取り敢えず公開されている情報を虚心に見るべきではないか

id:arikuiさんとこ経由でみた。
まあ仕方ないことなのかもしれない
ここから、"なにわっち's Weblog - クスリ漬けでもお咎めなしの中央競馬について"。あまりにも品が無いのでリンクは張らない。
トータルインパクトとしては妄想乙としか言う他の無いレベルではあるな。とはいえ奇貨として化学方面にだけ噛み付いておく。
疑義1についてはあの発表のどこを斜めに読めば陣営からのリクエストとなるのか。まさに頭の中がお花畑であると言えよう。フランス人獣医は症状からして一般的に使われる薬を処方しているに過ぎない。
疑義2については、ではなぜ薬物が気化すると言えるのか。使用されたと考えられるイプラトロピウムエアロゾル製剤です。イプラトロピウムを適当な溶媒に溶かしたもの(つっても臭化物なんだから、ほぼ水系に溶かしてると考えて良し)を使うわけだし、吸引器ってのは原理的にスプレーで噴霧するのと同じ。気体中に液体を(微細な水滴として)分散させた系がエアロゾルなんです。簡単に言えば霧がエアロゾル。当然、気化なんてしないよ。そしてその製剤が零れたとして、蒸散するのはその溶媒だけで、イプラトロピウム自体に揮発性は無い。当然乾いたら塩が析出して残る。あと、分析に掛かる部分ですが、検出限界は極微量、ppmオーダーでも濃いかと思われ。というかそのレベルで検出できなければ薬物検査の実効性が無い。分析化学舐めんな。