Equus Awards 2012-13

記録として。
年度代表馬は去年と同じくVariety Clubが獲得しましたが、どこか腑に落ちない点があるのも去年と同じです。

International Achievement Award - Shea Shea

父National Emblem、母Yankee Clipperの南アフリカ産馬。Klawervlei Stud生産、Messrs M.C. Berzack & B. Joffe所有、調教師Mike De Kock。
今年特別に設けられた賞で、ドバイでのAl Quoz Sprint勝利に対して与えられました。現在南アフリカから国外に遠征するにあたっては長期の検疫期間を必要とし、競走馬の現役の少なくない期間を犠牲とすることになります。Shea Sheaもドバイで出走するために2012年4月のComputaform Sprintを勝った後は南アフリカでは出走していません。それでも今年のドバイではShea Sheaが勝ったほか、The Apacheも健闘しました。南アフリカの期待を集めたIguguが調子を落としていたのは残念でしたが、トップホースの国外流出はやはり止められないのだなと。南アフリカ時代はGeoff Woodruff調教師の管理でしたが、国外に出るにあたってMike De Kockの管理に移っています。この辺りはRiver Jetezなどと同じ事情。南アフリカでは国外に持っていくならMike De Kockに任せてしまえばという雰囲気はあるようです。ほかにドバイなどで実績のあるのはHerman Brownですが

Breeder Award - Exceptional International Achievement: Klawervlei Stud

Shea Sheaの生産者として、セットでの受賞です。

Champion Two-Year-Old Colt: Kochka

父Black Minnaloushe、母Little Strikeの南アフリカ産馬。Danika Stud生産、Mr. J.G. Jones所有、調教師はAlyson Wright。通算4戦2勝。デビュー戦を勝利した後、Tsugo Sun Medallionを4着、Golden Horseshoeを2着の後、Premier's Championを勝利。最後の勝利でForest Indigoを逆転したことになります。また、Medallionを勝ったCaptain Of Allにはデビュー戦で勝っていますし、Golden Horseshoeでも先着となれば妥当な受賞でしょう。

Champion Two-Year-Old Filly: Along Came Polly

父Judpot、母Perfect Pollyの南アフリカ産馬。Varsfontein Stud生産、Mr. D.B. Burnard所有。調教師はGavin van Zyl。通算4戦1勝でシーズン最後のThekwini Sを勝ったにとどまりますが、Allan Robertson ChampionshipとGolden Slipperをともに2着と安定した結果を残していました。Golden Slipperを勝ったFor The Ladsを安定感で上回っての受賞でしょう。そして2歳の表彰はやはり最後に1600mのG1になるGreyville戦を勝つと有利ですね。

Champion Three-Year-Old Colt: Vercingetorix

父Silvano、母National Vixenの南アフリカ産馬。Klawervlei Stud生産、Al Adiyaat South Africa所有、調教師はMike De Kock。3月にVaalでデビューするとそこから4連勝でDaily News 2000を勝ちました。
ナタールのシーズンに入るまではケープ2冠のCapetown Noirが有力でしたが、KRA Guineas、Daily News 2000と連続でVercingetorixに敗れて印象を悪化させ、Durban Julyも惨敗しています。Capetown Noirナタールで走ってなければもっときわどい語論もあったのかなといったところ。

Champion Three-Year-Old Filly: Cherry On The Top

Tiger Ridge、母Carolina Cherryの南アフリカ産馬。Mauritzfontein Stud生産、Mrs. B.D. Oppenheimer所有、調教師はOrmonde Ferraris。Turffonteinの牝馬三冠を達成して受賞。しかしその後のWoolavington 2000では三冠戦で2着に下していたDo You Rememberに逆転を許しただけでなく4着に敗北したので少々印象が落ちています。同じ牝馬三冠といえども、圧倒的な強さを見せたIguguと比較できるレベルにはありません。

Horse of the Year, Champion Older Male, Champion Miler: Variety Club

父Var、母La Massineの南アフリカ産馬。Beaumont Stud生産、Mrs. I Jooste & Mr. M.J. Jooste所有、調教師はJoey Ramsden。去年の年度代表馬、3歳チャンピオンに続く受賞。距離別部門で今年はマイラー部門を受賞しています。出走を絞って5戦しかしていませんが全勝しました。とはいえG1はQueen's PlateとGold Challengeの2つで、J&B MetやDurban Julyに出走しないままの受賞でやはり去年と同様に恵まれた年度代表馬という印象を受けてしまいます。J&B Metが一発屋のMartial Eagle、Durban Julyが突出度のないHeavy Metalで恵まれています。

Champion Older Filly/Mare: Beach Beauty

父Dynasty、母Sun Coastの南アフリカ産馬。Mr. T. Armitage生産、Shanks Syndicate所有、調教師はDennis Drier。シーズンはPaddock SとGarden Province Sの牝馬限定G1で2勝。混合戦ではJ&B Metを3着、Gold Challengeを2着と古馬路線を牽引しました。

