Dubai Kahayla Classic: PA-G1 Meydan Dirt 2000m

今年もサウジアラビアのAlkhalediah Stablesの二強が中心のレースだったのだが、Asfan Al Khalediahが出走を取り消したのでTilal Al Khalediahの一強となった。今シーズンの直接対決はObaiya Arabian Classicの前哨戦で実現してAsfan Al Khalediahが勝ったものの、Saudi Cup開催ではAsfan Al Khalediahを芝戦に回す判断となったことが端的に示すように、現状ではTilal Al KhalediahとAsfan Al Khalediahには少し差があるという評価が妥当だろう。

Tilal Al Khalediahに対抗するのがMeydanのAl Maktoum Challenge Roundの上位馬で、Round 2を勝ったUnleashedの評価が高い。Round 1とRound 3を勝ったMubeedはRound 2が8着で評価が落ちている。サウジアラビアの三番手となるNajeeb Al Zamanも強力だが、Tilal Al Khalediahの相手はちょっと荷が重い。

また、2022年の勝ち馬First Classsが近年の不振を脱して芝で復活したが、ダートで同じところに戻っているかが注目される。

AF Maqam: AF Alsalaam - RS Suhaylah by Burning Sand

UAE調教の7歳馬。E. Oertel厩舎。Tadhg O'Shea騎乗。

近走は芝での出走である。

Djafar: Dahess - Badira by Munjiz

フランス産の8歳馬。UAEのM. Al Mheiri厩舎。Silvestre De Sousa騎乗。

芝で出走してカタールのG2勝ち。今年はG1 Al Maktoum Challenge Roundに出走したが、Round 2で4着、Round 3で8着。前走は芝1600mのG2 Mazrat Al Luwayahを勝った。

First Classs: Dahess - Toppoftheclass by Genuine Monarch

アメリカ産の8歳馬。UAEのD. Watson厩舎。Connor Beasley騎乗。

芝ダートを問わず活躍するアラブの古豪。2022年のKahayla Classicを勝ち、Abu Dhabiの芝G1 Jewel Crownも勝っている。2023年からは勝てずやや低迷する時期があったものの、今年になると芝のG1 Abu Dhabi Gold Cupを勝って同じく芝のG1 Emirates Championshipで2着と復活している。ダートではG1 Al Maktoum Challenge Round 2を6着である。

Kanaille De Faust: AF Al Buraq - Isis Du Clos by Djourman

UAE調教の5歳馬。A. Mouchahi厩舎。Daniel Tudhope騎乗。

今シーズンはAl Maktoum Challenge Roundを皆勤し、4着、2着、5着の成績を残している。UnleashedやMubeedに分が悪い。

Mubeed: Mahabb - Jazeerah Al Reef by Mawood

UAE調教の5歳馬。J. Bittar厩舎。Ray Dawson騎乗。

G1 Al Maktoum Challenge Round 1とG1 Al Maktoum Challenge Round 3の勝ち馬で、G1 Al Maktoum Challenge Round 2は8着に終わっている。実績では地元路線のトップになるが、まだ上り馬という見立てでChallenge Round 2で8着というあたりからも安定感がない。

Najeeb Al Zaman: Hilal Al Zaman - Labwah by Asad Saif

フランス産の6歳馬。A. Almousa厩舎。Juan Ospina騎乗。

サウジアラビアのSafwat Al Adyatが所有し、ダートの1600mから2000mで実績を残している。前走はRiyadhのダート1600m G1 King Abdulaziz Racetrack Championを勝っている。

Suny Du Loup: AF Albahar - Sirene Du Loup by Al Sakbe

フランス産の7歳馬。F. Al Hajri厩舎。Al Moatasem Al Balushi騎乗。

Royal Cavalry Omanが所有するオマーン調教馬だが、出走はUAEの競馬場がほとんどである。今シーズンのG1 H.H. The President Cupで2着に入っている。ダートでは去年のG1 Al Maktoum Challenge Round 3を勝った実績があるものの、去年のKahayla Classicは12着に終わっている。前走はオマーンのAdiya競馬場でダート2000mのAl Adyat Raceで3着。これがオマーンでの初出走であった。

Tariq: AF Albahar - Atheer by Bibi De Carrere

フランス産の5歳馬。UAEのM.Al Jahoori厩舎。Maxime Guyon騎乗。

芝をメインに走ってG3を勝っていたが、今年になってダートに挑戦し、前走のG1 Al Maktoum Challenge Round 3で2着に入った。

Tilal Al Khalediah: Laith Al Khalediah - Aaseyat Al Khalediah by Khalid El Biwaibiya

サウジアラビアの最強の7歳馬。N. Bin Mutlaq厩舎。Adel Al Furaydi騎乗。

一時、Asfan Al Khalediahにその地位を奪われかけるも、去年のKahayla Classicを勝って立場を取り戻した。G1 Obaiya Arabian Classicを勝って万全である。

