President of the Russian Federation S preview

ロシア競馬最大のレース。今年はCentral Moscow Hippdromeの2400mで開催されます。賞金は1000万ルーブル。出走資格は4歳以上でセン馬不可。
出走馬を順に紹介してみます。

Baletmeister

Pulpitアメリカ産馬。5歳。Kazanで連勝の勢いで挑んだ去年は4着に終わり、その後G1を勝ちきれないまま4歳のシーズンを終えました。今年はKazanで復帰した後この1戦を見据えてMoscowの条件戦をこなしていずれも勝利と上々の臨戦過程です。大きいところを勝つにはちょっと足りないのかと思わせるところが如何にもという雰囲気ですね。

Korol

Afleet Alexアメリカ産馬。Kazanで開催された去年のレースの勝ち馬です。ビッグタイトルは去年のこのレースが始めてという上がり馬でしたが、その後もKazanでは強いところを見せていました。13戦8勝で勝ったのは全てKazanのレース。出走もKazanに集中しています。前走はMoscowでElite Sに出走して4着でした。Baletmeisterもそうだけど、Kazanだけ強いというパターンがあるのでちょっと不安はある。

Joker

High Chaparralアイルランド産馬。去年の2着馬。R.A. Kadyrovの所有でPyatigorskやGudermesで主に出走し、通算13戦5勝。Kadyrovに持たれると使われ方が特殊になってしまって他馬との比較が難しいという好例となってしまいました。今年はMoscowでEntrance S、Elite Sと走って3着、7着と結果がついてきていません。期待は出来ないでしょう。

Arkaim

Empire Makerアメリカ産馬。KrasnodarのElite Sを勝っての参戦となります。通算7戦3勝で、前走のElite Sが初の重賞タイトルという上がり馬です。強い馬と当たってきているわけではないのでいきなりこの相手では厳しい。

Max Otto

父Proclamationのイギリス産馬。2歳で重賞を勝って期待されましたが、3歳シーズンを結果を残せないままに過ごしており、そんな状況だったので最後にSouth Of Russia Derbyを勝った時には驚かされました。今年はNal'chikで2勝しての参戦となるのですが、そのレベルだと勝って当然といったしかいないのでどこまで強いのかはよく分からないまま。

Bariton

父Purgeのアメリカ産馬。どこでも相手なりに走って結果を残すタイプ。去年はPresident Of The Russian Federation Sには出走しなかったが、その後のKazanのG1を2つ走って2着と1着。KorolやBaletmeisterと互角に渡り合っています。今年はMoscowで2戦し、Khoresm Sを勝ってElite Sでは2着。この馬としては仕上がっているレベルなんじゃないかと。

Cherny Prince

Singspielのカナダ産馬。去年はRussian Derby2着、Krasnodar Derby3着、South Of Russia Derby2着といずれも後一歩のところでG1勝ちを逃しました。大きいレースを勝つのに何か足りない。

Arjuna

父Joharのロシア持ち込み産馬。去年はRussian 2000 GuineasとRussian Derbyを勝って二冠馬となっていますが、それ以外の成績はぱっとしない。むしろよくその2つを勝てたなというのが正直なところ。狙ったレースで結果を残せると言えば良いのかもしれませんが、どうにもそうは見えないのですね。今年はMoscowで一般戦とElite Sに出走しましたが、5着と6着に終わり、期待は出来ません。Elite Sはこのレースの前哨戦という風でもあるので、そこで6着に終わっては巻き返しは考えにくいです。

Close Alliance

Gone Westアメリカ産馬。4歳になってロシアに移籍した馬で、去年は3着。G1はPresident of Tatarstan Republic SとRussian Ministry Of Agriculture Sを勝っています。前走はMoscowのElite Sで5着。上位5頭まで差の少ないレースだったけど、そこで一番後ろなのがClose Allianceの限界でもあるかな。

Frantzuz

父Delle Francescaのフランス産馬。Nal'chikで走って15戦8勝の実績を積み上げて挑戦してきました。RostovのFarewell Sも勝っているのでNal'chik以外で走れない事もないのでしょうが、やはりNal'chikで楽なレースをしてきてるなというのが正直なところです。Nal'chikはレベルがやや落ちます。

Khoresm

父Hawk Kingのアイルランド産馬。2010年にRostovで開催されたPresident Of The Russian Federation Sを勝ちました。その後Gudermesで走って勝ちきれなかったり、2011年は2戦だけで終わってしまったりとちょっと上手く回っていません。今年はKazanで3戦しNureyev SとTatarstan Graingrowers Sを勝ちました。ちゃんと使えている分だけ去年よりマシですね。Nureyev SはKazanのElite Sに当たるレースでしたが、今年は連邦大統領杯がMoscow開催ということもあってかメンバーは低調でした。

Palech

Mineshaftアメリカ産馬。フランスで走って6戦1勝の経歴があり、今年からロシア所属。Central Moscowで2戦してEntrance S、Elite Sをともに勝利。まだ底が見えておらず、フランスで勝ち上がる程度の能力があって、Central Moscowのコースにも適応したのならばかなり期待して良さそうです。
以上の12頭が今年のエントラント。MoscowのElite SではPalechがBariton、Korol、Close Alliance、Arjuna、Jokerをまとめて下しており、この移籍馬がレースの軸になりそうです。Elite Sからでは2着のBaritonと4着のKorolに逆転の期待がかかりますが、Close Alliance以下ではやや厳しく思えます。調子を上げてきたStatic Memoryが出走しないのは残念ですね。Baletmeisterは2400mではそこまで強くないのではないかという感じも受けるのでどうかな。
ペース次第ということもあるのですが、このメンバーでそこまでスローにはならないように思います。2分35秒台くらいありそうで、ここに出走するような馬だとほぼ速いレースの経験を持っている馬ばかりですけど、敢えてあげるならKorolとかAkraimあたり好物なのかなとも。Palechも2000mのEntrance Sの時計はかなり速いのでロシア的なハイペースをこなせるでしょう。
アンダーカードのメンバーも充実しています。ロシア産馬限定のRussian Breeders SにはMata Hariが出走予定です。ロシア産馬限定競走に持ち込み馬出走させるってのはまあ、禁じ手に近いんじゃねくらいの感覚はあります。それくらいレベルの違いはあります。