Champion Sprinter: What A Winter

父Western Winter、母Waseelaの南アフリカ産馬。Daytona Stud生産、Messrs M.W. Bass, Bryn Ressell, G.N. Shirtliff & N.M. Shirtliff所有、調教師はMike Bass。1600mのQueen's Plateを12着に終わるとスプリントに専念しCape Flying ChampionshipとComputaform Sprintを勝利。Mercury SprintではAll Is Secretに屈しましたが、総合的には上回り2年連続で短距離王者となりました。この実績を引っ提げてWhat A Winterは引退して種牡馬入りしました。

Champion Middle-Distance: Heavy Metal

父Silvano、母Percussionの南アフリカ産馬。Bosworth Farm Stud生産、Mr. C.J.H. van Niekerk所有、調教師はSean Tarry。シーズンではChampions ChallengeとDurban Julyを勝っており古馬王者を狙える成績でしたが、そのどちらもが人気薄での勝利ということでポイントを下げたようです。Variety Clubには無敗というポイントもありましたし、戦績が不安定なHeavy Metalは少々不利でした。シーズンの獲得賞金はトップで勝っているG1の格はVariety Clubを上回っていたんですけどね。

Champion Stayer: Jeppe's Reef

父Jallad、母Studio Fifty Fourの南アフリカ産馬。Drakenstein Stud生産所有、調教師はMike Bass。期間中3勝で最後にGold Cupを勝っており、当然の受賞でしょう。

Champion Stallion: Silvano

父Lomitas、母Spirit Of Eagles。Maine Chance Farm所有。ついにSilvanoがリーディングサイアーを獲得しました。昨シーズンは前半から産駒が好調で、サイアーリーディングをJet Masterらと競っていましたが、G1戦線が本格化するとMartial Eagle、Heavy Metal、Happy Valentine、Vercingetorix、Do You Remember、Lucky Speedと産駒が立て続けにG1を勝ちました。中でもJ&B MetをMartial Eagle、Durban JulyをHeavy Metalで制していますし、Daily News 2000のVercingetorix、Woolavington 2000のDo You Rememberと合わせてJet Masterを一気に突き放し、最終的には総獲得賞金で500万ランドの差をつけています。
サイアーリーディングはSilvano以下、Jet Master、Var、Captain Al、Kahal、Western Winter、Dynasty、Tiger Ridge、Fort Wood、Spectrumがトップ10です。
南アフリカではすでにJet Master、Western Winterが亡くなっており、昨シーズンは西ケープで長く活躍したCaesourやCasey Tibbsも亡くなり、種牡馬の世代交代が進んでいます。すでにある程度の結果を出しているDynastyに加えて、牝馬三冠のCherry On The Topを出したTiger Ridgeや初年度産駒が好調なJudpotなどが今後伸ばしてくるのではないかと思われます。
17歳になったSilvanoはそうした若い種牡馬の挑戦を受ける立場となりました。

Outstanding Stallion Achievemnt: Judpot

A.P. Indy、母Miesque。Varsfontein Stud所有。怪我のため未出走のまま南アフリカ種牡馬入りしています。南アフリカが好みそうな良血です。昨シーズンに初年度産駒がデビューを迎え、勝ちあがりが9頭とやや少ないのですが、Forest IndigoとAlong Came PollyがG1を勝った強みで2歳リーディングでは3位につけました。

Champion Broodmare: Akinfeet

Lammerskraal Stud所有。Capetown Noirの母です。息子が年度表彰の選から漏れたという点も考慮されたでしょうか。Capetown Noirの全兄であるAcross The IceはAugust Sを勝っています。

Champion Breeder: Summerhill Stud

Summerhill StudがKlawervlei Studとの激戦を制してタイトルを守りました。総獲得賞金はSummerhillが16145020ランドに対してKlawervlei Studが15980582ランドでした。勝利頭数及び勝利賞金ではKlawervlei Studが上回っています。Klawervlei生産のShea Sheaが南アフリカに残って出走していたら逆転していたかもしれません
3位以下はHighlands Farm Stud、Maine Chance Farm、Wilgerbosdrift、Varsfontein Stud、Lammerskraal Stud、Scott Bros、Mauritzfontein Stud、Bosworth Farm Studがトップ10でした。

Champion Jockey: Pierre Strydom

Pierre Strydomはフリーランスのジョッキーでいろいろ問題行動も多いのですが、腕は確かです。昨シーズン210勝で、2位のAnton Marcusの149勝に大差をつけています。勝率ではMarcusの29%が基地外レベルですが。

Apprentice of the Year: Nooresh Juglall

Nooresh Juglallはモーリシャスの若手騎手で南アフリカではCherry On The Topの主戦を務めました。1035戦で101勝を挙げています。

Champion Trainer: Mike De Kock

Mike De Kockが164勝を挙げてリーディングを獲得しましたが、南アフリカ国内の大レースではやや影が薄かったシーズンでした。いつも通り大量にエントリーしていましたが、結果に結びつかない一年だったかもしれません。獲得賞金は122勝で2位のSean Tarryとほぼ変わりませんね。

Owners of the Year: Mrs. I. Jooste & Mr. M.J. Jooste

いつものJooste夫妻が獲得。1240走で177勝と他の追随を許しません。勝率や入着率も悪くないですし、他のオーナーが1頭くらい良い馬を持ってもひっくりかえせません。

Media Award - Print: David Thiselton

Media Award - Television: Jimmy Lighgow