Irish Champion S: G1 Leopardstown Turf 10F

エントリー時点では南アフリカのSee It AgainとDouble Superlativeの名前があったのだが、やっぱりということで出走馬が出た時点で消えていた。勝ち負けは別にして出てくればそれだけで注目したかったのだけど、まあこうなるよね。そしていつの間にかフランス勢も消え去っていた。

さて、最終的に8頭が残った今年のIrish Champion Sであるが、A.P. O'Brien厩舎から4頭が出馬予定である。古馬ではそのツートップであるAuguste RodinとLuxembourg、昨年と一昨年の勝ち馬が揃って出走する。また、3歳からはDoncasterのSt. Legerと両にらみでLos Angelesがエントリーを残していたが、この後の凱旋門賞への出走も絡んでIrish Champion Sへの出走となった。ここにいつものペースメイカーであるHans Andersenが加わる。この4頭ならまだAuguste Rodinだろうということで、Ryan MooreはAuguste Rodinの予定である。一方で今年ナンバーツーを務めているW.M. LordanはSt. LegerでIllinoisに騎乗するので、騎手の調整は大変なようである。

Auguste Rodinが出走するものの、どうでるかは走らせてみないとわからないので人気は3歳馬のEconomicsに集中した。もう一頭の3歳馬Ghostwriterも有力視される1頭である。

といったあたりで実質的にはO'Brien厩舎のAuguste RodinとLos AngelesにEconimicsとGhostwriterでの勝負だが、これだとGhostwriterが一枚落ちる印象。LuxembourgとShin Emperorがここに続き、Royal Rhymeでは厳しく、Hans Andersenはペースメイカーとしての役割をこなせるかどうかでしかない。

一方、St. LegerはLos Angelesがいなくともクールモアが前売り人気で上位を占めている。G2 Queen's Vaseの勝ち馬で前走のGreat Voltigeur SではLos Angelesの2着だったIllinois、3戦無敗の上り馬でG3 Gordon Sを勝ったJan Brueghel、G3 Irish St. Leger Trialを勝ったGrosvenor Squareと揃っていて、まあ十分な陣容だろう。Illinoisは勝ちきれていないが安定した戦績で、G1 Grand Prix De ParisとG2 Great Voltigeur Sでともに2着なら文句は言えない結果である。

こちらにも登録していたContinuousは翌日にLongchampで開催されるPrix Foyに回ることになって、これだと凱旋門賞視野ということなのだろう。5頭立てでFeed The FlameとIresineが出走予定となっているが凱旋門賞へのテストとしては相手関係が薄い。反面BluestockingとEmily Upjohnに加えてOpera Singerが予定しているPrix Vermeille、Look De VegaとAmbiente FriendlyにSosieが加わるPrix Nielはそれなり。

日曜日といえばアイルランドはフェスティバル開催がCurraghに移り、Irish St. Legerには今年負けなしのKypriosが準備しており、さらにGiavellottoとVaubanが絡んでくるそれなりのメンバーとなっている。また、クールモアが2歳G1に牡馬牝馬それぞれ無敗馬を送り込む。National Sには母Immortal VerseのHenri Matisse、Moyglare Stud Sには母Mecca's AngelのBedtime Storyと母Quiet ReflectionのLake Victoriaがそれで、もう血統を見るだけでくらくらする。こちらは牝馬戦がFrankel祭なのに対して牡馬戦ではまったくFrankelが出てこないという対照的な出走馬構成であるところも注目。

さて、Irish Champion Sに話を戻すが、International SやPrince Of Wales's Sに出走している馬が多いので、重複する部分は結構省いている。

Auguste Rodin: Deep Impact - Rhododendron by Galileo

A.P. O'Brien厩舎の4歳馬。Ryan Moore騎乗。キングジョージ5着以来の出走となる。走ってみないとわからないタイプなので考えるのがむなしくなるがLeopardstownは去年も勝っているのでと。

これまで14戦して8勝、2着が2回でG1を6勝しており、その中には2つのダービーとBCが含まれている。これだけなら素晴らしいのだが、残る4戦が着外どころかその3回で二桁着順に飛ぶという極端な戦歴である。特に今年はDubai Sheema Classicの12着とキングジョージの5着が非常に印象を損ねている。

今年で引退種牡馬入りだろうが、陣営のコメントはころころと変わるのでシーズン終盤にどのレースを選んでくるかはちょっと分からない。噂通りジャパンカップなら欧州調教のディープインパクト産駒がどれほどのレースを見せてくれるのかという興味はある。

