Lane's End Stallion Roaster 2021

2021年の種付け料はBC前に発表されています。
競馬界も周知のとおり、COVID-19の流行による社会情勢の変化の影響をまともに受けており、Lane's Endに限らず軒並み2021年の種付け料を減額しております。ここまでの状況は2008年末以来で、あの時のパニック的な減額発表という轍は踏まずに済んだ分だけましなのでしょうか。
また、既に2020年の種付けシーズンにはCOVID-19が流行しているので、種付け頭数への影響は出ています。

Accelerate: Lookin At Lucky - Issues by Awesome Again

2021年が種牡馬入りして3シーズン目となりますが、種付け料は20000ドルから減額されて17500ドルに。これくらいであれば通常の種牡馬入りでも下がる範囲なので影響は少ないと言ってよいのではないでしょうか。ただ自身の現役キャリアからも早仕上がりを期待されるような種牡馬ではなく、今後の見通しはあまり良いと言えない気もします。初年度産駒が124頭ですから2歳でそこそこ勝ってくれないと暗転しそうです。

Candy Ride: Ride The Rails - Candy Girl by Candy Stripes

10万ドルの大台に乗せたらこの状況で来年は75000ドルと発表されました。産駒の活躍も少し落ち着いてしまった印象でただでさえ厳しいシーズンだったところにまともに影響を受けたのではないでしょうか。2020年の種付け頭数は117頭と大きく減らしています。ただ、種付け料の高い種牡馬は100頭を超える程度で十分という考え方もありだとは思いますが。 去年に引き続いてG1馬がVekomaだけという状況はCandy Rideとしては物足りないでしょう。

Catalina Cruiser: Union Rags - Sea Gull by Mineshaft

初年度となる2020年に148頭の牝馬を集めましたが、種付け料は5000ドル下げた15000ドルとなりました。父Union Ragsが大きく下げた影響がありそうで。そもそも3歳デビューでG2勝ちまでのキャリアしかないのに20000ドルでスタートしたのが積みすぎと言えばそれまでか。

City Of Light: Quality Road - Paris Notion by Dehere

Accelerateと同期種牡馬入りで来年が3シーズン目。40000ドルの種付け料を維持しました。2020年に40000ドルに上げても種付け頭数が変わらず146頭と集まったことから行けると踏んでいるのでしょう。父Quality Roadが最大のポイント。

Connect: Curlin - Bullville Belle by Holy Bull

2021年に産駒がデビューを控えていますが、20000ドルから5000ドル減らして15000ドル。このタイミングで下がるのは仕方がないと言えます。種付け頭数が毎シーズン100頭を超えているので悪くない。

Daredevil: More Than Ready - Chasethewildwind by Wild Again

なんでいるの?みたいな感じに。2016年にWinStar Farmで種牡馬入りして4シーズンを過ごしましたが、2019年は種付け料7500ドルで種付け21頭にまで低迷しており、WinStarに残れる状況ではなくJockey Club of Turkeyに売却されて今年はトルコで種牡馬をしていました。そもそも初年度12500ドルの種付け料が2年目に7500ドルになっていてよくわかりませんし、それでも100頭は確保していた種付け頭数が急に21頭に減ったのもなんだろうねというところですが。
2020年に初年度産駒が3歳を迎え、Kentucky OaksではShedaresthedevilとSwiss Skydiverで1着2着を取ったかと思えば、そのSwiss SkydiverがPreakness Sを勝ちました。Preakness Sを牝馬が勝つのは史上6頭目です。そのPreakness S辺りとの前後関係が微妙なところですが、そういった事情で北米に舞い戻ることになりました。ただし所有権はTJKが持ったままとなっているようです。かつてAfter MarketやPleasantly Perfectがトルコに導入されており、Lane's EndとTJKの窓口があったという所でしょうか。
復帰後の種付け料は25000ドルに設定されました。2nd Crop LeadingではConstitutionとAmerican Pharoahに次いで3位ですが、G1を勝った2頭の牝馬によるものなので、今後続く活躍馬が出るかが勝負でしょう。種付け料の変遷を考えると2年目以降の産駒に期待はかけにくいので、実質初年度産駒でどこまで行けるか。来年の種付け世代がデビューしてくるまで耐えるのはかなり厳しいでしょう。

Game Winner: Candy Ride - Indyan Giving by A.P. Indy

去年からLane's Endでの種牡馬入りが発表されていましたが、2021年から30000ドルでの種牡馬入りとなりました。
2歳でBC Juvenileまで4戦無敗の圧倒的な戦績で、祖母Fleet Indianに母の父A.P. Indyという血統面の魅力もありますが、種牡馬入りが1年遅れたのはもったいない印象を受けます。

Gift Box: Twirling Candy - Special Me by Unbridled's Song

種牡馬で種付け料10000ドルスタート。
6歳になってSanta Anita Hを勝ち、Santa AnitaのGold Cupは2着というあたりが主な実績で、Twirling Candyの次を用意したという意味くらいか。

