Natagoraに関係あるようで無かったり

Natagoraを話のタネにするのはRobert Papinくらい勝ってからというつもりもあって触れなかったんですが、ちと電波入ったようなコラムがあったので…
スポニチ Sponichi Annex 藤井正弘の血統トピック: ディヴァインライト仏で大栄転
まあ、宝塚記念のときのGI出走馬云々のコラムにも思ったことですが、このあたりのコラムはかなりライトに書かれているというか、大多数の読者を想定したレベルで書かれている部分はあるんだろうなと。スポーツ紙のコラムに多くを求めてどうするの的に…。所詮ほとんどの読者は馬券にしか興味が無いし、血統に興味を持ったところで馬券を当てるためかあるいはノスタルジック故ですよ。これは合田さんのコラムでもときどき思うことですけどね。一方ではさり気なくDivine Lightの初年度の交配頭数が22頭で、そこから産まれたのが8頭ということが分かるあたり、そうそう馬鹿にしたものでもないです。
でもいくらなんでもこれは無いだろうと思ったりもしますが。

種牡馬ディヴァインライトがフランス競馬に適応した要因のひとつには、「母の父ノーザンテースト」があるように思う。現役時のノーザンテーストはフランスを基点に活躍し、G1・フォレ賞などに優勝した素質豊かなマイラーだった。そのネームバリューはもちろんだが、いわば血統的な“里帰り”によって、DNAに刷り込まれた原記憶が覚せいしたとは考えられないだろうか。
ディヴァインライト仏で大栄転

DNAに刷り込まれてるのはGCATの組み合わせの遺伝暗号しかないから…と、流石に釣られようが突っ込まざるを得ない。
ま、血統的な郷帰りを言うならば、Divine Lightの血統で見るべきはWordenじゃねーのと。血統的な話でノーザンテーストが郷帰りならばカナダかなと。ただ、ああいうコラムでWordenなんて書いたってどれだけ理解してもらえるかってな話なんで分かりやすいノーザンテーストが出るんでしょうがねえ。
まあ、そこそこ血統見てる人ならNatagoraの五代血統表を開いたところで、Worden≒Le Fabuleuxというところに目が行くんではないかな。フジキセキドリームパスポートでこの組み合わせが見えますが、フランス的な血統の特徴の一つにこのWild Riskが挙げられるでしょう。
Wild Riskは当時のフランスにおいてすら平地戦より障害戦で活躍するほどステイヤーに過ぎる馬で、種牡馬としての期待も高くなかったのですが、優れた馬体と頑健さを伝えて成功しました。その後継Wordenも種牡馬として成功しますが、Wild Riskはなんと言ってもBlushing Groomの母父として多大な貢献を見せる種牡馬です。またLe FabuleuxUnbridledフジキセキを母父として出し、AraziではBlushing Groomと組んでWild Riskのクロスを供与する役割を果たします。突如としてフランスで開花したこのスタミナの血は日本にもWorden産駒のMarino、Bon Motあるいは直仔Vimmyなどが輸入されています。
現代では母系に潜む血となりましたが、特に他のフランス血統との相性に優れているというイメージ。フジキセキの活躍馬の血統を見ればかなりの馬に、フランス臭い血が入っています。オースミコスモなんかもろにそれですし、テンシノキセキにもRoi Dagobertが入ります。フジキセキの場合はそうでなければ、Mill Reefを使う(Last TycoonでやるSun Classique)か、Unbridled的にアメリカ血統に填めてしまうというパターン。
そんなわけで、フランスに旅立った3頭のなかで最初に結果を出したのがDivine Lightというのはわりと納得。今後はSea Hawkを抱えるRosen Kavalierにも期待したいところ。
ま、藤井正弘氏ならそんな事は百も承知の上で、あのコラムを書いたんでしょうが。