ある意味さすがBaffertと思った

Santa Anitaのメイントラックの問題を議論するためにCHRB主催のミーティングが開催されました。
Santa Anita to Replace Surface | bloodhorse.com
多くの関係者を集めた9つのパネルを含む6時間に亘る長い討論会においての結果、Bob BaffertやJohn Shirreffsを含む一部から合成馬場に反対する意見が出されたものの、多数はダートから合成馬場への転換を支持し、Santa Anitaのメイントラックの素材を入れ替えるという結論が出されています。ただし、どの素材を採用するかは未定です。
Baffert師のコメント:

我々はまさに危機的状況にある。この不良品を売りつけた業者どもはすると約束したことをしていない。合成馬場は競走馬の能力に対して礼を失しているし、それは最も優れた馬が勝つべき競馬という競技に対して失礼である。
合成馬場なんぞを導入してしまったがために、Cigarのような伝説的名馬はカリフォルニアにはもう現れないだろう。

最後のコメントに対してはDel MarのJoe Harperが以下のように反論しています。

たとえCigarのような競走馬が現れなくなろうとも、致命傷を70%減少させる方を優先させる。

同じく合成馬場に反対するShirreffs師は合成馬場になってから後脚の負傷や蹄の打撲傷が増えていることを述べ、トラックに硬い部分と柔らかい部分があることを指摘しています。
一方Richard Mandella、David Hofmans、Doug O'Neill、Ron Ellisらは従来の馬場より安全であると合成馬場を支持しています。
Mandella師のコメント:

馬場は少しずつ悪くなり、怪我をする割合も増加していた。合成馬場に対して重大な失敗があった。クッショントラックはまずい代物で、我々は取り残されていた。だが、オーストラリア人がやって来て、奇跡的な仕事を見せてくれた。

獣医師の見解では蹄鉄をせずに走った場合の負傷率が低下しているとし、そのような調教方法で成功した調教師が出ており、CHRBも蹄鉄をせずに出走することを認めていると指摘します。ただ、負傷する割合に付いては増加は認められないとする意見が出る一方で増えた経験があるという意見も出るなど、まだ結論を出すに十分な期間が過ぎていないということになりそうです。
騎手からは安全な馬場であるとして概ね好評を得ている模様。
また、合成馬場といえども劣化は免れず、適切なメンテナンスプログラムと素材の入れ替えが必要であるという合意が得られたようです。正直、何を今更言っておるのか的な話なんですが。よってHollywood Parkは4月末の開催までに馬場の改良を行うことを計画していて、どのくらいの頻度でそういった素材を添加していかなければならないかを検討中であるとのこと。
なお、クッショントラックの責任者は開催直前に欠席の連絡を入れたということで、出席者の心証を相当程度悪化させたように思われます。Mandella師のコメントには露骨に出ています。