Lane's End Stallion Roaster 2016

継続していないと価値を失いますので、遅くなりましたがご確認いただけると幸いです。
ということで、毎年作っているLane's End Farmの種牡馬一覧です。まずリストから行きます。

StallionSire2016 Fee2015 Fee2014 Fee
DamChangesMares BredFoal/Bred
Candy RideRide The Rails600006000035000
Candy GirlStay154112/136
City ZipCarson City400004000025000
Baby ZipStay10682/91
CurlinSmart StrikeTo Hill'n'Dale Farm3500025000
Sherriff's Deputy100000162112/121
Discreetly MineMineshaft50001000010000
Pretty Discreet-50%4860/65
Honor CodeA.P. Indy40000------
Serena's CatNew------
LangfuhrDanzig500075007500
Sweet Briar Too-33.3%3241/46
Lemon Drop KidKingmambo400004000035000
Charming LassieStay13792/113
Liam's MapUnbridled's Song25000------
Miss Macy SueNew------
MineshaftA.P. Indy250002500030000
Prospectors DelightStay13792/113
Morning LineTiznow100001000010000
Indian SnowStay8872/83
Mr. SpeakerPulpit10000------
SaluteNew------
Noble MissionGalileo2500025000---
KindStay146---
Quality RoadElusive Quality350003500025000
KoblaStay15278/87
Smart StrikeMr. ProspectorDied100000100000
Classy'n Smart---566/70
Stephen Got EvenA.P. IndyPensioned50005000
Immerse---1629/30
The FactorWar Front250001500015000
Greyciousness66.7%151115/122
TonalistTapit30000------
Settling MistNew------
Twirling CandyCandy Ride150001000010000
House Of Danzig50%15465/75
Union RagsDixie Union350003500035000
TempoStay145116/126
今年のロースターは入れ替わりが多くありました。もっとも大きなトピックは昨年3月にSmart Strikeが死亡したことですが、それ以外にもCurlinがHill'n'Dale Farmに移動しましたし、Stephen Got Evenが種牡馬を引退しています。
これに対して新規の種牡馬はHonor Code、Liam's Map、Mr. Speaker、Tonalistの4頭です。Lane's Endの種牡馬頭数は昨年結構減らしているので、これでもまだまだといったところはあるのではないでしょうか。

Candy Ride

2015年の産駒G1勝ちはShared BeliefのSanta Anita Hのみでした。Shared Beliefはその後順調を欠き、復帰を目指して調教中の12月に急死しています。
リーディングでは5位となっており、3位のKitten's Joyまでは僅差でした。Shared Beliefが健在なら3位を獲得していたのではないかと思います。ただ、G1を勝てる馬が他に出てこなかったことはリーディングで上位につける種牡馬としてはやや不満であって、種付け料が60000ドルで据え置かれたのはそのあたりが原因でしょうか。

City Zip

2015年のリーディングは11位。G1馬は1頭しか出ていませんが、そのCatch A GlimpseでBC Juvenile Fillies Turfを勝っております。去年一気に種付け料を増額していますが、RMBで100頭を超えて水準を維持していました。
今年は据え置きで40000ドル。

Discreetly Mine

種付け料は2015年から半減して5000ドルになりました。産駒がデビューしてからの2年で重賞勝ちはありません。種付け頭数も減少の一途で状況は厳しいですね。

Honor Code

今年から新規種牡馬入りで40000ドルの種付け料を提示しています。現役時代は4歳でWhitney SとMetropolitan Hを勝ってG1を2勝し、その他にBC Classicで3着に入って2015年のEclipse AwardをOlder Maleの部門で受賞しています。
とはいえ、Honor Codeの価値はおそらく最後のA.P. Indy直仔の大物種牡馬という点にあり、その上母がSerena's Catというボーナス付き、つまりSerena's SongにMr. ProspectorStorm CatA.P. Indyと重ねる血統にあります。
牝系の継代が速いにもかかわらず使っている種牡馬が古く、全体として古い血統と言えそうです。血統背景から強気の種付け料設定と思いますが、どれくらい繁殖を集められるか興味深いです。

Langfuhr

種付け料は下げて5000ドル。去年はステークス馬が出るだけで、重賞を勝つ産駒は出ていません。

Lemon Drop Kid

種付け料は変更なしで40000ドル。2015年のリーディングは22位と結構落ちています。Canadian Internationalを勝ったCannock Chaseとかの寄与もあって芝リーディングでは9位でした。Cannock Chaseは本格的に米芝で走った方が幸せになれるようには思います。

Liam's Map

今年からの新種牡馬で種付け料は25000ドル。去年のWoodward SとBC Dirt Mileを勝っており、Woodward Sを圧勝し、BC Dirt Mileをトラックレコードで駆け抜けた快速馬です。

