Saratoga

Personal Ensign - Miss Shop

北米の牝馬限定10Fとしては前半がやや速いペースとなって、後半がバタバタ。Sugar Shake、Teammate、Indian Valeが前でやりあったため。こういう展開でしたので、最後方待機から追い込んだMiss Shopにとって願っても無いレースということにはなった。

Randwick開催中止

事態はオーストラリアに波及しました。
すでに、日本からシャトルされた種牡馬1頭からウマインフルエンザウイルスが検出され、同時期にオーストラリア入りし、検疫厩舎で接触した可能性のある種牡馬の検疫期間が延長され、Encosta de Lago、Rock of GibraltarDanehill Dancer、Choisir、Elusive Quality、Exceed and Excel、Holy Roman Emperorなどが足止めをくらって今年の種付けへの影響は避けられない状況でしたが、今度は競馬開催の中止です。
http://www.racingandsports.com.au/racing/rsNewsArt.asp?NID=110491
ウイルスが検出されたのはRandwick競馬場近くにあるCentennial Parkのポニー。Centennial Parkはシドニー市街から5km(ということはRandwickからもほぼ変わらない)、シドニー国際空港まで7kmという立地条件です。ちなみに空港と市街の距離が6kmほど、検疫厩舎のあるEastern Creekはシドニーの西40kmといったところ、ただ、Eastern CreekはRosehillに近いんですよね。
この事態を受けてRacing NSWは州内の競馬開催の中止と馬の移動を禁止しました。期間はこれからの状況次第となりそうです。
(ここからは予断なんで、内容の正否判断は各自でお願いします)
オーストラリアではこれまでウマインフルエンザウイルスが検出されていない事から、外部から(となればアウトブレイクしてしまった日本からの可能性を疑うのが最も妥当)持ち込まれたとは考えられます。

Mr McGauran said the infection was not harmful to humans but it could be spread through human to horse as well as horse to horse contact.
Racing and Sports: Racing in NSW called off due to virus

これによるとウマインフルエンザウイルスはヒトには感染しないとされているとはいえ、感染馬と接触した人によって広がってしまう可能性が否定できません。
インフルエンザウイルスは一本鎖RNAウイルスであり、RNAはDNAより不安定なため変異性が高く、一本鎖ウイルスは相補配列を持たないために変異がそのまま定着します。その一本鎖RNAウイルスの中でも特に変異しやすいのがインフルエンザウイルスです。だからこそ毎年流行を起こすわけだし、新型インフルエンザが問題になるのですが。救いはエンベローブを持つので消毒に弱い(通常の石鹸や消毒用エタノール程度で壊せる)というところですかね。
で、ウマインフルエンザウイルスもそれと変わらない特徴かとは思われ。暑さによる免疫力低下も大きいのだろうが、この流行はワクチンによって得ている抗体が十全に効力を発揮できない変異株の流行ではあるでしょう。そりゃトレセン内部で沈静化傾向にあるのかも知れんですけど、防疫面からすれば現状の管理体制で競馬など開催している場合かとは思います。
アウトブレイクしたという事実をもっと重大なものだと認識すべきでしょう。
(予断終わり)
さて、ウイルス検査について- Shining Blade -の浄閑さまが分かりやすい記事を書いて下さってますのでご一読を。
- Shining Blade -: ELISA法
コスモバルクが去年シンガポールで陽性反応を出されたときにもちょっと触れたことがありますが、この手の検査というのは通例二段構えです。最初はスクリーニングと言って、サンプルを大雑把に振るい落とす作業です。この際には迅速簡便な測定法をとるのが普通です。そして、ある程度陰性を陽性と誤爆偽陽性と言います)するのは仕方ありません。この逆に陽性を陰性として検査をパスさせる事はあってはならないので、そのためには偽陽性が出るくらいにシビアに検出する必要があるのです。そして一次で引っ掛かった検体に対しては精度の高い方法で二次検査を行って確定させます。全ての検体に対して精度の高い検出法を適用するのは、時間や人手の面で不可能だからです。学生の頃にウェスタンブロットやサザンブロットを何度かやりましたが、これら電気泳動の準備にはやや手間が掛かるのです。ルーティン化してしまえばって部分もあるにはありますが。だからこの方面に通じていれば、一時検査で引っ掛かったなら二次検査すれば良いとしか思わんのですが、知らない人は「陽性」という言葉で身構えてしまうってのがコスモバルクの一件。
そしてこの先が問題となります。浄閑さまも書かれていますが、全ての検査測定に対しては検出限界を念頭に置く必要があります。その設定は目的によって異なりますが、ヒト用のインフルエンザ検査キットの流用ならそんなに高くないのではないかなと(ヒトの場合どのレベルで検出する必要があるかという事と、ヒト用にチューニングされているそれをウマに適用することでの差がどうでるか)。
厳密な表現をするならば、「検査によってウイルス感染は確認されませんでした」ではなく、「検査によって検査手法の検出限界以上のウイルスは確認されませんでした」です。その検出限界がどうだという議論をすっ飛ばして検出されていないから大丈夫と言ってしまうのは危険です。どんな場合も。
以下追記。
書いている間に事態は更に拡大。
オーストラリア全土で開催中止になりました。
http://www.racingandsports.com.au/racing/rsNewsArt.asp?NID=110518
っとノーザンテリトリーは開催できてるらしいが…
http://www.racingandsports.com.au/racing/rsNewsArt.asp?NID=110535
NSWでは最短でも31日までのキャンセルが決定。競馬だけでなくウマを使った全てのイベントが対象。

Victoria州の対応

ウマインフルエンザの流行に対してRacing Victoriaからの調教師向けリリースが公開されています。
ThoroughbredNEWS: Urgent action required by all Victorian trainers
ちと内容を列挙。
1) 14日以内に他州から移動してきた馬の有無の調査: 該当馬がある場合にはその馬名と状況報告
これは翌日10時までに全調教師に回答を要請しているもの。
2) 州政府によって州内の馬の移動が完全に休止させられたこと
3) ひとまず28日まで3日間の競馬開催が中止されること
4) トレーニングセンター及びコース上での調教は中止されること
5) 全ての馬は厩舎及び現所在地から公道上に出してはいけないこと: 違反した場合は重い罰則(罰金だけでなく投獄の可能性もある)
6) 緊急に移動を要する時にはホットラインで許可を得るべきこと
以下はウマインフルエンザに対する注意喚起
体温チェックを行うこと、馬に触れた場合の洗浄消毒、発症馬の隔離、後の追跡調査を可能にするために馬の移動について記録すること、昆虫類やげっ歯類に対策をとること、ワクチン摂取に関すること、常に厩舎、設備、馬運車を洗浄消毒すること…
感染馬と接触した人間の皮膚や衣服、所持品等にウイルスが付着して感染源となりうること

クリームダウンさせてしまった…

久し振りにやってしまった。そもそも熱湯で抽出した紅茶を冷やすということが久し振りなんだが、Saint Jamesなんで少しくらい大丈夫だろうと思って油断。氷で一気に冷やして直ぐに飲めばよいものを、余ったからと冷蔵庫に入れたらダメですな。今更こんな初歩的なミスをと思う。まあ、アッサムとかだったら絶対そんなことしませんが。それにクリームダウンしても飲めなくなるわけじゃないしなと。