Kentucky Derby Contenders: Churchill Downs Grade 1 Dirt 10F

Introduction

先週末でKentucky Derbyの100ポイントプレップの結果が揃い、残るポイント獲得機会は週末のLexington Sのみとなりました。勝っても20ポイントしかないので、現状のシステムでは出走枠への影響は少ないのではないかと思います。

Road to the Kentucky Derbyのシステムでとても分かりやすくなっていますし、Kentucky Derby公式サイトが丁寧にまとめてくれています。ついでThoroughbred Daily Newsも4月11日付でDerby Top 20という記事(TDN Derby Top 20: Upheaval in the Ranks (thoroughbreddailynews.com))をリリースしていよいよKentucky Derbyという雰囲気が高まってきました。いらないかなとも思うのですが、出走予定馬を持ちポイント順に紹介します。

Forte: Violence - Queen Caroline by Blame

190ポイント。TDNのランキングでは2番手です。

Todd A. Pletcher厩舎所属でここまで7戦6勝。デビュー勝ち後のG3 Sanford Sで4着に負けていますが、その後はHopeful S、Breeders' Futurity、BC JuvenileとG1を3連勝して2歳チャンピオンに選出されました。今年はフロリダで調整され、Fountain of Youth SからFlorida Derbyを完勝してきました。先行抜け出しタイプでレースぶりにも不安はありません。BC Juvenile勝ち馬のその後もNyquist以降は割と見られる結果になってきていますが、この馬は特上級です。

父のViolenceはMedaglia D'Oro産駒で2歳G1勝ちの実績があります。Todd A. Pletcher厩舎所属でFountan of Youth Sで2着後に骨折していたことが判明して引退種牡馬入りとなりました。これまでにVolatile、No Palore、Dr. Schivelとスプリンターを多く出しています。去年はNewgrangeがKD路線に名乗りを上げましたが脱落。アルゼンチンではEstrellas Classicを勝ったDandy Del Barrioを出していますが、基本的には短距離で、日本ではジャスパープリンスが典型的な産駒でしょう。

母系はLa Troienne一族で飛ばし気味に紹介するとStrikingからStolen Baseを経てJeanoに来る流れ。つまりはコントレイルやEssential Qualityを近親に持ちます。母Queen Carolineはヴァージニア産馬で主にメリーランドで出走していて20戦6勝。重賞級では結果を残せませんでしたが、ブラックタイプまで出世しました。Forteはその初仔です。

Florida Derbyで9Fまでクリアしてこの時期の3歳馬としては十分で、というかどの馬も10Fの証明はないですから何とかなるところではないかと見ています。

Practical Move: Practical Joke - Ack Naughty by Blame

160ポイント。TDNのランキングではトップに位置付けられています。

Bob Baffert厩舎所属ですが、BaffertがChurchill Downsから出禁にされているためTim Yakteen厩舎に変更されています。ここまで7戦4勝で、勝ち上がりに手間取ったためBCへの出走は叶わず、2歳の最後はG2のLos Alamitos Futurityを勝って終わりました。この時点ですでにYakteen厩舎からの出走となっているので早くからKentucky Derbyを見据えていたとは言えそうです。今年はSan Felipe SからSanta Anita Derbyと西海岸の王道を制圧しての出走になります。

父Practical Jokeは2022年には北米で1000頭を超える直系産駒が産まれるほどに人気を集めているInto Mischief後継種牡馬の一角です。G1タイトルは2歳のHopeful S、Champagne Sに加えてH. Allen Jerkens Sとスプリンターっぽい経歴になりますが、Kentucky Derbyにも出走して5着ということもあってそこそこの実績を持っています。

母は北米系の2-f族出身で近親にVino Rossoが出ていますが、Deputy Ministerクロスを作りに行っているVino Rossoとこちらでは全く傾向が違いそうです。

Santa Anita Derbyを勝ったとはいえ最後はMandarin HeroやSkinnerに詰められているので、距離が不安にはなるところ。Forteと同じような先行タイプでForteに比べると迫力不足ですが、9Fのプレップではもっとも時計がよかったことが高評価の理由になっているようです。

