Australian Jockey Club vs. Randwick Trainers Association

何故土曜のRandwickの結果が出ないのだろうと思っていたら斯様な事態に。
Trainers consider AJC boycott | The Daily Telegraph
AJCのExecutive Director of RacingにRichard Freedmanが就任するという人事に調教師組合が反対し、交渉は決裂。結果としてレースのボイコットに発展した模様。
この人事の問題は6月から出ていた話のようです。

Ross。君がそんな馬鹿なことをするとは思えない。冗談だろう?―John O'Shea

私たちにそれは嘘だと言ってくれ。―Anthony Cummings

じゃあ他に誰がいるんだ。誰なら良いんだ?―Ross Smyth-Kirk

8月末に調教師組合は全会一致でRichard Freedmanを不信任し、交渉そのものを拒否するまでに至りました。Racing NSWが間に入る事態となっても解決出来なかったのが原因。
記事中にも触れられているGai Waterhouseセンセのblog記事。
Gai Waterhouse Racing Stables: What a state of affairs at Randwick.
調教師組合が出した不信任決議も掲載されています。Waterhouse師自身はその採決は欠席していたようですが、全面的に同意しているということです。

30年以上Randwickで調教師をしているがこんなことは初めてだ。Richard Freedmanは私たちを呼び出したが、それはまるで経営者が労働者を"奴隷"と呼ぶようなとても時代遅れなものだった。Freedmanには調教師たちの置かれている苦境をもっと理解してもらいたい。
一部意訳

背景にはAJCの経営問題があるようです。何年も前からAJCは破綻しかねない状況に置かれているとのことで、厩舎エリアの使用料やレースの賞金でAJCと調教師側が対立しているというのが本題らしいです。
Waterhouse師はCityクラスのレースをProvincial Trackで行ったことを馬鹿げたことと批判しています。これはオーナーサイドにとっても問題でCity Trackなら1時間か2時間仕事を抜けられれば観戦出来ますが、Provincial Trackではそれが出来ません。こうした事情もあってか、調教師側はオーナーの支持を得ていると主張しています。
またこの対立は昨シーズンのウマインフルエンザによる騒動が拍車を掛ける形になっています。ウマインフルエンザの流行時に調教師がAJCに対して行った報告が公正なものとは言えなかったため、AJCが各厩舎に対して立ち入り、帳簿の監査を行えるように規定を変えたことも影響しているようです。

敬意が欠けている。それが問題だ。―Bart Cummings

私たちから見ればFreedmanはその職にふさわしい人物ではない。彼には人と交渉する技術が無い。―Gai Waterhouse

控えめに言って、彼は常に苛立っている。―Anthony Cummings

失望したよ。―John O'Shea