枠順が決まってから書く時間が取れそうにないので、”LIKELY FIELDS”の状態ですが簡単に出走予定馬について書いておきます。みんなが知ってそうな馬は雑でいいかなということで手を抜いていますが、サウジカップからどうぞ。
Overview
今年のサウジカップは13頭出走中6頭までが日本調教馬で、地元のサウジアラビアを差し置いて最多出走となった。メンバーも国内ダートの実績馬から去年の遠征で結果を出している馬、ここがダート初挑戦となる馬まで多彩である。Crown PrideはとにかくG1勝ちが欲しいので何とかなって欲しい。
アメリカからは2頭だがBaffert厩舎が強力な2頭を持ってきた。特にTaibaは今後の古馬路線を支える立場が期待されている。
地元サウジアラビアは去年の勝ち馬Emblem Roadに加えて、新星のScotland Yardを出走させ、侮れない。
■Cafe Pharoah: American Pharoah - Mary's Follies by More Than Ready
6歳馬。フェブラリーS連覇に加えて南部杯勝ちもある日本ダートマイルの王者が、今年はフェブラリーSではなくサウジカップ遠征を行った。
とはいえ、1800mは距離が長いと思わざるを得ないし、勝ちパターンを作ることも厳しいように思われる。
父は37年振りにアメリカ三冠を達成したAmerican Pharoahで、カフェファラオはその初年度産駒である。半姉は2022年の北米芝牝馬チャンピオンのRegal Glory(父Animal Kingdom)で芝の牝馬マイルに君臨していた。
■Country Grammer: Tonalist - Arabian Song by Forestry
6歳馬。去年もこの時期に遠征しており、Saudi Cupを2着からDubai World Cupを勝った。だが、北米に戻ってからはFlightlineに完全に話題を奪われており、本馬もPacific Classicではなすすべなく20馬身近い差を付けられてしまった。さらにAwesome Again SではDefundedを捕まえきれず、Breeders' Cupには出走すらしていない。このような状況からDWC勝ちとはいえどうにも強いというイメージを持てない。
年末にSan Antonio Sを快勝しての遠征となるが、Stilleto Boyを倒したくらいで強調材料にはなりそうもない。
■Crown Pride: Reach The Crown - Emmy's Pride by King Kamehameha
4歳馬。去年はドバイに遠征してUAE Derbyに勝って、Kentucky Derbyにも遠征した。帰国後はダート中距離路線で日本テレビ盃、JBCクラシック、チャンピオンズカップと連続して2着で勝ち切れていない。実力は十分で遠征経験も問題ないと思われ、足りないのはG1の勝ち鞍くらいではないだろうか。
スぺ基地としてはG1を勝って種牡馬入りを万全にしていただきたいので、今年、ホント頼みます。
■Emblem Road: Quality Road - Venturini by Bernardini
5歳馬。去年地元調教馬としてSaudi Cupを勝ってフィーバーを巻き起こした。その後、夏にはフランスに遠征し、Grand Prix de Vichyに出走したが5着に敗れている。
今年は前走で地元の一般戦を軽く勝っての参戦となる。得意のマイル戦だったこともあるが、鞭を入れず持ったまま抜けて強いレースだった。
■Geoglyph: Drefong - Aromatico by King Kamehameha
4歳馬。皐月賞馬。皐月賞後はぱっとせず、ダービー、天皇賞秋、香港カップと苦戦が続いている。ダート戦は今回が初挑戦となる。
■Jun Light Bolt: King Kamehameha - Special Groove by Special Week
6歳馬。去年のチャンピオンズカップ勝ち。去年からダートに舞台を移して一気にG1まで駆けのぼった。
エアグルーヴのファミリーで父がキングカメハメハと非常に価値の高い血統で、今年タイトルを稼いで種牡馬入りが一番良いストーリーと思える。
■Lagertha Rhyme: Gutaifan - Cockney Rhyme by Cockney Rebel
5歳牝馬。アイルランド産馬で、ポーランドのM. Kacprzyk厩舎からデビューし、1000 GuineasにあたるNagroda WiosennaではWedding Ringの2着となった。その後はフランスに遠征などもしているが、上手くいっていない。
2022年からサウジアラビアに所属を移しており、適応するまでにやや時間がかかっているが、去年後半以降で連勝し、ローカルのG2 Prince Sultan Ben Abdul Aziz Cupを勝った。前走はGulf Cupに出走して2着である。サウジアラビア所属馬としてはそれなりに強豪だが、トップクラスまではいかない。
