ロシア競馬

そんなLemon Drop Kidは知らねえ。
Tatarstan Derbyの出走表でThought I Forgotを見た時の第一声でした。見たところ今年の6月にMoscowの未勝利戦でデビューし、今回が2戦目。今の3歳世代はあれだけ2歳からあちこちでLemon Drop Kid産駒が活躍しているのに、まだ出てくるのか。
各地でOaks馬がそのままとどまってDerbyも狙う傾向にあるようで、Kazanは1着Dida、2着Promo GhostともにTatarstan Derbyに出走しますし、RostovでもSpanish KidがRostov Derbyにエントリーしています。NalchikもOaks馬Aliya PrincessはMoscowに行ってしまいましたが、2着だったCasablancaはDerbyに出走します。
ただ、今週末の出走馬をざっと見てみるとロシアはG1に限らず重賞の数と競走馬の数のバランスがかなり悪いということを否定できない。去年と比較して賞金はやや減額しているようですが、Moscowはやっぱりお金なさそうで厳しそうとかもありますけれども。

7/29 Moscow: Russian Oaks

Russian Oaks - S Arancha

3歳牝馬限定2400m。G1。賞金15万ルーブル
S Aranchaが圧勝しました。勝ち時計は2分44秒台と遅く、大差の2着がBungur River、更に7馬身半差の3着にMata Hariという結果に終わりました。Mata Hariの走破時計は2分48秒7ですから、いくらなんでも時計がかかり過ぎです。それでいて大差がついているのでレースペース以上にスタミナも問われていたのでしょうけど。
S Aranchaはこれで通算6戦5勝。Russian 1000 Guineasで5着になった以外はすべて勝っています。この時計では2400m大丈夫と言い切れるものではありませんが、Mata HariとMoscowの牝馬2強といったところ。Moscowから遠征したときにどうなるかが今後の注目でしょう。
Bungur RiverはMoscowでキャリアを積んでいますがここまで勝ちはなし。重賞では2歳のAndorra Sを4着、今年のStruna Sを4着といった結果にとどまっており、距離に対応したことが大きかったのかなとは思います。
この日のMoscowでは3歳2000mのG2 Anilin Sが2分14秒の決着、古馬2400mのG2 Jockey Club Sも2分43秒台ととなっており、時計のかかる馬場状態にはなっていたみたいです。
遠征組はSong Cloudの5着が最上位。Grand Dateは10着と厳しいレースになりました。この日のMoscowの馬場がそれだけ特異な状態になっていたのでしょう。あちらの掲示板にあった書き込みをGoogle先生に英訳してもらってざっと見ていましたが、馬場を指摘するコメントがありました。Moscowでは1か月前にPresident Cupを開催していますが、この時にも出走しているメンバーを考えるとかなり遅い勝ち時計になっているので、今年のMoscowの馬場の特徴と言って良いのかもしれません。2400m戦だと特にその影響が大きいのかな。問題はMoscowでの開催が少なく、そうした傾向を十分に読み切れないという点にもあるかもしれませんが。

Criterium S - Fortyra

2歳以上1000m。G1。賞金7万ルーブル
Fortyraは父Forestryのアメリカ産馬で通算9戦4勝。3歳牝馬でRostovのAnalogichnaya Sを3着した後MoscowのSprinters Sを勝ち、このCriterium Sも勝ちました。マイルまでならこなせるタイプですが、短距離線の方が向いていると言ったところか。
去年の勝ち馬Serebryany Borが2着。やはり1000mという距離ではやや短すぎるのでしょう。

Anilin S - Golden Halo

3歳牡牝限定2000m。G2。賞金6万ルーブル
Nalchikで2戦2勝だったGolden HaloがMoscowでも圧勝。Derbyを見据えてということなんだろうけど、出走メンバーがあまりよろしくないですね。というかMoscowの開催が少ないからRussian Derby路線が全くわからないなあ。

Jockey Club S - Marble Prospect

4歳以上2400m。G2。賞金6万ルーブル
Marble ProspectがStatic Memoryをクビ差抑えて勝利。Marble Prospectは父Smart Strikeのカナダ産馬。母父Swain、祖母の父がVice Regentとカナダ色の強い血統。祖母In My Capですしね。Moscowの2400m戦は去年5戦全勝と得意の条件です。

8/1 Akbuzat: Ufa Oaks

Ufa Oaks - Lemon Love Kid

3歳牝馬限定2400m。G3。賞金85000ルーブル
Achi Bonakkorsiが戻ってきて楽勝というつもりだったかもしれないが、KazanからLemon Love Kidが来てしまったので終了。結局Tatarstan Oaksの3着馬、4着馬で着差はその時よりも詰めていますが、これはしょうがないねといったところですか。KazanとAkbuzatのレベル差がはっきり見せつけられたという感じですね。