ロシア競馬が面白すぎて

私が北米競馬で好きなのはLane's EndとA.P. Indyってことはすでにばれているかと思います。そういう馬が溢れているロシア競馬は出馬表を見るだけでも楽しいのですよ。去年一年間追いかけてみたので今年はちょっと余裕を持って見ることが出来るのが大きいのかも知れません。
そういったところで金曜のKazanは格別でした。いつもチェックしているサイトはMoscowの結果を一日ほったらかしにしますが、なぜかKazanの結果はほぼリアルタイムに更新されます。発走時刻から10分後くらいでもう確定結果で出てくるんですよね。

6/3 Kazan

さて、金曜のRacemeeting No.6とされた開催がいろいろ面白かったので、まずどんなレースがあったのかを順に紹介します。ロシア語では個別にレース名が与えられているようなのですが、Listedですらないのでレースナンバーが振られているだけでした。

ナンバーが飛んでいるのは間でサラブレッド以外のレースをやってたかジャンプレースをやってたかのどちらかでしょう。出走時刻もそんな感じですし。

No.22 - Lemon Shot

ほら、Lemon Drop Kid産駒が勝つし。前走はKazan Debut SでLemon Love Kidの2着でした。2戦目にして初勝利。Lemon Drop Kid×Soviet Star×Raja Baba×Close Controlという素敵な血統。今年のロシアでは既にLemon Drop Kidの2歳馬が3頭勝ち上がりということになりました。ホントどうなってんのよ。
2着にはInvasor産駒のKentucky Koin。またしてもAktay KSK g.Kazan所有馬のワンツーという形になっています。
3着にはMineshaft産駒が入って、上位は北米産馬。あとはロシア産馬Storm Rachが最下位で終わり。Friend's Lake産駒のFobosがエントリーしていましたがスクラッチしています。

No.24 - Korol

ロシア産限定競走なのだが1位入線は父Afleet Alexの北米産馬。で、よく見たらKorolは馬番が0になっていて、賞金も配分されないっぽく。何やってるんでしょ。24日のPresident Of The Russian Federation Sに登録しているのでそのプレップとして出走したのだと思いますが、こいつ4歳馬なんですよね。距離同じなんだから次のレースに出ればいいじゃないかと。Sunshine Lemonと当たるのを嫌がったのかも知れないが、なんとういう公開調教か。
レース的には勝ち馬は2位入線のBerserk。去年の終わりから国外産馬を相手に回して重賞を3連勝中、South Of Russia Derbyの勝ち馬です。こちらもPresident Of The Russian Federation Sにエントリーがあり、そこでG1初挑戦を迎えることになります。これまでRostovでしか出走していなかったのでKazanで一度使ってから本番といったところでしょう。Korol程度に1秒程度の差をつけられたのはちと痛い。3着以下には2秒以上の差をつけて全く相手にしていませんが、北米産のトップ相手となると分が悪いかなあ。それでも現時点のエントリーでロシア産馬として出走可能ラインを越えているのはBerserkだけですね。ロシア産馬の登録自体が2頭しかないんですけど。

No.25 - Sunshine Lemon

ロシア語の方のレース名を見るにロシア北方艦隊名誉賞とでも訳すのかな。Google先生はPrize in Honor of the Russian Northern Fleetとしてくれました。名誉賞の部分は3つの2歳戦以外の3レースに共通する部分ですんで、何かの定訳的なものがあるかも知れません。
2着Mamlyuk Bekを2秒以上ぶっちぎる酷いSunshine Lemonの公開調教でした。しかも勝ち時計を見るに全く本気で走ってないですね。No.24のKorolの方が時計自体は速い。一緒に走ってたらちょっと面白かったのではないかと思われるだけに勿体ないです。
ところでこのレースは北米産馬ばかり5頭が出走しましたが、父がLemon Drop Kid、Malibu Moon、Mineshaft、一つ飛ばしてPurgeと大変な事になっております。

No.27 - Cherny Prince

Cherny Princeの血統はSingspiel×Gone West×Seattle Song×Too Bald。これで3連勝としてKazan City Sに向かう。これと同条件のConditions Raceで賞金が100万ルーブルなら美味しいですワナ。他のエントリー馬はMinedream、Axeos、Street Boy、Terz、Max Ottoとかが見えているので相当濃いメンバーになりそうかなあ。

Next Stage

Kazanの次の開催はPresident Of The Russian Federation Sを行う24日となっています。メインレースの出走馬をざっと見て、上位馬を軽く紹介。

Baletmeister: Pulpit - Cullberg Ballet by Sadler's Wells

北米産。通算8戦6勝。4歳牡馬。Yagudin S.G.所有。
先週のNureyev Sを勝ってKazanでは6戦無敗。今年初戦は2000mのListed戦でKarolにアタマ差の勝利だった。

Palander: Dynaformer - Invending Paradise by Mr. Prospector

北米産。通算18戦9勝。6歳牡馬。Volgogradskiy Stud Farm所有。
前走はRostovのElite Sを勝利。3歳時はデビューから3連勝でPyatigorsk Derbyを勝ち、MoscowのRussian Derbyを2着、その後Pyatigorsk開催のPresident Of The Russian Federation Sを勝って頂点を極めた。古馬となってからはやや平凡な戦績に落ち着いている。去年はRussian Ministry Of Agriculture SでStatic Memoryを下し、GudermesのChechen Republic Day Sでも空気を読まずにKhoresmを2着に沈め、Kadyrovの所有馬に対して強いところがある。

Khoresm: Hawk Wing - Kiss Me Quick

アイルランド産。通算13戦6勝。5歳牡馬。Kadyrov R.A.所有。
Rostovで開催された去年のこのレースの勝ち馬。その後Gudermesで3戦するも勝ちきれずStatic Memoryとのアトサキも3戦で2敗と分が悪かった。今年初戦はPyatigorskのTagor Sでこれを勝っての参戦という形になる。

Sunshine Lemon: Lemon Drop Kid - Awesome Strike by Theatrical

北米産。通算成績は不明。7歳牡馬。Averin Viktor所有。
2008年からの結果しか追えないため3歳までのキャリアが不明ながら、Russian Derbyを2着という結果が確認できる。このレースは2年連続で2着に入っている。Kazanを拠点とするようになり戦績が安定し、Kazanでは7戦6勝という強さを見せる。2009年にTatarstan President Sを勝ち、2010年は2着。長く活躍して高額賞金レースで結果を残すので、現在ロシア競馬の賞金王となっている模様。
今年はKazanのConditions Raceで2戦してどちらも快勝。本番への準備は万全と見える。

Close Alliance: Gone West - Shoogle by A.P. Indy

北米産。通算6戦4勝。5歳牡馬。Stud Farm 711所有。
去年のPresident Of Tatarstan Republic SではSunshine Lemonを下している。前走はNureyev Sで2着。

Art Master: Peintre Celebre - Eurolinka by Tirol

イギリス産。ロシア通算9戦6勝。6歳牡馬。Dynamo Equestrian Club所有。
2歳のときはイギリス調教で5戦2勝。ロシア移籍初戦のTatarstan Derbyから6連勝していたが、去年のこのレースで3着となり連勝は止まっている。今年初戦はRostovのConditions Raceで3着だった。

Joker: High Chaparral - White Thunder by Thunder Gulch

アイルランド産。6戦3勝。4歳牡馬。Kadyrov R.A.所有。
Pyatigorsk Derby、Champion's Cupを連勝するなどPyatigorskで活躍している。日曜のAthens Wood Sにエントリーしている。