去年と同じくGolden SixtyとCalifornia Spangleの勝負となるだろうが、Golden Sixtyが4月以来のレース、California Spangleは今季があまり良くなさそうである。日本からは前走マイルチャンピオンシップの1着Namur、2着Soul Rushに加えてマイルG1の実績馬SerifosやDanon The Kidと揃えてきた。
Golden Sixty: Medaglia D'Oro - Gaudeamus by Distorted Humor
オーストラリア産馬、8歳、レーティング125、29戦25勝。
香港最強馬の名に恥じず、持ちレート125はこの日の出走馬中のトップレート。
8歳となった今シーズンは出走しておらず、4月のChampions Mile以来のレースとなる。去年はCalifornia Spangleに破れ2着に終わったが、その後Stewards' CupとChampions Mileで完勝して格の違いを見せた。
22-d Royal StatuteのファミリーでNiarchos家の所有となったKonafaの分岐である。Hector ProtectorやBosra Shamを産んだKorveyaは祖母Leos Lucky Ladyの半姉にあたる。その他、GodolphinのModern Gamesなど近親に活躍馬が多数出ている。
California Spangle: Starspangledbanner - Pearlitas Passion by High Chaparral
アイルランド産馬、5歳、レーティング123、20戦11勝。
香港のダービー戦線でRomantic Warriorと覇を競った香港の次期マイルエース。去年のHong Kong MileでGolden Sixtyに勝つも、その後はGolden Sixtyの牙城を崩せず苦しんでいる。今シーズンはSha Tin Trophyを勝ったが、Jockey Club Mileでは4着で、斤量差を考えても負けすぎたことが不安材料である。
北米で発展した4-r族の傍流に属しており、カナダからフランスを経てアイルランドに渡ったGay Apparelの牝系である。近親にLily Of The Valley、Mubtaahji、ノーヴァレンダが出ている。
Danon The Kid: Just A Way - Epic Love by Dansili
ダノンザキッド、日本産馬、5歳、レーティング118、18戦3勝。
3連勝した2歳以降勝ちがない状態が続いているが、去年のHong Kong Cupで2着に入るなど実力は十分である。今年は大阪杯で3着した他は良績がない。香港ではQueen Elizabeth II Cupに出走して5着だった。MileもCupも相手が結構強いので、厳しいレースになりそう。
Serifos: Daiwa Major - Sea Front by Le Havre
セリフォス、日本産馬、4歳、レーティング118、11戦5勝。
前走はマイルチャンピオンシップで8着。
Soul Rush: Rulership - Eternal Bouquet by Manhattan Cafe
日本産馬、5歳、レーティング118、17戦6勝。
前走マイルチャンピオンシップは2着。
Tribalist: Farhh - Fair Daughter by Nathaniel
イギリス産馬、4歳、レーティング116、16戦6勝。
重馬場に強くフランスで重賞3勝のマイラー。
Beauty Eternal: Starspangledbanner - Ithacan Queen by Savabeel
オーストラリア産馬、5歳、レーティング115、12戦8勝。
前哨戦のG2 Jockey Club Mileの勝ち馬で、昨シーズンの終わりから重賞を3勝して台頭してきた。
Beauty Joy: Sebring - Impressive Jeuney by Jeune
オーストラリア産馬、7歳、レーティング115、27戦9勝。
西オーストラリアで4戦4勝として香港に移籍。マイル路線で活躍しているが、近走は勝ちきれないレースばかりである。Jockey Club MileはBeauty Eternalに届かず2着。
Lim's Kosciuszko: Kermadec - Jacquetta by Keeper
オーストラリア産馬、6歳、レーティング112、22戦17勝。
シンガポールダービー馬。ニュージーランドの名門Trelawney Studがオーストラリアで生産し、華やかさはないがニュージーランドで脈々と継がれてきたファミリーである。
去年、Singapore DerbyとLion City Cupと地元のG1を2勝し、21戦17勝で2着3回の実績を誇る紛れもないシンガポールの最強馬。去年はなぜかHong Kong Sprintに遠征してきたが14頭中の最下位に終わっている。
180年の歴史と約20年前に建設された素晴らしいKranji競馬場を有しながら来年にはその幕を下ろすシンガポール競馬。シンガポール調教馬がパート1のG1に出走するのはこれが最後になる可能性が高い。10年前にはまだ国際G1レースを開催していたというのにね。
Voyage Bubble: Deep Field - Raaheights by Rahy
オーストラリア産馬、5歳、レーティング111、13戦5勝。
香港は北半球産馬と南半球産馬が入り乱れるため年齢表記が分かりにくいが、Romantic Warriorらより一つ下の世代のHong Kong Derby馬である。前走はJockey Club Mileで3着だが、前2頭には差を付けられていた。
逃げ先行タイプのマイラーだが、Hong Kong Derbyでは謎の勝ち方をしている。
Encountered: Churchill - Enrol by Pivotal
アイルランド産馬、4歳、レーティング110、21戦8勝。
前走はハンデ戦のG3Ladies' Purse勝ちでやや格落ち。
Cairo: Quality Road - Cuff by Galileo
アイルランド産馬、3歳、レーティング112、8戦3勝。
オールウェザーでの実績もあったが遠征したUAE Derbyでは10着に大敗した。その後Irish 2000 Guineasに出走してPaddingtonの2着だから能力は十分のはずである。前走はLeopardstownのリステッドで3着。
Namur: Harbinger - Sambre Et Meuse by Daiwa Major
ナミュール、日本産馬、4歳、レーティング115、13戦5勝。
去年の桜花賞で1番人気ながら大敗したが、前走のマイルチャンピオンシップでは最後方から段違いの末脚を繰り出して勝利。後ろからまとめて差せる展開になればナミュールだろう。
キョウエイマーチの末裔となる7-d族で、マルシュロレーヌを出したとはいえ、この牝系の基本は芝マイラーということを強く認識させてくれる。
Divina: Maurice - Verxina by Deep Impact
ディヴィーナ、日本産馬、5歳、レーティング112、18戦5勝。
府中牝馬S勝ち。関谷記念や中京記念で2着の実績があり、マイルが得意と考えていいだろう。前走はエリザベス女王杯で7着だが、これは気にせずに良さそう。