Breeders' Cup Classic: G1 Del Mar Dirt 10F

調教国で見れば1993年のArcangues(フランス)と2008年のRaven's Pass(イギリス)、産国で見れば1991年のBlack Tie Affair(アイルランド)と2006年のInvasor(アルゼンチン)という限られた事例を除いて勝ち馬は調教国も産国もアメリカというのがBreeders' Cup Classicというレース。

2008年と2009年は開催を担ったSanta Anitaが当時プロライドという素材を用いたオールウェザートラックとなっていた。特に初めてオールウェザートラックでの施行となった2008年には、ダート経験がないRaven's PassとHenrythenavigatorが、前年から1年間北米最強の座を守り抜いていたCurlinを葬ったことで物議を醸したこともある。結果的にBreeders' Cupがオールウェザートラックで開催されたのはこの2年のみであり、Santa AnitaとDel Marはメイントラックをダートに戻し、オールウェザートラックは脇役の存在となった。

今年はAidan O'Brien厩舎のCity Of Troyがモーニングラインの一番人気となった。Galileo以降コンスタントに所属馬を送り込んでいたO'Brien調教師だが、今回は2017年のMendelssohn以来となる出走である。果たして悲願の初勝利となるのかどうか。

迎え撃つ北米3歳馬も強力でKentucky Derbyの大敗で三冠には縁がなかったもののTravers Sで世代最強の座を手にしたFierceness、脚質ゆえに勝ち切れないが能力の高さは疑いないSierra Leoneが待ち受ける。また、Kentucky Derbyで3着だったForever Youngも日本でジャパンダートクラシックを勝って再度アメリカに遠征してきている。

古馬勢はやや小粒で、古馬路線のG1馬はいずれも勝ったり負けたりという状況でJockey Club Gold CupとPacific ClassicはどちらもG1初勝利のHighland FallsとMixtoで、Santa AnitaのCalifornia Crownを勝ったSubsanadorはBC自体に出てこなかった。他のG1勝ちはSaudi CupのSenor Buscador、Whitney SのArthur's Ride、Santa Anita HのNewgateが出てくるがいずれもその1戦のみ輝くような状態で、Senor Buscadorがまだマシ程度のレベル。なのでクレーミングレースから成りあがってきたNextが人気になるような状況である。

日本からの遠征馬で去年2着のDerma Sotogakeはあまり順調と言えない臨戦である。一方同じ日本からの遠征馬Ushba Tesoroは7歳になるが順調な臨戦と言える。しかしRiyadhとMeydanでは後ろから差される展開になっており、今回だとSierra LeoneやForever Youngのように末脚がある有力馬がいるのは不利か。

Forever Young: Real Steel - Forever Darling by Congrats

日本産馬、Yoshito Yahagi厩舎、Ryusei Sakai騎乗。

去年、3戦全勝で日本の2歳ダートチャンピオン。今年の前半はKentucky Derbyを最大目標に中東に遠征し、G3 Saudi DerbyとG2 UAE Derbyを勝利した。無敗のままG1 Kentucky Derbyに出走すると直線では従弟のSierra Leoneと直線で熾烈な争いを繰り広げるが、内を突いていたMystik Danを捕えられずハナ差ハナ差の3着となった。帰国後は間隔を空けて前走のG1ジャパンダートクラシックで復帰すると見事に勝利して再び太平洋を渡った。

三代母Roamin Rachelの良血2-b族。Roamin Rachelの産駒にゼンノロブロイが出る他、母Forever Darlingの半妹がG1 Alcibiades Sを勝ったHeavenly Love、そのHeavenly Loveの産駒がSierra Leoneである。

Highland Falls: Curlin - Round Pond by Awesome Again

アメリカ産馬、Brad Cox厩舎、Luis Saez騎乗。

今年本格化した4歳馬。G1 Santa Anita Hでは4着だったが、その後はG2 Oaklawn Hを2着、G3 Blame S勝ち、G3 Monmouth Cupを2着ときて前走のG1 Jockey Club Gold CupでG1初勝利となった。

母Round PondはG1 2勝、BC Distaff勝ちの名牝である。三代母Coral Danceの産駒にBlack Minnaloushe、自身の半兄にLong River、甥にSpeaker's CornerとG1馬が出ており活気のあるファミリーである。CurlinAwesome AgainMr. ProspectorDeputy Ministerがクロスする本格派。

City Of Troy: Justify - Together Forever by Galileo

アメリカ産馬、Aidan P. O'Brien厩舎、Ryan Moore騎乗。

ここまで負けたのは今年初戦だったG1 2000 Guineasの9着のみ。去年の2歳王者にしてDerby馬。G1 Derby後は古馬相手のG1 Eclipse Sも勝ってその能力への疑念を完全に晴らすとG1 International Sでは自ら先頭に立ってレースを作る快勝。

現3歳最強は間違いないところで、Galileo以来のバリードイルの悲願を果たしてくれるかどうか。ダートへの対応そのものは見ているだろうが、レースとなるとまた別のところはあろうしSaratogaででも走っていればなどとも思うものの、それはそれでDylan Thomasがという話である。

