Hong Kong Cup: Sha Tin Group 1 Turf 2000m

香港期待のRomantic Warriorはオーストラリア遠征を敢行し、Cox Plate勝ちという大きな成果を手に入れた。香港調教馬が域外の中距離G1を勝つのはVengeance Of RainのDubai Sheema Classic以来であろうか。

本戦の中心はやはりこのRomantic Warriorなのだが、O'Brien厩舎が送り込んできたLuxembourgは並大抵の相手ではなく、春のQueen Elizabeth II Cupで2着のPrognosisが再び挑んでくるなど楽なレースではなさそうである。

Luxembourg: Camelot - Attire by Danehill Dancer

アイルランド産馬、4歳、レーティング123、12戦6勝。

2歳でFuturity Trophy、3歳でIrish Champion S、4歳でTattersalls Gold Cupを勝つ安定した中距離ランナー。今年はPrince Of Wales's SとIrish Champion Sで2着に入っており、10F戦がとにかく得意である。ここ2戦はAuguste Rodinと同じレースに出走していたため、主戦のR. Mooreを持っていかれJ.A. Heffernanの手綱になっていたが、香港ではR. Mooreに戻る。

多数の有力ファミリーが属する8-f族でAd Altioraの分岐に位置する。Aquarellisteらが近親に出るようにWildenstein由来の牝系であり、祖母AsnieresをSangster家が手に入れて以降はSangster家の所有の一門である。

スピード不足になりがちなMontjeuにはMr. Prospectorが有効で、KingmamboならNureyevも持ち込めるというのが父Camelot。そこにシンプルにDanehillをクロスさせている形で、Danehillとの相性が良い母系には十分だろう。

Romantic Warrior: Acclamation - Folk Melody by Street Cry

アイルランド産馬、5歳、レーティング123、16戦11勝。

地元香港の中距離エース。去年の勝ち馬で、今年はQueen Elizabeth II Cupを完勝した。今シーズン初めからオーストラリア遠征を敢行し、Turnbull S4着から臨んだCox Plateで見事勝利。その能力は香港内にとどまるものではないことを証明した。

祖母がカナダのG1 E. P. Taylor Sを勝ったFolk Opera。12Fの方に実績があり、そのスタミナを産駒たちに伝え、Romantic WarriorのいとこにあたるMr. Bailettiはペルーで2600mのG1 Gran Premio Nacional August .B Leguiaを勝っている。

Horizon Dore: Dabirsim - Sweet Alabama by Enrique

フランス産馬、3歳、レーティング120、8戦6勝。

フランス調教で、夏場に台頭して中距離の重賞を3連勝し、シーズン最後にイギリスのChampion Sに出走して3着となった。

父Dabirsimはハットトリック産駒でフランスで2歳G1を2勝し、欧州の最優秀2歳牡馬とフランス年度代表馬に選出された活躍馬である。3歳以降は活躍できなかったが、引退後にドイツで種牡馬入りし、現在はフランスに移っている。産駒は欧州の重賞で散見し、G2を勝っているHorizon Doreが筆頭馬である。

母系はフランスの土着牝系で二線級といったところ。母Sweet Alabamaもパリではなく南部がメインでスペインへの遠征もあるといった様子。

Prognosis: Deep Impact - Velda by Obserbatory

プログノーシス、日本産馬、5歳、レーティング119、11戦6勝。

今年G2の金鯱賞勝ちからQueen Elizabeth II Cupに遠征して2着。戻ってきて札幌記念を勝ち、秋の天皇賞で3着と日本の中距離路線の上位馬である。天皇賞については馬のふりをした何かが走っていたのである程度は仕方ない。とはいえ春にRomantic Warriorに2馬身負けた分を詰め切れるかは難しいのではないか。

半姉にCheveley Park Sを勝ったVordaが出ている。三代母のVal D'Ericaはイタリアの牝馬二冠でフランスオークスにも出走して2着という実績を残した。

Rousham Park: Harbinger - Reinette Groove by King Kamehameha

ローシャムパーク、日本産馬、4歳、レーティング116、10戦6勝。

3連勝で函館記念オールカマーと重賞連勝していよいよG1挑戦が香港となった。天皇賞よりはましとはいえ、相手関係はかなりきつい。

HarbingerはDansiliの後継種牡馬ではトップの実績なんだが、どうにも日本だとそういうイメージが持たれていなさそうでもったいない。

Hishi Iguazu: Heart's Cry - La Liz by Bernstein

ヒシイグアス、日本産馬、7歳、レーティング115、19戦7勝。

2021年にHong Kong Cupで2着に入り、翌年には宝塚記念でも2着と一線級にのし上がったが、今年はやや不振。

Money Catcher: Ferlax - Warren's Sister by Savabeel

ニュージーランド産馬、6歳、レーティング114、28戦3勝。

ニュージーランドでデビューして香港に移籍した。香港ではG3を2勝し、去年のHong Kong Cupで3着。今年Hong Kong Gold Cupでも3着だが、Golden SixtyやRomantic Warriorとは差がある。

Straight Arron: Fastnet Rock - Imperial Lass by Tavistock

オーストラリア産馬、5歳、レーティング113、16戦6勝。

オーストラリアでG3勝ちがあり、今年から香港で出走している。前走は香港の前哨戦G2 Jockey Club Cupを勝ってきた。

Sword Point: American Pharoah - Jazz Song

オーストラリア産馬、5歳、レーティング110、20戦4勝。

前走のJockey Club Cupで2着。

Nimble Nimbus: Sacred Falls - Marahau by Pins

ニュージーランド産馬、6歳、レーティング109、24戦5勝。

重賞に姿を見せたのは今シーズンになってから。前走Jockey Club Cupは4着。

Champion Dragon: Starspangledbanner - Via Lattea by Teofilo

アイルランド産馬、5歳、レーティング100、21戦3勝。

前走でClass 2戦を勝っての参戦。G3 Ladies' Purseで2着の実績がある。