2004 Keeneland September Yearlingのその後

そんなわけで皐月賞の中継そっちのけで作ってみた。今年6歳に達している2004年取引馬の現状。

A.P. Indy産駒

Idaho (out of Sahara Gold)

310万ドルでSheikh Mohammedが落札しています。初日の最高額。この市場に上場された時点で既にRidglingでした。3歳時に調教中に故障して安楽死処置されたとあります。詳細不明。

A.P. Warrior (out of Warrior Queen)

130万ドル。GII2勝、3歳終了で現役を引退して種牡馬入りしています。Santa Anita Derby 3着もあるし、4歳で現役を続けていたらなあとも。芝、ダート双方でGIIを勝って、初年度20000ドルの種付け料なら成功した部類だろう。今年は15000ドルの種付け料を提示。

Reward Money (out of Million Gift)

100万ドルで落札されています。詳細不明。

Storm Cat産駒

Cercle d'Amour (out of Warm Mood)

170万ドルで落札されています。牝馬としては初日最高額。Godolphinでbin Suroor厩舎に入ったようだが競走成績不明。

Wile Cat (out of Strategic Maneuver)

130万ドルで落札されています。詳細不明。

Mr. Sekiguchi (out of Welcome Surprise)

森調教師名義で800万ドルで落札された話題の馬。4戦2勝の後、2008年から種牡馬。Hill'n'Daleで5000ドル。

Fusaichi Giga Dia (out of Bless)

340万ドルで森調教師が落札。JRA18戦3勝で南関移籍。現役。ある種、もう一度Fusaichi Pegasusの夢を見て、果たせなかったと言うべきなのかなとも。

Tawfeer (out of Program Pick)

125万ドルで落札されています。20戦2勝という結果が見える。まだ現役かな。

King Shooting Star (out of Gone to the Moon)

280万ドルで落札されています。競走実績不明ながら3歳でさっさと繁殖入りしたようで、今年2歳の娘Miss Barbaroがいます。Dynaformer、Storm CatGone WestDeputy Ministerという累代は圧巻というか何というか…

Giant's Causeway産駒

Joe Hirsch (out of Statuette)

115万ドルで落札されています。Giant's Causeway産駒の人気が急騰したのはこの翌年に3歳馬が欧州のギニー戦線で活躍したからで、この時期はその兆しを見せかけていたという程度。競走実績不明。

Greathearted (out of Touch of Greatness)

105万ドルで落札されています。Elusive Qualityの下。競走実績不明。

The Visualiser (out of Smokey Mirage)

100万ドルで落札。イギリスでデビューして2歳で5戦1勝。3歳では北米に移籍しCanadian Derbyで2着という記録があります。Shillelagh Slewにぶっちぎられた結果ですが。

Kingmambo産駒

Blue Glory (out of Zuri)

310万ドルで落札されたVoodoo Dancer全弟。UAEで走って14戦1勝。今年も走っているがJebel Aliが主戦場となっている。去勢されている模様。

Ashaawes (out of Crown of Crimson)

285万ドルで落札されています。イギリスでデビュー。7戦3勝。リステッドで歯が立たなかった。

Unbridled's Song産駒

Bond Street (out of Cruising Haven)

280万ドルで落札されています。通算21戦3勝程度か。1年間出走が無いのでもう引退してるのかな。種牡馬としての引受先は無いような気はするけど。

Lofty Lizzy (out of Towering Success)

125万ドル。競走実績不明。

その他種牡馬

Sense of Class (Fusaichi Pegasus - Golden Oriole)

150万ドルで落札されています。祖母にSex Appealという良血で、このセール時点ではFusaichi Pegasusは初年度産駒からRoman Rulerが登場という好調なスタートを見せていました。4戦して未勝利。今から考えるとFusaichi Pegasus牝馬なんてとは思うけど、この当時だとねえ。未だに北米だとRoman Ruler、Andromeda's Heroを超える馬が出ていないんだからドンだけ酷いのよと思うんですけど。

Bedford Falls (Forestry - Christmas in Aiken)

110万ドルで落札されています。Harlan's Holidayの下。13戦3勝の実績を残して今年からカリフォルニアで種牡馬入りしたようです。種付け料は2500ドルとの発表。

Fine Cut (Forestry - Clever Bertie)

190万ドル。実績不明。

Major Commitment (Danzig - Scads)

