Arabian World Cup: PA-G1 Longchamp Turf 2000m

アラブ競馬はしばらくAl Ghadeerの時代なのではないかと思われる。Al Dohaが対抗一番手なのも含めて去年と状況が変わっていない。

Moshrif: Dahess - Tashreefat by Bengali D'Albret

6歳馬。T.Fourcy厩舎。

去年の5着馬で、今年はRiyadhに遠征してG1 Almneefah Cupを2着。フランスに戻るとLongchampのG1 The President Of The UAE Cupで2着のあと、DeauvilleのG1 Prix Manganateでは最下位となる5着。実力馬だが、前走がちょっと気になる。

Al Ghadeer: Al Mourtajez - Gharraa by Matador

5歳馬。F.Rohaut厩舎。

去年の勝ち馬で、現役最強馬。Al Shaqabがオーナーということもあり、今年はDohaのG1 The Amir Swordに出走してこれを勝利、欧州に戻るとGoodwoodのG1 International Sを勝った。今年は2戦しかしていないが、2400mと1600mで勝っており、2000mのこのレースも全く問題ない。アラブ競馬の芝戦は今後もしばらくAl Ghadeerを中心とした展開だろう。

Al Tammtam: TM Fred Texas - Tameemah by Amer

J.De Mieulle厩舎の6歳馬。Al Shaqabが所有。

フランスでデビューしたが1勝にとどまり、2022-23シーズンにカタールに移籍して2勝しているが、クラスが上がると勝てなくなった。今年のG1 The Amir Swordでは8着。フランスに戻るとLa Testeの一般戦で勝利し、前走はLongchampのG1 Prix Dragonで4着、最下位に負けている。

Edalbar: AF Albahar - Edee Rose by Virgule Al Maury

X.Thomas-Demeaulte厩舎の6歳馬。

BordeauxのG2 French Arabian Breeders' Challenge Sprintを勝っている。そのレース名の通り1400mの短距離戦である。2000mでも去年はToulouseのG2 Prix De Carthageを勝っているが、今年は4着だった。2000mはギリギリこなしているというところか。

RB Kingmaker: Baseq Al Khalediah - RB Royale Madame by Majd Al Arab

アメリカ産の5歳馬。Mme J.F. Bernard厩舎。

UAEでデビューしAbu Dhabiの三冠戦ではListedのArabian Triple Crown R1とG3のArabian Triple Crown R3を勝った。そこからChantillyのG1 Qatar Derbyに遠征したが、ここはAl GhadeerやAl Dohaに及ばず4着だった。UAEに戻ってJewel Crownの路線ではPrepを7着、本戦は6着という結果に終わったが、今年になって調子を上げてThe President CupはPrepを2着から本戦を勝利し、G1のタイトルを得た。その後ダートのDubai Kahayla Classicに出走したが10着に終わっている。ドバイの後はフランスに来てG1 The President Of The UAE Cupで3着、La TesteのG3を勝って、DeauvilleのG1 Prix Manganateは3着だった。

戦歴からして芝の方が向いていてKahayla Classicの結果は気にしなくて良さそうだが、Al GhadeerやAl Dohaには太刀打ちできないといったところ。

Ch'Ezza: AF Albahar - Cherazade by Dormane

F.Rohaut厩舎の6歳馬。

フランスの実力馬で去年の3着馬。12月にAbu DhabiのG1 Jewel Crownに遠征して3着に入り、今年は前走のG1 Prix Dragonで勝った1戦のみとなっている。

Djafar: Dahess - Badira by Munjiz

F.Rohaut厩舎の7歳馬。

2022年の3着馬で、去年のレースには出走していない。カタールで走って12月に2000mのG2 Qatar National Day Trophyに勝ったほかはこれといった結果は残せなかった。2月のDohaでは1600mのG1 Qatar International Cupに回ったが9着に終わっている。前走はBadenのG2 President Of The United Arab Emirates Cupで3着。2000mの重賞を勝っているが、レース選択ではマイル志向がある。

