輝くもの天より墜ち / James Tiptree Jr., 浅倉久志訳 / ハヤカワSF

稀代のSF作家James Tiptree Jr.*1の二つある長編のうちの一つ。原題は「Brightness falls from the Air」。「たったひとつの冴えたやりかた」の訳者あとがきにて、ティプトリーの著作一覧が提示されたときに当時未訳ながらこのタイトルだけは確定していました。私がジェイムズ・ティプトリーJrというSF作家の名を知ったのは、とある雑誌に掲載されていた久美沙織さんのコラムでした。作品に触れた頃には「たった一つの冴えたやりかた」、「故郷から10000光年」、「老いたる霊長類の星への賛歌」、「愛はさだめ、さだめは死」の4冊があり、それが今後も日本語で読めるティプトリーの作品の全てかと思っていました。というのも、ティプトリーは「たった一つの冴えたやりかた」の日本語版が出る前に亡くなっていたからです。日本語版Wikipediaだとあっさりしすぎているので、英語版でも読みましょう。James Tiptree, Jr - Wikipedia, the free encyclopedia
その後、なぜか思い出したように短編集「星ぼしの荒野から」がリリースされ、更に期間があいて「すべてのまぼろしはキンタナ・ローの海に消えた」(これはSFではない)が出ます。そして今回ついにという感じで。その割には全然気付いてなかったんですけどね。いや、最近近所の本屋でハヤカワ文庫を見ない事見ない事。
時間を見つけてじっくり読みたいと思います。昔よりましとはいえ、ハヤカワ文庫で600ページ近い大作なんで。

コミックREX 10月号

*1:Tiptreeの正体とはというあたりで、シオドア・スタージョンが大失言をかましたり、ロバート・シルバーバーグが大恥かいたり。