父GutaifanはDark Angel産駒の早熟のスプリンターで、2歳だけで7戦4勝し、3歳から種牡馬入りした。G2を2勝し、G1のPrix Mornyでも2着と実績はあった。種牡馬入りはYeomanstown StudなのでDark Angel後継としての種牡馬入りであるが、2021年からはフランスに行っている。
母系はちょっと見で目立つものはないが、掘っていくと女王陛下のHighlightにたどり着き、祖母New Assemblyまでは女王のオーナーブリードであった。
■Panthalassa: Lord Kanaloa - Miss Pemberley by Montjeu
6歳馬。去年はDubai Turfで逃げてレースを作り、最後にLord Northの追い込みを受けるもデッドヒートで制した。
自分のペースでレース出来ればしぶといのは分かっているので、ダートトラックが合うかどうかだけだろう。
■Remorse: Dubawi - Jealous Again by Trippi
6歳馬。Godolphinの馬で、フランスでデビューしたが、現在はUAEで走っている。
実績としては去年のAl Maktoum Challenge Round 3を2着が一番大きい。今年はChallenge Round 2の3着からサウジに転じてくる形になった。この辺りDubaiも前哨戦で馬を取られるという側面は出てくるのか。
■Scotland Yard: Quality Road - Leslie's Harmony by Curlin
4歳馬。サウジアラビア所属の新星。アメリカでデビューして4戦するが未勝利で、昨年末にサウジアラビアに移籍した。移籍後は3連勝で、ローカルのG1 King Faisal Cupを勝ち、前走は今年からSaudi Cupの前哨戦としてListedの扱いになったCustodian Of The Two Holy Mosques Cupを勝った。
前年のEmblem Roadで味を占めたのか良血のQuality Road産駒を引っ張ってきたかというのが正直な印象。母Leslie's Harmonyは馬名から予想されるように近年の北米では最強の繁殖牝馬Leslie's Ladyの娘で、そのきょうだいにはInto Mischief、Beholder、Mendelssohnが揃っている。
北米時代は3歳デビューで未勝利と大したことはないが、サウジアラビアでの3戦はモノが違う。相応の成長分を考えてよい状態とは思う。
■Sunset Flash: Mayson - Sunset Avenue by Street Cry
7歳牝馬。3歳まではイギリスで走っていたが、古馬になってからはサウジアラビアのAlmindeed厩舎所属となっている。サウジアラビアでも古豪。去年から上位で安定した結果を残すようになった。前走はGulf CupでLagertha Rhymeを3馬身半差で下している。
父がスプリンターのMaysonであり本馬もスプリントからマイルといった戦績で、去年はRiyadh Dirt Sprintに出走して5着となっている。1800mや2000mはサウジアラビア移籍初期に出走経験があるもののこなしているとは言えず、本戦では厳しいだろう。
■Taiba: Gun Runner - Needmore Flattery by Flatter
4歳馬。G1 3勝の北米エースとして参戦する。Baffert案件ながら、3歳シーズンはデビュー2戦目でYakteenに調教師名義を替えてG1 Santa Anita Derbyを勝ってKentucky Derbyにも出走し人気を集めたが、これは経験が足りないところもあり大敗した。立て直してきたHaskell Sで2着に入るとPenn Derby勝ちからBC Classicを3着、年末のMalibu Sを圧勝してシーズンを終えた。
今年はSaudi Cupからの始動となり、その後Dubaiを見据えた遠征である。
Gun Runnerの初年度産駒G1馬の一角となっているが、Gun Runner産駒は使い込むと下手れるところがあるように見えるので、昨年後半シーズンからリフレッシュできているかどうか。休み明けは問題にならないが、遠征の適応は分からない。
■Vin De Garde: Deep Impact - Skia by Motivator
7歳馬。このところ日本で走っている方が珍しい。ドバイがあっていて、Dubai Turfは去年が3着、その前が2着である。去年はPanthalassaとLord Northの同着に差のない3着であった。距離はあっているのだろうが、ダートは分からない。