Prince Of Wales's S: G1 Ascot Turf 10F

全部出してくんなとは思っていたが、じゃあ2頭下げますもそれはちょっとw的な感覚はあり。そしてその片割れLuxembourgに加えてWhite Birchまで消えたらちょっとAuguste Rodinにとっては負けられない一戦になった。

だってInspiralはともかくHorizon Dareが人気の上位に来るのはなんか違うでしょうよ。

Snobbish: Dawn Approach - Althiba by Shamardal

Maurizio Guarnieri厩舎、Fabien Lefebvre騎乗。

4歳馬。Blue Rose Cenと同じYeguada Centurionのオーナーブリードでペースセッター役。

Zarakem: Zarak - Marem Mistress by Mastercraftsman

J. Reynier厩舎、Maxime Guyon騎乗。

4歳馬。フランス調教馬で去年は地方で連勝を決めて最後にLongchampのG2 Conseil De Parisに出走したが6着に終わった。今年はG2 Harcourtを勝ったが前走のPrix Ganayは8着。

マイナーな11-f族の分岐で、祖母Harem Ladyのきょうだいにアメリカ芝の活躍馬Keep QuietやLittle Treasureが出ている。

Blue Rose Cen: Churchill - Queen Blossom by Jeremy

Maurizio Guarnieri厩舎、C. Soumillon騎乗。

4歳馬。調教師がChristopher HeadからMaurizio Guarnieriに変更となっている。

去年のフランス牝馬二冠馬で、その後少し低迷したがシーズンの最後にPrix De L'Operaを勝ってまとめた。今年はPrix D'Ispahanに出走して5着となっている。中距離でも勝ってはいるものの、マイルに戻った方がよいのではないかという気がする。

オーナーブリーダーのYeguada CenturionはBlue Rose Cenに加えてBig Rockも生産所有しており、Hard To JustifyやRamatuelleの生産者でもあるなどして注目を集めている。サラブレッドの生産活動としてはBlue Rose Cenらの世代が初年度にあたる新興のブリーダーである。

オーナーのLeopoldo Fernandez Pujalsはキューバ生まれのスペイン人で、一家はキューバで牧場経営をしていたものの、キューバ革命によりアメリカに亡命を余儀なくされた。彼は会計と財務を学び、徴兵されるとベトナム戦争に従軍してロジスティクスとサプライを担当し勲章と有用なマネジメントスキルを身に着けて退役した。その後就職してスペイン語の能力を武器としてマドリードに派遣され、現地でのファストフード展開の可能性を見るや起業し、実業家としてのキャリアを歩んだ。実業家として成功後、スペインで馬術競技用の生産牧場を開設して成功すると更に狩猟に使うファルコンの生産も行い湾岸地域に多くの顧客を得たようである。Pujalsは72歳にしてサラブレッドの生産事業に乗り出した。読書家の彼がもっとも感銘を受けたのはE.P. TaylorがNorthern Dancerの生涯を綴ったものだったということで、その生産哲学はE.P. Taylorのベストトゥベストに倣っている。サラブレッドの生産はフランスのノルマンディー地方で行われており、Haras De L'Hotellerieを購入して拠点とし、Alec Headに影響を受けてアメリカ血統を重視して欧州に輸入している様。アメリカ血統の牝馬に欧州のクラシックな種牡馬を使う方針があるようだ。今後は種牡馬事業への参入も考慮されており、今年のRoyal AscotではQueen Anne Sに出走を予定しているBig Rockがその最初の種牡馬になるかもしれない。

Blue Rose Cenの牝系は直近に活躍馬が出ていないが、母Queen Blossom自身は重賞を2勝する実績を残した。またQueen Blossomの父Jeremyは良血だが、種牡馬の実績は芳しくなく産駒にはジャンプレースの活躍馬が目立つほどで、その少ない平地の重賞馬がQueen Blossomであった。

