Dubai Turf: G1 Meydan Turf 1800m

北半球産馬4歳以上、南半球産馬3歳以上、総賞金500万ドル。

去年出走することすら叶わなかったDo Deuceが今年こそとなるか。

それにしても5歳馬の陣容が充実しきり。日本のDo Deuce、O'BrienのLuxembourg、GosdenのNashwa、香港のVoyage Bubbleに加えてアメリカのCatnipも無視できない。

Do Deuce: Heart's Cry - Dust And Diamonds by Vindication

日本産馬5歳、ドウデュース。

去年もこのレースにエントリーしていたが、直前に跛行により出走を取り消した。帰国後の復帰戦は秋になった天皇賞そしてジャパンカップとイクイノックスの暴力的な強さを目の当たりにすることになるが、イクイノックスが去った有馬記念を勝利。日本の競馬は武豊ということを知らしめた。

有馬記念の内容から充実期であるように思われ、今年はドウデュースが世界を席巻するのだくらいの勢いが欲しい。

Luxembourg: Camelot - Attire by Danehill Dancer

アイルランド産馬5歳。

O'Brien厩舎の中距離エースで去年はG1 Tattersalls Gold Cup勝ちのみであったが、10F級のG1では三度2着に入るなど安定感を示した。キングジョージは4着だったことを考えると12Fは向いていないのだろう。といったところもあり、Auguste Rodinの存在もありで1800mである。

前走のNeom Turf Cupがさっぱりだったことは気になるがちゃんと走れば勝負の軸になってくるはずである。

Lord North: Dubawi - Najoum by Giant's Causeway

アイルランド産馬8歳。

お馴染みDubai Turfの主Lord North。Panthalassaとのデッドヒートを含めて三連覇中で、1回目がVin De Gardeを、3回目がDanon Belugaを下した勝利と日本調教馬にとって大きな壁ともなっていた。

もともとはG1 Prince Of Wales's Sを勝つなどイギリスでの実績があるのだが、現在はドバイで思い出したように勝ちに来る状態である。去年はLingfieldのWinter Derby勝ちからの参戦で、今年はWinter Derbyを2着からの参戦である。

今年はLuxembourgやNashwaが来ていることもあり、流石に厳しいのではないかと思う。

Nashwa: Frankel - Princess Loulou by Pivotal

イギリス産馬5歳。

4歳の去年はG1 Falmouth Sを勝った他、G1 International Sを2着、G1 Irish Champion Sを3着と牡馬混合戦にも出走して通用するところを示している。良績は10Fに集中しており、8Fでも勝っているとあってこのレースはベスト。

Danon Beluga: Heart's Cry - Coasted by Tizway

日本産馬5歳、ダノンベルーガ

去年の2着馬である。帰国後は札幌記念から天皇賞ジャパンカップと出走したが特に目立つことはなかった。G1の2戦はイクイノックスがド派手なことをしたせいであるが、全くレースのファクターになっていなかった。とはいえ、ドウデュースとは天皇賞で先着し、ジャパンカップで先着を許すという関係。

だいたいこの世代はイクイノックスに蹂躙されているので、今年こそという感じはある。

Voyage Bubble: Deep Field - Raheights by Rahy

オーストラリア産馬5歳。

香港調教で香港三冠路線の二冠馬。その後マイルのG1戦線に乗り込んだもののGolden Sixtyの牙城を崩すことはできなかった。それでも路線の上位馬で去年のG1 Hong Kong Mileで2着となると、今年のStewards' CupでとうとうG1タイトルを手に入れた。前走は2000mのG1 Hong Kong Gold Cupで直線200mに及ぶRomantic Warriorとの叩き合いの末2着に敗れたものの、その実力は侮れない。

Straight Arron: Fast - Imperial Lass by Tavistock

オーストラリア産馬5歳。

オーストラリアから香港に移籍した5歳馬。母系は中距離志向の強いニュージーランド牝系で母Imperial LassはG1 Queensland Oaksの勝ち馬。

1月のStewards' Cupは6着、前走のHong Kong Gold Cupは4着でVoyage Bubbleと比較すると一枚落ちる。

Facteur Cheval: Ribchester - Jawlaat by Shamardal

アイルランド産馬5歳。

去年のG1 Sussex SやG1 Queen Elizabeth II Sで2着に入っているイギリスのマイラー。徹底してマイルで使われており、マイル以外ではG1 Prix d'Ispahanで3着があるだけである。