Practical Moveのプロフィールで面白いところはChad Brownの名前が出てくるところで、生産者に名を連ねています。母Ack Naughtyを管理していた縁なのかなと思うところですが、OBSの2歳トレーニングセールに上場され売却となっています。

Angel Of Empire: Classic Empire - Armony's Angel by To Honor And Serve

154ポイント。TDNのランキングでは9番手。

Brad H. Cox厩舎所属で通算6戦4勝のペンシルヴァニア産馬。2歳時は2勝していますが一般戦までです。3歳になって南部路線のRisen Star SとArkansas Derbyを勝って参戦してきました。Arkansas Derbyでは道中は内でレースを進め、4コーナーから外に持ち出して一気に勝負を決めています。このレースは最終プレップの中でも傑出し、見どころのあるレースでした。

父Classic EmpireはBC Juvenileを勝って2歳チャンピオン、その後Arkansas Derby勝ちからKentucky Derby4着、Preakness S2着までで引退。種牡馬入り同期にGun Runner、Practical Jokeがいて熾烈な競争にさらされています。Angel Of Empireは2世代目で待望のG1馬となりました。

母Armony's Angelは2歳だけで8戦未勝利のまま引退して繁殖入り。Angel Of Empireが初仔です。26号族でTiznowらと同系統のアルゼンチン由来牝系になりますが、Blue Canaryの妹Sister Satanからの流れになります。その名から知れる通りCrimson Satanの妹という点の方が大きく、Angel Of Empireから4代前になるWhite JasmineでCrimson Satanを使ったPapilaクロスを実現させています。

Tapit Trice: Tapit - Danzatrice by Dunkirk

150ポイント。TDNのランキングでは5番手。

Todd A. Pletcher厩舎所属で5戦4勝。デビュー戦で負けましたが、その後は4連勝。Tampa Bay Derby勝ちからケンタッキーに転じてBlue Grass Sを勝っての参戦となります。

Bimletteの系譜に連なる19-b族で、母の半妹にはBC Juvenile Filliesを勝ったJaywalkが出ています。父Tapitに母の父がDunkirkという配合は、A.P. IndyとUnbirdledという血統の癖が強い2頭をクロスで前面に押し出すもので、Gainesway FarmがTapitの後継を期した一手というところでしょうか。

Blue Grass SではVerifyingを最後に何とか逆転というレベルで、もう一押し欲しいところです。

Two Phil's: Hard Spun - Mia Torri by General Quarters

123ポイント。TDNのランキングでは10番手。

Larry Rivelli厩舎で8戦4勝。去年はG3のStreet Sense Sを勝っていて、今年になってLecomte Sで2着、Risen Star Sで3着からTurfwayのG3 Jeff Ruby S勝ちでポイントを積み上げた。5馬身差をつけていますがTurfwayのポリトラックでの結果が本番につながるかというとちょっとどうかな。

本来の予定ではTurfwayに出走するつもりはなかったようですが、Kentucky Derbyに出走するために最適なプレップを探した結果がここになった模様。

Tuscan Redから発展する16-h族ですが、近親には目立った活躍馬がおらず少し離れてBarabroなどが出ている程度。母Mia TorriはG3で2着の実績があります。

Lord Miles: Curlin - Lady Esme by Majestic Warrior

105ポイント。TDNのランキングでは14番手。

Saffie A. Joseph Jr.厩舎で5戦2勝。Holy Bull Sga6着、Tampa Bay Derbyが5着と見るべきところはなかったもののWood Memorial Sを勝って100ポイントの獲得に成功しました。直線では人気だったHit ShowやDreamlikeと馬体をぶつけるような接戦でレース後審議もありましたが、わずかにハナ差、アタマ差という決着です。

Derma Sotogake: Mind Your Biscuits - Amour Poesie by Neo Universe

100ポイント。TDNのランキングでは15番手。

音無秀孝厩舎で8戦4勝。ダート3連勝で全日本2歳優駿を勝つと中東に遠征し、Saudi Derby 3着からUAE Derbyを勝ちました。UAE Derbyは北米の最終プレップ相当で、100ポイント獲得してKentucky Derbyへの出走権が実質的に確定します。

