France Galopの出馬表に加えてERA、QREC、JCSAで情報を拾ってみた。ポーランドは無理かと思ったが、Polish Racehorses Databaseというサイトがあり事なきを得た。一方オランダとベルギーは無理であった。Dutch Arabian Racing CommitteeやBelgian Arabian Horse Registryというものがあるらしいがよくわからない。
毎年アラブ馬のレースはわからないといってきたが、今年は注目の4歳馬が現れた。Al Ghadeerはまだまだ粗削りなレースぶりであるものの、圧倒的な能力を示しており、このレースでも間違いなく中心の存在である。レースでは行きたがる素振りを見せるところをSoumillonが必死に抑えることになるだろう。
Rajeh: Jaafer - Nelka by Tidjani
フランス産の9歳馬。
フランスでデビューし、かつてはArabian Trophy Des PoulainsやDoha CupといったG1を勝っている。4歳の末にカタールにわたって、その後はほぼDohaでの出走だったが、2021年からDubaiでの出走になっている。去年はMaktoum Challenge Round2を勝っており、Kahayla Classicは8着だった。今年はRound2を2着するとObaiya Classicで10着、Kahayla Classicで7着といった結果。前走はLongchampの同条件Qatar Cupで4着。
Hadi De Carrere: Nieshan - Viki De Carrere by Dormane
フランス産の6歳馬。
主にフランスで走ってG1を2勝している。中東遠征の経験もあり、去年はG2だったObaiya Classicの勝ち馬である。前走はDeauvilleのG1 Doha Cupで3着。
Moshrif: Dahess - Tashreefat by Bengali D'Albret
フランス産の5歳馬。
フランスでG1を2勝。またDohaのG2 Qatar International Derbyも勝っている。
Ch'Ezza: Af Albahar - Cherazade by Dormane
フランス産の5歳馬。
去年のデビューからフランスで6戦4勝。G1 The President of The UAE Cupを勝ち、French Arabian Breeders' Challenge ClassicとDoha Cupで2着。
First Class: Dahess - Toppoftheclass by Genuine Monarch
アメリカ産の6歳馬。
アメリカでデビューし、Lone Star Parkの重賞を勝っている。その後カタールに拠点を移しG2のQatar International Derbyを勝った。去年のKahayla Classicの勝ち馬で、その後欧州で出走し、Qatar Cupで2着からArabian World Cupを5着、Abu DhabiのG1 Jewel Crownを勝って一年を終えた。今年はDohaのThe Amir Swordで4着からKahayla Classicに向かって3着だった。前走はGoodwoodのG1 Qatar International Sを2着。
Kahayla Classicを勝っているが、基本的には芝のレースに出走しており、実績豊富である。Al Ghadeerの対抗一番手にあるが、前走では3馬身1/4差を付けられてしまった。
Messi: Dahess - Janne D'Arc by Dormane
ベルギー産の11歳馬。
ベルギーやオランダでの出走が中心となっているが、フランス等への遠征もこなす。2020年にはAbu DhabiでG1 Jewel Crownを勝った。この年は充実期でありLongchampでもQatar CupとArabian World Cupでともに2着の実績も残している。その後は目立った実績はなく、前走はオランダDuindigt競馬場のG3に出走して勝利。
Al Ghadeer: Al Mourtajez - Gharraa by Matador
フランス産の4歳馬。Soumillon曰くアラブのFrankel。
これまで7戦6勝。デビュー戦を2着に負けたあとは6連勝中でG1を4勝。3歳のAl Rayyan Cup、Arabian Trophy Des Poulains、4歳のQatar Derby Des Pur-Sang Arabes De 4 Ans、Qatar International Sを勝っている。前走はGoodwoodのQatar International SでFirst Classを相手にしなかった。
主戦を務めるC. SoumillonはAl Ghadeerをまるでサラブレッドのように走ると評しながらも、入りのペースが速すぎるのでレースを教えなければいけないと語っている。実際に今年出走したBordeauxのG3ではSoumillonが乗れなかったこともあってか、前半から掛かっているのを抑えきれずそのまま持っていかれるような形でスパートに入って圧勝しており能力は相当なものだと思われる。
父Al Mourtajezは2015年と2016年にArabian World Cupを連覇し、G1を8勝した名馬であり、Al Ghadeerはその初年度産駒にあたる。Al Mouratajezの父Dahessは大種牡馬Amerの代表産駒の一角でG1を4勝し、自身も種牡馬として成功している。いずれもフランスのHaras De Thouarsに繋養されている。
Ocean Al Maury: Al Mouratajez - Obe De Ghazal by Didjani
フランス産の4歳馬。
Al Ghadeerと同様Al Mouratajezの初年度産駒である。ほぼポーランドで出走している。ポーランドでの戦績は7戦5勝。前走はワルシャワの芝2600m G3 Nagroda Europy、前々走が同じくワルシャワで芝2400mをいずれも勝利している。フランスには去年にSaint-CloudのG1 Arabian Trophy Des Poulainsに出走して8着。
Mezown: Al Mamun Monlau - Muzoon by Amer
フランス産の4歳牝馬。
G3勝ちまででこれといった強調材料はない。Al Shaqab陣営なのでAl Ghadeerのサポートといった役どころか。
Al Doha: Al Mourtajez - Topaze Du Croate by Dormane
フランス産の4歳牝馬。
前走でDoncasterのG1 UK Arabian Derbyを勝った。単勝オッズが2倍に支持されていたが、2着のGhadahとはクビ差だった。