BC Turf: Santa Anita Grade 1 Turf 12F

完全に欧州馬優勢のレースになっており、過去10年で北米産馬で勝ったのはMain SequenceとBricks And Mortarのみ。Main SequenceはFlaxman Holdingsのオーナーブリードでイギリスデビューからの移籍馬であったため、純粋な北米馬はBricks And Mortarのみともいえる。

今年も人気を集めているのは欧州馬で、北米では距離不安のUp To The Markか牝馬War Like Goddessかという様相。

Shahryar: Deep Impact - Dubai Majesty by Essence Of Dubai

日本産馬。藤原厩舎。2021年の日本ダービー馬シャフリヤール。

今年は連覇を狙ったDubai Sheema Classicを5着、帰国後に出走した札幌記念が11着という戦績。札幌記念のあとに喉の手術を受けており、そこからぶっつけでBC Turfとなった。それでも下手に国内のレースに出るより勝算がありそう。この後は香港に転戦予定で、国内出走はないまま引退しそうだが、天皇賞のアレを見てしまってはそれが幸せなんじゃないかと納得するレベル。

流石に札幌記念の敗戦とその後の手術という事情からかなり人気が落ちている。

Onesto: Frankel - Onshore by Sea The Stars

アイルランド産馬。Fabrice Chappet厩舎。

去年のG1 Grand Prix De Parisの勝ち馬で、ジャパンカップに出走したので名前は知られていると思う。

今年はG1を3戦して勝ちがないものの凱旋門賞で3着になっている。

Gold Phoenix: Belardo - Magnifica by Mizzen Mast

アイルランド産馬。Philip D'Amato厩舎。

3歳ではDundalkで1戦しただけで、4歳になって北米に移籍した。今年G1 Frank E. Kilroe Mileを勝ち、G2 Eddie Read S、G2 Del Mar Hも勝っている。前走のG2 John Henry Turf Championshipでは5着。

Bolishoi Ballet: Galileo - Alta Anna by Anabaa

アイルランド産馬。O'Brien厩舎。

北米で良績を持つ5歳馬。3歳ではG1 Belmont Derby Invitationalを勝っており、今年はG1 Sword Dancer Sを勝った。12Fの能力は証明しているが、頂点のレースでは足りない。

Auguste Rodin: Deep Impact - Rhododendron by Galileo

アイルランド産馬。O'Brien厩舎。

愛ダービーにIrish Champion Sなら3歳馬として十分な実績だが、今年の3歳はAce Impactのインパクトが強すぎて少しかすんでしまう印象。勝つレースは強いが、2000 Guineasにキングジョージと負けたレースがイメージ悪く、せめてBC Turfくらいは勝っておきたいという見方はできる。

ダメなときは全くレースをしないので当てにしづらいのは間違いなく、モーニングラインとはいえ一番人気をMostahdafに譲ってしまった。

Get Smokin: Get Stormy - Hookah Lady by Smoke Glacken

アメリカ産馬。Mark Casse厩舎。

北米の芝馬。6歳になっているが、去年はAl Quoz Sprintに出走しているほどに路線が迷子。前走で芝12FのG2 Kentucky Turf Cupを勝って12Fで行けることを示した。

クラッチとなることが発表された。

Broome: Australia - Sweepstake by Acclamation

アイルランド産馬。O'Brien厩舎。

おなじみBroome。2年前はBC Turfで2着だったが、ここでYibirの末脚に屈して勝てなかったことで上りきれず現役を続ける羽目になっている。今年は長距離路線に進みG2 Dubai Gold Cupを勝った。

気が付けばあのとき勝ったYibirも長距離戦に出てきているので、まあ救いようがない感じ。あちらは騙馬で現役を続けるしかないとはいえ。

Up To The Mark: Not This Time - Belle's Finale by Ghostzapper

アメリカ産馬。Pletcher厩舎。

北米の芝馬トップの立ち位置となっている。G1 Maker's Mark Mileで3着になったあと、G1 Turf Classic、G1 Manhattan S、G1 Coolmore Turf Mileを3連勝してBC Turfに出走する。見ての通りで12F戦の経験がなく、どちらかというとBC Mileの方が向いていそうではあるが、あっちは相手が強すぎるという判断だろうか。どっちにしても無理ゲー感は変わらないだろうが。

Mostahdaf: Frankel - Handassa by Dubawi

アイルランド産馬。John Gosden厩舎。

去年は凱旋門賞を惨敗してシーズンを終えた。今年はサウジアラビアからドバイへの遠征で始動し、G2 Neom Turf Cupを勝ち、G1 Sheema Classicでは4着に健闘した。イギリスにもどるとRoyal AscotのG1 Prince Of Wales's Sを勝ってその能力が一級のものであることを示すと、G1 International SではPaddingtonとNashwaを下した。

10Fの方が得意だろうが12Fもこなす。Sheema ClassicではShahryarに先着している。あのレースは勝ち馬がおかしすぎた。

Frankelに母父Dubawiというのは相性の良い組み合わせで、AdayarやMcKulickが出ていて距離への対応力がある。

Adhamo: Intello - Foreign Tune by Invincible Spirit

アイルランド産馬。Chad Brown厩舎。

Wertheimerの生産馬でフランスでデビューし、G3 La Forceを勝っている。その後は成績が付いてこず、古馬になった去年に北米に移籍し、G1 United Nations Sを勝った。今年はG1 Arlington MillionとG1 Canadian Internationalで3着。

King Of Steel: Wootton Bassett - Eldacar by Verglas

アメリカ産馬。Roger Varian厩舎。

Derbyの2着馬でその後もキングジョージ3着、Irish Champion Sが4着とトップクラスのG1で結果を残し、とうとうAscotのChampion SでG1勝ちとなった。2歳のFuturity Trophyも含めてAuguste Rodinとの直接対決では分が悪く、相手にまともに走られると勝てない感じである。

British Championsからの転戦は中2週でちょっとレース間隔の面できついところはあるか。

Balladeer: Distorted Humor - Golden Ballad by Galileo

アメリカ産馬。George Papaprodromou厩舎。

4歳馬で前走G2 John Henry Turf Championshipを勝った。

War Like Goddess: English Channel - Misty North by North Light

アメリカ産馬。William Mott厩舎。

芝12Fガチ勢の6歳牝馬。登録段階からFilly And Mare TurfへのダブルエントリーはせずにTurf一本に絞り込んでいる。

古馬になってから本格化した北米の芝重賞戦線のトップホース。Loves Only Youが勝った2021年のFilly And Mare Turfで一番人気を背負ったほどだったが、年を経るにつれて10F級への対応力を失っており、今年はG1 New York Sで6着と不本意な結果も味わった。得意とするG2 Glens Falls Sの三連覇を逃したときは少し不安を感じたが、前哨戦のG1 Joe Hirsch Turf Classicは連覇を決めており仕上がりは問題ないだろう。

去年もBC Turfに出走し、GodolphinのRebel’s Romance、O'BrienのStone Ageに次ぐ3着だった。今年も警戒すべきは強力な遠征勢だろう。北米の芝馬として12F実績は一番だが、すでに上限が見切られている感じはあって人気は薄い。Onesto、Mostahdaf、Auguste Rodin、King Of Steelをまとめて倒す絵が見えないので仕方ないか。