Breeders' Cup Turf: G1 Del Mar Turf 12F

前走が一番良かったのはEmily Upjohnなのではないかという気にさえなってくるBC Turf。とはいえ2年前と同様Preis Von Europaから参戦してくるRebel's Romanceの安定感は素晴らしい。ここに北米の12FG1を連勝したFar Bridgeと去年の3着馬Shahryarも含めて12Fを得意とする馬同士がしっかり勝負をするレースとなった。

Rousham Park: Harbinger - Reinette Groove by King Kamehameha

日本産馬、Hiroyasu Tanaka厩舎、Christophe Lemaire騎乗。

G1大阪杯の2着馬で前走はG2毎日王冠を10着。

Emily Upjohn: Sea The Stars - Hidden Brief by Barathea

イギリス産馬、John Gosden厩舎、Lanfranco Dettori騎乗。

去年のG1 Coronation Cupを勝って以来勝ち星から遠ざかってはいるもののハイレベル。去年こそ予定していたレースを使えないケースがあったが、今年は牝馬限定戦を中心としているとはいえ安定している。前走はG1 Prix Vermeilleで3着だが、勝ったBluestockingと2着のAventureがそのまま凱旋門賞で1着と2着になり、6着のSparkling PlentyもG1 Prix De L'Operaで3着、7着のSurvieが凱旋門賞7着でBluestockingとの着差はVermeiileと大きく変わらないという非常にレベルの高いレースだった。

12Fが得意であることを考えると今年はG1 Yorkshire OaksとPrix Vermeilleで3着と十分な結果を残しているといえる。

Shahryar: Deep Impact - Dubai Majesty by Essence Of Dubai

日本産馬、Hideaki Fujiwara厩舎、Cristian Demuro騎乗。

6歳になったダービー馬。去年の本レースで3着だが、今年はG1 Dubai Sheema Classicが2着のあとG2札幌記念に出走して5着だけである。能力は高いが何か勝ちきれない。12Fは最も成績が良い距離でありCristian Demuroを確保して準備は万全で、あとはほんの少し良い巡り合わせが欲しいというところ。

Luxembourg: Camelot - Attire by Danehill Dancer

アイルランド産馬、Aidan P. O'Brien厩舎、Ryan Moore騎乗。

5歳となった今年は不本意なシーズンで、RiyadhではG2 Neom Turf Cupでまさかの4着に終わると、Meydanに転戦したG1 Dubai Turf Classicは14着に大敗。欧州に戻ってすぐにG1 Coronation Cupを勝ったが、これが今年唯一の勝利となっており、以後はG1 King GeorgeとG1 Irish Champion Sをともに6着。

それでもこのメンバーならO'Brien厩舎の一番手でRyan Mooreが騎乗するが、期待は薄くなっている。

Jayarebe: Zoffany - Alakhana by Dalakhani

フランス産馬、Brian Meehan厩舎、Sean Levey騎乗。

イギリス調教だがフランスでG2 Prix Dollarを勝った3歳馬。その前にG2 Guilleume D'OrnanoでEconomicsの2着になったこともあって評価を高めている。

Far Bridge: English Channel - Fit Pitcher by Kitten's Joy

アメリカ産馬、Christophe Clement厩舎、Joel Rosario騎乗。

Sword Dancer S、Joe Hirsch Turf Classicとニューヨークの芝G1を連勝してきた4歳馬。去年はG1 Belmont Derbyも勝っていてニューヨークの芝は得意としている。一方でChurchill DownsのG1 Turf Classicは5着で、MonmouthのG2 United Nationsが9着とダメな時はダメである。

English ChannelにKitten's Joyとアメリカの芝向き種牡馬が並び、その奥ではA.P. IndyStorm CatPleasant Colonyが強固な土台となる血統。12Fを走るスタミナに不安はない。

Grand Sonata: Medaglia D'Oro - A. P. Sonata by A.P. Indy

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

Kentucky DownsのG2 Kentucky Turf Cupを勝って参戦する。Sword Dancer SではFar Bridgeの5着で、United Nations Sは2着と、アメリカ芝路線の脇役というところ。

Cabo Spirit: Pioneerof The Nile - Fancy Day by Shamardal

アメリカ産馬、George Papaprodromou厩舎、Abel Cedillo騎乗。

西海岸のプレップであるG2 Turf Championshipの勝ち馬。実績はそれくらいである。

El Encinal: Il Campione - Asediada Emper by Emperor Jones

アルゼンチン産馬、Francisco Garcia厩舎、Armando Ayuso騎乗。

去年アルゼンチンのSan IsidroでG1 Carlos Pellegriniを勝ちBC Turfの出走権を手に入れた。今年アメリカに渡って来たが、前走のG2 Turf Championshipは11着と厳しい結果に終わった。

Wingspan: Dubawi - Hydrangea by Galileo

アイルランド産馬、Aidan P. O'Brien厩舎、Wayne Lordan騎乗。

3歳馬。前走はG1 British Champions Fillies And Maresを2着。前走から中1週でかなり詰まったローテーションとなるがどうか。

Rebel's Romance: Dubawi - Minidress by Street Cry

アイルランド産馬、Charles Appleby厩舎、William Buick騎乗。

去年はG1 Joe Hirsch Turf Classicで4着になるとBCには出走すらしなかったが、今年は充実した結果を残している。2月にはDohaのG3 Amir Trophyでゼッフィーロを下して勝ち、Meydanに転戦するとG1 Sheema Classicでシャフリヤールを下して勝利。香港に出向いて2400mのG1 Champions And Chater Cupを楽勝した。これで遠征を終わると欧州ではG1 King Georgeに出走して3着、前走はドイツに向かってKolnのPreis Von Europaを勝った。

騙馬で凱旋門賞への出走資格がないためかレース選択に癖が強く、Sheema ClassicとKing Georgeくらいしかトップ層とのレースをしていないが、一昨年もドイツでG1を連勝してBC Turfに出走してこれを制したのでこういうタイプなのだろう。

Gold Phoenix: Belardo - Magnifica by Mizzen Mast

アイルランド産馬、Philip D'Amato厩舎、Kyle Frey騎乗。

西海岸からのチャレンジャーでG2 Charles WhittinghamとG2 Del Mar Hの勝ち馬。芝11FのDel Mar Hは4歳での重賞初勝利から三連覇しており、距離には自信を持っている方なのだが、G1勝ちはマイルのFrank E. Kilroe Mileである。去年のBC Turfは4着だった。

9-e族でCigar MaidからChain Storeに流れるCity Of Troyの同族。近親には北米芝のG1馬で、ブラジルで種牡馬となったBoatmanが出ている。こういう芝の活躍馬を出す牝系である。

There Goes Harvard: Will Take Charge - Soul Crusader by Fusaichi Pegasus

アメリカ産馬、Michael W. McCarthy厩舎、John Velazquez騎乗。

2022年のG1 Hollywood Gold Cupを勝っていて、去年のG1 Santa Anita Hで5着のあと長期休養し、復帰したら芝戦を走るようになっていた。その芝での成績は前走となるG2 Turf Championshipで2着がやっと。なお、その前はDel MarのダートでG1 Pacific Classicに出走して5着であった。