Derby: G1 Epsom Turf 12F6yd

Godolphinの世代トップと目されていたArabian Crownは回避したが、Ancient Wisdomがいるなら問題ないだろう。

CoolmoreはCity Of Troyが2000 Guineasでさっぱりな結果に終わって、いまだ一番人気とはいえ大きく人気を落とした。Ryan MooreはCity Of Troyに騎乗するようであるが、今後のことも含めるとLos Angelesの方が期待できるのではないか。

Ambiente Friendly: Gleneagles - Roxity by Fastnet Rock

James Fanshawe厩舎。Robert Havlin騎乗。

2歳ではG3 Autumn SでAncient Wisdomの3着という実績がある。LingfieldのDerby Trialを勝って参戦する。

父Gleneaglesは2歳では7Fで活躍、3歳では英愛の2000 GuineasとSt. James Paleceを勝ったマイラーで、その後はレースに登録しては取り消しを何度かやった挙句、終盤になってようやく復帰しQueen Eliabeth II Sで6着。最後はBC Classicに挑戦したがさっぱりで最下位で引退した。種牡馬としてはHighland ChiefとLoving DreamがG1勝ち。自身の現役時より長めの距離で活躍する産駒が目立つ。

Ancient Wisdom: Dubawi - Golden Valentine by Dalakhani

Charlie Appleby厩舎。William Buick騎乗。

GodolphinはArabian Crownが回避してしまったためAncient Wisdomがエースとして参戦する。G1 Futurity Trophyの勝ち馬で、前走はYorkのG2 Dante Sを2着。調整として問題ない内容だろう。

母系は22-d族でWertheimerの名牝Gold Riverに由来する。祖母Gold Roundの半妹にGoldikova、Galikova、半弟にAnodinが出ている。Goldikovaのマイル戦での活躍が鮮烈だが、基本的には距離をこなすファミリーで母Golden Valentineとそのきょうだいはクラシックディスタンスを得意とした。

Sir GaylordMill ReefMiswakiRound TableRivermanと要所からPrincequilloを積み込んで完成された血統。

Bellum Justum: Sea The Stars - Natural Beauty by Oasis Dream

Andrew Balding厩舎。Oisin Murphy騎乗。

去年4戦目で勝ち上がり。EpsomのBlue Riband Trialを勝って挑む。

7-a族のSweet And LovelyからLucayan Princessを通るファミリー。近年の活躍馬ではAvenir CertainやDomestic Spendingが近親となる。

Lucayan PrincessといえばLusoWarrsanなのでSaeed Mananaというところだが、現在そのファミリーの主流はSheik Mohammedが創設したRabbah Bloodstockに移管されているようで、Bellum JustumもRabbah Bloodstockが生産者となっている。

City Of Troy: Justify - Together Forever by Galileo

A.P. O'Brien厩舎。Ryan Moore騎乗。

3戦無敗で2歳チャンピオンとなったA.P. O'Brien厩舎のエースだが、今年初戦となった2000 Guineasでは9着に大敗し、Derbyで巻き返しを期す立場となった。少し変えればそのままAuguste RodinのDerby前の紹介になりそうである。実際、レース前からAuguste Rodinを引き合いに出されていたし、レース後はなおさらである。

そもそもO'Brien厩舎が2000 Guineasを3歳初戦に持ってくるローテーションはうまくいっておらず、近年ではLuxembourgは勝負圏にいたもののAuguste RodinとBattlegroundが吹っ飛んでおり、Magna Greciaで勝った2019年ですらTen Sovereignsでやらかしている。また、今年はフランスでもHenry Longfellowが飛んだ。失敗例だけ出すのは良くないので成功例も挙げるとSt. Mark's Basillicaがフランスで勝った実績はあるが、彼らのそこまでの実績や期待に比してあまりにも結果が伴っていないと思われる。無論原因はそれぞれだろうがとにかくあてにはならない。

City Of Troyの2000 Guineasはスタートで飛び上がってしまい、そのままスタートしたので消耗したことが敗因としてコメントされており、同時にどう解釈しても冬場の調整が間違っていたようなコメントも出ている。Racing Postの記事ではAuguste Rodinのような可能性を見せたものではなく、その血統からも単なる早熟馬でむしろ2016年のAir Force Blueの二の舞ではないかという意見すら出る始末。母Together Foreverも2歳の活躍馬でG1 Fillies Mileを勝ったものの3歳では勝てず、Oaksでは7着、Irish Oaksで4着をもって引退となっているだけに、City Of Troyの今後に関しては大きな懸念を持たれた状況である。

Dallas Star: Cloth Of The Stars - Agathe Rare by Sadler'S Wells

Adrian Murray厩舎。David Egan騎乗。

2歳ではDominic Ffrench Davis厩舎に所属して1勝を挙げるにとどまった。Murray厩舎に変わって3歳の初戦がLeopardstownのG3 Ballysax Sでこれを勝ってDerbyに臨む。

8-f族でWildensteinにAquarellisteとArtiste RoyalをもたらしたAgatheの牝系。彼女らの半妹Agathe Rareを母とする。

