夢と現実…ではありますが

昨日の記事に関しては、まだ5歳だし現役に残っている馬ならこれから大化けする可能性が無いと言い切ることは出来ないので、そういったつもりで見ておいてください。ほぼ無いなとは思っていますけど。
調べるのは手間が掛かっただけで、大変という程ではありませんでした。そもそも、このときの高額落札馬は私自身が当時記事にまとめていたので、そこを見ながらほぼPedigree QueryRacing Postのデータベースにあたっただけです。一部気になる馬についてはBlood-Horseあたりに記事検索を仕掛けてみましたが、大した成果を得られませんでした。ですので、Pedigree Queryに書かれている内容をそのまま信頼できるかという問題があるのと、UAEに連れて行かれたっぽい馬が多くてRacing Postといえども把握しきれていない部分が多々あるのではないかなと。そこまで調べる意味があるようには思えないのでやりませんが。
Rags to Riches繁殖牝馬として上場されて1400万ドルで落札されたように、ごめんなさい、ボケてました。これはその母Better Than Honourの落札額です。血統背景がしっかりしていて競争実績が伴えば競りに投じた金額以上のリターンを得られるわけですし、こうした市場の高額馬の価値を支えているのはやはり生産セクションでしょう。牝馬だとGI馬の娘程度のプロフィールがあれば、競争実績関係無しに100万ドル程度の産駒は出せそうなので救いはある気がします。逆に牡馬は手の施しようがありませんね。Mr. Sidneyにしても1万ドルクラスの種付け料で種牡馬入りできればあるいはとなりますが、5歳になってようやく芝マイルのGIを勝つ程度では種付け料がそこまで付かないでしょう。
更にこの2005年近辺の北米市場が高騰していた時期の取引馬が生産界に入って今後産駒を出していく事になるわけですが、市場の現況というものを考えるとかなり厳しい収支を突きつけられることになるのではないかとも。Sheikh Mohammedにとっては大したこと無いのかもしれませんが、Coolmoreを始めとした生産者の受けている打撃は気になるところです。
こういうことをするとつくづくA.P. Indyは規格外ということを思い知らされます。落札額290万ドルに対して獲得賞金でこれを上回る2,979,815ドルを稼いだだけでも凄いのに、種牡馬としての成功で種付け料が概算でも年間1500万ドルは堅いんですよね。ま、こんなのは10年で1頭出るか出ないかでいったら断然出ない方に張るくらいの夢でしょうが、こういった競りで高額馬が出る動機としてはそこになっちゃうのではないかなと。
そのA.P. Indyにしてからが出走馬の平均獲得賞金額はその種付け料の半分をやや上回る程度でしか無く、一部の活躍馬による平均値の引き上げを考えると厳しいものはあるよなと。これはA.P. Indyに限った話ではなくこのクラスの種牡馬は多かれ少なかれ同じ状況にあるのですし、それでなぜ回していけるのかとなれば、やはりこういった競りを中心に高額で売れるからという事になるんですよね。その鎖が切れかかっている、あるいは切れた、ので慌てているのが今の状況かなとも。こうなると影響が少なそうなのは旧来の欧州的オーナーブリーダーたちかと思いつつ、夢想が過ぎて転生するのもどうかという気がするのでここまでにしておく。話を単純化しすぎている部分もあるので、それをベースにあまり踏み込んだ話をするのも問題があるとは思うし。
でも、余裕があれば2004年と2006年分もやってみようかな。2005年のKeeneland Septemberは狂っていたと書きましたが、2006年の方が酷いし。2007年くらいからさぼり癖が出ていて対象馬を探すのに苦労します。って去年はやってたのか。これはもっと時間が過ぎてからじゃないと意味がないですが。