母系は9-e族の欧州牝系でCigar Maidからはアメリカだが芝志向が強く、その代表格に自らは1000 Guineasを勝って2000 Guineas馬Haafhdを産んだAl Bahathriがいる。祖母Green Roomは優れた繁殖牝馬でTogether Forever以外にもForever Together、Lord ShanakillというG1馬を出した。Galileoを父とするTogether ForeverとForever Togetherの姉妹のみならずSpeightstown産駒のLord ShanakillをフランスでG1馬にしてしまうほどのファミリーである。

Justifyはトランスアトランティックに活躍馬を出しているが、City Of Troyを除いたとしても最上位の産駒は欧州芝に向いた特徴を持っているとは思われる。

Mixto: Good Magic - Musical Mystery by Concerto

アメリカ産馬、Doug F. O'Neill厩舎、Kyle Frey騎乗。

Del Mar開催の今年は同条件となるG1 Pacific Classicの勝ち馬。それまでは未勝利勝ちでG2の2着までという実績からフロック視されるが、2番手から直線に向いて沈みそうなところを巻き返して逃げたFull Serranoを差し切ったのは評価してよい。

Senor Buscador: Mineshaft - Rose's Desert by Desert God

アメリカ産馬、Todd Fincher厩舎、Joel Rosario騎乗。

去年のBC Classicは7着。今年は初戦からG1 Pegasus World Cupを2着、G1 Saudi Cupを勝ち、G1 Dubai World Cupが3着と好成績を残した。北米ではG2 Pat O'Brien Sの4着で復帰し、前走はG1 California Crown Sを5着。追い込み馬なので展開が向くのを待たねばならないが、現状はそれでも厳しいか。

Derma Sotogake: Mind Your Biscuits - Amour Poesie by Neo Universe

日本産馬、Hidetaka Otonashi厩舎、Christophe Lemaire騎乗。

去年の2着馬だが今年は苦戦している。中東遠征ではG1 Saudi Cupを5着からG1 Dubai World Cupを6着、休養明けの前走は船橋のG2 日本テレビ盃を5着というもの。去年のような状態にないという判断をするか、去年走れなかった日本テレビ盃を走れただけましという判断をするか難しいところではある。

Ushba Tesoro: Orfevre - Millefeui Attach by King Kamehameha

日本産馬、Noboru Takagi厩舎、Yuga Kawada騎乗。

去年は大活躍でG1川崎記念勝ちをステップにドバイに遠征してG1 Dubai World Cupを勝った。その後G2日本テレビ盃勝ちから次はSanta Anitaに遠征するとBC Classicを5着、帰国してG1東京大賞典を勝った。

今年はサウジから中東遠征しG1 Saudi Cup、G1 Dubai World Cupをともに2着。日本に戻ると去年と同じくG2日本テレビ盃をステップにBCに遠征した。今年は3戦全て2着となっている。中東の2戦では自身からさらに後ろから来た勝ち馬に差し切られており、前走は逃げたウィリアムバローズを捕まえられなかった。

9-fの大族Bourtai分岐の主力となるBayouのファミリーに属しているが近親ではボールドブライアンが出る程度。

Pyrenees: Into Mischief - Our Khrysty by Newfoundland

アメリカ産馬、Cherie DeVaux厩舎、Brian Hernandez Jr.騎乗。

G1 Jockey Club Gold Cupの2着馬で、G3 Pimlico Specialを勝っている4歳馬。

母父Newfoundlandでおやっと思ったら、G1 Del Mer Debutanteを勝ったGrace Adlerの半弟でやっぱりそこかとなった。母の半兄がBullsbayで13-c族のShotover分岐だけどBoussacの手に渡らずフランスの影響を受けていないライン。CurlinMr. ProspectorDeputy Ministerを押さえていた姉と比べるとStorm CatクロスだけでシンプルなのがPyrenees。

Fierceness: City Of Light - Nonna Bella by Stay Thirsty

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、John Velazquez騎乗。

去年の2歳チャンピオンでG1 Florida Derby勝ちからの臨戦で一番人気に支持されたG1 Kentucky Derbyでは15着に沈んだが、G2 Jim Dandy Sで復帰戦を勝利するとG1 好メンバーのTravers Sを勝ち切って、北米の3歳トップの立場を手にしている。Kentucky Derbyはかなり特殊な展開にのまれたところはあり、これを無かったことにするとほぼ文句のない結果で、対古馬をやっていないことくらいになる。

A.G. Vanderbilt IIのNow Whatの20号族のうちNow And Againに分かれる分岐で伯父にOutworkが出ている。Miesqueなどのファミリーとは同族であちらはSea-ChangeでVanderbiltの手から離れた分岐である。

Tapit Trice: Tapit - Danzatrice by Dunkirk

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

前走G2 Woodward Sを勝った4歳馬。G1 Jockey Club Gold Cupでは4着だった。3歳ではKentucky Derbyで2番人気に支持されるほどの期待馬だったが、本番で7着に終わると、G1 Haskell Sが5着、G1 Travers Sが3着と少し期待を外したまま3歳のシーズンを終えた。今年はG3 Monmouth Cupを勝っているがその後は上記の通りである。

叔母にBC Juvenile Filliesを勝ったJaywalkが出ており、Cross TrafficがDunkirkに変わってTapitとなればA.P. IndyUnbridledのクロスでシンプルな好配合である。

