Lane's End Stallion Roaster 2017

2017年のLane's Endのスタリオンロースターは2016年から大きな動きはなく、ウルグアイのHaras Lacalaに売却されたDiscreetly Mineが抜けただけで、新たにロースター入りする種牡馬はいませんでした。

StallionSire2017 Fee2016 Fee2015 Fee
DamChangesMares BredFoal/Bred
Candy RideRide The Rails600006000060000
Candy GirlStay140123/154
City ZipCarson City500004000040000
Baby Zip+25%12984/106
Discreetly MineMineshaftTo Haras Lacala500010000
Pretty DiscreetUruguay2333/48
Honor CodeA.P. Indy4000040000---
Serena's CatStay144---
LangfuhrDanzig500050007500
Sweet Briar TooStay3120/32
Lemon Drop KidKingmambo400004000040000
Charming LassieStay113114/137
Liam's MapUnbridled's Song2500025000---
Miss Macy SueStay148---
MineshaftA.P. Indy250002500025000
Prospectors DelightStay13265/100
Morning LineTiznow100001000010000
Indian SnowStay5661/88
Mr SpeakerPulpit1000010000---
SaluteStay117---
Noble MissionGalileo250002500025000
KindStay63116/146
Quality RoadElusive Quality350003500035000
KoblaStay112117/152
The FactorWar Front250002500015000
GreyciousnessStay127112/151
TonalistTapit3000030000---
Settling MistStay138---
Twirling CandyCandy Ride200001500010000
House Of Danzig+33%159119/154
Union RagsDixie Union500003500035000
Tempo+43%123110/145
多くの種牡馬で種付け料は据え置きとなっていますが、Union Rags、City Zip、Twirling Candyは値上げされています。
2016年に種牡馬入りした4頭は種付け頭数が軒並み100頭を超える状況にあり、ひとまず良い出足にはあるでしょう。

Candy Ride

種付け料は変わらず60000ドルを維持しました。2016年のリーディングサイアーランキングでは4位を争う状況です。
今年のG1勝ちはGun RunnerのClark Hのみですが、Gun Runnerは高額賞金のLouisiana Derbyも勝っており、リーディングで大きな寄与を見せています。
最上位層がやや薄い印象はありリーディングの上位ではありますが、停滞している印象は受けます。通常であればGun Runnerクラスが出れば十分なのですが、現状Lane's Endのトップであることを考えるともう一段強さのある産駒が欲しいところです。

City Zip

種付け料を10000ドル上積みしてとうとう50000ドルに乗せました。
リーディングは10位に届くかどうかといったところで、Candy Rideとの違いはGun Runnerが出たか出なかったかというレベル。尤もCity Zipは3歳のド本線に産駒を送り込んでこないという印象はあり、その代わりにBCで強いのです。今年もFinest CityがBC Fillies And Mare Sprintを勝ってBCのタイトルを得ました。
短距離を得意とする産駒を多く出していて使いやすい種牡馬というイメージを持っていますが、2016年にはCatch A GlimpseでBelmont Oaksを勝ち、ZipessaがRodeo Drive Sで2着に入るなど10Fをこなす産駒も出てきています。
City ZipはGhostzapperの半弟という血統背景と2歳でのHopeful S勝ちという実績で、2002年にニューヨーク州のContemporary Stallionsで種牡馬入りし、2005年からLane's Endに移っています。ニューヨーク州では7500ドルだった種付け料がLane's Endに移ると同時に倍の15000ドルとなり、その後2010年には10000ドルまで落としてしまいますが、そこからは上昇基調で来年は50000ドルです。2014年以前も徐々に上昇していましたが、やはりBCを勝ち始めたことの影響は大きいです。
活躍馬には牝馬が多く、牡馬ではBCを勝ったWork All Weekはセン馬であったため、現時点での後継種牡馬で大物は2016年から種牡馬入りしたPalaceくらいでしょう。

Discreetly Mine

ウルグアイのHaras Lacalaに購入され、ウルグアイに旅立ちました。活躍馬が出ず種付け料も種付け頭数も減少の一途であったのでやむを得ないのでしょう。2016年は5000ドルで23頭にしか種付けをしていませんから、もう上がり目はないと判断されたのではないかと思います。
Lane's EndとしてはMineshaftの後継種牡馬として期待したのでしょうが、Mineshaft自身がそこまで伸びない状況にあっては、この状態では抱えきれないという判断もあるのかなと。そもそもA.P. Indyの後継ラインはTapitが主流となる流れで、Lane's EndだってTonalistを入れましたからね。

Honor Code

2016年に種牡馬入りですから2017年の種付け料は据え置きの40000ドル。
初年度が144頭ですから十分な数字でしょう。A.P. Indyの最終世代*1、母はSerena's Catという血統に加え、G1を2勝して古馬チャンピオンのタイトルを得ての種牡馬入りですから期待が大きいのでしょう。正直、この競争実績で40000ドルだと100頭前後だと考えていました。

Langfuhr

種付け料は5000ドルのまま。
高齢で種付け頭数が減っており、2016年は種付けが31頭と報告されています。産駒頭数も減少し、それに伴ってリーディングも順位を下げていますが、それ以上に重賞級がほとんど出てこなくなりました。2016年の重賞勝ちはアポロケンタッキーで勝ったみやこSの1勝だけです。

