Durban July Final Field

7/4発走の南アフリカシーズン後半のビッグレース。去年はPocket PowerとDancer's Daughterの同着という決着を見ましたが、今年はどうなるでしょうか。

No. Draw Form Horse Age Wgt Jockey Trainer Sire
1 12 2 1 1 1 1 Pocket Power 6G 58 B. Fayd'Herbe Mike Bass Jet Master
2 2 3 1 3 3 5 Our Giant (AUS) 5G 55 A. Marcus Charles Laird Giant's Causeway (USA)
3 13 4 15 2 16 6 Buy And Sell 5G 53 F. Coetzee Sean Tarry National Emblem
4 5 4 3 4 5 2 Kapil 6G 52.5 P. Strydom Stan Elley Jallad (USA)
5 17 2 8 1 1 1 Smart Banker 4G 52.5 B. Nyawo Charles Laird Strike Smartly (CAN)
6 15 2 3 3 1 3 River Jetez 5M 51.5 G. Hatt Mike Bass Jet Master
7 10 7 1 2 1 1 Big City Life 3C 51 G. Cheyne Glen Kotzen Casey Tibbs (IRE)
8 1 8 4 1 2 1 Tropical Empire (AUS) 6H 51 B. Lerena Duncan Howells Second Empire (IRE)
9 20 2 1 5 12 12 Forest Path 3G 51 W. Kennedy Mike de Kock Fort Wood (USA)
10 16 2 11 3 7 8 Likeithot 6G 51 A. Forbes Charles Laird Rakeen (USA)
11 18 2 3 11 2 2 Aluminium (ARG) 4G 51 M. Khan Geoff Woodruff Roy (USA)
12 8 6 6 2 4 5 Catmandu 5G 51 K. Derere Andre Kirsten Makaarem (USA)
13 7 5 1 2 3 10 Thandolwami 4G 51 R. Danielson Craig Eudey Woodborough (USA)
14 14 16 7 8 1 9 Bouquet-Garni 3G 51 M. Byleveld Mike de Kock Strike Smartly (CAN)
15 6 3 1 12 1 13 Meteor Shower (IRE) 6H 51 K. Jupp Mike Bass Danehill (USA)
16 3 7 2 8 15 3 Thundering Jet 4G 51 M. Yeni Mike Bass Jet Master
17 4 9 4 2 2 7 Cape Town 4G 51 K. Teetan Gavin van Zyl Silvano (GER)
18 11 12 2 4 4 1 London Guest 6G 51 D. Daniels Tony Rivalland London News
19 9 1 10 1 4 4 Outcome 5M 50 G. Schlechter Michael Miller Muhtafal (USA)
20 19 2 1 2 5 1 Zirconeum 3F 50 A. Delpech Mike de Kock Jallad (USA)

めんどい…近走戦績をフォローするとBuy And Sellがかなりかわいそうな子になってしまうな。
Pocket Powerを巡る争いですが、Pocket Powerの敵はどちらかというと斤量。対抗馬は距離に不安を持つ馬が多いです。そのPocket Powerを管理するMike Bass師がRiver Jetezなど他の有力馬も送り込むやりたい放題という出馬表になっていますが、Mike de Kock師が国外に軸をおいたことで余計にこういった状況をもたらしているのかなという気はいたします。ま、Eagle MountainやらArchipenkoを南アフリカで走らせるのもどうかってのはあるんだけど。

Pocket Power

言わずと知れた南アフリカ最強馬。南アフリカ競馬史においても最強を名乗る資格を有しています。ここまでGIを8勝。3歳で出走したQueen's PlateがGI初出走初勝利で、そこから3シーズン連続Queen's PlateとJ&B Metのダブルを決めています。この2つのレースの舞台であり、彼の本拠地であるKenilworthでは1600m超の距離で無敗と圧倒的な能力を見せています。一方でケープから遠征するとやや落ちるところも見せていましたが、去年のDurban JulyはDancer's Daughterと同着ながらケープ以外での初勝利をもぎ取りました。今年は前哨戦のGold Challengeを快勝して4連勝中と無敵度が上がっています。真ん中よりやや外の12番枠は可もなく不可もなしといったところで、去年のDancer's Daughterよろしく徹底マークをされると苦戦はするでしょうけど、負けるとは考えにくい馬です。

Our Giant

Giant's Causeway産駒のオーストラリア産馬。頭角を現したのは4歳になった昨シーズンでヨハネスブルクのSummer Cを3着、J&B Metを2着と実績を残します。その後のHorse Chestnut 1600でGI初勝利で、これが現時点で唯一のGIタイトルです。今年はそのHorse Chestnut 1600でSmart Bankerに負け、更にPinnacle S、Gold ChallengeでPocket Powerに連敗しました。マイル近辺を得意とする馬で勝ち距離は1400mから1600mに集中しています。2000mとなるとこなせるというレベルであり、更に長い距離は3歳のDubai RC Derbyで2400mを走った一回しかありません。今年もQueen's Plateで2着に入るものの、J&B Metは回避しているほどです。2200mという距離に不安が持たれる事と、マイルでもPocket Powerに負けるという点でどうにも難しいといえるでしょう。2枠を引いて枠に恵まれたとは言えますし、3kのハンデを貰ってどうか。

Buy And Sell

5歳馬。3歳でDaily News 2200を勝って臨んだDurban JulyでHunting Towerの2着に入って実力を示しました。常にPocket Powerと戦わなければならなかった立場を考えると十分な結果を残しているようには見えます。ややKenilworthを苦手にするところがあり、Pocket Powerとは対照的。戦績が安定しないところもあって、今シーズンはJ&B Metを15着、Champions Challengeを16着と大敗しているのが気がかり。前走はGold Challengeを6着と復調したとも言い切れず、微妙な結果に終わりました。Pocket Powerの外の13枠を引き、Felix Coetzeeが腕を見せるという展開に期待したいところですが、それができるだけの力が今もあるかどうか。コース実績はあるけど2年前ですからねえ。