Sierra Leone: Gun Runner - Heavenly Love by Malibu Moon

アメリカ産馬、Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

G1 Kentucky Derbyを2着の3歳馬。その後G1 Belmont Sを3着から、G2 Jim Dandy Sを2着、G1 Travers Sを3着と、この2戦はFiercenessに及ばない。どのレースも追い込んで届かずということで、結局Kentucky Derby以降のレースは全て同じと言える。レースの距離に関係なく使える末脚が一定といったところか。ペースが壊れるような展開ならチャンスが来るだろうが、それ以外は勝ち切るまでは難しそう。

血統背景はForever Youngとほぼ変わらないが、父がGun Runner、母の父がMalibu Moonとなっていて、よりスピードが強目という印象。

Arthur's Ride: Tapit - Points Of Grace by Point Given

アメリカ産馬、William Mott厩舎、Junior Albarado騎乗。

去年の11月に初勝利を挙げた4歳馬。重賞初挑戦となったG1 Whitney Sを勝ち、前走のG1 Jockey Club Gold Cupは5着。

Newgate: Into Mischief - Majestic Presence by Majestic Warrior

アメリカ産馬、Bob Baffert厩舎、Lanfranfco Dettori騎乗。

去年はG2 Robert B. Lewisを勝ったが、その後ケガでKentucky Derby戦線から離脱していた。復帰したのは4歳の今年でG1 Santa Anita Hの勝ち馬だが、遠征したG1 Dubai World Cupは9着。Santa Anitaの前哨戦G1 California Crown Sを3着。

Santa Anita Hは中東開催が充実している影響が顕著で出走メンバーを集めるのに苦労するようになっている。

Next: Not This Time - Bahia Beach by Awesome Again

アメリカ産馬、William D. Cowans厩舎、Luan Machado騎乗。

中部から東海岸で安定した成績を残す6歳馬。去年のG2 Brooklyn S以来7連勝中だが、ビッグタイトルはそのBrooklyn Sの連覇にとどまる。G1 BC Juvenileに出走した経験があるが、今回はそれ以来のG1出走となった。

2022年にKeenelandのクレーミングレースで62500ドルで取引されているが、この取引後は12戦10勝と下級戦からとはいえ見違える戦績になった。

Breeders' Cup Turf: G1 Del Mar Turf 12F

前走が一番良かったのはEmily Upjohnなのではないかという気にさえなってくるBC Turf。とはいえ2年前と同様Preis Von Europaから参戦してくるRebel's Romanceの安定感は素晴らしい。ここに北米の12FG1を連勝したFar Bridgeと去年の3着馬Shahryarも含めて12Fを得意とする馬同士がしっかり勝負をするレースとなった。

Rousham Park: Harbinger - Reinette Groove by King Kamehameha

日本産馬、Hiroyasu Tanaka厩舎、Christophe Lemaire騎乗。

G1大阪杯の2着馬で前走はG2毎日王冠を10着。

Emily Upjohn: Sea The Stars - Hidden Brief by Barathea

イギリス産馬、John Gosden厩舎、Lanfranco Dettori騎乗。

去年のG1 Coronation Cupを勝って以来勝ち星から遠ざかってはいるもののハイレベル。去年こそ予定していたレースを使えないケースがあったが、今年は牝馬限定戦を中心としているとはいえ安定している。前走はG1 Prix Vermeilleで3着だが、勝ったBluestockingと2着のAventureがそのまま凱旋門賞で1着と2着になり、6着のSparkling PlentyもG1 Prix De L'Operaで3着、7着のSurvieが凱旋門賞7着でBluestockingとの着差はVermeiileと大きく変わらないという非常にレベルの高いレースだった。

12Fが得意であることを考えると今年はG1 Yorkshire OaksとPrix Vermeilleで3着と十分な結果を残しているといえる。

Shahryar: Deep Impact - Dubai Majesty by Essence Of Dubai

日本産馬、Hideaki Fujiwara厩舎、Cristian Demuro騎乗。

6歳になったダービー馬。去年の本レースで3着だが、今年はG1 Dubai Sheema Classicが2着のあとG2札幌記念に出走して5着だけである。能力は高いが何か勝ちきれない。12Fは最も成績が良い距離でありCristian Demuroを確保して準備は万全で、あとはほんの少し良い巡り合わせが欲しいというところ。

Luxembourg: Camelot - Attire by Danehill Dancer

アイルランド産馬、Aidan P. O'Brien厩舎、Ryan Moore騎乗。

5歳となった今年は不本意なシーズンで、RiyadhではG2 Neom Turf Cupでまさかの4着に終わると、Meydanに転戦したG1 Dubai Turf Classicは14着に大敗。欧州に戻ってすぐにG1 Coronation Cupを勝ったが、これが今年唯一の勝利となっており、以後はG1 King GeorgeとG1 Irish Champion Sをともに6着。

それでもこのメンバーならO'Brien厩舎の一番手でRyan Mooreが騎乗するが、期待は薄くなっている。

Jayarebe: Zoffany - Alakhana by Dalakhani

フランス産馬、Brian Meehan厩舎、Sean Levey騎乗。

イギリス調教だがフランスでG2 Prix Dollarを勝った3歳馬。その前にG2 Guilleume D'OrnanoでEconomicsの2着になったこともあって評価を高めている。

