三ヵ国のギニー勝ち馬が揃い、さらには巻き返しを狙う良血馬や別路線で連勝中のチャレンジャーもいて注目度の高いレースとなった。そして直仔2頭と直孫2頭を送り込んできたDubawi決戦でもある。Dubawiの後継種牡馬として去年から台頭してきたZarakとToo Darn Hotが産駒を送り込んできている。
その中で人気は圧倒的にGodolphinの2000 Guineas馬Notable Speechである。GodolphinのDubawi産駒でマイラーとくればもう信頼度は抜群である。
Irish 2000 GuineasのRosallionはNewmarketで負けた分を逆転できるかとなるものの、Curraghでのパフォーマンスはそれなりにとどまったのでちょっと厳しいか。フランスのMetropolitanは人気になっていないが、Poulainsは当日のLongchampの馬場がといったところも影響しているのだろうか。
Almaqam: Lope De Vega - Talmada by Cape Cross
Ed Walker厩舎、Tom Marquand騎乗。
3戦2勝。前走でSandownのListed Heron Sを勝った。
14-a Brocadeの傍流でGossamerは通っていないが、Rainbow Quest、Galileo、Cape CrossときてLope De Vegaと血統構成は相当なもので、かなりProgram Tradingに似通っている。
Alyanaabi: Too Darn Hot - Alyamaama by Kitten's Joy
Owen Burrows厩舎、Jim Crowly騎乗。
5戦2勝。2歳のDewhurst SでCity Of Troyの2着馬であった。今年は2000 Guineasに出走してNotable Speechの5着で、上積みがないと厳しい。
2-f Height Of FashionのファミリーでShadwellの持ち分だがかなりアメリカに寄せた血統構成になっている。
Darlinghurst: Dark Angel - Dr. Simpson by Dandy Man
J. Reynier厩舎、C. Soumillon騎乗。
6戦4勝。フランスで走り、今年4連勝中である。前走はChantillyのG3 Prix Guicheを勝っている。1800mまではこなしているが、Prix Du Jockey Clubには向かわずAscotni遠征してきた。
Elite Racingご自慢のSoviet Songを出した20-a Kalinkaのファミリー。母父がDandy Manで母Dr. Simpsonは完全なスプリンターであった。そこにさらにDark Angelを持ってくるあたりいかにもYeomanstown Studといった配合となっている。Dark Angelで1800mまで対応していてポテンシャルは高い。
Henry Longfellow: Dubawi - Minding by Galileo
A.P. O'Brien厩舎、Ryan Moore騎乗。
4戦3勝。2歳では無敗でG1 National Sまで勝ったものの、今年は初戦にフランスに向かってPoulainsに出走するも8着と惨敗した。Ballydoyleは冬季の調整でミスっているのか、3歳馬も古馬も軒並み今年初戦をしくじっている。そこから立て直せていれば十分勝負になると思われる。
母は名牝Minding。祖母Lillie Langtryが傑物でGalileoとの間に多くの牝馬を残し、Mindingの他にEmpress Josephine、TuesdayがG1を勝っている。
Metropolitan: Zarak - Alianza by Halling
Mario Baratti厩舎、Alexis Pouchin騎乗。
4戦3勝。前走でPoulainsを勝ったが、個々ではいまいち人気になっていない。フランス調教馬でイギリスに遠征するのはこれが初めてとなるが、それだとDarling Hurstも同じ条件で人気はほぼ並ぶのはフランスのギニー馬としての立場を考えると微妙なところである。
Arqana OctoberのYearlingに上場され78000ユーロでScuderia Scolariに落札されている。8月のDeauvilleで3馬身差をつけてデビュー戦勝ちをして注目され、フランスびいきのアメリカ人Peter Bradleyの目に留まった。BradleyはMetropolitanの権利についてScuderia Scolariとの共有を提案して、より高額で完全購入を提示していたカタールなどからのオファーに勝ってオーナーに加わった。実馬を見る機会がないまま購入が決まったということなのでなかなかのものである。成長が足りないということから2歳G1戦線には加わらず、3歳で初戦のG3 Fontainebleauの3着から挑んだLongchampで大望を得た。
南米からカナダに渡った8-j族で四代母のSummer Moodがカナダのチャンピオンスプリンターで、その子にはエルコンドルパサーが勝ったNHKマイルで3着だったスギノキューティーが出ているという血統。その他にはTiger RideやWarm Heart(1997, by Diesis)が近親の活躍馬。
Notable Speech: Dubawi - Swift Rose by Invincible Spirit
Charlie Appleby厩舎、William Buick騎乗。
今年デビューし、Kemptonのオールウェザーで3連勝して挑んだ2000 Guineasも勝って4連勝。芝でも問題がないことを示したので、ここではちょっと抜けた人気になっている。
10-c族の方のCherokee Roseからのファミリーで、近親にはGodolphinのSt. Leger馬Masteryなどが出ている。
Rosallion: Blue Point - Rosaline by New Approach
Richard Hannon厩舎、Sean Levey騎乗。
6戦4勝でNewmarketの2000 GuineasではNotable Speechに敗れたが、CurraghでIrish 2000 Guineasを勝って再戦となった。2歳ではG1 Jean-Luc Lagardereを勝っている。
欧州寄りの26号族でSheikh Mohammed Obaid Al Maktoumのオーナーブリード。近親にはTriple TimeやAjman Princessが出ている。
Unquestionable: Wootton Bassett - Strawberry Lace by Sea The Stars
A.P. O'Brien厩舎、W.M. Lordan騎乗。
7戦2勝。2歳ではG1 Jean-Luc Lagardereで2着のあとアメリカに向かいBC Jevenile Turfを勝った。今年はIrish 2000 Guineasで復帰してRosallionの4着と良くない。
O'Brien厩舎の3番手で、レースを作るような役割になるのではないかと思われる。CoolmoreとAl Shaqabの共有で服色はAl Shaqabである。
8-f族Didinaのファミリーで近親にはShadwellのWhitebeamが出ている。