ産馬、Brittany Russell厩舎、Sheldon Russel騎乗。

今年になって重賞戦線に出てきた4歳馬。LaurelのG3 General George SとAqueductのG2 Carter Sを勝った。その後はG1 Metropolitan Hで2着の実績を残している。7Fから8Fがベスト。

Domestic Product: Practical Joke - Goods And Services by Paynter

アメリカ産馬、Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

3歳馬。Kentucky Derbyは13着に終わったが、距離を短縮して成功し、8FのG3 Dwyer Sと7FのG1 H. Allen Jerkensを勝っている。Dwyer Sが圧勝でマイル向きという評価となっている。

Muth: Good Magic - Hoppa by Uncle Mo

アメリカ産馬、Bob Baffert厩舎、Juan Hernandez騎乗。

3歳馬。G1 Arkansas Derbyの勝ち馬。Baffert厩舎なのでKentucky Derbyに出走することはできず、Preakness Sは輸送時に熱発で回避と不運だった。ListedのShared Belief Sを快勝して復帰したが、前走のCalifornia Crownは最下位の6着に終わる。差し脚不発だったSenor Buscadorより下で、散々な結果である。

Cagliostro: Upstart - A Rosefor Isabelle by Hard Spun

アメリカ産馬、Cherie DeVaux厩舎、Jose Ortiz騎乗。

G1 Forego Sの4着馬で、前走はG3 Ack Ack Sを3着。

Mufasa: Practical Joke - Miscanti by Scat Daddy

チリ産馬、Ingacio Correas厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

チリではG3勝ちがある程度の実績。アメリカに移籍してくると前走のG3 Vosburgh Sを勝った。アメリカに来てからは7Fでの出走だが、チリでは1800mの重賞勝ちがある。

Pipeline: Speightstown - Vivo Per Lei by Empire Maker

アメリカ産馬、Cherie DeVaux厩舎、John Velazquez騎乗。

今のところ重賞では通用していない。前走はアローワンス戦で勝利。

Skippylongstocking: Exaggerator - Twinkling by War Chant

アメリカ産馬、Saffie Joseph Jr.厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

8~9Fを舞台に重賞を7勝しているがG1には届いていない。去年のBC Dirt Mile3着馬。G2 Charles Town Classicを圧勝している。

Breeders' Cup Mile: G1 Del Mar Turf 8F

最近はGodolphinDubawi産駒が三連覇中。今年はSpace Blues、Modern Games、Master Of The Seasに続く馬としてNotable Speechが送り込まれた。

Ramatuelle: Justify - Raven's Lady by Raven's Pass

アメリカ産馬、Christopher Head厩舎、Aurelien Lemaitre騎乗。

3歳の牝馬マイラーだが、G1 1000 Guineas、G1 Coronation Sはともに3着。前走は1400mのG1 Prix La Foretを勝利。マイルより短めが向いているかもしれない。

Chili Flag: Cityscape - Flag Day by Pivotal

フランス産馬、Chad C. Brown厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

牝馬マイラーでG1 Just A Game Sの勝ち馬。前走はG1 First Lady SでGina Romanticaの2着。

Geoglyph: Drefong - Aromatico by King Kamehameha

日本産馬、Tetsuya Kimura厩舎、Takeshi Yokoyama騎乗。

皐月賞を勝って以降どこに行っても結果につながらなかったが、今年は中山記念が3着で札幌記念が2着と少し良くなったのか、それとも単にG2だから上位に来れるようになったのかいまいち判断が付かない。

Diego Velazquez: Frankel - Sweepstake by Acclamation

アイルランド産馬、Aidan P. O'Brien厩舎、Ryan Moore騎乗。

母Sweepstakeの今年の3歳馬。クラシックのシーズンが終わってからLeopardstownでG3 Meld S、G2 Solonaway Sと重賞を連勝した。マイラーだったのか。

Goliad: War Front - Choreograph by Dynaformer

アメリカ産馬、Ricahrd E. Mandella厩舎、Flavien Prat騎乗。

今年になってG3を2勝した7歳馬。去年までは条件戦で走っているレベルだった。前走はKentucky DownsでMint Million S勝ち。

Notable Speech: Dubawi - Swift Rose by Invincible Spirit

イギリス産馬、Charles Appleby厩舎、William Buick騎乗。

Godolphinが今年用意したDubawi産駒。G1 2000 GuineasとG1 Sussex S勝ちで文句なく強いのだが、St. James's Palace SやMoulin De Longchampで案外なところも見せておりちょっと安定感はない。

Porta Fortuna: Caravaggio - Too Precious by Holy Roman Emperor

アイルランド産馬、Donnacha O'Brien厩舎、Tom Marquand厩舎。

去年のBC Juvenile Fillies Turf勝ち馬。その前にはG1 Cheveley Park Sを勝っているし、3歳の今年になってもG1 1000 Guineasを2着に始まり、Coronation S、Falmouth S、Matron SとG1を三連勝した。牝馬限定戦のみとは言えマイラーに特化して大成した。

More Than Looks: More Than Ready - Ladies' Privilege by Harlan's Holiday

アメリカ産馬、Cherie DeVaux厩舎、Jose Ortiz騎乗。

前走はG1 Coolmore Turf Mileで2着。

Johannes: Nyquist - Cuyathy by Congrats

アメリカ産馬、Tim Yakteen厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

西海岸の芝マイラー。G1 Shoemaker Mileの勝ち馬で4連勝中。前走はG2 City Of Hope Mile勝ち。

Win For The Money: Mohaymen - Mayakoba by War Chant

アメリカ産馬、Mark E. Casse厩舎、Patrick Husbands騎乗。

カナダ調教でG1 Woodbine Mile勝ち。

Ten Happy Rose: Epiphaneia - Fatal Rose by Tanino Gimlet

日本産馬、Daisuke Takayanagi厩舎、Akihide Tsumura騎乗。

G1ヴィクトリアマイルの勝ち馬。

Carl Spackler: Lope De Vega - Zindaya by More Than Ready

アイルランド産馬、Chad C. Brown厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

G1 FourstardaveとG1 Coolmore Turf Mileの勝ち馬で東のトップマイラー