ニュージーランド

GSC Report

今シーズンも重賞格付けはG1とG2で変更なしになり、大きな動きはありませんでした。来シーズン以降に降格の可能性がある2nd WarningがG1ではLevin Classicに新たに発行されました。この他にWaikatoのInternational Sが継続して2nd Warningの状態に置かれています。
昨シーズンAuckland RCが代替開催したAvondale JCの重賞は今シーズンも引き続きAuckland RCによる開催となりました。開催時期、条件は変更される可能性があります。
2012年3月以降Listedの最低賞金が5万NZドルに引き上げられています。地味ながら影響が大きそうです。

Seasonal Award

2010-11シーズンの年度表彰も発表されました。年度代表馬はJimmy Choux。NZ Derbyを勝ってオーストラリアに遠征し、Rosehillでも勝ち星を挙げましたから順当なところでしょう。メディアリリースとして下記のpdfファイルがありましたので、その内容を順に紹介します。
26-8-11 NZTR Horse Of The Year Awards 2011

Grosvenor Stallion Award: Thorn Park

ニュージーランド国内だけを対象とした獲得賞金です。それと以下も含めてステークスレースだけの集計の模様。
Jimmy Chouxを筆頭にG1馬を4頭出したThorn Parkが獲得賞金では300万NZドルを超え、2位Pinsにダブルスコアを決めています。リステッド勝ち4頭、G1勝ち4頭という極端な結果ですね。ステークスに限定しても差は広がるだけでしょう。勝率はそこそこあるので悪くないのですけど、NZ Derbyの賞金が抜けて高いですし、Jimmy Chouxは2000 Guineasも勝ってミリオンレース2勝で稼いでいます。
PinsはG1を勝てなかったし、昨シーズンは不振だったように思います。Stakes Earningsのリストは探しましたが、見あたらないので普通のEarningsを参照していますが、2位から4位までは僅差でKeeperPentireと続きます。KeeperはKeep The Faithなどが活躍、Pentireはなんと言ってもMufhasaが大きいです。そのあとがMontjeu、Lord Ballina、Volksraad、Stravinsky、O'Reilly、No Excuse Neededというトップ10。MontjeuはWall Street、Lord BallinaはTitchのウェイトが大きいですね。

Dewar Stallion Award: High Chaparral

こちらはニュージーランドとオーストラリアの成績を合わせたもの。シーズン前半のSo You Think無双でHigh Chaparralが獲得。

Centaine Stallion Award: Pins

対象が全世界になったらPins。これは謎。どう頑張ってもPins産駒はそこまで稼いでないだろうと。香港かなあ。

NZTR Breeder of the Year: Piper Farm Ltd

So You ThinkとC'est la Guerreの生産者。ファイナリストにはSo You Thinkの共同生産者のMichael Moran、Jimmy Chouxの生産者Chouxmaani Investments Ltd、Beauty Flashなどの生産者Windsor Park Stud Ltdが入っています。

NZTR Broodmare of the Year: Triassic

So You Thinkの母です。これは文句なしでしょう。ファイナリストにはJimmy Chouxの母CierzoとMore Joyousの母Sunday Joyが上がりました。どちらも近いうちにもう一頭活躍馬を出せば受賞できるんじゃないですかね。Jimmy Chouxが勝ちまくったらCierzoはそれだけでもいけそうです。

NZTR Media Award: Mike Dillon

NZ Heraldの記者らしいです。

NZTR Jockey of the Year: James McDonald

ここからは投票で決まっています。満票は44票。
James McDonaldは42票を獲得。まだ19歳の若手ながら昨シーズンは騎乗機会923回で207勝、2着が157回と圧倒的な成績を残しました。重賞とリステッドは合わせて14勝。
ファイナリストにはLisa Allpress、Opie Bosson、Jonathan Riddellとリーディング上位がエントリーされましたが、1票も入りませんでした。2票は棄権かな。