Allez Les Troisが5代前まで遡る更新の早いファミリーで、Allegrettaの一門である。父RibchesterはG1を4勝したマイラー

Measured Time: Frankel - Minidress by Street Cry

イギリス産馬4歳。

Rebel's Romanceの半弟で、6戦5勝。MeydanのG2 Al RashidiyaからG1 Jebel Hattaを連勝して挑む。これでも完全に挑戦者の立場でしかないあたり、5歳馬の充実度がやばい。

Namur: Harbinger - Sambre Et Meuse by Daiwa Major

日本産馬5歳、ナミュール

G1マイルチャンピオンシップを勝っており、Hong Kong Mileでは3着とVoyage Bubbleの後塵を拝した。古馬になってからはマイル戦にしか出走していないが、オークス秋華賞でも崩れておらず距離が持たないということはないだろう。

Matenro Sky: Maurice - Red La Vita by Special Week

日本産馬5歳、マテンロウスカイ。

前走のG2中山記念勝ちなど1800mで3勝を挙げて得意としている。このレースでG1初挑戦は敷居が高いのだが、とにかく1800mで勝負したいというのならそれはそれでと思う。

Cairo: Quality Road - Cuff by Galileo

アイルランド産馬4歳。

O'Brien厩舎の4歳馬。

Invincible Spiritを筆頭に活躍馬が続出するEljazziのファミリーであるが、GalileoにQuality Roadというのはかなり趣の違う血統となっている。父がQuality Roadのためか2歳からオールウェザーでも出走してListedのPatton S勝ちがある。Kentucky Derbyに行く目もあったかもしれないが、UAE Derbyで10着に終わりその選択肢は消えた。欧州に戻ってG1 Irish 2000 Guineasで2着に入って自身の進路を決定づけたが、Hong Kong Mileは10着でやや力不足か。

前走はDohaのローカルG2 Irish Thoroughbred Marketing Cupで2着。芝ならサウジカップ開催にない1600m戦があるカタールの開催からドバイというルートである。

Catnip: Kitten's Joy - Masquerade by Silent Name

アメリカ産馬5歳。

アメリカの芝馬でG1 United Nations Sで2着の実績があり、前走はG1 Pegasus World Cup Turfを3着と9Fあたりを得意とする。前走では最低人気ながらWarm Heartを追走して大きく離されることなくゴールしており、地味に強く油断できない。

Nearcoの祖母じゃないんだからという感じになるお名前だが、まあ父Kitten's Joyなので仕方ないネ。

Real World: Dark Angel - Nafura by Dubawi

アイルランド産馬7歳。

Godolphinオーナーブリードで、かつてはG1 Lockinge SやG1 Queen Anne Sで2着に入る実力を見せていたが、去年はG1 Jebel Hatta10着からDubai Turfに出走して9着。中距離志向が裏目に出ていてPrix Ganayは最下位と惨敗した。

ちょっと迷走している感じのローテーションで、今シーズンはBahrainで2000mのG2 Bahrain International Trophyで4着から始まり、Meydanでは1800mのG2 Al Rashidiyaで5着、1600mのG2 Zabeel Mileで6着、1400mのG2 Al Fahidi Fortで6着とどうにもならない。カタールに行ってDohaの1600mローカルG2 Irish Thoroughbred Marketing Cupで3着からさらにBahrainの1600m Listed Al Methaqでようやく勝った。やはりマイルで走るべきという気はする。

San Donato: Lope De Vega - Boston Rocker by Acclamation

アイルランド産馬8歳。

G2 Zabeel Mileの勝ち馬で、そこからG1 Jebel Hattaを3着、G2 Singspiel Sを2着という臨戦で挑む。

3歳ではフランスでG1 Poule D'Essai Des Poulainsを3着の実績もあるが、ブランクの期間が長く、8歳ではあるもののキャリアは若いと言える。