Penang Sprint Trophy

South African Jockey got his first G1 in Malaysia

TwitterでSA Horseracingのアカウントをフォローしているとたまにこういうニュースを拾えます。
ペナンで開催されたマレーシアのG1 Sprint Trophyで南アフリカの騎手Gregory Cheyneが勝ったというお話。南アフリカの騎手はSilent Witnessとのコンビで有名になったFelix Coetzeeなんかもそうですけど、香港やシンガポールに長期滞在して騎乗することが多いのですよね。Cheyneの場合は今年からシンガポールに拠点を移して騎乗し、これまで21勝を挙げています。南アフリカ時代も含めてG1はこのSprint Trophyが初勝利です。今年はシンガポールで騎乗するようですね。
勝ったMr. Rafflesはシンガポールからの遠征馬で産国はニュージーランド。父Storm Creekの6歳セン馬で通算23戦6勝。シンガポールでは重賞にも出走していますが、勝っているのは条件戦まで。それがマレーシアに遠征したらG1で5馬身差をつけて勝つのですから、走っている馬の差は大きいのでしょう。
管理調教師はMichael John Freedman。オーストラリアで著名なFreedman兄弟の末弟で、数年前にシンガポールに厩舎を構えています。
といったあたりで、簡単にまとめてしまうと、ニュージーランドで産まれた競走馬がシンガポールでオーストラリアの調教師に管理され、南アフリカの騎手を乗せてマレーシアのG1を勝ったということに。海外競馬を追いかけている際の楽しみの一つがこうしたところにあります。

マレーシアの競馬

マレーシアにはいずれもイギリス植民地時代からの歴史を持つ3ヵ所の競馬場があり、独立後は同じ歴史を持つシンガポールと一体となったMalayan Racing Associationを結成して競馬の開催主体となっています。競馬場は個別のTurf Clubが運営する形態を取りますが、日程の調整が行われているようで、マレーシアの3競馬場の開催が重なることはありません。

Penang Racecourse

1864年にマーレシアで最初に創設されたPenang Turf Clubが運営しています。マレーシアのリゾート地として知られるペナン島に所在し、1939年に現在地のBatu Gantongに移転し、1978年にグランドスタンドの拡張工事を行ったとあります。スタンドの収容人数は14000人。1周1900m、幅員24mの芝コースです。ゴルフ場が併設されており、7つホールが内馬場に設置されてるようです。南アフリカのGreyvilleもそうですが、競馬場とゴルフ場の組み合わせは何とも言えない英国風味ですね。

Perak Racecourse

1886年にTaipingで競馬開催が行われたのを源流とし、1913年にIpoh Gymkhana ClubがIpohに開設した競馬場です。1926年にPerak Turf Clubが発足しています。1971年に新設されたグランドスタンドは15000人収容。1周1800m、幅員21mの芝コースです。調教用にサンドトラックを設置しています。

Selangor Racecourse

1800年代後半に現地の英国人によって結成された競馬趣味人の集まりを基とし、当時Selangor州の州都となったKuala Lumpur市でSelangor Turf Clubとして結成されました。1896年から現在ツインタワーで知られるようになったJalan Ampangで開催を行い、1992年にSungei Besiに移転しました。首都Kuala Lumpurに所在する競馬場であり、グランドスタンドの収容人数は25000人と他の2場より多く、1周2000m、幅員30mの芝コースとマレーシアで最大の競馬場です。シンガポールのKranjiが収容30000人で芝コースが1周2000m、幅員30mですから、ほぼ変わらない規模です。

Relationship to Singapore

Singapore Turf Clubの創設は1842年。Singapore Sporting Clubとして発足しています。1843年から競馬開催があるようですから、Malayan Racing Associationの4場としては最も古い歴史を持っています。1924年にSingapore Turf Clubに改称し、1933年に開設したBukit Timah Racecourseは東洋で最高の競馬場として知られることになります。現在のKranjiに移ったのは1995年で、以後の発展は周知の通り。

以下余談

シンガポールと関係が深いことから、Singapore Turf Clubのサイト上でもマレーシア競馬の結果をチェックすることはできます。香港競馬のチェックをしていてマカオ競馬の話題が入ってくるかの如くにシンガポールの競馬を見ているとマレーシアの話題も出てきますが、重賞日程を把握して逐一チェックしようという気にまではなりませんねえ。多分ロシアなんか追いかけるより楽だと思いますけど。
マレーシアには自国内でのサラブレッド生産が一応あります。昔調べたのを確認したら種牡馬6頭で生産頭数が57頭という規模です。実際に結果をチェックして出てくるのはオーストラリア産、ニュージーランド産で、香港やシンガポールとかと変わらない感じですね。つか、オーストラリアの馬産は強いなってのがこういうところで感じられるわけです。
東南アジアだとフィリピンとタイがそれぞれ200頭程度のサラブレッド生産規模を持っているみたいで興味は広がるのだけれども、調べ始めると沼に引きずり込まれてしまいそうで危険がいっぱいw