Longchamp Arc Weekend

Prix de l'Arc de Triomphe - Sea The Stars

Kinaneのレース運びとしてはまずいレースだったようには見えました。それは逆に他馬の騎手がそれだけSea The Starsを倒すためにどうするかということで動いていたということであり、実際にFame And GloryのMurtaghは露骨に潰しに行っていたようにも。Epsom以来の2400mということもあってスタート直後はKinaneが必死に抑えてインに着けた。下手をしたらそれだけでレースが終わってしまうところだけれど、しっかりとやってのけるKinaneと応えるSea The Starsが凄い。これを外の前目で牽制していたのがFame And Gloryでした。しかしFame And Gloryはフォルスを抜けたところであっさり置いて行かれる形になり、内から下がってくるBallydoyleのペースメイカー2騎を交わしつつクリアになっているところに持っていくKinaneの技もありつつ、StacelitaとDar Re Miの間に飛び込む。Sea The Starsもそこをぶち抜けて来るんだから非凡過ぎる能力でした。こんなの見せられたらどうしようもないね。
2着は今年もYoumzain。これで3年連続の2着となりました。堅実で、Longchampも得意なコースだからねえ。
3着Cavalryman。あまり評価していなかったけど"王道"からの臨戦で意外と頑張ったイメージ。
4着Conduit。古馬として本来この馬がもっと何とかしないといけなかったと思う。とはいえ近年のSt. Leger馬としては最強クラスか。何となく強いイメージを持てないままなんだけれども、BC芝を3歳で勝って、4歳になってキングジョージを勝っている馬なんだよね。ZarkavaSea The Starsという時代を代表する名馬の光輝の陰に入ってしまったと言いますか。
5着Dar Re Mi。実質先頭だったStacelitaを前走同様にマークして進み、直線で始末。もっとこの馬は評価されるべきなんですが。今回はStacelitaとの間をSea The Starsにぶち抜かれてしまいました。あそこでStacelitaと馬体を併せていたら、その外にCavalrymanも来ていたし、Sea The Starsの進路が無かったようにも見えましたが、一瞬の脚があるタイプではないので手の打ちようが無いか。他のどの馬よりStacelitaにだけは負けられないというレースでもあったと思うし、それを実現して見せたことは素直に認めてやって欲しいですよね。
6着Fame And Glory、7着にはLa Boumと同着ながらStacelitaと上位に実力馬が順当に入った形ではあり、期待外れになったのはVision d'Etatの10着というあたりか。GetawayもYoumzainとは違って走る度に着を落としていて、今年はドイツで良い実績を残しての参戦だっただけに残念。勝ち時計が2:26.30で、関西テレビの中継で解説を務めた岡部さんが速いとコメントしていたけど、最近は良馬場発表ならこれくらい出るよね的に。

Prix de l'Abbaye - Total Gallery

前走はDubai Duty Free World TrophyでStrike The Dealの2着だった3歳馬Total Galleryが勝ち。2着Fleeting Spirit、3着War Artist。

Prix Marcel Boussac - Rosanara

前走デビュー戦を4馬身差で快勝したRosanaraが勝利。父Sinndar、母Rosawa、その父Linamix。Lagardere→Aga Khanというファミリー。近親にオーストラリアで活躍のWhobegotyouが出ている。A. de Royer-Dupre師管理で鞍上はLemaireに代わってC. Soumillonだった。あっさりGI勝っちゃうかよ。
2着はOn Verra。Smart Strikeが着実に欧州爆撃体制を取り始めているという感じはあるなあ。

Prix Jean-Luc Lagardere - Siyouni

またRoyer-DupreにAga Khan。父Pivotal、母Sichilla、その父DanehillとAga Khanらしさはない配合。このファミリーもLagardereの遺産に属していて、Lagardereによって代を重ねたということでもないからか。騎手はG. Mosse。通算6戦4勝。
今回3着に入ったBuzzwardも父Pivotalに母の父Danehillという組み合わせを持ち、これから少し目立ってくる組み合わせになるのかな。
Dick Turpinは5着に終わった。ここをクリアするようならば或いはと思っていたが、そうはならず、か。

Prix de l'Opera - Shalanaya

またまたAga Khanだが、調教はM. Delzangles。騎手はLemaireから代わってM. Guyon。Shalanayaはこれで5戦3勝。父Lomitas、母Shalamantika、その父Nashwanの3歳馬。重賞初勝利。Aga Khanの9-c族でSと来ればShergarとかのファミリー。最近だとShamdinanとか。
Middayは3着に終わった。今年はOasis Dream産駒の活躍も目立ってはいるが、肝心なところでという気がしなくもない。

Prix du Cadran - Alandi

幕引きはOxx、Kinaneで連勝で、Irish St. Legerを勝ってきたAlandi。父Galileo、母Aliya、その父Darshaanの4歳馬で8戦5勝とした。Aga Khanはこの日GI4勝目。何だそれ。都合LemaireはGI3勝分を逃したことになる。土曜にはGIIを4勝逃したわけで、これは不運過ぎる。
このレースを最後に引退する英雄Yeatsは3着だった。これまで長距離戦をよく牽引してきたと思う。お疲れ様でした。