日本調教の3歳世代では紛れもなくダート最強と呼べる実績であり、去年のクラウンプライドに続いてKentucky Derbyに駒を進めるのは、国内ダート路線の本格化が遅い日本のダート馬にとって良いチャレンジとは言えます。ダートOPで稼いだ賞金でダービーに滑り込むのも嫌いではありませんが。

とはいえ、UAE DerbyKentucky Derbyへのプレップとしてはかなり厳しく、過去にこの路線では好走実績がありません。おそらく、UAE Derby馬としては歴代最強と言えるMendelssohnですら道中でレースから脱落し最下位で入線するという結果に終わっています。その他過去10年の勝ち馬でもThunder SnowとDaddy Long Legsが競走を中止し、ラニの5着が最先着という茨の道です。

出走が確実になったのでBrisnetがファン向けの血統紹介記事を作成し、Kentucky Derby公式にも掲載されています。そこではアメリカの競馬ファンになじみ深いとされるポイントと現在の日本生産馬らしいサンデーサイレンスの存在がピックアップされています。12 pedigree fun factsということなので軽く紹介。雑多な内容なので参考になるかはわかりませんが。(デュポン家の競馬好き姉弟とマディソン大統領につながる話がなければやってないよ)

1.父Mind Your BiscuitsはDubai Golden Shaheenを連覇し、それまでFunny Cideが持っていたニューヨーク産馬としての獲得賞金記録を塗り替えた。日本で種牡馬入りし、2022年にフレッシュマンサイアーリーディングを獲得している。

2.Mind Your Biscuitsは2002年に2歳戦で競い合ったPosseとToccetを父と祖父に持っている。

3.そしてMind Your Biscuitsはカナダの殿堂馬Deputy Ministerのクロスを持つ。当然ながらPosseとToccetはいずれもDeputy Ministerの直孫で、それぞれSilver DeputyとAwesome Againの血を引いている。興味深いことにPosseはその母父、ToccetはAwesome Againの母父にBlushing Groomの血を享けている。

4.Mind Your Biscuitsは活発なファミリーの出身である。母Jazzmaneの半姉にはカナダの3歳女王Kimchiがおり、更に近親にはSearch Resultsが出ている。

5.母Amour Poesieはダートでの活躍馬で関東オークスの勝ち馬である。

6.Amour Poesieの父はSunday Silenceが送り出したチャンピオンの一人である。ネオユニヴァースは二冠馬となり、菊花賞ではわずかに1馬身及ばず三冠に届かなかった。その母Pointed PathはStreet Cryの近親である。ネオユニヴァースはまた、Dubai World Cupの勝ち馬ヴィクトワールピサの父であり、母の父としてはルヴァンスレーヴやアエロリットを出している。

7.Amour Poesieの半兄はダートスプリンターのミリオンディスクである。

8.Amour Poesieの母父は凱旋門賞Tony Binである。Tony Bin年度代表馬にもなったジャングルポケットエアグルーヴなど多くのチャンピオンを輩出し、その活力は今に通じている。最新の事例ではギャロップでDubai Sheema Classicのレコードを更新したイクイノックスの母シャトーブランシュも母の父にTony Binを持つ。

9.Derma Sotogakeは祖先にKentucky DerbyとBelmont Sで3着に入ったDikeを持つ。祖母April Sonnetの父Dikeには不運なことにMajestic PrinceとArts And Lettersが同世代にいたため三冠戦に勝つことはできなかった。それでもBreeders' Futurity、Gotham S、Wood Memorialに勝利している。

10.April Sonnetの母はPass Meである。半弟にHill Passがいて、彼はRisen Star SやLouisiana Derbyで入着してダービートレイルに乗った。最終プレップのLexington Sまで走っているが本戦への出走は叶わなかった。その後長く重賞戦線で走り、Best Palにアプセットを食らわせたSan Pasqual Sが唯一の重賞勝ちとなった。

11.Pass Meの父PassはBuckpasserの仔である。Passは未出走で種牡馬入りし、産駒にもステークス馬は出なかった。その母Casaque GriseはフランスでPrix Vermeilleを勝っている。