Mineshaft

現状維持の25000ドル。種付け頭数が少しずつ減っているのが気になるところです。
ここ数年の結果が酷かったのですが、減った産駒頭数も底を打って戻ってくる時期となり、2015年はリーディング27位まで復活してきました。EffinexがG1を勝ってまずまずといった感。

Morning Line

種付け料は変わらず10000ドル。2015年が初年度産駒の出生年なので産駒デビューは来年です。

Mr. Speaker

種牡馬で種付け料は10000ドルです。Belmont Derbyを勝ったPulpit産駒。母はSaluteで、祖母がPersonal Ensignです。Pulpitに母父Unbridledという組み合わせがTapitと一致しており、そういった種牡馬の需要も見込んでということになるでしょう。

Noble Mission

25000ドルで据え置きです。初年度は146頭の種付けをこなしており、欧州の芝実績しかない種牡馬としては十分な数字でしょう。
同じく去年から種牡馬入りしているMagicianもAshfordで130頭をこなしており、Galileoの血の導入が現在の北米では一つのテーマとなっていると感じられます。Cape Blancoは2015年に初年度産駒のデビューを迎え、ファーストクロップリーディングで14位。頭数の多さからすると勝ち上がり頭数が少なくやや物足りなく映ります。

Quality Road

現状維持の35000ドルです。去年の種付け頭数は152頭と大きく伸ばしました。Hootenannyはイギリスにもどってシーズン初戦こそクリアしますが、Royal Ascotの開催で大負けしてから音沙汰がなくなりました。結果的に北米でも活躍馬に恵まれたとは言えず、セカンドクロップリーディングは5位に後退しています。

The Factor

産駒デビュー前ですが種付け料25000ドルと10000ドル増額されました。2015年の種付け頭数は151頭と好調です。産駒はセールで好調に売れているようですから、期待が高いのでしょう。今年が初年度産駒のデビューとなります。

Tonalist

種付け料30000ドルで種牡馬入り。Belmont S、Jockey Club Gold Cup連覇、Cigar Mile HとG1を4勝しています。
父はTapit、母はSetting Mistという血統で、ボトムラインにはMissy Babaの名前が出てきます。現役時の獲得賞金は300万ドルを超えており、これは北米で牡馬のTapit産駒が稼いだ賞金額としてはトップです。この上には牝馬のUntapableと日本で走ったテスタマッタといったところ。今年Frostedが稼げばひっくりかえされるかなというレベルです。
Tapitの後継は一足早く種牡馬入りしたTapizarこそいましたが、今年から本格的な競争になりそうでTonalistは同期のConstitutionやTapitureと種牡馬としても同じスタートで競うことになりそうです。

Twirling Candy

種付け料は5000ドル増額の15000ドルで種牡馬入り当初の水準に戻してきました。2015年が産駒デビュー年で、去年はUncle Moが別格ですが、ファーストクロップリーディング2位と好調なスタートを切っています。Twirling Candyは勝ち上がり率が高く、今年になってステークス勝ちも出てきました。

Union Rags

種付け料は変更なしの35000ドル。今年産駒がデビューします。種牡馬入りからここまで種付け料を維持しつつ繁殖も減っていないというだけで十分ではないかと思います。

雑感

ということで、Lane's End Farmは去年のWhitney Sの1着から3着までを新種牡馬として揃えることになりました。ま、それは偶然でしょうが、4頭の新種牡馬の父にA.P. IndyPulpitTapitと出てくるあたりがさすがというかなんというか。どの種牡馬もG1を勝っていて申し分はないのですが、それぞれの牝系をたどるとSerena's Song、Personal Ensign、Missy Babaであるあたり良血志向が強そうです。
そしてもう一頭はUnbridled's Song産駒のLiam's Mapですが、こちらもボトムラインには面白そうな構成がなされていますが、血統オタクのお話の種以上のものではないかな的な。
去年はSmart Strikeが亡くなり、Curlinが移動しましたし、その前年はEnglish Channelが移動していたため、Lane's EndからSmart Strikeの直系がいなくなってしまいました。
Curlinは今年10万ドルの種付け料を提示しています。2015年はリーディング6位でKeen IceやStellar WindがG1を勝って申し分ないですね。その上で、Smart Strikeが亡くなったのでいよいよといったところでしょう。
一方のEnglish ChannelもThe Pizza ManやInterpolが芝G1を勝っており、予想通りの産駒傾向を見せています。2015年にステークスウィナーは8頭出ていますが全て芝のステークス勝ちで、芝賞金比率は78%となる芝リーディング7位でした。今の北米芝はKitten's Joyの存在がとにかく重いので伸び悩んでいるようにも。Medaglia D'Oroが芝リーディング2位とか大変謎ですが。