3月に入った時点での状況をまとめておきます。
今年のKentucky Derby路線は、去年無敗でBreeders’ Cup Juvenileを勝ったTed Noffeyが骨挫傷で復帰が夏以降となって戦線からドロップしています。また、BC Juvenileの2着馬Mr. A. P.も負傷により離脱しています。2歳G1馬ではChampagne Sの勝ち馬Napoleon Soloは復帰戦となったFountain Of Youth Sで5着、American Pharoah S勝ち馬のIntrepidoはRobert B. Lewis Sで2着といったところで2歳戦の上位馬が苦しんでいます。また、Robert B. Lewis SでIntrepidoを下して台頭したPlutarchも離脱していて、まだ本戦のメンバーが見えてこない状況です。そうした中で順調なのはRemsen S勝ちのPaladinで、今年初戦となったRisen Star Sも勝って現在のところ路線の中心にいると見られています。
北米は2月末からChampionship Seriesが本格的にスタート。今のうちはまだ50ptレースですが、フロリダと中南部で重要なG2であるFountain Of Youth SとRebel Sが開催されました。ニューヨークのGotham Sも含め、勝ったのはこれまでのシリーズに出走していない新顔。このChampionship SeriesでこれまでPrep Seriesで鎬を削ってきたエントラントが一蹴されてくると、ようやく始まったという印象になります。
欧州/中東路線は先週で欧州開催分が終わり、残すはUAE Derbyのみ。欧州戦の勝者たちはKentucky Derbyを目指すことはないようです。こちらのポイントリーダーは先日Saudi Derbyを制したAl Haramで、エントリーはまだですが、UAE Derbyからの出走を狙う姿勢を見せています。UAE DerbyではUAE 2000 Guineasを勝ってすでに本戦へのエントリーも済ませているSix SpeedがAl Haramを迎え撃つことになります。ただ、Al Haramでも30ptしか持っておらず、UAE Derbyのポイントが勝ち馬から順に100-60-30-15-10なもので、Kentucky DerbyのゲートはUAE Derbyの上位2頭に用意されることにはなるでしょう。イランの攻撃でドバイにも被害が出ているので、今後の展開によっては競馬を開催している場合じゃなくなるかもしれませんが、スーパーサタデーを平然とやり切ったし、ドバイの面子を賭けてやっている部分はあるかなあ。
日本の路線も残すは伏竜Sのみとなっていて、現状ではヒヤシンスS勝ちのラッキーキッドが30ptでトップ。これを20pt持ちのパイロマンサーが続いてGodolphinが上位を占めています。パイロマンサーはUAE DerbyからKentucky Derbyを目指す方針が出ていますが、中東情勢は予断を許しません。ドバイ遠征が無理となればパイロマンサーは伏竜Sに出走することになるでしょうし、そうなるとラッキーキッドとかち合うことが予想されます。Godolphinとしてはパイロマンサーを優先するでしょうから、まあ今後のドバイ情勢の展開次第ですね。ヒヤシンスSで2着だったドンエレクトスはカトレアSのポイントもあるので20ptでパイロマンサーに並んでいますが、こちらはKentucky Derbyへの興味は示していません。
Risen Star S: G2 Fair Grounds Dirt 9F
一足早く2月半ばに開催されるChampionship Series開幕戦。逃げたChip HonchoをPaladinが差し切って勝利。2着のChip Honchoは3着以下に5馬身差をつけていて、ここでは上位2頭を評価すればいいというレース。
Paladinは年末にAqueductでG2 Remsen Sを勝っていて、これで3戦全勝となった。デビュー戦はAqueductの8F戦で、他の出走馬がすでにレース経験を持っている中で一番人気に支持された。直線ではゴール前でRenegadeと激しく競り合ってアタマ差で2着となるも、Renegadeは最後にぶつかったことで非があるとされて2着に降着処分となり、Paladinが勝ちあがった。Renegadeとは次のRemsen Sで再戦となったが、この時は右前脚の落鉄がありながらも寄せ付けずに勝利。その後フロリダで調教され、Risen Star Sに出走した。また、2戦続けてPaladinの2着となったRenegadeはフロリダでSam F. Davis Sを快勝して能力を示しておりPaladinの評価は上昇している。
Remsen Sは2歳の重要な重賞で勝ち馬のレベルも高いもののKentucky Derbyに限って見ると不振で、Remsen S勝ち馬がKentucky Derbyを制したのはThunder Gulchまで遡らなければならない。とはいうものの近年の勝ち馬にはDornochやMo Donegal、Mo Town、Honor Codeが名を連ねており、Dornochの時は2着にSierra Leoneがいたので、2歳で9Fをこなすことで能力は証明される。
Paladinは父がGun Runnerで母の父がTapitというニックスで、母系はDarby Dan Farmの4-r Golden Trailのファミリーに属する非の打ちようがない構成となっている。Paladinが属するMisty Hourの分岐にはTo Honour And Serveやモズアスコットが出ており、モズアスコットは伯父にあたる。
Gun RunnerとTapitの組み合わせでは、フロリダでDr. Fagerの再来を求め続けたTartan Farmが最後に残した2頭の傑作Quiet AmericanとUnbridledがクロスする。ここにGun Runner産駒で多く見られるStorm Catクロスも存在し、必要な要素は揃っている。
Summer Wind Equine の生産馬で、オーナーはCoolmore陣営とM. Brant、Summer Wind Equineの共有名義である。Fasig-TiptonのSaratoga Yearlingで190万ドルで落札された高額馬。
Chip HonchoはFair GroundsでListedのGun Runner Sを勝ち、G3のLecomteでは4着。路線に残るには上積みが必要。
Gotham S: G3 Aqueduct Dirt 8F
Aqueductの8F戦を勝ったのはIron Honor。Chad Brown厩舎の所属で同厩のPaladinとの競合を避けた面はあるものの、この時期にニューヨークで走っているようでは本戦には厳しいというところはあって、注目度は低い。
Fountain Of Youth S: G2 Gulfstream Dirt 8.5F
重要度の高いフロリダ路線のG2。ここ3年の勝ち馬がSovereignty、Dornoch、Forteであり、最終プレップとなるFlorida Derbyと互角のレベルである。今年は差し決着となってCommandmentとChief Wallabeeが抜け出して叩き合いを演じ、Commandmentがクビ差を制した。
CommandmentはChurchill Downsの7F戦で勝ちあがり、今年はフロリダでListedのMucho Macho Man Sを制していた。ゲートの出が悪いという欠点があり、Mucho Macho Man Sでは道中で行き場をなくすシーンもあった。Fountain Of Youthでもスタート直後にBravaroと接触していてレースが上手くない。
父はInto Mischief、母のSippican HarborはG1 Spinaway Sの勝ち馬で、その半妹にオーサムリザルトが出ている。
Rebel S: G2 Oaklawn Dirt 8.5F
一番人気のLitmus Testを追走し、早々に交わしたClass Presidentが追い込んできたSilent Tactic相手に譲らずハナ差で凌ぎ切った。
Class Presidentの父はUncle Mo、母の父はQuality Roadという血統である。