JCについて考えてみた

誤った認識をベースにした議論には意味がない。

1.賞金増額

何を措いてもやらねばならぬ。
レースの格、ステータスとは言っても、それを担保するものの中にレースの賞金額がある。これは各地のレースが賞金増額に腐心していることからも明らかである。フランスは凱旋門賞に対してカタールのスポンサードを実現し、芝のレースとしては最高の400万ユーロの総賞金を掲げることになった。また、イギリスでもBetfairのスポンサーシップを巡ってAscotとEpsomの綱引きがあり、結果AscotがBetfairの資金を獲得して、キングジョージの総賞金を100万ポンドにすることに成功した。斯様に賞金額の多寡がレースの価値を決める側面は否定できないため、主催者はスポンサーの確保に躍起になっている。賞金の高いレースにはレベルの高い馬が集まり、そのレースを勝つことの価値が高まるのである。DubaiはSheema Classic、Duty Freeがともに500万ドル、BC Turfは300万ドル、Canadian Internationalは200万カナダドル、King Georgeは100万ポンドの賞金額を用意している。Hong Kong Cupも2000万香港ドルであり、米ドル換算で250万ドル程度となる。
ニュージーランドにおけるKelt Capitalの成功例も参考になるだろう。Sam Keltがこのレースのスポンサーについた18年前にはまだGIIIでしかなかったレースが今ではニュージーランドのシーズン開幕後の最強馬決定戦として知られている。彼は来年このレースの賞金を300万NZドルに増額する。
オーストラリアにおいても主要なレースは軒並み高額賞金を掲げ、Caulfield Cupが250万豪ドル、Cox Plateが310万豪ドル、Melbourne Cが500万豪ドル、The BMWとDoncaster Hが225万豪ドルといった具合である。
ジャパンカップの25000万円という賞金も決してこれらに対して見劣りするものではないが、ここはやはり他の追随を許さない賞金額を掲げるべきだろう。ターゲットとしては凱旋門賞の400万ユーロを超えることが第一だが、ここはやはりDubai World Cupをも超える世界最高賞金という話題を作りに行くべきかと考える。為替レートの影響も受けるためやや余裕を見てキリの良いところで現在の3倍となる75000万などはどうだろうか。
無論、資金が突然湧いて出るということはないため、その資金は何らかの手段で調達しなければならない。

2.レーススポンサーの導入

昨今の各国トップレースの賞金高額化を実現しているのはスポンサーの資金であるから、ジャパンカップにもレースのスポンサーを導入することが当然の選択である。如何にJRAが厖大な馬券売り上げを誇ろうとも、それを原資とする賞金の規模ではこうした国際レースを維持することが困難になっているという認識は必要であろう。
香港はCathay Pacific、シンガポールはSingapore Airline、ドバイはEmiratesということで、JRAにはJALなりANAなりを狙っていただきたいところ。

3.出走馬の選定

日本は地理的に孤立している。この事実は否定されない。そうであるならば、招待制度を完全に無くしてしまうことは問題が多いと考える。しかし、賞金を増額することで出走馬を募る方策をとるならば多少の改善も必要だろう。具体的には一定のレートを上回った場合のみ招待とするか、レースで例えば8着以内に入った場合に渡航費用をJRAが負担するといった形の招待になるかなどが考えられる。また、招待枠を減らす事も一考に入れて良い。その際は招待馬については出走を保障し、招待されなかった馬については日本馬と同じ登録によって出走順位を決定することは考えられなければならない。その場合の基準はレートに統一されるべきであろう。来日日程の都合があるが、GIの事前登録が終了した段階で、つまりレースの2週間前の段階で補欠馬まで含めて出走馬を選出してやれば済むのではないか。除外された馬なら香港にでも行ってもらえば良い、また、出走できなくても来日している馬に対して適当な重賞を用意する必要があるかもしれないし、それは帯同馬を連れてくる場合にも有用であろう。

4.有馬記念の廃止

国内調教馬のジャパンカップへの出走を促すために有馬記念は廃止すればよい。3歳馬が天秤に掛けるのもジャパンカップの後にもう一つ大きなレースが控えているからである。日本における古馬のレースはジャパンカップによってほぼシーズンが終了するという形を作らねばならない。そのことによってジャパンカップこそが日本における最高最大のレースであることを内外にはっきりと知らしめす必要がある。
ん?実現の可能性ですと?無粋なことを。ここのタイトルは「DREAM SCHEME」であるのだよ。
それにしても手癖でやれる仕事ばかりしていると妄想が捗っていかんな。