200万ドルで落札されています。Ballydoyleに送られて2歳でデビューして、そのデビュー戦を勝つもその後音沙汰無く、2008年になってサウジアラビアで1戦した記録があります。よー分からん。

Panini (Galileo - Regina Maria)

190万ドルで落札されています。Galileoの初年度産駒の一頭。競走実績不明。

Bonus Fever (Seeking the Gold - Angel Fever)

180万ドルで森師の落札。27戦4勝、1600万下で引退。種牡馬になったようです。優駿SSにいるようですが、今シーズン限りの供用と書かれちゃってますね。種付け料は産駒出生後条件で25万円だそうで。

Marcus Andronicus (Danehill - Fiji)

150万ドルで落札されています。通算10戦1勝。その割に聞いた憶えがあったんですが、仏2000ギニー2着の結果を残していました。その後St. James Palaceでも4着ですからそこからうまくいけばという馬ではあったのでしょう。うまくいきませんでしたが。

Majority Vote (Danzig - Shouldnt Say Never)

140万ドル。Suroor厩舎に入り、イギリスで1戦だけした経歴が残る。

Zinzan (Grand Slam - Sheza Honey)

130万ドル。4戦1勝か。

Ruler's Gold (Rahy - Crystal Crossing)

105万ドル。2戦未勝利。UAEにいたようだけどどうなったものやら。
GI馬すら出ずか。うーん、これは酷い。GIで実績のあるクラスといってもA.P. WarriorとMarcus Andronicusで、どちらも世代限定戦で3着、2着くらいまで。Jazilもここに上場されていてその落札額は72.5万ドルでした。下の方まで子細に見るならばこうした活躍馬は出てくるんだろうけど、そこまでやる気になれないのでパス。
この頃は落札者の情報まで完璧にフォローしていたわけではないのだけど、案の定というかドバイとCoolmoreだよなというのは見ていて分かる。競りなんだから当然アンダービダーがいるわけで、競ったからこその金額ですけどね。
状況としてはGiant's Causeway、Fusaichi Pegasusらの初年度産駒が2歳でのデビューを迎えて、成功すると思われていた時期です。その後のFusaichi Pegasusはどうにもなりませんでしたが、Giant's Causewayは成功していますし、この市場でもGiant's Causeway産駒の方がFusaichi Pegasus産駒より良い結果を残しているとなると、ある程度参考にならんこともない…のか。
2004年は二日目のセッションで森秀行調教師が高額馬を落札し、オーナーは明かせないととして話題になったセールです。程なくして関口房朗氏であることは明らかになりましたし、買った馬見ればだいたい分かるだろというのもあるけど。で、Angel Feverの仔はフサイチに馬にならなかったけど、Blessの仔がフサイチギガダイヤになったわけで、Fusaichi Pegasusなんだろうなあということは感じた。いろいろな意味で盛大に転けてるのが何とも言えないが、結果として関口氏には北米での最後の大物買いとなっただけに。
そういうものを見ている状況でかつて関口氏に日本のダービータイトルをもたらしたフサイチコンコルドの下が皐月賞を勝ったというのは何だろうねえとも。

ちょっと乗り遅れ気味ですがこの話題。

アンライバルドの年の離れたお兄ちゃん - 名牝達の後宮 - 創造は力
ボーンキングのことかと(ry
そりゃ13年も年が離れていたら、仮に最初のダービー馬を4歳で産んだとしても次が17歳になるわけで。
で、実際バレークイーンの場合はフサイチコンコルドを産んだのが5歳、4歳で繁殖入りしてその初仔が持ち込み馬フサイチコンコルドというわけです。アンライバルドは18歳当時の仔になるわけで、各国のダービー馬がこれくらいの高齢の母から産まれたケース自体が少ないのではないかなと思いつく次第。Somethingroyalが18歳でSecretariatを産んでいたり、Plucky Liegeが23歳でBois Rousselを産んだりってのが有名な事例なんですが、トピックとして頭に残るのはそれが希少性を持つからではありますな。自分で詳しく調べたわけではないので深入りしませんが。
歳が離れたということになってくると若いときの仔がまず勝っていないといけないわけでもあり、それはかなりハードルが高いなあと。Secretariatの場合は兄Sir GaylordKentucky Derby有力と見られながらも直前に引退しているわけですが、これでも11歳差なんですよね。