Honor A. P.: Honor Code - Hollywood Story by Wild Rush

Honor Codeの初年度産駒を代表する1頭は種付け料15000ドルでの種牡馬入り。
Santa Anita DerbyではAuthenticを下しており、Kentucky Derbyは4着。その後Kentucky Derby中のケガを理由に引退しました。今年は開催時期が例年と違うため、評価しづらいところがありそうですが、Authenticのその後の成績は悪くなく、今のうちに種牡馬入りする手は有効に思えます。
Lane's EndではかつてA.P. Indyが使っていた馬房を与えられたとのこと。

Honor Code: A.P. Indy - Serena's Cat by Storm Cat

来シーズンの種付け料は20000ドルで10000ドルの減額。種牡馬入り当初の40000ドルから半減しました。
初年度産駒のHonor A. P.がSanta Anita Derbyを勝ってKentucky Derbyのプロスペクトになり、他にMax PlayerもRun for Rosesに名乗りを上げましたが、その2頭以外はパッとしません。
古馬になって出てくる産駒が入れば十分という気はしますが、そういうLemon Drop KidやMineshaftのような路線に乗れるかどうかでしょう。

Lemon Drop Kid: Kingmambo - Charming Lassie by Seattle Slew

21シーズン目を15000ドルの種付け料で迎えることになりました。もういつ種牡馬を引退してもおかしくなく、活躍馬もほとんどでなくなりました。今年一番名が知られた産駒はMighty Heartの三冠が破れたWoodbineのBreeders' Sで勝ったBelichickだと思います。

Liam's Map: Unbridled's Song - Miss Marcy Sue by Trippi

来季の種付け料は5000ドル減らした30000ドル。Arrogateを喪ったUnbridled's Song後継種牡馬の中では突出しています。
実績もそれに応えるもので、2nd Crop Leadingは5位ですが初年度産駒から2歳G1馬2頭含む重賞馬3頭は見事と言えます。

Mineshaft: A.P. Indy - Prospectors Delite by Mr. Prospector

置かれている状況はLemon Drop Kidと同じで、種付け料も同様に5000ドル減らした15000ドル。Lane's Endではないものの後継にDialed Inを得ているところは状況が異なります。もっともDialed In一本勝負のMineshaftと、Ricahrd's KidなどがあちこちにいるLemon Drop Kidのどちらが良いのかは分かりません。

Mr Speaker: Pulpit - Salute by Unbridled

2020年は種付け料10000ドルで28頭だったところ、2021年は半額となる5000ドルになりました。北米での種付けが報告されていない2017年以外、種付け頭数は種牡馬入りから一貫して減少していますしもう厳しいどころではないのですが、初年度産駒からAshland Sを勝ったSpeechという活躍馬が出ました。それ以外はさっぱりなのでワンチャンスを活かすきっかけとしてはまだ弱いか。祖母Personal Ensignという血統の強さで最後の一勝負できればいいけどね。

Quality Road: Elusive Quality - Kobla by Strawberry Road

2020年に種付け料を20万ドルに上げていましたが、種付け頭数が減少したことで2021年は15万ドルに戻りました。もっとも2020年はQuality Roadとしては極端な不振でもあり、下げないと来年が厳しいという事情はありそうです。
9月からのイヤリングセールでの売れ行きは変わらず好調に見えますし、このクラスであればその方が重要に思えます。そうでなければ種付け料はもっと引き下げられていたことでしょう。

The Factor: War Front - Greyciousness by Miswaki

種付け料を維持して17500ドル。サイアーリーディングではトップ10入りしており、もう少し取れそうな感じはあって、上げたいところを抑えたという側面が強そうです。2020年の種付け頭数は過去最高の151頭に並びました。産駒には古馬で距離をこなしているものも目立ちます。
今年で5世代の産駒がデビューし、2021年の2歳世代は日本にリースされていたのでありません。また、2020年産馬の頭数が少なく、サイアーリーディングでは今後不利な要素を抱えています。

Tonalist: Tapit - Settling Mist by Pleasant Colony

2021年は2500ドル下がった12500ドルとなります。
初年度産駒が3歳になってG2を勝ったTonalist's Shapeが出ていますが、大物が出ていないのがHonor Codeとの違いになるでしょうか。Country Grammerは7月のSaratogaでやったPeter Pan Sを勝ったものの平凡な時計であり評価に困る。

Twirling Candy: Candy Ride - House Of Danzig by Chester House

2020年にはLane's Endで最多の171頭への種付けを行っており、種付け料は2021年も4万ドルに据え置かれました。
父Candy Rideが高齢の域にあり、高額の種付け料もあって頭数を減らした分Twirling Candyに需要が回った側面はあるでしょう。
Collusion IllusionでG1を勝っているが、今年の産駒実績は今一つ。重賞級を安定して出せないと厳しそうです。Candy Ride後継という立場があっての種付け料とも思えますが、その立場はLane's EndですらGame Winnerという競合が現れましたし、Gun Runnerもいるので危ういですね。
Gift Boxが種牡馬入りしたことで、Candy Rideから3代の種牡馬がLane's Endに揃うことになりました。

