優駿3月号の感動のレース企画について

トゥザヴィクトリーのファンとしては勝ったエリザベス女王杯のその1戦だけではどうしようもなくて、少なくとも2001年のトゥザヴィクトリーというものが語られるべき存在であるとは思うわけで、鈴木淑子女史がそのような指向性を持った書き方をしているのは嬉しい。そのせいでレースそのものに割かれた分量がかなり少なくなってしまっているのですけれども。
企画全体としてはそれぞれの書き手が、どのレースを取り上げて、それに対してどういったことを書いているかというあたりで各自のセンスが出ているんじゃないかなと。良くも悪くも。
で、そうして考えると4レース中3レースまで2着馬の名を挙げているだとか4レース中3レースが2007年のレースだってのはちとどうかと思わんでもない。記事の内容に腑に落ちないものもあったしそういうものを含めて、結局のところバランス悪いなくらいに思う。前者は競馬なのですからまず勝った馬を称えることからとは思うわけで、2着に着目するのが悪いとは思わないけど3/4はやりすぎでないかと。後者は底が浅く見えると言うか、歴史に敬意を払えというかそんなところで。どちらもそれに対して納得いくだけの記事を書いてないとは思った。例えばコスモバルクジャパンカップならば井上オークス女史の記事の方がしっかりしているし。
ところで一番多くでてきたのがオグリキャップでしたね。私はリアルタイムでは当時名前だけ知っていたという程度で、オグリキャップのレースというのは折りに触れて何らかの回顧という形で見たに止まります。メジロマックイーンとかトウカイテイオーになるとテレビで見た記憶があるんですけど。トウカイテイオーにしてもこれというレースが2つ収録されていますし、ぼーっとDVDを通しで見てもつぼを押さえた選定になっているのではないかなと。そういう点では古くてレース映像無しというのが惜しいなとは思いますが、こればかりはどうしようもないか。ホリスキー菊花賞とか映像を見てみたかったが。
あと、井崎脩五郎氏なんかは映像のあるレースを一つ選んでそれ以外は古いレースを選んでいて、そのあたりは実地で経験した人間が語り継がなければならないレースという視点があるのかなあとは思った。