RMB 2013: Nasrullah part1 - A.P. Indy

北米のNasrullah直系でまとまった数を持っているのはCaro直系、Bold Ruler直系、Blushing Groom直系です。中でもBold Ruler直系から出たA.P. Indyの占める割合が大きく、Nasrullah全体としてもそのほとんどを占めていますが、Seattle SlewからはVindicationとCapoteがそこそこ残っており、Seattle Slew以外のBold RulerでもYes It’s Trueが奮闘し、Notebookの仔も残っています。一方Secretariatの直系はもうほとんどなくなっています。

A.P. Indy

種付け総数4757頭、種牡馬頭数140頭。
100頭を超えているのはMajestic Warrior(176)、Malibu Moon(157)、Bernardini(135)、Mineshaft(123)、Congrats(117)、Astrology(117)、Wilburn(160)、Stay Thirsty(131)、To Honor And Serve(123)、Algorithms(119)、Biondetti(108)、Dialed In(154)、Discreetly Mine(104)、Tapit(149)、Ice Box(103)、Hansen(147)、Tapizar(142)、Trappe Shot(120)、First Dude(150)です。これだけで2500頭を超えており、100頭以上の種付けを行っている種牡馬の数ではStorm Cat直系以上となっています。Bernardiniの仔などまだ産駒の実績がない種牡馬繁殖牝馬が集まっているのでこうした種牡馬の人気は一時的なものでしょうが、2014年にはOrbが種牡馬入りしますし、代わりはいくらでも出てきそうです。フロリダにFirst DudeとBiondettiがいる以外はすべてケンタッキーで供用されています。
直仔世代では実績のあるMalibu Moonと評価を回復したMineshaft、新鋭としてMajestic WarriorBernardiniが人気を集めている状況です。ケンタッキー州の大手種馬場に分散して多くの繁殖牝馬を集めており、北米の主流父系としての地位を得ています。また、ケンタッキー以外で活動する種牡馬もフロリダ、ニューヨーク、ペンシルヴァニア、カリフォルニア、メリーランドなどと上位の生産地を拠点にしており、父系としての勢いのある様子がうかがえます。
直孫も複数の系統から人気種牡馬が出ており、しばらく繁栄を続けるでしょう。

Pulpit

Pulpit自身はすでに死亡していますが、後継種牡馬を多く残しました。中でもTapitとSky Mesaが二枚看板となっており、さらにIce Boxなどが控えているという状況です。
Tapitは自身が149頭の種付けをこなし、その仔でもHansenの147頭を筆頭にTapizarが142頭、Trappe Shotが120頭と人気を集める系統になっています。これらの人気は種牡馬入り直後であるという事情を勘案する必要があり、今後これだけの種付け規模を維持できるかがポイントとなります。
Sky Mesaは大物がGeneral QuatersのみでTapitと比較すると見劣りします。Tapitとは対照的に北米の各地に種牡馬が散っており、後に残る種牡馬は多くない気がします。

Malibu Moon

Malibu Moonはここ数年のリーディングで10位以内に入り、2013年はリーディングサイアーも伺える状況でした。これを受けて種付け料は95000ドルと大台の手前まで上げています。一方後継種牡馬には恵まれていませんが、これはかつての大物Declan's Moonが去勢されていたこととこれまでの活躍馬が牝馬に偏っていたという事情があります。
Kentucky Derbyを勝ったOrbが3歳限りで引退種牡馬入りを決めてしまったのは、このような事情で已む無しとは思います。古馬相手のJockey Club Gold Cupで惨敗していることもありますし、さっさと引退してしまった方がKentucky Derby Winnerという肩書を活かせるというのもあるでしょう。しかしClaiborneはA.P. Indyばかり集めてきた感じになったなあ。

Stephen Got Even

初年度産駒が4歳になっても希望が見えないStevie Wonderboyはもう上がり目がなさそう。2014年からI Want Revengeが種牡馬入りしますが、今更という印象を受けますし10000ドルの種付け料設定では厳しいでしょう。一方フロリダでFirst Dudeが人気を集めており、今後はFirst Dude次第となりそうです。
Stephen Got Even自身はLane's Endで下の方のA.P. Indyへの需要を引き受ける立場にあり、Lane's Endにいる限りはそこそこ安泰っぽくはあります。

Mineshaft

Mineshaft自身が123頭を確保し、Dialed Inが154頭、Discreetly Mineが104頭とまずまずです。
Mineshaftの種付け頭数は130頭前後で安定するようになっています。
Dialed Inは初年度で種付け料が安いため牝馬が集まっており、すぐに減るでしょうけれども、というかMaiden Special Weightの1戦を勝っただけでUndefeated at 2と書くのはどうよ。
Discreetly Mineは産駒デビュー前で少し減りましたが健闘しています。ただ、期待感として初年度産駒が2歳でこけるとダメージが大きいのでこの2歳での結果次第です。Discreetly Mineの場合は一度落ちてしまうとMineshaftとかのように戻ってくるのは難しいでしょう。

Bernardini

Bernardiniはセカンドクロップ、サードクロップでリーディングを獲得して好調なスタートを見せ、シャトル先のオーストラリアでもG1馬を出して芝でも走れるところを見せています。これを受けて後継種牡馬も軒並み人気となり、初年度産駒のWilburnは3歳だけ走ってさっさと引退すると安い種付け料もあって繁殖を集めています。G1級の産駒では2013年から種牡馬入りとなったStay ThirstyやTo Honor And Serveがどちらも100頭を超えました。

50頭以上の種付けを行った種牡馬まで。
10〜49頭の種付けを行った種牡馬
  • A.P. Indy>Sundarban, Stephen Got Even, Dance With Ravens, Eye Of The Leopard, Telling, Hockenheim, Kennedy, United States, A.P. Warrior, Rock Slide, Indygo Shiner, Scipion, Revolving, Casanova Star, Saint Anddan, Sequoyah, Speed Ring, Marchfield, Rosberg, Indy Express, Indygo Mountain, Stratford Hill, Elshaan, Sungold, High Octane, Indy Wind, Golden Missile, Andiron
  • A.P. Indy-Pulpit>Stroll, Oratory, Special Rate, Rock Pulpit, Orthodox, Ordained, War Power, Rushin'to Altar, Podium, Corinthian
  • A.P. Indy-Pulpit-Sky Mesa>Skylord, Princeandrew
  • A.P. Indy-Stephen Got Even>Time To Get Even, Don't Get Mad, Stevie Wonderboy
  • A.P. Indy-Old Trieste>Silver Train
  • A.P. Indy-Mineshaft>Cool Coal Man, Like Minded, The Gift Is Mine
  • A.P. Indy-Flatter>Mad Flatter
  • A.P. Indy-Bernardini>Messner, Bold Warrior, Crossbow