Lemon Drop Kid

2017年の種付け料は40000ドル。
Beach PatrolがSecretariat Sを勝ち、Hollywood Derbyを2着と芝に活躍馬が現れました。Da Big Hossなどもいて、Kid Cruz以外の重賞級は芝での実績馬です。芝での獲得賞金が全体の50%を超えており、特に上級レースでの芝偏重が目立つため、芝をこなす上級馬に支えられていると言えます。

Liam's Map

種付け料は25000ドル。初年度が148頭ですから良い出足でしょう。
Unbridled's Song後継種牡馬としては2016年の最多頭数となっています。種付け料もWill Take Chargeの30000ドルに次ぐ水準ですし、かなりの評価を受けています。
Unbridled's Songの後継種牡馬はSongandprayerはすでにルイジアナ州に流れてしまい、Midshipmanも産駒成績が上がってこないという状況で、Grayder、Will Take Charge、Liam's Map、Cross Trafficといったこれからの種牡馬の勝負という段階になっているように思います。

Mineshaft

種付け料は25000ドルに据え置かれています。種付け頭数も132頭と好調です。Honor Codeが入って割を食う面があるかと思いましたが、今のところそれはなかったようです。
一時期落ち込んだ頃の影響からは脱しているのですが、それにしてはリーディングが上がってきません。2016年はWeep No MoreがAshland Sを勝ったほか、Effinexが堅実に稼いでいますが、メインストリームのG1を走るほどの産駒は出せませんでした。

Morning Line

種付け料は据え置かれ10000ドルですが、2016年の種付け頭数が56頭にまで減ったのが気掛かりです。産駒デビューの前年で落ち込むタイミングではありますが、Morning Lineの場合は現役を引っ張ったものの実績を積み増せず、10000ドルの種付け料で種牡馬入りしたものの種付けが100頭を超えずといった状況にあるので。
Tiznowの後継は出入りが活発なだけに、初年度産駒で結果が付いてこないと厳しいでしょうね。

Mr Speaker

種付け料は10000ドル。初年度の種付けは117頭でした。
父がPulpitで母父にはUnbridledを抱えていることからTapitの代用、あるいは祖母がPersonal Ensignといったところで需要を喚起しています。競走実績としては芝寄りのPulpitなのでRutherienneやStrollといった風。種付け料10000ドルで100頭を超えてくるとは思わなかった。

Noble Mission

種付け料は25000ドルに据え置かれましたが、2年目となる2016年の種付け頭数は63頭と大きく減らしました。
これはNoble Missionだけでなく、北米のGalileo直仔種牡馬全体の傾向で、Magicianも76頭、フロリダのTreasure Beachも75頭といった具合に前年からの減少幅が大きく出ています。Cape Blancoが失敗している影響で、少し慎重になっている気がしますね。

Quality Road

種付け料35000ドル。2016年は112頭への種付けを行っています。
2016年もKlimtが2歳でG1を勝つ早仕上がりな面を持ちつつ、サードクロップリーディングをとる勢いを見せるなど、古馬戦でも活躍させられる能力を見せています。

The Factor

種付け料は25000ドル。2016年の種付け頭数は127頭でした。
初年度産駒がデビューしNoted And QuotedでChandelier Sを勝ちましたが、それ以外はパッとしません。3歳になってからが勝負という面はあろうかと思うので、明け3歳がどこまで結果を出せるかでしょうね。

Tonalist

種付け料は30000ドルで、初年度は138頭に種付けを行っています。2016年に種牡馬入りしたTapit産駒はConstitution、Race Day、Tapitureが150頭を超える種付けを行ったので、Race Dayなんかは種付け料からして同じクラスではないとは言えるものの、まだ足りないとすら思えます。Tapit後継は新規種牡馬が軒並み種付け頭数を確保する反面、すぐに需要を次の新しい種牡馬に持って行かれる状況になっているので、産駒デビューまで減る傾向はあるでしょう。

Twirling Candy

ファーストクロップリーディングが2位、セカンドクロップリーディングが3位と好調な出だしを受けて種付け料が20000ドルに増額されました。2016年の種付け頭数は159頭と2年続けて150頭を超え順調な種牡馬キャリアを歩んでいるように見えます。
同時期の種牡馬入りには2世代ですでにリーディング3位につけるUncle Moという化け物が存在しますが、Twirling Candyもなかなかの結果です。初期の産駒はやや頭数が少ないにもかかわらず、ブラックタイプウィナーが多く出ており、あとはG1を勝てる馬が出ればという状況。

Union Rags

種付け料は50000ドルに増額されました。2016年の種付けは123頭です。
初年度産駒のデビューを迎え、Dancing RagsとUnion StrikeがそれぞれG1 Alcibiades SとG1 Del Mar Debutantを勝ちました。ファーストクロップリーディングは2位にとどまりますが、これは1位のDialed Inが高額賞金のDelta Downs Jackpotを勝ったGunneveraを抱えているからで、Union Ragsは内容でこれを上回ります。この週末のStarlet Sに出走するUnion Strikeの結果次第でファーストクロップリーディングを奪取できます。
今のところステークス馬は牝馬ばかりという状況であり、早いうちに牡馬のステークス勝ちが欲しいところで、G2 Ramsen Sを2着したNo Dozingに期待してみましょう。

*1:A.P. Indyは2011年にも種付けを行ったが、産駒出生は1頭のみでその1頭も競走馬になっておらず、Honor Codeらの2011年生となる世代が最終世代。