Dancing Gemini: Camelot - Lady Adelaide by Australia

Roger Teal厩舎。Dylan Browne McMonagle騎乗。

2歳で目立った実績がなく、今年初戦となったPoule D'Essai Des Poulainsでは人気薄だったが2着に入った。

Deira Mile: Camelot - Fastnet Mist by Fastnet Rock

Owen Burrows厩舎。Jim Crowley騎乗。

2歳では4戦未勝利で、前走のWindsorで勝ち上がった。

1-w族でAmbiente Friendlyとは母が全姉妹の従兄である。こちらはDanehillクロスでシンプル。

Euphoric: Frankel - Blue Waltz  by Pivotal

A.P. O'Brien厩舎。Declan McDonogh騎乗。

LeopardstownのG3 Derby TrialでLos Angelesの2着。

16号族で従兄にHighland Chiefが出る他、メールドグラースも近い。

God's Window: Dubawi - Perfect Clarity by Nathaniel

John & Thady Gosden厩舎。Kieran Shoemark騎乗。

デビュー戦を勝ったあとに出走したG1 Futurity Trophyで3着に入っているが、近走はChesterのDee Sで4着、YorkのG2 Dante Sでは5着。

1-cでSweepstakeの一門と近縁。

Kamboo: Awtaad - Quiritis by Galileo

Richard Hannon厩舎。Richard Kingscote騎乗。

去年の冬にKemptonのオールウェザーで勝ち上がり。今年は出走していない。

1-e Croda RossaのファミリーでPowerやFootstepsinthesandが出ているところ。

Los Angeles: Camelot - Frequential by Dansili

A.P. O'Brien厩舎。Wayne Lordan騎乗。

3戦無敗でSaint-CloudのG1 Criterium De Saint-Cloudの勝ち馬。前走はLeopardstownのG3 Derby Trialをクリアしてきた。2歳ですらマイルの経験がないという中距離馬ということもあってか、Guineasにぶっつけで出走させられることなくトライアルをクリアしてきたのが好印象。

Criterium De Saint-Cloudはレースのレベルに疑問が付くことがほとんどで、2着だったIslandsinthestreamは3歳になると早くも香港に行ってStunning Peachになってしまったし、3着のIllinoisも傑出したところは見せていない。3戦無敗のG1馬とはいえ他馬と競った人気なのはそのあたりが影響しているのだろう。そうはいっても2歳から2000mをこなしており、Ballydoyle勢ならこちらが有力と思われる。

9-h族のAllegrettaからAllez Les Troisに分かれる血統で、こちらもAnabaa Blue、Tamayuzを始めとして、近年でもSantiago、Facteur Chevalを出して力のあるファミリーである。Los AngelesはKingmambo、Dansili、Camelotと配され、かなり濃い血統だが、DanehillKingmamboなら濃くても問題はないだろう。むしろMr. Prospectorが欲しいMontjeuMiswakiのスパイスがないAllegrettaというところにDanehillKingmamboを突っ込んで解決したと考えても良いのではないか。BuckpasserPrincequilloもあるんだよというところでCamelotの時点でも解決されているが、その流れを継続した血統になっている。ステイヤーだったSantiagoとの違いで見るのが分かりやすい。

CamelotにAllegretta牝系を当ててくるのはSir Dragonetを思い出すが、あちらはAll Too Beautifulを祖母としている。

Macduff: Sea The Stars - Present Tense by Bated Breath

Ralph Beckett厩舎。Rossa Ryan騎乗。

3歳初戦はSandownのG3 Classic TrialでArabian Crownの2着だったが、Arabian Crownとは差があった。

母系は19号族で母の半兄にKingmanが出ている。このファミリーはKingmanOasis DreamとGreen Desertと組んでスピードに優れた産駒を出しているが、Macduffの場合はSea The Starsなので距離は長めに出てくるのだろう。

Mr. Hampstead: Galileo - Daddys Lil Darling by Scat Daddy

Dominic Ffrench Davis厩舎。Sean Levey騎乗。

未勝利馬。前走まではRoger Varian厩舎だったが、Derby前にデビュー前に属していたDominic Ffrench Davis厩舎に戻っている。

19-b Bloodrootのファミリーだがマイナーな分岐。4代母Darling Miss Q.がステークス勝ちを果たし、その娘Miss High Bladeが西海岸の芝牝馬路線で活躍し重賞勝ちにまで出世した。更にその娘であるMiss Hot Salsaも西海岸芝牝馬路線のコンテンダーでブラックタイプとなっている。Miss Hot Salsaは一流の繁殖牝馬となっており、Mongolian Saturday、Daddys Lil DarlingはG1馬にまで出世した。いずれも北米芝でのタイトルである。

Daddys Lil DarlingはKentucky Oaksで2着に入りダートにも対応していたが、その後芝路線に転じて年末にAmerican Oaksを勝っている。4歳まで現役で引退後はKeeneland Novemberのセールに上場されると350万ドルで落札されてCoolmoreで繁殖牝馬となった。その初仔は去年のIrish Oaks馬Savethelastdance、Mr. Hampsteadはその全弟となる。

Sayedaty Sadaty: Anodin - Bell Su River by Gallieo

Andrew Balding厩舎。Tom Marquand騎乗。

2歳の夏にKemptonのオールウェザーを勝ちあがったが、芝では未勝利で前走はNewmaketのNewmarket Sで2着。

Tabletalk: Camelot - Dillydallydo by Holy Roman Emperor

Tom Clover厩舎。James Doyle騎乗。

オールウェザーで2戦1勝。Chelmsfordの10F戦で勝ち上がった。

14-c族Fanghornの一門で、特に近いのはSoldier Of Fortuneなどである。

Voyage: Golden Horn - Too In Love by Galileo

Richard Hannon厩舎。Pat Dobbs騎乗。

Newburyでデビュー戦を勝ちあがったばかりの1勝馬

3-h族Pennywiseの牝系で少し遠いがナカヤマフェスタが出ている。近頃の馬としてはかなり牝系の更新が遅い。