Far Bridge: English Channel - Fit Pitcher by Kitten's Joy

アメリカ産馬、Christophe Clement厩舎、Joel Rosario騎乗。

Sword Dancer S、Joe Hirsch Turf Classicとニューヨークの芝G1を連勝してきた4歳馬。去年はG1 Belmont Derbyも勝っていてニューヨークの芝は得意としている。一方でChurchill DownsのG1 Turf Classicは5着で、MonmouthのG2 United Nationsが9着とダメな時はダメである。

English ChannelにKitten's Joyとアメリカの芝向き種牡馬が並び、その奥ではA.P. IndyStorm CatPleasant Colonyが強固な土台となる血統。12Fを走るスタミナに不安はない。

Grand Sonata: Medaglia D'Oro - A. P. Sonata by A.P. Indy

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

Kentucky DownsのG2 Kentucky Turf Cupを勝って参戦する。Sword Dancer SではFar Bridgeの5着で、United Nations Sは2着と、アメリカ芝路線の脇役というところ。

Cabo Spirit: Pioneerof The Nile - Fancy Day by Shamardal

アメリカ産馬、George Papaprodromou厩舎、Abel Cedillo騎乗。

西海岸のプレップであるG2 Turf Championshipの勝ち馬。実績はそれくらいである。

El Encinal: Il Campione - Asediada Emper by Emperor Jones

アルゼンチン産馬、Francisco Garcia厩舎、Armando Ayuso騎乗。

去年アルゼンチンのSan IsidroでG1 Carlos Pellegriniを勝ちBC Turfの出走権を手に入れた。今年アメリカに渡って来たが、前走のG2 Turf Championshipは11着と厳しい結果に終わった。

Wingspan: Dubawi - Hydrangea by Galileo

アイルランド産馬、Aidan P. O'Brien厩舎、Wayne Lordan騎乗。

3歳馬。前走はG1 British Champions Fillies And Maresを2着。前走から中1週でかなり詰まったローテーションとなるがどうか。

Rebel's Romance: Dubawi - Minidress by Street Cry

アイルランド産馬、Charles Appleby厩舎、William Buick騎乗。

去年はG1 Joe Hirsch Turf Classicで4着になるとBCには出走すらしなかったが、今年は充実した結果を残している。2月にはDohaのG3 Amir Trophyでゼッフィーロを下して勝ち、Meydanに転戦するとG1 Sheema Classicでシャフリヤールを下して勝利。香港に出向いて2400mのG1 Champions And Chater Cupを楽勝した。これで遠征を終わると欧州ではG1 King Georgeに出走して3着、前走はドイツに向かってKolnのPreis Von Europaを勝った。

騙馬で凱旋門賞への出走資格がないためかレース選択に癖が強く、Sheema ClassicとKing Georgeくらいしかトップ層とのレースをしていないが、一昨年もドイツでG1を連勝してBC Turfに出走してこれを制したのでこういうタイプなのだろう。

Gold Phoenix: Belardo - Magnifica by Mizzen Mast

アイルランド産馬、Philip D'Amato厩舎、Kyle Frey騎乗。

西海岸からのチャレンジャーでG2 Charles WhittinghamとG2 Del Mar Hの勝ち馬。芝11FのDel Mar Hは4歳での重賞初勝利から三連覇しており、距離には自信を持っている方なのだが、G1勝ちはマイルのFrank E. Kilroe Mileである。去年のBC Turfは4着だった。

9-e族でCigar MaidからChain Storeに流れるCity Of Troyの同族。近親には北米芝のG1馬で、ブラジルで種牡馬となったBoatmanが出ている。こういう芝の活躍馬を出す牝系である。

There Goes Harvard: Will Take Charge - Soul Crusader by Fusaichi Pegasus

アメリカ産馬、Michael W. McCarthy厩舎、John Velazquez騎乗。

2022年のG1 Hollywood Gold Cupを勝っていて、去年のG1 Santa Anita Hで5着のあと長期休養し、復帰したら芝戦を走るようになっていた。その芝での成績は前走となるG2 Turf Championshipで2着がやっと。なお、その前はDel MarのダートでG1 Pacific Classicに出走して5着であった。

Breeders' Cup Distaff: G1 Del Mar Dirt 9F

Travers SでFiercenessと接戦を演じたThorpedo Annaが抜けている。ここに対抗する古馬からはRaging Seaが出てきており、ニューヨークの牝馬路線を制してきた。また、日本調教馬の2頭のうちAwesome Resultは無敗で前走のブリーダーズゴールドカップを勝っており注目の一頭となっている。

Candied: Candy Ride - Toni Tools by Roaring Fever

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

去年BC Juvenile Filliesで3着の3歳馬。今年はMonmouth ParkのListed Lady's Secret Sを勝ったもののG1では勝ちきれず、CCA OaksとAlabama Sを2着し、前走のSpinster Sは3着。CCA OaksではThorpedo Annaに力の差を見せつけられ、Spinster SではIdiomaticに千切り捨てられており分が悪い。

