North American Breeding Statistics 2021-2022

 

アメリカジョッキークラブ(The Jockey Club)が発表している生産統計(Breeding Statistics)から2021年種付け、2022年誕生のデータを引っ張りPedigreequeryで調べた血統情報を付記しました。

表を公開しておきますので、使って何かしたい方はどうぞ。

種付け頭数が29065頭に対して出生産駒数は18609頭なので2/3弱でした。

出生頭数ベースで見るとNearco直系が10000頭を超えていて、最大手はやはりStorm Cat直系です。その中でもInto Mischiefらの躍進でHarlanの分枝が最大勢力になっています。以下はGiant's Causeway、HennessyTale Of The Catが続きます。

Danzigの直系はWar Frontが過半を占めていて、Hard Spunが粘っています。欧州やオセアニアを席巻するDanehillGreen Desertの存在感が薄いのが特徴です。

Sadler's Wells直系ではEl PradoからMedaglia D'Oroに流れるラインが半数以上になっていて、ここにKitten's Joyを加えたらそれでほとんどなのが現状です。Galileoをどうやって取り込むかは北米もまだ方向性が見えていません。なにせケンタッキーに種牡馬がいません。

勢力を急速に失っているのがDeputy Ministerの直系でAwesome Againの後継者Ghostzapperからこれといった良い種牡馬が出ておらず厳しい状況で、Awesome Again全体としても今後Payntorくらいしか期待がかけられません。Silver Deputyも衰退が明確で、Mind Your Biscuitsを日本に持ってきちゃったから仕方ないネとしか言えない。

Dixieland BandはDixie UnionからUnion Ragsと代を進め、さらにCatalina Cruiserが出たので、まずまずか。

Nasrullahの父系は主としてA.P. IndyとCaroに分けられます。A.P. IndyはすでにTapitが主軸となっており、他にBernardini、Malibu Moon、Mineshaft、Flatterが目立ちまが、そうはいってもBernardiniの後継種牡馬は失速感が強くあります。CaroはUncle Moの躍進が第一ですが、Uncle Mo以外のIndian Charlie後継も意外と数値を持っています。一方でCozzeneはMizzen Mastが孤塁を守る状況でしたが、このシーズンを最後に種牡馬引退となっています。

Royal Charger系は言わずもがなHaloとRobertoで、その中でもSouthern HaloからMore Than Readyが有力です。Sunday Silence系も存在感を見せておりますが、Deep Impact産駒Dowsingは15頭種付けで出生なしなのがよくわかりません。種付け料が上がっているのがもっとよくわからない。Robertoは直仔種牡馬が引退しきって次代がかなり細くなってしまいました。Kris S.の分枝でもSunday Silence系と変わらないレベルになっています。DynaformerはPoint Of Entryがオンタリオに行ってしまい、ケンタッキーにはTemple Cityが残るのみです。

ミスプロはやはりFappiano直系が強く、主流のUnbridledからはEmpire MakerUnbridled's Songの2本が勢力を築いていますが、Empire Makerが伸びているのに対してUnbridled's Songは減りつつあります。また、Candy Rideの伸びがすさまじく、規模ではUnbridled分枝に迫りつつあります。Quiet AmericanはMidnight Luteに頼る状況が続き、Midnight Bisouの活躍でラストチャンスがあるかといったところ。

Gone West直系はSpeightstownとElusive Qualityが勢力を有していますが、拡大しているわけではなく、伸び悩みといった印象でしょうか。

Smart Strike系はCurlin、Lookin At Lucky、English Channelの3ラインがありますが、Curlinが軸で、English Channelはやや少なくなっています。

とうとう種牡馬を引退したDistorted HumorはMaclean's Musicなどの後継種牡馬が好調です。

Street Cry系も規模を維持しているのですが、北米での活躍馬として見ると近年はやや物足りないかもしれません。

Carson CityもCity Zipが意外と粘っており、ImprobableとCollectedがケンタッキーで100頭を超える牝馬を集めていますからまだまだやれそうです。

Gulchはカリフォルニアに導入されたSir Prancealotの寄与が大きく、今後結果が出てくれば面白いです。

KingmamboはLemon Drop Kidの後継が残っていますが、すべてまとめてもロードカナロアの数にすら及ばない状況で、今後一線級の父系としてはキングカメハメハ直系が日本で残っていくということになりそうです。

一時は後継種牡馬と合わせて1000頭に迫る種付け頭数があったTiznowですが、その頃の勢いはなくなりました。ケンタッキーにはTouristが残っていますがそれも今年までで来年はニューヨークで種付けを行います。

マイナー父系はいずれも僻地で細々と代を繋ぐような状態で、逆転の目が残っているのはケンタッキーでまとまった種付けができるMucho Macho Manくらいでしょう。彼にしてもMucho Gustoはサウジアラビアに持っていかれてしまい、牡馬では現役のCity Manが実績トップといった有様です。

種牡馬ボトムラインもとりあえず作っただけですが、公開します。

ボトムラインから見るのはぶれも大きいのですが時間があれば別途何か書くかもしれません。とても見にくいのは分かっているので、何か他に良いやり方ないかな。

とりあえず今回は2ヶ月弱で仕上がったので褒めてほしい。こんなことやってるから経験値が偏るんですよね。