NZTR Jumps Jockey of the Year: Richard Cully

もっとも票が割れた部門でRicahrd Cullyが22票、Isaac Luptonが17票、Shelley Houstonが5票でした。Richard Cullyはシーズン最多勝でしたが、重賞やリステッドは未勝利に終わっています。一方Isaac Luptonは重賞リステッドを3勝し、獲得賞金では首位というあたりでどっちを重視するかですね。

McBeath Apprentice Award: James McDonald

えぇ、James McDonaldは見習扱いでした。成績がぶっちぎりなので投票するまでもなく、そもそも候補がJames McDonald一人だけ。

NZTR Dunstan Trainer of the Year: Michael Pitman

26票を獲得。シーズン105勝と2位のJohn Sargentに30勝もの差をつけていました。重賞級でも勝ってますし。賞金はJimmy Chouxを管理するJohn Bary先生がチートです。

NZTR Owner of the Year: Chouxmaani Investments Ltd

31票獲得。活躍していたのはJimmy Chouxくらいだと思いますが、シドニー遠征でも勝ちましたし十分でしょう。

New Zealand Bloodstock Filly of the Year: King's Rose

1000 Guineas馬King's RoseがOaks馬Midnight Oilを相手にせず獲得。一発屋だと候補にすら入れて貰えません。

NZTR Champion Jumper: Hypnotize

40票を獲得。11歳のシーズンはGreat Northern Staple Chaseなど2勝。Prestage Jump Raceを2勝したのは他にMr. Alignがいますが、勝ったレースの格が違いますかね。

NZTR Champion Two-Year-Old: Anabandana

満票獲得。G1を2つとも持っていったらそうなるよね。

NZTR Champion Three-Year-Old: Jimmy Choux

満票獲得。当たり前。

NZTR Champion Sprinter: Mufhasa

満票獲得。1500mまでが対象。3つあるG1のうち2つ持っていったし、Telegragh H勝ったしと。

NZTR Champion Middle Distance Horse: Wall Street

42票獲得。2100mまでが対象。1600mと2000mで勝負と言ったところ。G1を2勝し2着が3回。2着の内2回は1400mのレースで対象外となりますが、とにかく安定していました。ただ、2度のオーストラリア遠征の結果は散々なものに終わりましたし、先週のChallenge Sがさっぱりダメと今年は不安。もう7歳なんですよねえ。

NZTR Champion Stayer: Showcause

28票獲得。今やG3にまで落ちたNew Zealand Cup勝ち。他に2400mで重賞を2勝したのが評価されたか。次点が13票でHarris Tweed。勝ったのはListedだけだが、Caulfield Cupを2着、Melbourne Cupを5着と健闘したことが評価されたかな。逆にTitchとかAuckland Cupで勝っただけですしというところはあるのか。まあNew Zealand Cup2着のAuckland Cup勝ちで3票しかもらってないのはちとかわいそうだが、ステイヤーっぽくないよねといわれたらそうなのかもしれん。

Award for outstanding contribution to racing: Dr. Brian Goulden

獣医学分野で馬の健康や福祉そして研究を進めた事に対する特別表彰。

NZTR Horse of the Year: Jimmy Choux

36票を獲得したJimmy Chouxが年度代表馬に選出されました。次点はWall Streetで8票を獲得。昨シーズンのJimmy Chouxの瑕疵はLevin Classicでの失態だけでしょうけど、それだけでWall Streetに8票も持って行かれるか。
ニュージーランドの重賞スケジュールの構造的な問題として、NZ Derbyを勝ったあと古馬相手に決戦となるようなG1が存在しない事があるのではないかな。どうせオーストラリアに遠征するだろうから作っても無駄かも知れないけれど、Jimmy ChouxはWall Streetと直接対決をしていません。Challenge Sが初顔合わせでした。
反面、シーズン開いてからKelt Capitalまで一気に行くニュージーランドのスケジュールはそれはそれで面白かったものですが、賞金減額で平凡なG1になってしまったしなあ。