Takeover Targetのキセキ

先週、西オーストラリアでのScahill Sを勝ったTakeover Targetについて、Janiak師は休養すると言っていたんですが、いつの間にやらニュージーランドに渡るための検疫に入っていました。Telegraph Hへの出走を考えているようです。その後はRandwickのT.J. Smithには戻ってきて、シンガポール、イギリス遠征が計画されているとのこと。この馬の存在がもう奇跡と思うようになってきましたので、ここまでの軌跡を振り返ってみようかと思います。Takeover Targetの勝ち鞍としてスプリンターズSが入っているのはなんと名誉な事だろうか。
よく知られているようにTakeover Targetは3歳当時にMix Saleで1250豪ドルという価格でタクシーの運転手をしながら馬の調教を手がけるJoseph Janiakによって落札されています。その時点ではレースへの出走経験が無くバリアトライアルに2度姿を見せただけであり、見限られた馬でした。JaniakはCountryレベルの競走に馬を走らせる調教師であり、Metroでは芽のない馬でもそのレベルならといったところだったのでしょう。ただ、Takeover Targetは脚にも不安があり、Janiakの元でバリアトライアルに登場するのは4歳の秋になってからでした。
バリアトライアルをクリアしたTakeover TargetはJay Fordの手綱でデビューします。デビュー戦を7馬身差で圧勝すると、このシーズンはCountryクラスだけの出走に止まりますが、他馬を寄せ付けず6戦全勝で4歳のキャリアを終えました。一度リステッドでMustardに0.8馬身差と追い詰められたことがありますが、MustardはRandwickやRosehillといったMetroのリステッドでも勝ち負けしてくる馬であり、Janiakは自信を持ったのではないでしょうか。Takeover Targetを明けて5歳の初戦でいきなりGI Salinger Sに挑戦させます。この期待に応えて1馬身半差で重賞どころかMetro開催初勝利をGIで挙げるという結果を見せました。Janiak師にとっても同じくMetroでの初めての勝利でした。しかしTakeover Targetの5歳のシーズンは順調ではありませんでした。Salinger S後半年の休養を取り、シーズン終盤のDoombenに姿を見せましたが勝てず、5歳ではSalinger Sの1勝に終わりました。Stradbroke Hでは自身のワーストで、唯一の二桁着順である10着を経験しています。確認不足でした。訂正します。Takeover Targetは4歳でもMetroの条件戦で2勝しています。
6歳になっても連覇を狙ったSalinger Sを4着に終わるなど調子が戻り切りませんでしたが、夏のDoomben開催でようやく不振を脱したTakeover TargetはGlobal Sprint Challengeの第一戦に指定されていたLighting Sを32秒台の上がりを繰り出して勝って注目される存在となります。Oakleigh Plateこそ3着に終わりましたが、Newmarket Hも勝っていよいよGSCのタイトルを目指し海外遠征に踏み切ります。そしてRoyal Ascotの開催で当時GIIのKing's Stand SでBenbaunを下してイギリスでの重賞勝利となりますが、Golden JubileeではLes Arcsに敗れて3着。続いて出走したJuly CでもLes Arcsの前に7着と敗北しました。続いて日本に遠征し、前哨戦となるCentaur Sはシーイズトウショウに敗れて2着でしたが、本番のSprinters SではTakeover TargetSilent Witness、Les Arcsという夢のようなマッチアップが実現し、序盤からのSilent Witnessとの競り合いを力でねじ伏せて日本でもGI勝利を手にしました。この後GSCのボーナス獲得を目指したHong Kong Sprintへ出走のために香港に渡り、事前の調教で恐ろしいまでの時計を叩きだしましたが、レース前の検査で薬物規定に抵触して出走除外となり、無念の帰国となりました。結果的にSprinters S以来半年の間隔を空けてRoyal RandwickのAll Agedで復帰しますが、ここと次のDoombenでのBTC CupはともにBentley Biscuitに敗北。Doomben 10000で飛ぶ鳥を落とす勢いのGold Editionを屠って自国で健在をアピールすることになりました。
この後再びRoyal Ascotに遠征し、King's Stand、Golden Jubileeに出走しますが、4着、2着と勝ちきれません。そのままオーストラリアに戻って、復帰は12月。この頃になるとかつてのような強さを失ったようにも思われ、Janiak師のコメントからもキャリアエンドを意識したものが目立つようになりました。しかしRandwickのノングレードを連勝するとGIIのVillier Sでも1位入線となりますが、妨害を取られて2着降着となりました。さらにT.J. Smithではスプリント最強の座を固めていたApache Catの前に3着に終わりました。
ここでTakeover Targetシンガポールに向かいKris Flyer Sprintでコースレコードを記録する勝利を挙げ、更に3年連続でRoyal Ascotに遠征しました。ここでは前年と同じく2戦をこなし、また勝てないながらも2着、4着と結果をだします。
今年も遠征後の休養は長く、もうそろそろ引退かと思われましたが、西オーストラリアのAscotに現れ、Winterbottom SでApache Catのチャレンジを退けて短頭差の勝利。更にScahill Sにもエントリーすると、他馬は恐れを成して回避するという有様で5頭立てになったレースを快勝。
そして伝説は現在に続く…
通算37戦19勝。ほとんどのレースで5着以内を確保している。10着が1回と7着が2回あるだけで、そのどのレースも大きく離されたわけではない。これまでにつけられた最大の着差は2005年のSalinger SでGlomour Passにやられた4馬身半差。他にBentley BiscuitやKingsgate Nativeに4馬身1/4というのをやられている。Racing Post Ratingでは中山のSprinters Sに最高の125がつけられているし、実際あの頃が最盛期だったのだろう。最新のGI勝利はGold Editionを下したDoomben 10000で、その後は勝っていない。ただし、その後も勝負に絡んでいる。昨年のGolden JubileeではSoldier's Taleにアタマ差という惜しいレースがあるし、今年のKing's StandでもEquianoに半馬身差なら文句のつけられないレベル。
若い時期に無理をしなかったのがここまで現役でいられる理由の一つかなとは思うのですが、素晴らしいね。意外にもニュージーランドへの遠征は今回が初めてで、プレエントリーとしてTelegragh Hだけが今のところ出ている。Waikato Draught Sprintまでわざわざ走る必要は無いかな。