Unleashed: Valiant Boy - Caviyar by Calin De Louve

UAE調教の6歳馬。J. Bittar厩舎。Richard Mullen騎乗。

今シーズンはG2 The Madjani SとG1 Al Maktoum Challenge Round 2を勝った強豪。前走はG1 Al Maktoum Challenge Round 3を4着。Round 2は直線で後続を突き放す圧勝だった。前に付けて勝負するタイプでRound 3は前に行けず道中囲まれて敗れた。

Vica Grine: AF Albahar - Darka Du Faglas by Darike

フランス産の7歳馬。E. Bernard厩舎。Jean-Bernard Eyquem騎乗。

ロッコでキャリアを積んでカサブランカのAnfa競馬場で開催されたモロッコ国際ミーティングのG3 Grand Prix His Majesty The King Mohammed VI勝ち。去年はG1 Obaiya Arabian Classicに出走して5着のあとフランスで出走していた。また、G2に昇格したGrand Prix His Majesty The King Mohammed VIで2着となった。前走はObaiya Arabian Classicで4着。

Vizhir: Manark - Cherazade by Dormane

フランス産の5歳馬。S. Alotaibi厩舎。Oisin Murphy騎乗。

サウジアラビア調教馬でG1勝ちがある。G1 Obaiya Arabian Classicでは去年が2着、今年は5着と上位。

RB Malexis: Al Mourtajez - Rich Kinkga by TH Richie

アメリカ産の5歳馬。調教師がフランスのThomas Demeaulteとなっているが前走まではアメリカのJerenesto Torrez。Adrie De Vries騎乗。

アメリカで12戦6勝の実績でG1 UAE President Cupを勝っている。

RB Mary Lylah: Al Mourtajez - Rich Kinkga by TH Richie

アメリカ産の5歳馬。カタールのAlban De Mieulle厩舎。Mickael Barzalona騎乗。

アメリカでデビューして10戦8勝、2着2回の実績。8連勝を記録し、その中にG3 Texas Lone Star Juvenile S、G2 Texas Arabian Stallion S、G2 Darley Sprint S、G2 Texas Arabian Derbyが含まれる。Darley SprintではSam Houston競馬場のダート7Fでレコードを記録。2024年のDarley Horse Of The Yearに選出され、Wathnan Racingが購入して今シーズンにカタールに移籍した。DohaのPurebred Arabian Oaksを勝っており、前走はG1 H.H. The Amir Swordに出走したが8着に終わった。アメリカ時代はダートで実績を残している。

アラブ馬の生産について説明が必要ですね

RB Mary LylahとRB Malexisはどちらも母Rich Kinkgaで5歳ということになっていますが、間違っているわけではありません。Equibaseでのそれぞれの情報は以下の通り。

RB Mary Lylah(FL): AR, C, M, foaled February 18, 2020                      

RB Malexis(FL): AR, C, M, foaled February 27, 2020

どういうことかというと、純血アラブの生産では人工授精と胚移植が認められているからです。 世界アラブ馬機構(WAHO)とアメリカの管理団体であるArabian Horse Association(AHA)の規定に基づいて、1頭の牝馬がドナーとして複数の同世代馬の血統上の母親になることができます。AHAのウェブサイトにあるRegistrationのページに、”Breeding with Transported Semen and/or Embryo Transfer”という項目があるので情報としてはそのあたりを見てみてください。

RBはDianne K. Waldronがフロリダでアラブ馬の生産のために創始したRosebrook Farmの生産馬に冠されます。アメリカのアラブ馬の生産においては大手の牧場で、近年でもRB Rich Lyke MeやRB Kingmakerが活躍しています。

母のRich Kinkgaはフロリダ産のG3 Arabian Stallion S勝ち馬で、繁殖としても優秀。血統面ではその父TH Richieがアメリカで唯一のアラブ三冠を達成した歴史的名馬でアメリカとフランスの混交した血統、その母Ginkgaがフランス産でフランスのアラブらしく名種牡馬Manganateの3×3*3に更にSaint Laurentを軸にした近交系で固められた血統でした。ですから卵子のドナーとしてもってこいと判断されているのかと考えられます。

父Al Mourtajezはフランスの大種牡馬Amerの直系となる種牡馬で現役時はG1を8勝しました。初年度産駒からアラブのフランケルと称される最強馬Al GhadeerやAl Dohaなどを出して現在のアラブ競馬を席巻する種牡馬となっています。種付け料の設定にFrozen Semenとあり、凍結精子を提供しています。

実際、RB Mary Lylahは4歳でG2 Texas Arabian Derbyなどを勝って年度代表馬に選出される活躍を見せ、RB MalexisはG3 Texas Arabian Oaksを勝って今年になってG1 UAE President Cupを勝ちました。どちらもアメリカでトップクラスのアラブ馬として活躍した結果、中東のコネクションに購入される結果となっています。