Al Mneefah Cup: PA-G1 Riyadh Turf 2100m

レース体系によるものか芝とダートの違いがよくわかるのでSaudi Cup前日の金曜開催のメインとなる純血アラブの芝G1も見ていきます。去年はG2でしたが、G1に昇格しました。

一言で言えば純血アラブで芝だとフランスがとても強い。各出走馬のキャリアについてJockey Club of Saudi Arabiaの他に、フランスはFrance Galop、カタールはQREC、UAEはERAで調べられるところまで見ている。France Galopも国外レースはちょっと信用を置きかねるところがあるっぽい。

サウジアラビアでも芝のレース開催はあるのだけど、メインとしての位置づけはなくこのレースはAlkhalediah Stables所属の3頭のみの出走となった。それでも去年のObaiya Arabian Classicを勝ったTilal Al Khalediahが芝に回ってきて格好がついている形。去年の勝ち馬Asfan Al KhalediahはダートのObaiya Arabian Classicに出走する予定でこの2頭の立場が入れ替わったのではないかと思われる。

欧州勢はレース体系からも充実しているフランスが主体で芝G1馬が複数参戦している。中東は芝戦だとカタールのDoha開催が大きく出てくることになり、H.H. The Amir Swordとは出走馬を取り合う関係だろう。カタールはフランスで走らせている分も含めてアラブ競馬にもかなり力を入れており、Al Shaqab RacingのトップホースはDohaに行ってしまうことを考えると、このレースの立ち位置自体はちょっと難しいか。とはいえ2400mと2100mという距離の違いによる適性や使い分けもあるのでGhadahは来た。

斤量61kgの定量戦で、4歳馬は56kg、牝馬には2kgのアローワンス。

Bint Ghaliat Al Khalediah: Hatim Al Khalediah - Muneerah Al Khalediah by Khalid El Biwaibiya

サウジアラビア産馬、サウジアラビア調教。レート123、N. Mutlk厩舎、N. Alanazi騎乗。

6歳の牝馬。去年のこのレースはG2で開催されているが、その時には2着だった。その後ダートで勝ち切れないものの上位で安定した結果を残しており、前走で芝の前哨戦Al Mneefah Qualifierに出て2着。同陣営のTilal Al Khalediahには全く敵わないが、2番手としては十分である。この辺り現地の純血アラブの芝戦にあってはAlkhalediah Stablesが制圧しているというような状況ともいえる。

Ghadah: Azadi - Majida by Majd Al Arab

フランス産馬、カタール調教。レート119、J. Mieulle厩舎、C. Soumillon騎乗。

去年までフランス調教の5歳牝馬。イギリスでのアラブダービーにあたるDoncasterのG1 UAE President Cupを2着からLongchampのG1 Prix Dragonを勝っている。次のG1 Qatar Arabian Trophy Des Jumentsを3着が最後でカタールに移籍した。12月のG2 Qatar International Derbyは2着。前走情報がQRECとFrance Galopで対立するがFrance Galopが明らかに変なので無視してQRECで確認するとSheikh Joaan Bin Hamad Al Thani Trophyを勝っている。Dohaは芝メインなのでこれまでのキャリアは全て芝戦である。

カタールのAl Shaqab Racingがオーナーだが、Amir Swordではなくこちらに出走する。2000mまでしか走っていないというのが大きな理由だろう。また、今年ならあっちはAl Ghadeerに任せておけばよいという状態だったのも理由の一つか。

Joe Star: Al Mourtajez - Guest Del Falot by Djorman

フランス産馬、UAE調教。レート112、H. Alalawi厩舎、C Demuro騎乗。

5歳馬で2022年のSaint-CloudのG1 Qatar Arabian Trophy Des Poulainsで3着の後にUAEに移籍した。Abu DhabiのG2 UAE Arabian Derbyの勝ち馬。

Moshrif: Dahess - Tashreefat by Bengali D'Albret

フランス産馬、フランス調教。レート117、T. Fourcy厩舎、M. Guyon騎乗。

6歳馬。フランス調教で、2021年のSaint-CloudのG1 Qatar Arabian Trophy Des Poulainsと2022年のToulouseのG1 HH. Sheikh Zbs Al Nahyanの勝ち馬。カタールへの遠征もしており、Dohaで3勝を挙げその中にはG3 Qatar Derby、G2 Qatar International Derby勝ちが含まれる。また去年のG1 H.H. The Amir Swordで2着と実績は豊富。

Munir Du Soleil: Munjiz - Rahab by Amer

フランス産馬、UAE調教。レート112、I. Al Hadrami厩舎、S. Albalushi騎乗。

7歳馬。Toulouseでリステッドを勝っているが、重賞勝ちはない。2000mはギリギリかちょっと長いくらいだろう。

Mutbahy Athbah: Jalnar Al Khaldiah - Mandragore Al Maury by Dormane

フランス産馬、フランス調教。レート121、J.F. Bernard厩舎、J. Eyquem騎乗。

4歳馬。去年のToulouseでG1 H.H. Sheikh Zbs Al Nahyanを勝った。前走はAbu Dhabiの芝G1 Jewel Crownを2着。

Soko: Nieshan - Saka by Tornado De Syrah

フランス産馬、UAE調教。レート114、H. Alalawi厩舎、A. Al Balushi騎乗。

7歳馬。DeauvilleのG1 Prix Manganateを2021年と2022年で連覇している。2022年のAl Mneefah Cupに出走して2着の実績がある。オマーンのRoyal Cavalry of Omanがオーナーとなっているため、Omanでも出走している。

Sultana: Af Al Buraq - Tawaazun by Monsieur Al Maury

イギリス産馬、フランス調教。レート112、J.F. Bernard厩舎、O. Peslier騎乗。

6歳牝馬。イギリスでデビューし、UAE、フランス、モロッコ、ベルギー、サウジアラビア、イタリアと各地で出走履歴がある。去年のAl Mneefah Cupでは3着だった。他にUAEでArabian Triple Crown R3というG3で2着の記録があり、この辺りが上位の実績だろう。また去年はベルギーのMons-GhlinにあるWallonie競馬場で芝2100mのWinter Championshipを勝っている。

Tilal Al Khalediah: Laith Al Khalediah - Aaseyat Al Khalediah by Khalid El Biwaibiya

サウジアラビア産馬、サウジアラビア調教。レート128、N. Mutlk厩舎、A. Alfouraidi騎乗。

6歳馬。去年の開催ではダートG1 Obaiya Arabian Classicを勝った。その後はレースから離れており、フランス系のメディアの記事では1月になってPrince Sultan Bin Abdulaziz Cupに出走して2着になっているらしいのだが、肝心のJCSAではその記録が出てこない。ただし、YouTubeのJCSAチャンネルにはレース映像がアップされており、直線で逃げ切りを図ったところをVizhirに差されたことが確認できる。

前哨戦のAl Mneefah Qualifier勝ちで、Bint Ghaliat Al Khalediahに5馬身1/2差を付けて芝への対応力とその力を示している。なお3着のTurki Al Khalediah IIまでが本戦であるこのレースに出走してくる。JCSAは明らかな芝戦なのにTrackのところにDirtって書いてるのも信用できないところなんよね。

Turki Al Khalediah II: Laith Al Khalediah - Wasil

サウジアラビア産馬、サウジアラビア調教。レート119、N. Mutlk厩舎、A. Alawfi騎乗。

5歳馬。前走のAl Mneefah Qualifierが初めての芝戦で3着だった。とはいえ勝ったTilal Al Khalediah、2着のBint Ghaliat Al Khalediahに大きく離されている。