Thorpedo Anna: Fast Anna - Sataves by Uncle Mo

アメリカ産馬、Kenneth McPeek厩舎、Brian Hernandez Jr.騎乗。

Classicに向かっても勝負になったと思われ、圧倒的な人気を集める3歳馬。

2歳シーズンに2勝を挙げ、G2 Golden Rod Sで2着という結果を残していたが、3歳になるとG3 Fantasy S勝ちからG1 Kentucky Oaksを制した。そこからAcorn S、CCA Oaksと同世代牝馬相手のG1を連勝して敵なしとなり、牡馬相手のG1 Travers Sにも挑戦してFiercenessを追い詰めたが2着だった。前走は3歳牝馬限定のG1 Cotillion Sで直線で先頭に立った後Gun Songに食い下がられるのを押さえ切っての勝利。

2-d Cosmahの末裔で祖母Pacific Skyの兄弟にBalmontやEskendereyaが出る。

父Fast Annaは10歳で亡くなっており、Thorpedo Annaが唯一のG1勝ち産駒である。

Batucada: Union Rags - Lady Pamela by Tapit

アメリカ産馬、Saffie Joseph Jr.厩舎、Ricardo Santana Jr.騎乗。

今年6月にブラックタイプ勝ちを果たした4歳馬。重賞レベルで苦労していたが、前走のG2 Beldame Sで2着。

Alice Verite: Kizuna -- Lumiere Verite by Cozzene

日本産馬、Kazuya Nakatake厩舎、Kyle Frey騎乗。

G3マーメイドSの勝ち馬で、前走はG3新潟記念を10着。ダート経験なしでBC Distaffということになりどーすんだこれ感ある。

叔父にロシアのKazanでG1 Tatarstan Derbyを勝ったPlay Crownが出ている。

Sugar Fish: Accelerate - Madeira Park by Langfuhr

アメリカ産馬、Jeff Mullins厩舎、Tyler Baze騎乗。

西海岸の前哨戦G2 Zenyatta Sの勝ち馬。3歳馬で6月にG2 Summertime Oaksが重賞初勝利。

Raging Sea: Curlin - Stormy Welcome by Storm Cat

アメリカ産馬、Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

去年G3を勝っており、今年は5戦4勝でG1 Personal Ensign Sを勝った古馬の一番手。G1 Ogden Phipps Sの4着が唯一の敗戦である。この時はIdiomatic、Randomized、Pretty Mischievousとメンバーが揃っていたが、G1 Personal Ensign SではIdiomaticやRandomizedを逆転して見せた。後ろからの競馬だが早めに先頭に立つタイプである。

Honor D Lady: Honor Code - Complicated by Blame

アメリカ産馬、Saffie Joseph Jr.厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

G2 Delaware Hの勝ち馬だが、G1レベルだと厳しい。

Miss New York: Good Magic - Luna Vega by Malibu Moon

アメリカ産馬、Jorge Delgado厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

ブラックタイプを2勝で重賞実績はない4歳馬。

Awesome Result: Justify - Blossomed by Deputy Minister

アメリカ産馬、Yasutoshi Ikee厩舎、Yutaka Take騎乗。

日本で7戦全勝。ダート牝馬ということで重賞はG2エンプレス杯とG3ブリーダーズゴールドカップの2勝にとどまるが、この二つの重賞はかつてMarche LorraineがBC Distaffを勝った年の勝ち鞍と共通するものであるし、あの時も舞台はDel Marであった。ましてや前走のブリーダーズゴールドカップは5馬身差をつけている。そのあたりさぞかし気にかかるものと見えて、モーニングラインではThorpedo AnnaとRaging Seaに次ぐ3番手でありRaging Seaとはわずかな差である。

Che Evasora: Greenspring - Thundery Malice by Thunder Gulch

アルゼンチン産馬、Philip D'Amato厩舎、Tiago Pereira騎乗。

アルゼンチンのPalermoで行われたG1 Criadoresを勝ってBC Distaffへの出走権を得た。前走はG2 Zenyatta Sを選んで5着。

Breeders' Cup Turf Sprint: G1 Del Mar Turf 5F

欧州の5Fランナーが集まってきているが、最上位のBradsellを信用しきれず、アメリカ勢としてCogburnが一番人気を背負う。

Believing: Mehmas - Misfortune by Kodiac

アイルランド産馬、George Boughey厩舎、Ryan Moore騎乗。

ここ3戦はBradsellに負け続けでG1 Nunthorpe SとG1 Flying Five Sが2着でG1 Abbayeが3着。

Motorious: Muhaarar - Squash by Pastoral Pursuits

イギリス産馬、Philip D'Amato厩舎、Antonio Fresu騎乗。

Del MarのG2 Green Flash Hの勝ち馬で、去年と同じ臨戦。

Arzak: Not This Time - Delightful Melody by Tapit

アメリカ産馬、Michael Trambetta厩舎、Joel Rosario騎乗。

KeenelandのG2 Shakertown S勝ち。前走はG2 Woodford Sで3着。G1 Jaipur SでCogburnの2着。

Starlust: Zoustar - Beyond Desire by Invincible Spirit

イギリス産馬、Ralph Beckett厩舎、Rossa Ryan騎乗。

イギリスの3歳馬でYorkのListed勝ち。

Ag Bullet: Twirling Candy - Noble Grey by Forestry

アメリカ産馬、Richard Baltas厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

4歳牝馬。KeenelandのG2 Ladies Turf Sprintの勝ち馬で前走はG1 First Lady Sを4着。

Star Of Mystery: Kodiac - Mistrusting by Shamardal

イギリス産馬、Charles Appleby厩舎、William Buick騎乗。

Godolphinの3歳馬。ドバイでG1 Al Quoz Sprintを2着、その後SaratogaでG1 Jaipur SはCogburnの3着、G3 Quick Call Sを勝った。前走はKeeneandのG2 Franklin Sで2着。

