Dubai World Cup: G1 Meydan Dirt 2000m

去年のBC Classicは3歳馬が上位を占めた。1着のSierra Leoneは3月になって実戦に復帰したが、G2 New Orleans Classicで3着となっている。2着のFiercenessは手術を要するレベルの怪我で復帰は後半となる見込みとなり、いずれもドバイには遠征していない。一方3着だったForever Youngは年末に早くもG1 東京大賞典に出走しており、さらに2月にはG1 Saudi Cupで出色のパフォーマンスを披露し、ドバイに転戦してきた。アメリカから帰国して年末には出走し、さらに遠征に向かっているForever Youngがちょっとおかしい。また、その他の3歳上位ではMuthとDornoch、Seize The Greyは引退して種牡馬入りしており、LockedやMindframeに遠征プランがあったものの実行されなかった。明け4歳以外では古馬路線を背負うほどの馬が現れなかったのが去年の北米路線であり、上位のWhite AbarrioはG1 Pegasus World Cupを勝ったものの、中東遠征に踏み切ることはなかった。結局、Saudi Cupから転戦のRattle N Rollと新たにMixtoやHit Showなどが加わることとなるが、いずれも重賞を勝つのがやっとで何とかMixtoがG1 Pacific Classicを勝った程度である。

日本のダート路線から見れば2月と3月にサウジアラビアとドバイに遠征することが定着しており、今年もSaudi Cupからの転戦組が中心となる。ただ、日本のトップクラスのダート馬は東京大賞典かSaudi CupでForever Youngと勝負付けが終わっているとも言える。

北米の上位馬が参戦しない年の出走メンバーが見劣りすること自体は仕方がない。その場合は地元のドバイ勢が主役を張ることが多いのだが、去年の勝者Laurel Riverはずっと出走できず、今年1月のG3 Firebreak Sでようやく復帰したものの、格下相手に取りこぼしともいえる2着に終わっている。結果として来年に照準を定めて回避が発表されたが、騙馬とはいえ7歳馬が1年先のことを言うのは鬼に笑われても仕方のないことであろう。こうした状況の中、地元の路線ではG1 Al Maktoum Challengeの勝ち馬Walk Of Stars、G2 Al Maktoum Classicの勝ち馬Imperial  Emperorが出走する。Imperial EmperorはAl Maktoum ChallengeではWalk Of Starsに敗れたが、その後Al Maktoum Classicを圧勝しており、Riyadhで為すすべがなかったWalk Of Starsより期待を持てるのではないだろうか。Tadhg O'SheaがImperial Emperorを選択したことも上積み材料である。

こういう状況で人気はForever Youngに集中している。去年はKentucky DerbyとBreeders' Cup Classicをどちらも見どころのあるレース内容で3着なら北米でも上位とみなしてよいのだろうし、中東でもSaudi Derby、UAE Derbyの勝ち馬にして前走Saudi Cupのレースぶりもあってそちら側からも代表とみなされる程のキャリアを積んでいる。となると日本のみならずサウジアラビアUAEに加えて北米からも期待を一身に集めるようなとんでもない状況といえる。

Forever Young: Real Steel - Forever Darling by Congrats

日本の4歳馬フォーエバーヤング。矢作厩舎。坂井瑠星騎乗。

前走のG1 Saudi Cupでは3着のUshba Tesoro以下を大きく離し、Romantic Warriorを差し返しての勝利。同レース出走馬では相手にならず、現地勢も今一つで、北米からの遠征馬もトップクラス不在となれば一体誰が止められるのかという状況にある。

Hit Show: Candy Ride - Actress by Tapit

アメリカの5歳馬。B. Cox厩舎。Florent Geroux騎乗。

G1 Kentucky Derbyで5着、G1 Belmont Sで4着の実績があり、去年の後半に重賞を3連勝している。今年はG3 Luisiana Sを勝ってG1 Santa Anita Hを3着から遠征してきた。去年のG2 Lukas ClassicではRattle N Rollを下している。

