Ron The Greek again

It may be Ron The Greek! It might be Wise Dan!
やりおったですよ、2勝目ですよ、G1。
6月16日にChurchill Downsで行われたG1 Stephen Foster HをRon The Greekが勝ち、3月のSanta Anita Hに続くG1勝利となりました。前走の復帰戦を軽くクリアして万全の出走体制だったWise Danがタダ貰いのレースと見当をつけていただけに意外な気もいたします。
今年のStephen Foster Hは圧倒的な人気となったWise Dan、前走のOaklawn Park Hを勝ったAlternationを含む8頭のフィールドで開催されました。Ron The GreekはG1馬といえども、そのSanta Anita Hはアプセットと見られるのを享受しなければならず、また前走Oaklawn Park Hも2着ではあるもののAlternationとの差は2馬身半。それを反映して斤量もWise Danが123ポンド、Alternationが122ポンドを背負ったのに対してRon The Greekは119ポンドと一つ下の評価であり、差が小さいながらも5番人気でレースを迎えました。
この日のChurchill Downs開催は"Downs After Dark"と銘打ったナイトレースとして開催されました。スタートから前5頭、後ろ3頭に分かれて進み、Wise Danは前の集団の真ん中につける絶好の位置でした。Ron The Greekは当然後ろに控えての競馬。レースをリードしたのはNates Mineshaftで、Fort LarnedのチャレンジとWise Danのプレッシャーを受けつつも、2Fを23秒台で刻んでレースを作りました。3コーナーに向かってペースが落ちると、後方勢ではまずRouge Romanceが外から捲りにいくも少し勢いが足りず、先頭集団にとりつくに留まります。Ron The Greekは埒沿いに控えて4コーナーでChurchill Downs名物のイン差し、いわゆるCalvin Borel Lineを進路と定めて直線へ。Nates Mineshaftが粘る中、Wise Danがその外から勝負に掛かります。直線でもNates Mineshaftの脚は止まらずにこのまま逃げ込むかと思われました。Wise Danが差を詰められず、Ron The Greekも3着に上がったまでかと。しかし残り0.5Fを振り切る力がNates Mineshaftには残っていませんでした。内外からRon The GreekとWise Danが一気に差を詰めて交わしたところが決勝線。写真判定の結果、Ron The Greekの頭が前に出ており、1着Ron The Greek、2着Wise Danと決着しました。
Ron The Greekの勝因はStreet SenseもMine That Birdも通ったあのライン。外に振っていては良くて3着があったかどうか。尤も、Kentucky Derbyですらあのラインを使えるのですから、8頭しか走っていないこのレースでそれが出来ないはずもなく、鞍上Jose Lezcanoは最初からイン差しで決め打ちしていたように思います。Wise Danは直線で軽く外に振られるようになって少し蛇行気味の進路となったことも最後に影響したかもしれません。3着Nates Mineshaftは良いレースで、距離が少し長かったか。8.5Fなら粘り込んで勝てたレース。これが8Fだとスタートからスピード負けしてダメっぽい気がするのですが。
Ron The Greekはこれで通算19戦7勝。重賞勝利は3歳のLecomte Sと今年のSanta Anita Hがあり、今年は他にSunshine Millions ClassicやOaklawn Park Hの2着もあって獲得賞金が100万ドルを超えました。Full Mandate産駒としては唯一の重賞馬ですが、これほどまでになるとは。管理するBill Mott調教師にとってはこの前のFleur De Lis Sで圧勝したRoyal DeltaとこのRon The Greekでビッグデイとなりました。
この勝利でRon The Greekは今年Santa Anita開催のBC Classicのゲート入りが保証されました。このため、BCを最大目標として、そのプレップにJockey Club Gold Cupを選択することになりそうです。
ドバイ遠征から戻って初戦を無難にこなしたRoyal Deltaも連覇を目指すBC Ladies Classicが最大目標になります。次走は7月のDelaware Hを予定。最終的にはニューヨークでプレップを使ってRon The Greekとともに西に向かうことになりそう。
ところで、この日のChurchill DownsにはG3 Regret SにCentre Courtを出走させたG. Watts Humphrey Jr.も来場していたようです。Ron The Greekの父Full Mandateの生産者です。Centre Courtも勝ちましたし、メインレースではFull Mandateの仔が勝って、こちらにとっても良い一日でした。
Santa Anita行きたいなあ…時期的に無理すぎますけど。Ron The Greekは状態が良ければ今年あと3戦する予定とのことですが、JRA様におかれましてはなんとかしてRon The GreekをJCDに引っ張ってきていただけますよう(以下略