Howard Wolowitz: Munnings - Forget Me Not by Uncle Mo

アメリカ産馬、Jose Francisco D'Angelo厩舎、Flavien Prat騎乗。

3歳馬。Kentucky DownsでG1 Franklin-Simpson Sを勝った。

Big Invasion: Declaration Of War - Curls In Place by Curlin

アメリカ産馬、Christophe Clement厩舎、Lanfranco Dettori騎乗。

Cogburn: Not This Time - In A Jif by Saintly Look

アメリカ産馬、Steven Asmussen厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

今年3戦全勝。G1 Jaipur Sの勝ち馬で前走はKentucky DownsのG2 Ainsworth Turf Sprint勝ち。去年までダートスプリントを走っていたが、Lone Starでブラックタイプ、Listedと芝のスプリント戦を駆け上がり、SaratogaのG3 Troy Sを勝った。Kentucky DownsのG2 Ainsworth Turf Sprint Sを5着でBCには出走しなかった。今年はChurchill DownsのG2 Turf Sprint Sで復帰し、G1 Jaipur S、G2 Ainsworth Turf Sprintと三連勝を飾った。

Isivunguvungu: What A Winter - Miss Tweedy by Tiger Ridge

南アフリカ産馬、H. Motion厩舎、Manuel Franco騎乗。

H. Motion厩舎の南アフリカからの移籍馬。南アフリカ時代はG1 2勝。1000mのComputaform Sprintの勝ち馬である。北米移籍初戦となった前走はColonial Downsのブラックタイプ戦を勝利。

Big Evs: Blue Point - Hana Lina by Oasis Dream

アイルランド産馬、Michael Appleby厩舎、Tom Marquand騎乗。

去年はJuvenile Turfを勝った。今年はG1では苦戦しており、King Charles III Sが3着、Nunthorpe Sが8着。

Bradsell: Tasleet - Russian Punch by Archipenko

イギリス産馬、Archie Watson厩舎、Hollie Doyle騎乗。

欧州のトップスプリンター。5F戦が得意で今季3勝でG1 Nunthorpe SとG1 Flying Five Sを勝った。前走はLongchampのG1 Abbayeで2着。

Breeders' Cup Filly And Mare Sprint: G1 Del Mar Dirt 7F

3歳馬でKentucky Oaks後にスプリント路線に目先を変えてきたWays And Meansが人気。また7FはGun Runner産駒が得意とするところで、VahvaとSocietyが続く形。

Frost At Dawn: Frosted - Hawana by War Front

アメリカ産馬、William Knight厩舎、Lanfranco Dettori騎乗。

ドバイのRabbah Bloodstockの持ち馬でドバイをメインとして走っていた。G3 Nad Al Sheba Turf Sprintを勝ったがG1 Al Quoz Sprintが10着、G1 Nunthorpe Sも10着と厳しい成績。前走はKeenelandのG2 Franklin Sを5着。

One Magic Philly: Good Magic - My Philly Girl by Empire Maker

アメリカ産馬、Philip D'Amato厩舎、Antonio Fresu騎乗。

今年デビューした3歳馬で4戦3勝。6.5F戦を3連勝中で前走はG3 Chillingworth S勝ち。

Pleasant: Munnings - Fair Lady by Medaglia D'Oro

アメリカ産馬、Bob Baffert厩舎、Juan Hernandez騎乗。

西海岸のダートスプリンターでキャリア4戦の4歳馬。条件戦までの出走で3勝。

Vahva: Gun Runner - Holiday Soiree by Harlan's Holiday

アメリカ産馬、Cherie DeVaux厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

Gun Runner産駒らしい7Fランナー。今年はG1 Madison Sを2着からG1 Derby City DistaffとG3 Chicago Sを勝ち、G1 Ballerina Hが3着。Ballerina Hはトップハンデでの出走だったこともあるがSocietyに完敗している。

Pandora's Gift: Churchill - Amthaal by Exceed And Excel

アイルランド産馬、Stuart Williams厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

前走はG2 Franklin Sで3着。

Society: Gun Runner - Etiquette by Tapit

アメリカ産馬、Steven Asmussen厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

こちらもVahvaと同じくGun Runner産駒の7Fランナー。去年のFM Sprint4着馬で今年はG3 Chicago SとG1 Ballerina Hに出走。Chicago SではVahvaの3着だったが、前走Ballerina HでVahvaを下した。

Zeitlos: Curlin - Thyme For Roses by Redoute's Choice

アメリカ産馬、Steven Asmussen厩舎、Jose Ortiz騎乗。

今年から上級戦に出てきて8戦6勝。G2 Thoroughbred Club Of America Sを勝った。

Soul Of An Angel: Atreides - Factor One by The Factor

アメリカ産馬、Saffie Joseph Jr.厩舎、Drayden Van Dyke騎乗。

すでにキャリアが40戦に達している5歳馬。今年も9戦しており、G2 Ruffian SとG3 Princess Rooney Sを勝った。出走するレースの距離は多岐にわたるが、7Fや8Fあたりが得意と言える。

