ディープインパクトの件

そういえばこの件はずっと本サイトで記事にせずこっちばっかりだったような感じなので、最後もこっちに。
フランスギャロの調査結果と処分の発表はJRAに全訳があるのでそれで十分だろう。
ディープインパクトの薬物検出事案に対するフランスギャロによる処分の決定について
これに関する記者会見の様子は須田鷹雄氏が日記に掲載しているのでそれを見ればよいかと思われる。
須田鷹雄の日常・非日常: ■2006/11/16 (木) ディープインパクト記者会見まとめ
これが公式の調査結果によって明らかにされた「事実」であり、それに基づいた処分であります。これについて文句があるならフランスギャロに言えという感じではあるんよ。何と言おうがフランスギャロはこれだと認めているのだから。
事実として、レース後の検査で禁止薬物検出となっている以上はレース失格という処分は避けられないものですし、その事態を招いた責任を取る立場にあるのが池江調教師ですから、その処分もあって当然。ただ、それ以上のものではなかったということですよ。
で、記者会見の内容を見ていて、まあ気になるかなというのは以下。

Q「調教師は治療について認識していたか」
A「(池江)治療を行うということは認識していた。詳細な内容(獣医の専門的な内容)については知らなかった」
Q 調教師はレース前になにを知っており、なにを知らなかったか。
A(池江)治療を行うことは知っていた。薬品については知らなかった。禁止薬物に該当する可能性があることは知らなかった。飛散があったことはレース前には知らなかった。しかし、いずれにしても結果責任は厩舎管理者である自分が負う。
須田鷹雄の日常・非日常: ■2006/11/16 (木) ディープインパクト記者会見まとめ

後段の、薬品について知らず、特に禁止薬物に該当する可能性があることは知らなかったという点と、飛散があった事をレース前に知らなかったという点の二点。今回の件で池江調教師が直接に責めを負うのならばこの部分ではなかろうかと思われます。
そのあたりも含めてこうなっているわけです。

池江泰郎調教師は、(中略)その不注意の全ての責任は自身にあると申立を行った。
ディープインパクトの薬物検出事案に対するフランスギャロによる処分の決定について

この場合の禁止薬物に該当する可能性があると知らなかったというのは、結局のところ欧州の事情にあまりにも疎いという事に繋がってしまうのではないかというところで、何度も言うが、イプラトロピウムを使った事自体は何ら責められるべきではない。使い方を誤ったという範疇に入るのではないかな。後者は厩舎の体制の問題なんで外部からあまりとやかく言うことではなかろう。ただ、ここでも、欧州の薬物規制について周知されていればあるいは違った対応になったのではないかとも思われ、結局のところはそういった方面への知識の不足ということに帰結するかなと。
あと、JRAの公式に出た池江調教師のコメントにも、また記者会見中での池江調教師のコメントからも感じたのですが、滞在先となったLaffon-Parias厩舎への遠慮というか気遣いというかそういったものもかなりあるかなと。馬房を割いて滞在させてもらっているという意識。また、ディープインパクトがいるために厩舎周りが騒がしくなるという引け目。そういうのが全く無かったとは言えないかなと思いました。このあたりもまた海外遠征に付き纏うものではあるのだろうが。