12.Derma SotogakeはJames Madison第4代大統領に所縁のあるヴァージニアのMontpelierで培われた牝系の出身である。Pass Meの母SchoonerはMarion DuPont Scottの生産馬である。DuPont家の一員でもある彼女はJames Madisonが暮らしたMontpelierの農場を受け継いだ最後の人物としても知られている。平地競走と障害競走の生産者であり、この牝系はMarionの手によって芝王者ParkaやステープルチェイスのチャンピオンShipboard、Soothsayerを出した。

更に牝系をさかのぼると12号族に分類され、12号族には初期のKentucky Derbyで2頭の勝ち馬、Joe CottonとHis Eminenceが出ていますが、Derma Sotogakeはそこからは離れたファミリーで、18世紀半ばに現れたEclipseの全妹であるProserpineで接続します。

Kingsbarns: Uncle Mo - Lady Tapit by Tapit

100ポイント。TDNのランキングでは6番手。

Todd A. Pletcher厩舎所属で3戦3勝の上り馬。前走のLouisiana Derbyが重賞初挑戦でしたが、見事に勝ってKentucky Derbyの枠に入り込んできました。Louisiana Derbyは逃げて快勝しましたが、時計はそれほどではなく、去年のEpicenterのレコードと比べて3秒程度遅い結果になっています。

Uncle MoTapitはそれほど良い組み合わせとは思われず、PulpitUnbridledに広げてようやくMo DonegalやUnbridled Moが出てくる程度。母Lady Tapitの近親にGozzip Girl、ちょっと広げるとブラジルの三冠馬Bal A Baliの他エイシンプレストンが出ています。

Raise Cain: Violence - Lemon Belle by Lemon Drop Kid

64ポイント。Ben Colebrook厩舎で7戦2勝。Gotham S勝ちでBlue Grass S 5着から参戦する。

祖母Queenie Belleが西海岸の活躍馬で牝系のランクが上がった。母の半姉にUnrivaled Belleが出ている。Unbridledが入ればというところではあるもののないので、Raise Cainの配合だとViolent BeautyとCharming Lassieで押し切る方向性になっていくのではないかな。

Rocket Can: Into Mischief - Tension by Tapit

60ポイント。TDNのランキングでは17番手。

William I. Mott厩舎で7戦2勝。Holy Bull Sの勝ち馬でFountain Of Youth Sで2着、Arkansas Derbyで4着と相手が強力になるにつれて着を落としている。Gulfstream Parkでは4馬身もの差を付けられたが、相手がForteだったため評価は落ちなかった。しかし、Arkansas Derbyは4着で厳しくなったように見える。

祖母がTough Tiz's SisのA5族でテキサス由来の牝系。

Hit Show: Candy Ride - Actress by Tapit

60ポイント。TDNのランキングでは3番手。

Brad H. Cox厩舎で5戦3勝。ニューヨークの路線でWithers Sを勝って、最終のWood Memorialでは2着でした。Wood Memorialは直線で勝ったLord Milesと激しくやりあっていますが、人気で取りこぼしたというイメージが強くあります。

牝系はA1族で、あまり目立たないところですが、母ActressがG2勝ち、祖母Milwaukee Appealがカナダの3歳牝馬チャンピオンでG1でもAlabama SとSpinster Sで2着に入った実績があり優秀です。

Confidence Game: Candy Ride - Eblouissante by Bernardini

57ポイント。TDNのランキングでは16番手。

J. Kieth Desormeaux厩舎で7戦3勝。3歳では南部路線でLecomte Sを3着からRebel S勝ち。2歳のIroquois Sで5着のポイントもあって57まで積んでいます。Rebel Sは雨で水が浮いたような馬場で入り2Fが22.75という無茶苦茶なレースで、これを中団追走から足が止まった先行勢を交わしての勝利です。Lecomte Sは番手から直線で足をなくして3着に終わっており、どうにも足りなそうという印象。

祖母がVertiginuexの4-rですから母EblouissanteはBalanceやZenyattaの半妹にあたります。A.P. Indyの最良の後継になるかと期待されていた時期のBernardiniを父としていますが、競走馬としては2勝どまりに終わりました。Bernardiniはこのところ母父としての活躍が目立つようになってきたので期待としては高いです。

