Greyville

Durban July - Big City Life

GIハンデ戦2200m。
上位は軽斤量三歳馬。やはりBig City Lifeにさえ51.0kで走らせてしまう条件は無茶すぎるというものでしょう。Pocket Powerは5着に終わりましたが、先着したのは51kの牡馬と50kの牝馬だけです。
レースは事前の予想通りForest Pathが引っ張りました。二番手にAluminium、三番手Big City Life、四番手Zirconeumで、更に後ろにSmart BankerとThundering Jetがつけ、River Jetezが中団で続く。Pocket Powerは後ろから三頭目の競馬で、その後ろにはOutcomeとKapilという隊列でレースは進みました。
スローペースに持ち込めたこともあってか直線に入ってもForest Pathの脚が衰えず、Big City LifeとZirconeumが追走。Big City Lifeが直線半ばでようやくForest Pathをクリアすると、すかさずZirconeumがBig City Lifeに仕掛けます。この辺りはde Kock師の思い通りのForest PathとZirconeumのチームプレイでしたが、Big City Lifeは凌ぎきり栄冠を獲得。レースを演出したForest Pathが3着に残り、4着はThundering Jetが同厩Pocket Powerを抑えて獲得しています。
Big City Lifeは3歳トップの名に恥じない結果であり、いかに恵まれたハンデとはいえここを勝ったこと自体は評価されて良いと思います。ただ、いくら3歳馬だからと言ってもシーズンのほぼ終わりとなるこの時期に7kも貰っていたのは事実であり、これでPocket Powerより上かとなればそりゃないよとも言っておくべきでしょうね。なので次以降もうちょっとまともな条件でPocket Powerと勝負してどうなるかを見たいところです。年度代表馬の行方にも注目されるところで、あとChampions Cupに出走した場合の結果が影響するでしょうが、同じGI3勝なら今回の斤量も考慮されてPocket Powerというのは揺るがないのかなと。
Zirconeumも3歳牝馬を代表する馬として十分な結果でした。あまりにハンデが下がりすぎて下限の50kであり、普通にBig City Lifeに対して2kか2.5k貰える状態なら逆転できていたかも知れません。Clairwoodの3歳GIの勝ち馬がワンツーとなったことで、割と順当な結果と言うことも出来るでしょう。
そして3着のForest Path。これには驚きました。ここまで距離の実績も古馬相手の実績もなく、20頭立てで不利な大外枠を引いていたこと、それでもZirconeumらのためにペースメイカーとしての役割を持たされたことで、Forest Path自身が残る可能性はほぼないと考えていました。Daily News 2000のあれは何だったんだとも言いたくなってきますね。Fort Wood産駒ですし、まともに走ったらちゃんとこなせるんだという事でしょうか。来シーズンに期待します。
Thundering Jetがどさくさ紛れの4着。実績は少ない馬ですが、今年になって長い距離を走ってそこそこの結果を得ていました。
Pocket Powerは結局のところハンデに末脚を鈍らされたというところでしょう。スローペースになったのも不運でしたが前を捕らえきれませんでした。Forest Pathがペースを握りに行くことは分かっていたんだからBass師もThundering Jetに手を打たせるべきだったんではないかとは思いますね。着差は2.85でここまで追い上げてきたことを凄いと見るべきなのかも知れません。6着Kapil、7着Our Giant、8着River Jetez、Buy And Sell14着、Smart Banker16着とハンデが付いた馬は皆Pocket Powerに先着されているので、相変わらずえげつないんですよね。最もその彼らにしてからが、軽ハンデ馬に負けると言うことはPocket Powerだけが強すぎた結果のいびつなハンデの犠牲者に見えますが。
現6歳で海外遠征も話題に上るPocket Powerの事を考えると、ここで3歳馬が期待を持てるという事を示せたのは南アフリカの競馬界にとって良いことではあったと。

Garden Province - Lady Windermere

牝馬限定GI 1600m。
スプリントセクションの強豪Lady WindermereがマイルでもGI勝ち。2着にはSparkling Gemが入ってここでも3歳馬が上位を占める結果となりました。

Golden Horseshoe - Musir

2歳限定GI 1400m。
勝ったのはキャリア2戦で前走ClairwoodのGatecrasher S(Non Black Type)で2着だったMusirでした。オーストラリア産馬で父Redoute's Choice、母Dizzy de Lago、母の父Encosta de Lago。反則じゃねーかこんなもん。オーナーはSheikh Mohammed bin Khalifa al Maktoum、調教師はMike de Kock。4着に入ったSolid ChoiceはそのGatecrasher Sを勝った馬で、こちらもRedoute's Choice産駒のオーストラリア産馬。母Venetian Pride、父Gone Westとまたえげつない。同じくオーナーはSheikh Mohammed bin Khalifa al Maktoum、調教師はMike de Kock。
2着は前走勝ち上がったばかりのStraight Forward。父Treadorの南アフリカ産。3着はExlcaim'n'Exclude。前走はGold Reef Medallionを3着。父Exceed And Excelのオーストラリア産馬。こっちは殿下な人が連れてきたわけではありません。しかしこのレースはオーストラリア産馬が3頭出走してきて、この結果ですからとんでもないですね。こういう2歳戦に強いのがオーストラリア産馬ってのは間違いないのですけれども。

Golden Slipper - All Afire

2歳牝馬限定GI 1400m。
前走勝ち上がったばかりだが、その前にGII Fillies Nurseryで2着に入っていて実力はある馬だった。父Jet Master、母Alamanda、母の父Coastalという血統で、Alec Laird師の管理馬。

Gold Vase - Diamond Quest

GII 3000m。
Senor Versaceは何をしているというレースでしたが、勝ったのは去年のGold Cupを勝っているDiamond Quest。専門家は強いよねというところか。

SABC Sport 2200 - Killaridge

GIII 2200m。
父Kitalphaのジンバブエ産馬。母Ridgewod Fern、母の父Coolstar。去年のジンバブエギニー3着で、今シーズンは復帰が遅れてようやく3月。南アフリカに移ってきたというのもあるんだろうね。というか去年でもまだジンバブエ(Borrowdale)で競馬が開催できていたことに驚かざるを得ない。Gold Circle Derbyと名を変えたジンバブエダービーは最下位の9着だった。そのダービーの総賞金は500ドルだとか。
またジンバブエのトップサイアーだったKitalphaは去年からアメリカに戻りWar Horse Placeで種牡馬を継続している模様。Kingmamboの全弟という恵まれた血統背景を活かして去年は7500ドル、今年に至っては12500ドルの種付け料を取っているようです。