Hans Andersen: Frankel - Shadow Hunter by Arcano

A.P. O'Brien厩舎の4歳馬。Chris Hayes騎乗。

G1でのペースメイカーで定着した感があり、Auguste RodinやCity Of Troyの露払いを務めるというところだが、前走のInternational Sは自身がレースを作る前にCity Of Troyが地力で勝負していたりとちょっとうまく役割を果たせていない気もする。

Luxembourg: Camelot - Attire by Danehill Dancer

A.P. O'Brien厩舎の5歳馬。Declan McDonogh騎乗。今年はちょっと安定を欠くというか、前走の様にAuguste Rodinと同じく飛んでしまってはいつ勝つのかという気にもなるだろう。

Royal Rhyme: Lope De Vega - Dubai Queen by Kingmambo

K.R. Burke厩舎の4歳馬。Clifford Lee騎乗。G3 Brigadier Gerard Sの勝ち馬だが、G1では苦戦しており、前走のInternational Sは6着に終わっている。

Economics: Night Of Thunder - La Pomme D'Amour by Peintre Celebre

William Haggas厩舎で今シーズン3戦全勝の3歳馬。Tom Marquand騎乗。

2歳のデビュー戦は4着に終わっているが、今年は4月の初戦で勝ち上がるとYorkのG2 Dante SでAncient Wisdomを6馬身差に下した。この時はゲートで鼻をぶつけて出血していたというのだからモノが違うということになったが、Derbyを回避して休養に入り8月になってフランスで復帰した。DeauvilleのG2 Guillaume D'Ornanoを快勝して健在であることを示している。

父はマイラーのNight Of Thunderだが、母はPeintre Celebre × Krisという血統で2500mの重賞勝ち実績があるLa Pomme D'Amourである。

Ghostwriter: Invincible Spirit - Moorside by Champs Elysees

Clive Cox厩舎の3歳馬。Richard Kingscote騎乗。

Eclipse S、International Sと続けてCity Of Troyの3着という結果で、評価基準としていいラインを作ってくれそう。

Los Angeles: Camelot - Frequential by Dansili

A.P. O'Brien厩舎の3歳馬。Dylan Browne McMonagle騎乗。

通算では6戦5勝で、負けたのはDerbyの3着があるのみ。Irish Derbyを勝って前走はG2 Great Voltigeur Sを勝っている。当初はSt. Leger目標と言われていたが、状況が変わった。大きいのは凱旋門賞に出走する公算が高くなったことで、それならSt. Legerよりこちらの方が臨戦として上だろう。また、St. LegerはIllinoisで十分という状況になったことも要因としてある。

Allez Les Troisの牝系でFacteur Chevalの同族だが、末の娘であるViolanteからの分岐となり、Facteur Chevalとは3世代のズレが生じる。KingmamboDanehillのごり押しクロスとなるが、Camelot産駒はCamelotの母系にアプローチしている方がよい結果になりやすい。

Shin Emperor: Siyouni - Starlet's Sister by Galileo

矢作厩舎の3歳馬。坂井瑠星騎乗。Sottsassの全弟として注目を集める日本ダービーの3着馬。

日本でデビューし、G3 京都2歳Sを勝って年末のG1 ホープフルSで2着に入った。3歳の今年はG2 弥生賞の2着からクラシックに挑んで皐月賞が5着、ダービーが3着という結果。Irish Champion Sから凱旋門賞を狙うという遠征プランで、全兄のSottsassが凱旋門賞を勝ったのは4歳だがSiyouni産駒は典型的には3歳がピークなのでこのタイミングの遠征は正しい。Sottsassもトータルで見れば3歳の方が良い成績なわけで。

父Siyouniはフランスに居を構える種牡馬としては20万ユーロと段違いの種付け料を誇る。SottssasやSt. Marks Basilicaを始めとして、Paddington、Tahiyraなど活躍馬は多数で現役にもフランス中距離路線のトップホースであるMqse De Sevigneを有している。Nureyev≒Sadler's Wellsのクロスから多くの活躍馬を出し、Galileoはその中でも突出気味である。それ以外ではDanzigMr. Prospectorをクロスさせるパターンも豊富で、Shin Emperorは母にMiswakiクロスがあり、継続的なMr. Prospectorクロスが効果的と言えるのではないか。

母Starlet's SisterはSottssasの他に、父MyboycharlieからSistercharlie、父AcclamationからMy Sister Natを出した名繁殖である。