祖母がVertiginuexの4-rですから母EblouissanteはBalanceやZenyattaの半妹にあたります。A.P. Indyの最良の後継になるかと期待されていた時期のBernardiniを父としていますが、競走馬としては2勝どまりに終わりました。Bernardiniはこのところ母父としての活躍が目立つようになってきたので期待としては高いです。

Verifying: Justify - Diva Delite by Repent

54ポイント。TDNのランキングでは4番手。

Brad H. Cox厩舎で6戦2勝。Blue Grass Sで2着となって名乗りを上げた形になります。もともとはJustifyの初年度産駒として注目されましたが、Champagne Sで2着から臨んだBC Juvenileは6着に終わりました。3歳になってOaklawnの一般戦を快勝したもののRebel Sは4着、KeenelandのBlue Grass Sの2着でようやくといったところです。

父は北米三冠馬Justifyで去年の産駒デビュー直後は非常に期待が持てそうなスタートに見えたものですが、その後全般に伸び悩んでいるのが現状です。

母は21号族のDiva Deliteですから本馬の半姉にMidnight Bisouが出ています。

Sun Thunder: Into Mischief - Greenfield D'Oro by Medaglia D'Oro

54ポイント。TDNのランキングでは18番手。

Kenneth G. McPeek厩舎で6戦1勝。今年はポイント対象レースを4戦し、Southwest S 4着、Risen Star S 2着、Louisiana Derby 5着、Blue Grass S 4着と結果を残しました。Louisiana Derbyでポイント上積みに失敗して中一週のBlue Grass Sに出走するあたりは執念ですが、さすがに走りすぎですし、特に目立って強さを見せたわけでもないので本番向きではないだろうと思います。

祖母がカナダ産の名牝Maryfieldという血統です。

Wild On Ice: Tapizar - Slamitagain by Grand Slam

50ポイント。Joel H. Marr厩舎で5戦3勝のテキサス産馬。ニューメキシコ路線でSunland Park Derbyを勝って50ポイント。Zia Parkで勝ったあとSunland Parkに舞台を移すとリステッドのRiley Allison Derby、Mine That Bird Derbyを9着、3着とさっぱりでSunland Park Derbyでは最低人気にまで落ちましたが、この路線の上位馬だったHenry QとBaffert厩舎のままポイントを刈りに来たHard To Figureがオーバーペースに沈む展開のなか3番手から後続をしのいでの勝利。

びっくり箱枠ですが爆発力はありません。

牝系は北米の23-b族ですがマイナーな分岐で近親にAstronomer RoyalやIt'smyluckydayが出ています。

Mage: Good Magic - Puca by Big Brown

50ポイント。TDNのランキングでは12番手ですが、回避の可能性があるようです。

Gustavo Delgado厩舎で3戦1勝。フロリダでFountain of Youth Sを4着からFlorida Derby 2着。デビュー戦は逃げ切り、Fountain of Youthは中団待機、Florida Derbyは最後方から追い込みとレースが安定していません。

父Good MagicはCurlin産駒でBC Juvenileの勝ち馬。今年の3歳が初年度産駒でKD TrailにはMageの他にReincarnateやBlazing Sevensを送り込んでいます。

母PucaはFinnegans Wakeの半妹です。

Blazing Sevens: Good Magic - Trophy Girl by Warrior's Reward

46ポイント。Chad C. Brown厩舎で6戦2勝。2歳戦線の活躍馬でHopeful S 3着からChampagne S勝ち。BC Juvenileでは4着。今年はFountain Of Youth Sで始動して8着の後、Blue Grass Sでは3着と芳しくありませんが、2歳の頃に獲得したポイントもあって出走ラインを超えています。

母Trophy Girlの半兄にKing Davidが出ています。

Reincarnate: Good Magic - Allanah by Scat Daddy

45ポイント。TDNのランキングでは7番手。

Baffert厩舎からTim Yakteen厩舎に移った一頭で7戦2勝。勝ちきれずに去年の11月になって初勝利。今年初戦のSham Sでは同厩舎のNewgate、National Treasureを下して路線に乗ることとなり、Tim Yakteen厩舎に移籍となりました。以後はOaklawnで、Rebel Sで3着からArkansas Derbyも3着。