Ways And Means: Practical Joke - Strong Incentive by Warrior's Reward

アメリカ産馬、Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

3歳馬。G1 Test Sの勝ち馬で前走のG2 Gallant Bloom Sも勝った。Test Sが2馬身半、Gallant Bloom Sが4馬身差と強い。

半姉はG1 Matriarch Sを勝ったSurge Capacity。父がFlintshireからInto Mischiefに変わってダートでのスピード勝負に向いたタイプになった。

Scylla: Tapit - Close Hatches by First Defence

アメリカ産馬、William Mott厩舎、Mike Smith騎乗。

G3 Shawnee SとG2 Fleur De Lis Sの勝ち馬で前走はBallerina Hで2着。

Breeders’ Cup Juvenile Turf: G1 Del Mar Turf 8F

Woodbineの芝G1 Summer SがQatar RacingとGodolphinの遠征馬にワンツーされ、そのままBC Juvenile Turfに転戦してきたということで人気を集め勝ち馬のNew Centuryがモーニングラインの一番人気、2着Al Qudraがそれに続く人気を集めるメンバーとなった。北米馬トップのZulu Kingdomはフランスでデビューした移籍馬である。

Satono Carnaval: Kitasan Black - Realisatrice by Numerous

日本産馬、Noriyuki Hori厩舎、Rachel King騎乗。

2戦2勝でG3函館2歳Sの勝ち馬。新馬戦が1400mを勝ち上がっているので、距離は何とかなりそうか。

Dream On: Not This Time - Mamma Kimbo by Discreet Cat

アメリカ産馬、Mark Casse厩舎、Jose Ortiz騎乗。

4戦1勝。G1 Summer Sの3着馬。

Noble Confessor: Quality Road - Sweeter Than Wine by Noble Mission

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

未勝利。G2 Pilgrim Sは2着。

Al Qudra: No Nay Never - Piece Of Paradise by Holy Roman Emperor

アイルランド産馬、Charles Appleby厩舎、James Doyle騎乗。

6戦2勝。Godolphinの所有で前走からカナダのG1 Summer Sに遠征して2着。

Zulu Kingdom: Ten Sovereigns - Zindziswa by Smart Strike

アイルランド産馬、Chad C. Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

フランスのFabre厩舎所属としてSaint-Cloudでデビューしたが、すぐにChad Brown厩舎に移籍し、ニューヨークでG3 With Anticipation SとG2 Pilgrim Sを連勝。移籍が当たって北米馬のトップとしてこのレースに臨む。

Iron Man Cal: Collected - Joyful Dreams by Kitten's Joy

アメリカ産馬、Philip D'Amato厩舎、Antonio Fresu騎乗。

西海岸で3戦2勝。G3 Zuma Beach Sの勝ち馬。直線でArislasが斜交のあげく、ゴール前でIron Man CalとSabertoothにぶつけるという挙に及んで1位入線から3着に降着した結果繰り上がりでの勝利だった。

Seagulls Eleven: Galileo Gold - Thrilled by Kodiac

アイルランド産馬、Hugo Palmer厩舎、Luis Saez騎乗。

5戦1勝。NewmarketのG2 Superlative Sの2着馬で前走はG1 Dewhurst Sを4着。

Minaret Station: Instilled Regard - Beau Recall by Sir Prancealot

アメリカ産馬、William Walden厩舎、Cristian Torres騎乗。

3戦2勝。KeenelandのG2 Bourbon Sの勝ち馬。人気薄での勝利だったこともあるがケンタッキーの芝戦は評価が上がらない。

The Waco Kid: Mehmas - Catchingsnowflakes by Galileo

アイルランド産馬、Hugo Palmer厩舎、Tom Marquand騎乗。

6戦2勝。NewmaketのG2 Somerville Tattersall Sの勝ち馬。

Mentee: City Of Light - Nonna Bella by Stay Thirsty

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、John Velazquez騎乗。

3戦2勝。G1 Hopeful Sで6着に終わると芝のG3 Futurity Sに出走して勝利。距離がマイルに伸びても良いかはわからない。

New Century: Kameko - Potent Embrace by Street Cry

イギリス産馬、Andrew Balding厩舎、Oisin Murphy騎乗。

イギリス調教馬で5戦3勝。前走からカナダに遠征してG1 Summer Sを勝った。欧州実績はSalisburyでのListed勝ち程度しかないが、Summer Sを勝って北米芝への対応を見せていることで人気になった。

父KamekoはKitten's Joy産駒のG1 2000 Guineas勝ち馬。今年が初年度産駒のデビュー年になっている。

Aomori City: Oasis Dream - Setsuko by Shamardal

フランス産馬、Charles Appleby厩舎、William Buick厩舎。

4戦2勝。Godolphinの2頭のうちBuickはこちらを選んだ。GoodwoodのG2 Vintage Sの勝ち馬で、前走はG1 Irish National Sを4着。