Unified: Candy Ride - Union City by Dixie Union

種付け料は10000ドルを維持。種牡馬入りから3年間種付け頭数が減り続けていますが、元が10000ドルと安価であることから、種付け料の変更はありません。初年度産駒は2021年デビューですから、ここで上向かなければもう上がり目は期待できません。

Union Rags: Dixie Union - Tempo by Gone West

種付け料種付け頭数ともに好調に推移していたものが一転し、2020年に種付け頭数を大幅に減らしてしましました。この結果か、2021年の種付け料は半額となる30000ドルとなっています。
初年度産駒は好調だったのですが、2年目以降に失速していて、種付け頭数や種付け料にその影響が現れてきました。

West Coast: Flatter - Caressing by Honour And Glory

2年目のシーズンで種付け頭数が激減したため、種付け頭数を35000ドルから一気に20000ドルに引き下げました。
Flatter、Congratsの後継は敢えて必要なんですかねってレベルで、West Coastは傑作に違いはないんですが、ビッグレースで負けている印象ばかりなのがつらい所。

Noble Mission: Galileo - Kind by Danehill

JBBAによって導入され2021年からは静内スタリオンステーションに入り、種付け料は150万円と発表されています。Frankel産駒のソウルスターリングやモズアスコットが走っているので、その全弟として一定の受けはあるでしょう。JBBAはCape Blancoがさっぱりな状況で次のGalileo産駒種牡馬を狙ったというところでしょう。まあ、母父Danehillは現状のトレンドにマッチしており、母Kindとなれば考えられる限り極上の選択です。一方のCape Blancoは静内から七戸に移動となるようで厳しい。
初年度産駒からCode Of HonorがTravers S、Jockey Club Gold Cupを勝つ活躍を見せましたが、その初年度を除くと繁殖牝馬の集まりはやや悪く100頭前後で推移していました。重賞クラスではSpanish Missionが欧州、Baffalo Riverがオーストラリアで走るなどGalileoを北米に浸透させるという意味では今一つだったように思います。フロリダで苦戦中のTreasure Beachともどももうちょっと北米受けする母を持つ種牡馬で導入しましょうよってことかもしれません。
Lane's EndとしてはオーナーブリードのCode Of Honorがいるので、その気になれば種牡馬入りさせれば良いというのもあって放出したのかな。
最後に毎年のリスト。

Stallion Sire 2021 Fee 2020 Fee 2019 Fee
Dam Changes Mares Bred Foal/Bred
Accelerate Lookin At Lucky 17500 20000 20000
Issues -12.5% 137 124/167
Candy Ride Ride The Rails 75000 100000 80000
Candy Girl -25% 117 125/161
Catalina Cruiser Union Rags 15000 20000 ---
Sea Gull -25% 148 ---
City Of Light Quality Road 40000 40000 35000
Paris Notion stay 146 102/146
Connect Curlin 15000 20000 20000
Bullville Belle -25% 114 77/112
Daredevil More Than Ready 25000 At TJK Stud At WinStar
Chasethewildwind New Turkey KY
Game Winner Candy Ride 30000 --- ---
Indyan Giving New --- ---
Gift Box Twirling Candy 10000 --- ---
Special Me New --- ---
Honor A.P. Honor Code 15000 --- ---
Hollywood Story New --- ---
Honor Code A.P. Indy 20000 30000 40000
Serena's Cat -33% 85 95/138
Lemon Drop Kid Kingmambo 15000 20000 25000
Charming Lassie -25% 47 27/36
Liam's Map Unbridled's Song 30000 35000 20000
Miss Macy Sue -14.3% 156 96/133
Mineshaft A.P. Indy 15000 20000 20000
Prospectors Delite -25% 45 48/76
Mr Speaker Pulpit 5000 10000 10000
Salute -50% 28 29/46
Noble Mission Galileo To JBBA Shizunai 20000 15000
Kind Japan 65 65/93
Quality Road Elusive Quality 150000 200000 150000
Kobla -25% 126 115/154
The Fafctor War Front 17500 17500 15000
Greyciousness stay 151 58/80
Tonalist Tapit 12500 15000 15000
Settling Mist -16.7% 122 46/63
Twirling Candy Candy Ride 40000 40000 25000
House Of Danzig stay 171 114/154
Unified Candy Ride 10000 10000 10000
Union City stay 68 76/102
Union Rags Dixie Union 30000 60000 60000
Tempo -50% 111 127/155
West Coast Flatter 20000 35000 35000
Caressing -42.9% 103 129/168