母系はニュージーランドからアメリカに渡った7-eだが活発ではない。アメリカに輸入されたBelle Caneは孫にRoyal Orbitが出て、末裔にFabulous Strikeが、ニュージーランドに残った枝からはAltered ImageやGood ProjectがG1を勝っているが、いずれもかなり遠い。

Jace's Road: Quality Road - Out Post by Silver Deputy

45ポイント。TDNのランキングでは19番手。

Brad H. Cox厩舎で6戦2勝。リステッドのGun Runner Sの勝ち馬でSouthwest Sで5着からLouisiana Derbyは3着。Gun Runner Sでは逃げて快勝しましたが、重賞だと逃げられずにいまいちです。

1-c族でSilverbulletday等を近親に持つRokeby Venusのファミリーです。

Skinner: Curlin - Winding Way by Malibu Moon

45ポイント。TDNのランキングでは13番手。

John A. Shirreffs厩舎で6戦1勝。San Felipe SとSanta Anita Derbyでともに3着となって45ポイントに到達しました。

Santa Anita Derbyではマンダリンヒーローにやや遅れて追い込んできて3着。後1Fあれば確かにPractical Moveを捕えることはできそうなレースでした。

Skinnerが属する9号族e分岐はf,g,hの分岐を内包する巨大な勢力で、著名なのはLady Mashamの子孫ですが、この馬の場合はTeddington Mareから9-hとなるAdelaideに行かずBlue Bonnetに流れたもので、同じ流れからセリフォスが出ています。

母Winding Wayとその全妹Kauai Katieはスプリンターで、祖母More Than Prettyもスプリンターという一族です。またオーストラリア産馬として日本に輸入されたベイビータピットもそのきょうだいです。

CurlinA.P. Indyのクロスは極めて高相性で、CurlinにとってはDeputy Ministerクロスのパターンと並んで中距離で通用するG1馬を量産しています。母父Malibu MoonのパターンではStellar Windです。

Cyclone Mischief: Into Mischief - Areyoucominghere by Bernardini

45ポイント。Dale L. Romans厩舎で7戦2勝。Holy Bull Sでは7着に終わっていますが、Fountain of Youth SとFlorida Derbyをともに3着で45ポイント。ポイントの稼ぎ方はSkinnerと変わりません。Florida Derbyでは中団からで、抜け出したMageにくらいついていたらForteにまとめて交わされたといったレース。最後はMageにも離されましたから力尽きたと言えそうです。

9-b族Idle Fancyの裔で、Sunday Eveningのファミリーに近いところです。近親はComposureがG1を勝っています。といったところで、こんなものはわからないのが普通なので、分からなくても問題ありません。

Major Dude: Bolt D'Oro - Mary Rita by Distorted Humor

40ポイント。Todd A. Pletcher厩舎で8戦3勝。TurfwayのJeff Ruby Sで2着して40ポイントを獲得。Gulfstreamの芝G3 Kitten's Joy Sを勝っていて、他にBelmontの2歳芝G2 Pilgrim Sも勝っています。一方でダート戦は初戦の勝ち上がりこそありますが、その後の出走ではよいところがなく、おとなしく芝路線にいた方がよさそうなキャリアです。本来の目標はニューヨークの芝三冠路線ではないかと思います。

三代母にPersonal Ensignを抱える6-aの良血。A.P. Indyが3×3と全面に出ており、Forty Niner5×3、DamascusNorthern Dancerが5×5となっています。Idle Hour血統の影響を強く受けているDamascusとその粋を現代に受け継ぐA.P. Indyのクロスが軸にあって、Forty Ninerも含めてOgden PhippsやClaiborne Farmという20世紀北米競馬の歴史を濃く感じます。