Alflaila: Dark Angel - Adhwaa by Oasis Dream

Owen Burrows厩舎、Jim Crowly騎乗。

5歳馬。去年は2戦のみでG2 York Sを勝っているが、Irish Champion Sでは5着。今年はここが初戦となる。10.5FのYork Sを勝っているが、もう少し短いところが良さそうに見える。

4-rのアメリカ牝系でカナダからフランスに導入されたGay Apparelのファミリーである。近親に香港のCalifornia Spangleが出ている他、ノーヴァレンダやLily Of The Valleyも同じ分岐に属している。

Auguste Rodin: Deep Impact - Rhododendron by Galileo

A.P. O'Brien厩舎、Ryan Moore騎乗。

4歳馬。Deep Impact産駒のDerby馬。古馬になった今年はSheema Classicを最下位の12着、欧州に戻ってきてTattersalls Gold CupではWhite Birchに完敗して2着と癖が強い。去年勝った4つのG1が素晴らしいイメージを残しているようで、まだ見限られるようなことにはなっていないが、この辺りでしっかり勝っておかないと状況が厳しくなるのではないか。

Hans Andersen:  Frankel - Shadow Hunter by Arcano

A.P. O'Brien厩舎、Wayne Lordan騎乗。

4歳馬。前走はCoronation Cupに出走して6着。まあペースセッターである。

Horizon Dore: Dabirsim - Sweet Alabama by Enrique

P.Cottier厩舎、Mickael Barzalona騎乗。

4歳馬。フランス調教で前走はG1 Prix D'Ispahanで僅差の2着。去年はG2のPrix Dollarを勝ち、British Champion Sで3着の実績を残す中距離馬。

父Dabirsimはフランスで2歳G1を2勝して欧州2歳チャンピオンとなった。その父はHat Trickである。

母系はフランスのマイナー牝系でパリ以外で走る産駒が多いようなところである。父Sunday Breakの半姉Cavale DoreeがG3を勝っているのが目立つくらいである。

Horizon Dore自身もプロヴァンスでデビューして、南仏での2歳2戦を圧勝して注目を集め、3歳からパリで出走するようになった。ArqanaのYearling出身だが、Deavilleで開催される8月セールの方で、45000ユーロで落札されている。

Lord North: Dubawi - Najoum by Giant's Causeway

John & Thady Gosden厩舎、William Buick騎乗。

8歳馬。今年もDubai Turfに出走したが8着とさすがに衰えたが、それでも勝ち馬に4馬身半差でまだやれそうというところを見せている。前走はSandownのG2 Bet365 Mileで3着。

Prince Of Wales's Sは2020年に勝っているが、その後は2022年に最下位、British Champion Sでも2020年に最下位を記録しており、Ascotは苦手な部類だろう。

Royal Rhyme: Lope De Vega - Dubai Queen by Kingmambo

K.R. Burke厩舎、Clifford Lee騎乗。

4歳馬。去年の9月にListed勝ちをして挑んだG1 British Champion Sでは5着に終わっている。今年はG3 Brigadier Gerard Sを勝っている。

祖母がZomaradahの9-e族でDubawiの近親である。

Inspiral: Frankel - Starscope by Selkirk

John & Thady Gosden厩舎、Kieran Shoemark騎乗。

5歳馬。マイル路線の強豪としてJacques Le Maroisを連覇するなどの実績を残すが、去年は最後にBC FM Turfに出走して10Fでも勝利を挙げた。今年はLockinge Sに出走して4着となり、10Fに乗り込んできた。

10F戦はBCでの1戦のみでそれ以外ではほぼマイル戦というキャリアなだけに、今年もマイル路線となるくらいなら中距離挑戦の方が価値があるのは間違いない。

近親にMediceanが出る3-o族。Cheveley Parkのオーナーブリードなので短距離志向はあるだろう。Santa Anitaではこなしたが欧州の10Fとなるとまた話が変わってくる。