STC Rosehill

The BMW - Tuesday Joy

馬が変わったかと思うようなGI連勝。2着がまたもやPrincess Coupと今のオーストラリアのミドル-クラシックディスタンス戦はこの牝馬2強の時代ということを強く印象づける結果です。単勝人気でもこの2頭に集中していました。ま、El Segundo、Maldivianと次々に牡馬の有力馬が戦線離脱してしまったからではありますが。
外枠からのスタートだったTuesday Joyを内の6番手でレースをさせたD. Beadmanの騎乗が賞賛されています。Tuesday JoyにはこれまでGIで3度乗ってその全てで勝っているというほどの相性の良さもあったかとは思われます。そしてD. BeadmanにとってはThe BMW自体3勝目。さすがにトップジョッキーといったところか。
Tuesday Joyには凱旋門賞への遠征プランが出ていますが、EIに関しての30日の検疫が課せられるため春シーズンをほぼ失ってしまうという事情もあり、前向きではあるものの今後の検討課題とのこと。とりあえず次走はQueen Elizabeth Sになるとのこと。
Princess Coupはこれで3戦連続GIで2着となってしまった。牡馬を向こうに回してのこの結果ならば十分なのですが、Tuesday Joyに連続で負けているのがちょっと何とかしたいところ。Queen Elizabethで三度決戦を挑むことになりそうか。Sirmioneは走るときと走らないときの差が大きくてどうしたものか。今回は3着とまともに走った。このレースの出走メンバーを見るに、Sirmioneがぴりっとしないことにはと思われるので、次に期待しておきたいところ。

Coolmore Classic - Eskimo Queen

CanterburyのQueen of the Turfを勝ったForensics、Turnbullを勝って牡馬相手でもそこそこの成績を残しているDevil Moonが出てこない時点で低調なメンバーと言われても仕方のない状況。マイル級の牝馬はDivine MadonnaとMiss Finlandが引退に追い込まれたという事情もあって仕方ないとも言えるんですけどね。
人気は連勝中のHot Danishで、レースもほぼHot Danishで決まったかと思われたところをぎりぎりでEskimo Queenが差すという何とも言えない展開。そう弱いというわけでも無いけど、このところの成績を考えるとEskimo Queenで勝ててしまうかと。Racing and Sportsでも記事のタイトルが"Eskimo Queen gets lucky in Coolmore"だもんなぁ。

Arrowfield - Heavenly Glow

Spinning World産駒キタコレ。また牝馬w
ZaritaとかGrand Journeyのようにこのレースを足掛かりにという立場であるべき牝馬が他地区でのDerbyを取りに行ってしまったので重賞馬がおらず、一番人気は3戦無敗でリステッドを勝っているBerniciaという状況でした。つかLRクラスを勝った馬自体がBerniciaとNZのPenturaくらいでしょという有様でしたし。
Heavenly GlowはAJC Oaksに出走するので、そのレースを見てから判断するということになるかとは思われます。前走のKeith F. Nolan ClassicではBerniciaの3着に敗れていますし。

George Ryder - Weekend Hussler

2着Racing to Winに1馬身半の差をつけてWeekend HusslerがGIを4連勝でトータル6勝目を飾りました。1シーズンでGIを6勝はKingston Townの記録に並ぶもの。順当に行けば次は来週のDoncaster。
Desert WarとStormhillを前に置く3番手でレースを進めたWeekend Husslerは直線に入って残り400mで先頭に出ると、追いすがるRacing to Winの追撃を許さず。さらに2馬身1/4差の3着にCasino Princeが入った。他にはMentalityなんかも出てきていたし、これだけの相手に対して完璧なレースをして見せたWeekend Husslerはちょっと手がつけられない。

Golden Slipper - Sebring

このところD. Hayes師の大活躍の陰でちょっと目立たなかったWaterhouse師ですが、やはりシドニーは地元だけあって強いです。Sebringはデビューから4連勝でのGolden Slipper制覇。シドニーでリステッドを二つ使われての本番という形でした。結局この馬が一番人気に支持されたようで、地元のファンの見る目は確かだったと言うことになろうか。父はMore Than Ready。2着はFlemingtonのSires' Produceを勝ったVon Costa de Hero。こっちはD. Hayes師の管理馬。父はEncosta de Lagoなので来シーズンに期待すべき馬かとは思われる。3着はPortillo。人気は無かったが同条件のGII Magic Night Sを勝っていたので、ちょっと舐められてたかとは思われる。All Americanはよりによってここで飛ぶかというのはあり。
SebringsはDance Heroの道を辿ってAJC Sires' Produce、Champagneと連戦する見込み。

Tulloch - Book of Kells

3歳のGII、2000m。ここも意味が分からない結果というとあんまりだが、ロングショット。Bart Cummingsセンセイは自信があったっぽいです。Rock of Gibraltar産駒にBook of Kellsの名を与えるセンスは中々。AJC Derbyに出走する。

Australian Sire Leadings

さて、今日のRosehillのボーナスステージは古馬戦でCarnegie、2歳戦でMore Than Readyが勝ちましたが、どちらも2着がEncosta de Lagoで地味に賞金を積み上げています。Golden SlipperをHussonetに取られると差が一気に詰まって、Weekend HusslerがDoncasterを取る可能性も込みでリーディングはもつれるかと思いましたが、今日の結果でEncosta de Lagoがほぼ安全圏に逃げ込んだような気はします。Casino PrinceがDoncasterを勝てばFlying Spurという芽が残っていますが、Casino Princeにそこまでの地力を期待するのは難しく、Encosta de Lagoが悲願のリーディング獲得となりそうな情勢です。
2歳リーディングでも上位安定ではあるものの、突き抜けきるだけの強さが無いだけに去年のFlying Spurみたいなことをされると一気に持って行かれてしまうのですが、その分3歳から古馬にかけて堅実に稼ぐのがEncosta de Lagoで、今日もRacing to Win、Princess Coup、Sirmioneがその強みを見せました。Zabeelも結果的に毎年上位ということを考えると、こうしたリーディングでは古馬になって稼げる種牡馬が有利なのかなと。2歳戦はリーディング自体の変動が激しくて、Redoute's Choiceは今年はAmelia's Dreamの離脱が痛かったとはいえ完全に勢いを失いましたし、Flying Spurも今年はよくありません。Encosta de Lagoにしても今日のVon Costa de Heroで帳尻合わせをした印象。
オーストラリアだと2歳戦で活躍すると話題になって種牡馬価値にも大きく影響を与えますが、どうにもいびつな感じを受けてしまいます。