First Classs: Dahess - Toppoftheclass by Genuine Monarch

アメリカ産の7歳馬。J.Owen厩舎。

アメリカでデビューし、Lone StarでG3 Texas Lone Star Juvenille Sを勝った後中東に移籍した。2021年にDohaのG2 Qatar International Derby、2022年はRiyadhで格付け前のAl Mneefah Cup、MeydanでG1 Dubai Kahayla Classic、Abu DhabiでG1 Jewel Crownを勝つ活躍を見せた。2023年は勝てないながらもDohaのAmir Swordで4着、Kahayla Classicで3着、Jewel Crownで5着という結果を残した。欧州ではGoodwoodのInternational Sで2着の実績がある。Longhcampは2022年にPrix Dragonの2着からArabian World Cupに臨んで5着、去年はGoodwoodからの転戦で10着とちょっと苦手かもしれない。

Nabucco Al Maury: Assy - Nemosie Al Maury by Kesberoy

T.Fourcy厩舎の4歳馬。

前走G1 Prix Dragonの2着馬。勝ったCh'Ezzaとの差は大きくないが、Ch'Ezza自身がここの有力馬との差が大きい。

Nour Al Maury: Azadi - Nectarina Al Maury by Jalnar Al Khalidiah

T.Fourcy厩舎の5歳牝馬。Al Shaqabが所有。

フランスでデビューし、3歳でSaint-CloudのArabian Trophy Des Poulichesを勝った。4歳になるとLa TesteのCriterium Des Pouliches、同じくLa TesteのInternational S、LongchampのArabian Trophy Des JumentsとG1を3連勝した。冬に中東に遠征するとAbu DhabiのJewel Crownは4着、DohaのQatar International Cupは6着だった。フランスに戻るとLa TesteのCriterium Des PoulichesとDeauvilleのPrix Manganateを勝ってG1を連勝。フランスでの戦歴は8戦7勝でG1を6勝と相当なものとなっている。勝っているのは牝馬限定戦ばかりだったが、前走で牡馬混合戦もクリアした。立ちはだかるのがAl Ghadeerなので簡単にはいかないが、期待の持てる1頭である。

Al Doha: Al Mourtajez - Topaze Du Croate by Dormane

T.Fourcy厩舎の5歳牝馬カタールだが、Al Shaqabではなく、S.A. Cheikh Abdullah bin Khalifa Al Thani名義となっている。

去年はDoncasterのG1 UK Arabian Derbyを勝って臨み、Al Ghadeerの2着。勝ち馬が強すぎて若干引くようなレースであったが、自身も3着のCh'Ezzaに4馬身差をつけていた。今年はDohaのAmir SwordでもAl Ghadeerとのレースになったが、8馬身半差の3着に終わった。フランスに戻るとLongchampのPresident Of The UAE Cup、La TesteのInternational SとG1を連勝した。十分強いがAl Ghadeerとの勝負付けは終わっていそうである。Nour Al Mauryとは2022年のSaint-Cloud以来の顔合わせで、この時は4着に負けているが本格化する前である。

Farida P: Al Mourtajez - Hania D.A. by Majd Al Arab

P.Deckers厩舎。ベルギー産の5歳牝馬

出走のほとんどはベルギーかフランスだが、時々フランスに遠征している。La TesteのG1 Criterium Des Poulichesでは9頭立ての9着と通用していない。前走はオランダのDuindigtで2150mのG3を勝っているようだ。

相変わらずベルギーやオランダの競馬事情は詳細がつかめていないが、どうにもトロッターの方が盛んという感じで、ベルギーでは平地競走と障害競走、オランダでは平地競走が開催されているようである。競馬場によっては一日の開催でトロッターもギャロップもやるという風でギャロップサラブレッドのレースの中にアラブのレースも混じるような印象。

ベルギーのMonsとオランダのDuindigtはファイバーサンド、ベルギーのWaregemとOstendeは芝のトラックらしいので、France Galopで確認できるFarida Pのレース条件は何とか分かった。一応芝でもファイバーサンドでも走っているが、ファイバーサンドのMonsが得意に見える。出走馬のレベルが分からないので一概には言えないが。