Kapil

6歳馬ですが、休養期間が長くキャリアが浅い。5着までに来る安定感はありますが、同時に勝ちきれない馬です。今シーズンQueen's Plate、J&B Metを3着、4着で前走のGold Challengeは2着。距離延長を問題にするタイプではないと思いますが、2200mは走っていないので判断できません。

Smart Banker

4歳馬。今シーズンになってTurffonteinのVictory Moon SでRudraを下し、続くSummer CでRudraの2着に入って台頭しました。その後Horse Chestnut 1600でGI初勝利、Champions Challenge、更にこの前哨戦のリステッドも勝って3連勝中です。2000mを軽くこなしているので2200mでも問題はないと考えられ、斤量52.5kと合わせて打倒Pocket Powerの最有力候補でしょう。Pocket Power相手のレースはこれが初めてとなります。17枠とやや枠に嫌われた様に思います。この枠を見てLaird厩舎の主戦Anton MarcusはOur Giantへの騎乗を選びました。

River Jetez

Pocket Powerの一つ下の全妹。兄同様安定感のある競走実績を持ちますが勝ちが遠く、何度もGI初勝利のチャンスを逃しています。去年のDurban Julyで4着に入って以降は南アフリカトップクラスに定着しています。このほか牝馬限定GIのPaddock SでEmblem of Libertyの2着、J&B MetでPocket Powerの3着、前走Gold Challengeでも3着に入っています。

Big City Life

Cape Derbyを勝った3歳馬。11戦6勝、2着3回でGI2勝の実績を持ちます。前走はDaily News 2000を勝ち、2000m戦は2戦2勝と距離不安もまず無いかと思える一頭です。主戦がB. Fayd'Herbeのため今回は乗り替わってG. Cheyneとなります。ややレート的に良くないとはいえこの実績の馬を51kにしてしまうのがPocket Powerの強さの証という気はします。

Bouquet-Garni

SA Derbyを勝った3歳馬。実績はほぼその一戦のみとなっています。距離が延びると強いと見ることもできますが、前走Daily News 2000でも全く走らず9着に終わっています。

Zirconeum

タレントが揃っているように見える今年の3歳牝馬からはこのZirconeum一頭のみの参戦となりました。2歳のときからGIに姿を見せて結果も得ていましたが、勝てたのは前走のWoolavington 2000だけ。それでも常に3歳牝馬路線で上位を占めていましたし、古馬相手にもGold Challengeで5着ながら、勝ったSmart Bankerに2馬身差と健闘を見せています。2000mまでなら問題なく後200mがどう出るか。この3歳限定GIの2戦が200m距離短縮で本番と同じ条件で無くなったのはDurban Julyの前哨戦として見れば失敗という気はするのですけれども。

Tropical Empire

昨シーズンはスプリント路線にいて、そこそこの成績を残していましたが、今シーズンは中距離に参戦しました。1800m、1900mと勝って、逆にDrill Hall SではEarl of Surreyに負けている事から中距離の方が向いていたという事になりそうですが、まだ一線級相手のレースでは無いためどうにも。

Forest Path

SA Classicを勝った3歳馬。近走は距離と古馬相手の両方が影響して散々な結果になっています。1800mで勝ったFort Wood産駒なので本来距離不安など無い様なものですが、この馬は常に距離を疑問視されていましたし、結果を見るにその懸念は正しかったとなってしまうのが残念なところ。Daily News 2000を12着から巻き返せるとは思えません。大外を引いてしまった不運もあって難しいレースになりそうですが、他のde Kock勢のためにレースを引っ張りに行く可能性はあります。
さて、SA Horseracingの記事ではコメ欄に4頭挙げてくれなどと書いてありましたので、それに準じてみようかと。既に過去2年58kを背負い、去年は同着とはいえそれで勝利しているPocket Powerがこけるようには思われないので、まず1頭目はPocket Power。そして斤量差と近走成績を考えたときに古馬勢からPocket Powerを倒す可能性を見るなら、その最有力となるのはSmart Bankerでしょう。これが2頭目。3歳ではBig City Lifeが51kと恵まれたハンデを武器にできると考えて3頭目。最後は来たら楽しいという趣味に走ってRiver Jetezを4頭目としたいところです。
Our Giantを筆頭として古馬で距離が怪しいと思われるあたりを全部落としたら、Smart BankerとBuy And Sellくらいしかまともなのが残らないのですよね。Kapilは勝つということまで考えるならば明らかに力不足に映ります。その上でBuy And Sellにここでいきなり何とかしてくれというのも酷な話とは思われますし。River Jetezは血統面で文句は付けられないし、去年4着ならこなしていると考えて良いかという判断もあります。3歳は前哨戦のGIを勝った2頭、Big City LifeとZirconeumのどちらかは取りたいというところで、Zirconeumも捨てがたいのですが、ここはBig City Lifeが無難かなと。Bouquet-Garniは実績的に足りない様に思われ、Forest Pathはこの距離では期待できようはずもありません。というかZirconeum、Forest Path、Bouquet-Garniの3頭をエントリーしたMike de Kock師は19枠、20枠、14枠と枠に嫌われています。
ということで印を付けるならばこれくらいか。
◎Pocket Power
○Smart Banker
▲River Jetez
△Big City Life
今年はPocket PowerかSmart Bankerのどちらかという勝負とは思うし、それでPocket Powerが負けたとしても斤量差という話ではあるんですよね。