Manawatu RC Awapuni

Higgins Challenge - Il Quello Veloce

3歳以上WFAGIII 1400m。
Awapuniの1400mとなるとIl Quello VeloceにとってはManawatu Sires Produceを勝った舞台であり、今シーズンも1戦して快勝しているわけで、得意なコースと考えても良いのでしょう。それとこの時期の古馬相手の定量戦ということで52kの斤量も含めて勝ち目ありと見た陣営の判断は正しかった。この娘っ子は謎に2000 Guineasに登場したりと陣営の選択に疑問を持つ部分はあるんですけど、そのときもゴール直前にTell a Taleに差されたとはいえアタマ差2着だし、それに応えるレースはしているんですよね。今後もOaks Derbyにダブル登録しているし、どういう選択をしてくるのか興味は尽きない。ただ、距離を延ばすチャレンジはしていないのですし、RailwayとかTelegraph Hにも登録があるので短距離に居着いてしまうかなとも。それならThorndon Mileに出走して欲しいところですがどうなるやら。

Manawatu Cup - Jonbalena

3歳以上GIII 2300mハンデ戦
出走馬に重賞馬がいないという状況でもあり、Awapuniの2100mを勝っているJonbalenaがトップハンデ。人気はManawatu Cup Trialで3着のMegapinsや勝ったMac O'Reillyに行っていましたが、実績で黙らせたというところ。

AJC Randwick

Villier - Something Anything

GII 1600m。
問題のChris Munceが勝ちました。この件は変な前例つくんなよRacing NSWくらいの立場なんで、褒められん。Racing and Sportsでは

nightmares turned to fairytales

Free Horse Racing Tips , News & Updates| Racing And Sports Australia

とか書いちゃってるけどそういうこと言ってる場合じゃないでしょ。