Mandarin Hero: Shanghai Bobby - Namura Nadeshiko by Fuji Kiseki

40ポイント。TDNのランキングでは11番手。

藤田輝信厩舎で6戦4勝。大井競馬所属でデビューから2歳で4連勝し、ハイセイコー記念を勝ちました。年明け初戦の雲取賞で2着からSanta Anita Derbyに遠征し、ゴール前では勝ったPractical Moveに迫ってハナ差の2着でした。Santa Anita Derbyではスタートと最後の直線で3着に入ったSkinnerとぶつかっているようで、最後のハナ差を考えるととても惜しいレースでした。

当然ながら本場の西海岸の最重要プレップであるSanta Anita Derbyで2着という実績は大きく、日本馬3頭の中ではもっとも高く評価されています。ポイント的に出走枠に入れるかどうかという状態はもどかしいですね。

父Shanghai BobbyはHarlan's Holiday産駒の2歳チャンピオンでした。2歳では5戦全勝でGoldencentsを寄せつけなかったChampagne Sがそのキャリアのハイライトです。3歳になると不振でFlorida Derbyで5着に終わってKentucky Derbyへの出走を諦めました。引退後はAshford Studで5シーズンを過ごし、日本に導入されています。日本導入後の初年度からMandarin Heroが出ました。Ashford時代は種付けが200頭を超えることもありましたが、ShancelotがG2を勝ってBC Sprintで2着に入っているのが目立つくらいでした。ブラジル、次いでチリにシャトルされており、その頃の産駒が南米でG1を勝っています。ブラジルにシャトルされましたが、最強産駒として上がるのがLatinoamericano勝ちがあるウルグアイのチャンピオンAero Tremになるあたりダート向きではありそうです。

母系は2-d族でAlmahmoudらに近縁のPlucky Maidの一門。英1000 GuineasとOaksで2着になったFreeze The Secretの直系で、大樹ファームが日本に導入し、クロフネミステリーを出しています。

例年だと前哨戦2着で40ポイントを獲得すれば本戦には出走可能ですが、今年は微妙な情勢になっています。こういうことになると最終プレップだと穴場になるTurfwayのJeff Ruby Sや勝てば50ポイントのSunland Park Derbyという選択が増えるのかもしれません。もっとも順調なら2月3月の50ポイント戦をしっかり勝った方がよさそうですけど。

King Russell: Creative Cause - Believe You Will by Proud Citizen

40ポイント。Ron Moquett厩舎で6戦1勝。Arkansas Derbyの2着馬です。前走でようやく勝ち上がり、前崩れになったArkansas Derbyを追い込んで2着したものの勝ったAngel Of Empireには差を付けられています。

Disarm: Gun Runner - Easy Tap by Tapit

40ポイント。TDNのランキングでは8番手。

Steven M. Asmussen厩舎で4戦1勝。Louisiana Derbyの2着馬。Louisiana Derbyが重賞初挑戦でKingsbarnsに少し差のある2着でこちらも厳しい。

26号族でWhite Jasmineを通るファミリーということで、Angel Of Empireの近親にあたります。Gun RunnerにTapitということでWinchell Thoroughbredsのオーナーブリードです。

Continuar: Drefong - Pan De Ring by King Kamehameha

40ポイント。TDNのランキングでは20番手。

矢作芳人厩舎で5戦2勝。UAE Derbyで3着に入った分のポイントが30あるが、Japan Roadでカトレア賞の10ポイントが追加。いずれにせよJapan Roadからの枠で出走となる。

この2戦がSaudi DerbyとUAE DerbyでどちらもDerma Sotogakeの後塵を拝する結果ですから、そこを逆転するのも厳しいでしょうか。

Brave Emperor: Sioux Nation - Roman Gal by Holy Roman Emperor

Archie Watson厩舎で8戦5勝、うちオールウェザーが6戦4勝。Kemptonの指定条件戦勝ちとChelmsfordのCardinal Sで2着でEuropean Roadのポイントを32まで積んで最後の2戦でトップに立ちました。欧州路線はそれまでCairoが20ポイントを有していましたが、UAE Derbyに出走して10着で脱落しています。

欧州路線だとUAE Derbyプレップで結果を残すくらいでないと無理だよねと思います。

Sioux NationがHoly Roman Emperorの娘であるRoman Galに産ませたのがBrave Emperorと文字だけ書くとアタマがバグる。

 

PS. TDNとは意見が合わぬ。