Henri Matisse: Wootton Bassett - Immortal Verse by Pivotal

アイルランド産馬、Aidan P. O'Brien厩舎、Ryan Moore騎乗。

5戦3勝。デビューからG2を連勝して挑んだG1 Irish National Sで2着、その後はLongchampでG1 Jean-Luc Lagardereに出走するも5着で評価を落とした。

母は名マイラーImmortal Verseで半姉にTenebrismやStatuetteが出ている。

Tenacious Leader: Not This Time - Diamonds And Rust by Curlin

アメリカ産馬、Todd A. Pletcher厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

4戦1勝。芝からダートに変更された未勝利戦を勝ち上がり、芝のG3 With Anticipation Sで2着。前走はG1 Breeders' Futurityで6着。

Breeders' Cup Juvenile: G1 Del Mar Dirt 8.5F

各地域のG1馬が集まった好メンバーの一戦。

East Avenue: Medaglia D'Oro - Dance Music by Ghostzapper

アメリカ産馬、Brendan Walsh厩舎、Tyler Gaffalione騎乗。

2戦2勝。KeenelandのG1 Breeders' Futurityでは逃げて後続に5馬身差で圧勝した。

母Dance Musicは未出走で繁殖入りしているが、半弟にCody's Wishがいる1-x族。祖母Dance CardはG1 Gazelle H勝ち。

Getaway Car: Curlin - Surrender Now by Morning Line

アメリカ産馬、Bob Baffert厩舎、Juan Hernandez騎乗。

4戦2勝、G3 Best Pal Sの勝ち馬。G1 Del Mar Futurityが4着からG1 American Pharoah Sは2着。

Hill Road: Quality Road - Exotic Notion by Lemon Drop Kid

アメリカ産馬、Adrian Murray厩舎、Umberto Rispoli騎乗。

イギリス調教馬で2戦1勝。CurraghのG1 Irish National Sで7着。

Ferocious: Flatter - Napier by Midnight Lute

アメリカ産馬、Gustavo Delgado厩舎、Javier Castellano騎乗。

3戦1勝。デビュー戦を勝ちあがるが、G1 Hopeful SとG1 Breeders' Futurityを共に2着。

三代母にWillstarの23-b族で、母Nepierの半妹にG1 Derby City Distaffを勝ったObligatoryが出ている。

Jonathan's Way: Vekoma - Female Drama by Indian Charlie

アメリカ産馬、Philip Bauer厩舎、Joel Rosario騎乗。

オハイオ産で2戦2勝。G3 Iroquois Sの勝ち馬。

父Vekomaは新種牡馬でその父はCandy Ride、G1 Metropolitan Hなどの勝ち馬である。

母系はOn The Railからの4-r族で、三代母Maiden LaneはDynaformerと同血。オハイオ産馬だが、ケンタッキーの種牡馬を使うタイプの繁殖である。

Citizen Bull: Into Mischief - No Joke by Distorted Humor

アメリカ産馬、Bob Baffert厩舎、Martin Garcia騎乗。

3戦2勝。Del MarのG1 Del Mar FuturityではGamingに負けて3着だったが、Santa AnitaのG1 American Pharoah Sを勝ってきた。Getaway Carを相手に安定したリードで逃げ切ったが、3着のMcKinzie StreetとともにDel MarでGamingに負けていたためレースそのものの評価が低い。

Gaming: Game Winner - So Stylish by Johannesburg

アメリカ産馬、Bob Baffert厩舎、Irad Ortiz Jr.騎乗。

Del Marで2戦2勝、G1 Del Mar Futurityの勝ち馬。

父Game Winnerは新種牡馬、その父はCandy Ride。BC Juvenileを含め2歳でG1を3勝し、4戦全勝の記録を残した。3歳になるとG1 Santa Anita Derbyの2着からKentucky Derbyに出走するも5着。その後G3 Los Alamitos Derbyを勝ったが、故障で長期休養となり復帰を目指していたが叶わないまま引退となった。

母系はValiの5-h族で母の半兄にOne Cool Catが出ている。

Shin Believe: Constitution - Sand Puce by Footstepsinthesand

アメリカ産馬、Hideyuki Mori厩舎、Yutaka Take騎乗。

日本調教馬で新潟でダートの新馬戦を勝ち上がって遠征してきた。

母系はアルゼンチンで母Sand PuceはG1こそ勝てなかったものの重賞を9勝の実績馬。6-f族の傍系となるが、近親にPat PuntanoやPower Up、Pulp Fictionが出ている。

Ecoro Azel: Shancelot - Cicada's Song by Twirling Candy

アメリカ産馬、Hideyuki Mori厩舎、Akira Sugawara騎乗。

2戦1勝。ダートの新馬戦を勝ち上がり、続くヤマボウシ賞はアメリカンビキニの5着だった。

父ShancelotはShanghai Bobby産駒の新種牡馬。スプリンターでBC Sprint 2着の実績がある。

Chancer McPatrick: McKinzie - Bernadreamy by Bernardini

アメリカ産馬、Chad Brown厩舎、Flavien Prat騎乗。

東海岸で3戦全勝、G1 Hopeful SとG1 Champagne Sの勝ち馬。後ろからまくってくるタイプで、Gamingと似たレースをすることになるだろう。

父は新種牡馬のMcKinzieでその父はStreet Sense。2歳から5歳まで活躍しG1を3勝している。