Oaks: G1 Epsom Turf 12F6yd

人気はバリードイルのYlang Ylang。前走は1000 Guineasで5着だが、それほど着差が離れていたわけではなく明らかにOaksが目標というところで、牡馬の体たらくとは違うんだよとでもいう感じ。一方こちらにもエントリーしていたOpera Singerは先週のIrish 1000 Guineasに出て3着とはいえFallen Angelに4馬身差つけられているのはちょっと困った結果と思う。3歳初戦にGuineas持ってくるのやめればいいのにと思わなくもない。

流石に今の時代にOaksが初勝利ってことはないと思うけどもRubies Are Redが三番人気に支持されている。母Red Evieの人気ではあるのだけどOaks Trialは悪くない内容で2着だったが、どうせなら勝ち切っておいてほしかった。

ゴドルフィンがちょっと弱くてDance Sequenceを持ってくるのがやっとって状況。

Caught U Looking: Harzand - Wild Mix by Mastercraftsman

Noel Meade厩舎。Colin Keane騎乗。

5戦3勝。NavanのG3 Salsabil Sで4着。

カナダのVictorianaに連なる10-c族。

Dance Sequence: Dubawi - Tearless by Street Cry

Charlie Appleby厩舎。William Buick騎乗。

2歳でNewmarketのG3 Oh So Sharp Sを勝ったが今年はG3 Nell Gwyn Sで僅差の2着から、1000 Guineasは9着に終わった。キャリア4戦でNewmarketでしか出走経験がない。

祖母は9-f Playful Actでその半弟Nathaniel、半妹Great Heavens、全兄Percussionistという血統馬。

Ezeliya: Dubawi - Eziyra by Teofilo

D.K. Weld厩舎。Chris Hayes騎乗。

Aga Khanの所有で3戦2勝。2歳で勝ち上がり、今季はNavanのG3 Salsabil Sを勝っての出走となる。

母は12F路線の重賞馬で、G1ではYorkshire OaksとHong Kong Vaseで3着の実績を持つ。Aga Khan持ちの13-c族ということで、Boussacから引き継がれたファミリーであり、Albanillaを通る分岐はDar Re Mi、Too Darn Hot母子を出していることでも知られる。Eをイニシャルに持つ分岐からは、EbadiylaやEstimateなどのきょうだいを出した名繁殖Ebaziyaがおり、Ezeliyaの祖母Eytarnaはその晩年の産駒である。また、Aga Khanの手を離れたところではShadwellによってTaghroodaが生産されている。

Ezaliyaはスタミナがかった牝系にスピードを持ってくるというターンの配合に見える。

Forest Fairy: Waldgeist - Bahama Girl by Lope De Vega

Ralph Beckett厩舎。Rossa Ryan騎乗。

今年Wolverhamptonのオールウェザーでデビュー勝ちすると、ChesterのCheshire Oaksを勝って2戦2勝で参戦してきた。

父WaldgeistはGalileo産駒だがその母系は5-h族でGestut RavensbergのW一族に由来するドイツ牝系である。この牝系はWurfbahnから複数のG1馬を含む活躍馬が出ており、Waldgeistの凱旋門賞はその到達点であった。

Forest Fairyの牝系もまたドイツに由来しており、Gestut Ammerlandの名牝Borgiaを三代母としている。

Making Dreams: Make Believe - Sweet Dream by Oasis Dream

K.R. Bruke厩舎。Clifford Lee騎乗。

2歳のハンデキャップ戦を経験している馬でキャリアは12戦。重馬場のSaint-CloudでG3 Prix Penelopeを勝ったが、前走はG2 Prix Saint-Alaryで6着と足りていない。Sun Princessからの9-c族で、祖母がG1馬Sweet Stream。

Rubies Are Red: Galileo - Red Evie by Intikhab

A.P. O'Brien厩舎。Wayne Lordan騎乗。

未勝利馬ながら、LingfieldのOaks Trialで勝ち馬と半馬身差の2着。

母がRed Evie、父はもちろんGalileoといったところで全姉にFoundやDivinely、Best In The Worldがおり、Best In The Worldの娘にSnowfallが出る強力な一家である。疑いなく牝馬が優勢でクラシックディスタンスの家系なので、未勝利とはいえOaksにというのは分からなくもない。

今年の2戦が明らかに取りこぼしなあたりは懸念されるが、Oaks Trialは追い込んできてあと少し距離があればといったところであった。

Red Evie自身はそこまで優れた血統ではなく現役時代はマイラーで鳴らしたがやはりGalileoGalileoが欧州クラシックディスタンスを支配するその象徴的な例。

Seaward: Sea The Stars - Zvarkhova by Makfi

Ralph Beckett厩舎。Silvestre De Sousa騎乗。

4戦1勝。ChesterのCheshire Oaksで3着。

Secret Satire: Advertise - Secret Pursuit by Lawman

Andrew Balding厩舎。Oisin Murphy騎乗。

4戦2勝。前走でYorkのG3 Musidora Sを勝っての参戦。

父AdvertiseはShowcasing産駒のスプリンターで現世代が初年度産駒にあたる。Green Desert直系の早熟スプリンターラインである。

母系はKing Of Steelの同族となる16-b。母父もGreen Desert直系だが、こちらは距離をこなせるLawmanである。母は中距離の実績馬で、自身もMusidora Sを勝っているのだから距離は大丈夫だろう。

Treasure: Mastercraftsman - Shimmering Light by Dubawi

Ralph Beckett厩舎。James Doyle騎乗。

2戦1勝。LingfieldのOaks Trial4着。

エリザベス女王の生産馬で、現在のオーナー名義はHM The King & HM The Queen

8-c Rare Treatの牝系で近親にはGodolphinのG1馬Earthlightが出ている。

War Chimes: Summer Front - Chipolata by Muhtathir

David Menuisier厩舎。Tom Marquand騎乗。

6戦2勝。フランスでキャリアを積んでSaint-CloudのG3 Prix Penelopeで3着、LongchampのG2 Prix Saint-Alaryで5着。

Ylang Ylang: Frankel - Shambolic by Shamardal

A.P. O'Brien厩舎。Ryan Moore騎乗。

2歳G1Fillies' Mileの勝ち馬。今年は1000 Guineasを初戦に選んだが5着に終わった。5着とは言え、勝ったElmalkaからは1馬身差で、もともとオークスが目標とされていたことから人気は落ちていない。

19-b族Circus Ringの牝系で、近親の活躍馬ではオーストラリアのSerenade Rose、香港のViva Patacaといったあたり。これに加えて累代を遡るとFrankel、Shamardal、Be My Chief、Shirley Heights、High Top、Tudor MelodyときてそのボトムラインにCampanetteでこれはTony Binの三代母。そりゃOaksに行く血統だよね。

You Got To Me: Nathaniel - Brushing by Medicean

Ralph Beckett厩舎。Hector Crouch騎乗。

前走はLingfieldのOaks TrialでRubies Are Redを下したが、展開に恵まれた逃げ切りという感じはあって本戦の人気状況としては結構な差を付けられている。

Fast Lineの4-m族で近親にはRelaxed GestureやスプリンターのBufferingが出ている。