Il Miracolo: Gun Runner - Tapit's World by Tapit

アメリカの5歳馬。A. Sano厩舎。John Velazquez騎乗。

去年G3 Ghostzapper Sを勝っているが、G1となると厳しい。G1 Pacific Classicで8着以来の出走となる。

Imperial Emperor: Dubawi - Zhukova by Fastnet Rock

Godolphinオーナーブリード5歳馬。B. Seemar厩舎。Tadhg O'Shea騎乗。

イギリスのCharlie Appleby厩舎に所属してデビューしたが、去年からドバイに移っており、今シーズンになってBhupat Seemar厩舎に移籍した。G1 Al Maktoum Challengeでは2着だったが、前哨戦のG2 Al Maktoum Classicを8馬身差で勝ってきた地元のエース。Al Maktoum Challengeで負けたのは主戦のTadhg O'SheaがWalk Of Starsを選んだという事情もありそうで、今回はTadhg O'Sheaが騎乗するので期待が持てる。

Katonah: Klimt - Ctimene by Consolidator

アメリカの6歳馬。D. O'Neill厩舎。Silvestre De Sousa騎乗。

西海岸で去年から重賞に出走している。G2 San Pasqual Sの勝ち馬。

Mixto: Good Magic - Musical Mystery by Concerto

アメリカの5歳馬。D. O'Neill厩舎。Lanfranco Dettori騎乗。

西海岸路線の馬でG1 Pacific Classicの勝ち馬。G1 BC Classicは11着と大負けしている。今年はG1 Pegasus World Cupに出走して4着。

Ramjet: Majestic Warrior - Nefertiti by Gold Allure

日本の4歳馬ラムジェット。佐々木厩舎。三浦皇成騎乗。

大井の東京ダービーを勝っていて本来なら同世代のダート覇者になれる立場だったが、Forever Youngというモンスターを相手にしなければならなくなってしまった。ジャパンダートクラシック、G1 東京大賞典、G1 Saudi Cupと直近の3走は全てForever Youngが出走しており歯が立たない。

Rattle N Roll: Connect - Jazz Tune by Johannesburg

北米の6歳馬。K. McPeek厩舎。William Buick騎乗。

2歳でG1 Breeders' Futurityを勝ち、その後は重賞クラスで堅実な成績を残している。去年はデビュー以来初めてとなる長期休養を余儀なくされたが、復帰後にG2 Clark Sを勝って健在を示した。今年は早めにサウジアラビアに遠征しており、G3 Custodian Of The Two Holy Mosquesで格の違いを見せて勝利した。本戦となるG1 Saudi Cupでは後方から直線で追い上げて5着。ちょっとForever Youngが強すぎてどうにもならないが、それ以外なら展開が向けば上位を窺うことはできるだろう。その場合、同じタイプのUshba Tesoroが強敵となる。

Ushba Tesoro: Orfevre - Millefeui Attach by King Kamehameha

日本の8歳馬ウシュバテソーロ。高木厩舎。菅原明良騎乗。

一昨年の本レース勝ち馬で、去年はG1 Saudi Cup、G1 Dubai World Cupをともに2着。さすがに8歳で衰えがあるかと思われた今年も前走のSaudi Cupで追い込んできて3着を確保している。中東遠征で良績を残し、ダート路線の主役は譲り渡したものの侮れない。

Walk Of Stars: Dubawi - Sound Reflection by Street Cry

B. Seemar厩舎。Mickael Barzalona騎乗。

Godolphinの所有だったが、現在のオーナーはAthbah Racingである。G1 Al Maktoum Challengeで3馬身近い差をつけ、G1 Saudi Cupでも注目されたが12着に大敗した。昨シーズンからMeydanの中距離路線では上位馬で、去年はG2 Godolphin Mileに出走して2着に入っている。主戦のTadhg O'SheaをImperial Emperorに取られたがBarzalonaを確保してきた。

Wilson Tesoro: Kitasan Black - Chesutoke Rose by Uncle Mo

日本の6歳馬ウィルソンテソーロ。高木厩舎。川田将雅騎乗。

去年もMeydanに遠征しているが、Ushba Tesoroの帯同という側面もあり4着だった。帰国後は帝王賞2着で復帰すると、ソウルのG3 Korea CupはCrown Prideの連覇の前に2着となったが、JBCクラシックを勝って待望のG1級勝利となった。以後G1 チャンピオンズカップとG1 東京大賞典を2着とし、今年はUshba TesoroとともにG1 Saudi Cupからの転戦となっている。そのSaudi Cupは4着であった。